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介護に関する資格30選|取得するメリットや注意点について

介護職・ヘルパー資格a year ago

「介護職の資格取得を考えているのだけれど、どのようなものがあるのだろう」
介護職に興味がある方やキャリアアップを検討している方は、このように考えることも多いでしょう。

本記事では介護に関する資格を30種類紹介し、それぞれの受験資格や費用を解説します。挑戦するうえで知っておくべき資格取得のメリットや注意点も説明するので、ぜひ参考にしてください。

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介護に関する資格

介護関係の資格にはさまざまな種類がありますが、本記事では4つのジャンルに分けて紹介します。

  • 基本的な介護の資格
  • 介護福祉士の保有者におすすめの資格
  • 認知症に関する資格
  • 介護業務で役立つ資格

まずは「基本的な介護の資格」の取得を目指しましょう。介護福祉士の資格を取得済みの方は、「介護福祉士の保有者におすすめの資格」「認知症に関する資格」がおすすめです。業務の幅を広げたい方は、「介護業務で役立つ資格」に挑戦してみてください。

基本的な介護の資格

はじめに、介護資格の中で最も代表的な以下の3つの資格について紹介します。

  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護福祉士

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、厚生労働省によって「介護職の入り口」と位置づけられる基礎的な資格の一つです。

130時間の研修で介護職に関する最低限の知識や技術が身に付くため、これから介護職をはじめようとする人におすすめします。

資格を取得するために必要な研修は、各都道府県が指定する養成機関で受講します。研修の受講期間は養成機関や研修の実施頻度によって異なり、1ヵ月〜4ヵ月ほどです。
通信講座を利用して自宅で学ぶこともできますが、実技の研修を伴うため、必ず一定の時間は通学する必要があります。
また、費用も養成機関によって異なりますが、5万円代~8万円代が一般的でしょう。厚生労働省がカリキュラムを定めているため、基本的な内容は同じです。

                 
おすすめの人これから介護職をはじめようとする人
取得方法130時間の研修
取得にかかる費用各養成機関によって異なる

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護士として働きながら介護福祉士を目指す方におすすめの資格です。
厚生労働省によると、介護福祉士実務者研修を取得するためには、450時間の研修を受けなければなりません。主な研修の内容は以下のとおりです。

  • 社会福祉制度(介護保険等)
  • 認知症の理解
  • 医療の知識
  • 障害の理解
  • 介護技術
  • 介護過程
  • たんの吸引、経管栄養 等

引用:厚生労働省

研修方法は各養成機関によって異なりますが、通信制の場合も一部実技の講習においては通学が必要となります。費用の相場は3万円台~5万円台です。

                 
おすすめの人今後、介護福祉士の取得を目指す人
取得方法450時間の研修
取得にかかる費用各養成機関によって異なる

介護福祉士

介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法という法律に基づく国家試験です。法的に認められた資格であるため、資格を保持していると介護業界における就職・転職活動において有利になるでしょう。
なお、介護福祉士には受験資格があるという点に注意してください。受験資格を有するルートは、大きく分けて4つあります。

  • 養成施設ルート
  • 実務経験ルート
  • 福祉系高校ルート
  • 経済連携協定(EPA)ルート

働きながら介護福祉士を目指すルートは「実務経験ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」を進むのが一般的です。実務経験ルートの場合、3年以上の実務経験に加えて介護福祉士実務者研修を取得するか、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修の両資格を取得する必要があります。

また、資格を取得するためには、試験に合格しなければなりません。試験には筆記試験と実技試験があり、どちらも60%程度の正解が合格の基準とされています。

社会福祉振興・試験センターによると、第35回介護福祉士国家試験における受験費用は18,380円でした(2023年5月時点)。費用は年によって変わる可能性があります。

                 
おすすめの人介護職を長く続けていきたい人
取得方法国家試験の合格
取得にかかる費用18,380円(第35回の場合)

介護福祉士の保有者におすすめの資格

介護福祉士になってからも、さまざまな資格を取得することが可能です。ここではキャリアアップにつながるおすすめの資格を4つ紹介します。

認定介護福祉士

認定介護福祉士は介護士のキャリアパスにおける最上位の資格です。介護士として確固たるキャリアを築きたい方は、認定介護福祉士の取得をおすすめします。

認定介護福祉士を取得するには、次の要件を満たさなければなりません。

  • 介護福祉士の資格を取得している
  • 介護福祉士の資格取得後に5年以上の実務を経験している
  • 介護職員を対象とした現任研修において、100時間以上の研修歴がある
  • 研修実施団体のレポート課題や受講試験で一定水準の成績を修めている

取得することで認定介護福祉士の登録証が交付され、認定介護福祉士登録名簿に名前が掲載されます。
また、認定介護福祉士を取得するには以下に記載の全22科目の研修を受けなければなりません。

  • 認定介護福祉士養成研修Ⅰ類(13科目)
  • 認定介護福祉士養成研修Ⅱ類(9科目)

資格の費用は研修実施団体によって異なります。長野県介護福祉士会を例に挙げると、費用(2023年5月時点)は次のとおりです。

  • 会員:357,000円
  • 非会員:609,000万円
                 
おすすめの人介護士として確固たるキャリアを築きたい方
取得方法研修(22科目)の受講
取得にかかる費用研修実施団体によって異なる

喀痰吸引等研修

喀痰(かくたん)吸引等研修は、より幅広い分野で活躍したい介護福祉士におすすめです。取得することで、医療的ケアである以下の行為を実施できるようになります。

  • たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)
  • 経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)

介護福祉士等の有資格者が喀痰吸引等研修を取得するには、登録研修機関で実地研修を受講しなければなりません。
実地研修の費用は登録研修機関や受講する研修のカリキュラムによって異なります。喀痰吸引等研修のカリキュラムは次の3種類です。

ケアの対象者 基本研修 実地研修
第1号研修 不特定多数の方 講義50時間
各行為のシミュレーター演習
すべて
第2号研修 不特定多数の方 講義50時間
各行為のシミュレーター演習
気管カニューレ内吸引と経鼻経管栄養を除く
第3号研修 特定の方 講義及び演習9時間
(※重度訪問介護従事者養成研修と併せて行う場合、20.5時間)
特定の者に対する必要な行為のみ

研修の受講費用は5万円程度から20万程度と幅広く、実施団体によってさまざまです。不特定多数の方を対象とする第1号・第2号研修のほうが、第3号研修に比べて高額になるでしょう。

                 
おすすめの人より幅広い分野で活躍したい人
取得方法登録研修機関で実地研修を受講
取得にかかる費用登録研修機関によって異なる

介護支援専門員

介護支援専門員は「ケアマネジャー」「ケアマネ」などと呼ばれる公的資格で、より深く利用者を支援したい方におすすめの資格です。

介護支援専門員として認定されるためには、次の3つの条件をクリアしなければなりません。

  • 厚生労働省令で定める実務の経験を有する
  • 介護支援専門員実務研修受講試験に合格する
  • 介護支援専門員実務研修を修了する

また、介護支援専門員実務研修受講試験には、一定の受験要件が設けられています。東京都の場合、国家資格に基づく業務や相談援助業務の実務経験が5年以上あり、従事期間が900日以上必要です。

試験にかかる費用は都道府県によって異なります。東京都福祉保健財団によると、 2023年度に東京都で実施された試験は12,400円でした。

                 
おすすめの人より深く利用者を支援したい方
取得方法・厚生労働省令で定める実務の経験を有する
・介護支援専門員実務研修受講試験に合格する
・介護支援専門員実務研修を修了する
取得にかかる費用都道府県によって異なる

認知症に関する資格

厚生労働省によると、超高齢社会の日本では、今後、認知症の方の数が増え続けていくと予想されています(2023年5月時点)。認知症のケアに関する有資格者のニーズも高まっているため、取得しておくと転職で有利に働くでしょう。
認知症に関するおすすめの資格は6つあります。

  • 認知症ケア専門士
  • 認知症介護基礎研修
  • 認知症介護実践者研修
  • 認知症介護実践リーダー研修
  • 認知症ライフパートナー
  • 認知症介助士

認知症ケア専門士

認知症に関連する知識や技能を深めたい方は、認知症ケア専門士の取得がおすすめです。認知症ケア専門士は、一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する資格です。資格を取得することで、認知症患者やその家族に幅広い知識と技能に基づくサービスを提供できるようになります。

認知症ケア専門士を受験するには、試験の実施時点から過去10年間に3年以上の認知症ケア実務経験が必要です。介護福祉士の方でも、認知症ケア実務経験証明書を提出する必要があります。
また、認知症ケア専門士は2つの試験に合格しなければなりません。試験の内容と費用は次のとおりです。

試験の内容 費用
第1次試験概要 WEB試験 1分野3,000円×4分野=12,000円(2023年度の場合)
第2次試験概要 論述試験 8,000円(2023年度の場合)
                 
おすすめの人認知症に関する知識や技能を深めたい方
取得方法試験の合格
取得にかかる費用合計20,000円(2023年度の場合)

認知症介護基礎研修

認知症介護の基本を知りたい方におすすめなのが認知症介護基礎研修です。認知症介護基礎研修は、認知症の介護に関する基礎的な知識を身に付けられます。

なお、厚生労働省は、介護に関わる全ての人の認知症対応力を向上させるため、2024年には、認知症介護基礎研修の受講を義務化させると発表しています。
義務化の対象となるのは、介護保険施設・事業所に勤務し、介護に直接携わる無資格の職員です。医療・福祉関係の資格を有している方や、認知症介護実践者研修などの認知症に関する研修を修了している方は対象外となります。

認知症介護基礎研修を取得するには、2つの講習を受講しなければなりません。

  • 認知症の人の理解と対応の基本
  • 認知症ケアの実践上の留意点

どちらも受講時間は180分ずつです。受講費用は都道府県によって異なりますが、3,000円とするところがほとんどでしょう。
費用は都道府県によって異なります。東京都を例に挙げると、3,000円です。

                 
おすすめの人認知症介護の基本を知りたい方
取得方法eラーニングの受講
取得にかかる費用都道府県によって異なる

認知症介護実践者研修

認知症介護基礎研修よりも実践的な知識や技能を身に付けたい場合、認知症介護実践者研修の取得を目指してみましょう。認知症介護実践者研修を取得すると、介護現場において中心的存在となり、ほかの職員をリードできるようになります。

認知症介護実践者研修を受講するには、一定の要件を満たさなければなりません。東京都の場合、認知症患者に対する2年程度以上の介護経験が必要です。

また、資格を取得するためには、講義や演習、自施設実習などを受講する必要があります。研修期間や研修費用は都道府県によって異なるため、あらかじめ確認しましょう。
東京都を例に挙げると、研修の内容は次のとおりです。

  • 研修内容:講義、演習(6日間)+自施設実習(約2週間)
  • 研修費用:無料
                 
おすすめの人認知症患者に対する実践的な知識や技能を身に付けたい方
取得方法講義や演習、実習など
取得にかかる費用都道府県によって異なる

認知症介護実践リーダー研修

認知症介護実践リーダー研修とは、その名のとおり、取得すると認知症支援のチームリーダーとして活躍できる資格です。住んでいる地域の認知症支援をより向上させたい方に向いています。

認知症介護実践リーダー研修を受ける際には、必ず受講要件を確認しましょう。たとえば、東京都の場合、以下の要件をすべてクリアしなければなりません。

  • 東京都内の介護保険施設や事業所に従事している
  • 認知症介護実践者研修を修了して、1年以上が経過している
  • 認知症患者の介護業務に関して、5年以上従事した経験がある
  • 介護や看護のチームリーダーもしくはそれらの方々を指導する立場にある
  • 地域の事業者連絡会等で、認知症支援の質を向上する立場を担えるもしくはその意欲がある

研修期間や研修費用は都道府県によって異なります。東京都の場合は、次のとおりです。

  • 研修内容:講義、演習(8日間)+他施設実習(5日間)+自施設実習(約4週間)
  • 研修費用:無料
                 
おすすめの人住んでいる地域の認知症支援をより向上させたい方
取得方法講義や演習、実習
取得にかかる費用都道府県によって異なる

認知症ライフパートナー

認知症の方に寄り添いたい、向き合いたいという方におすすめなのが認知症ライフパートナーです。認知症ライフパートナーは、一般社団法人日本認知症コミュニケーション協議会によって認定されます。取得の課程で認知症の人や家族に対するコミュニケーションの仕方、およびアクティビティを活かしたケアプログラムの知識・技術などを身に付けられます。

認知症ライフパートナーは1級から3級に分かれている資格です。3級からはじまり、合格するごとにステップアップできます。

                 
おすすめの人認知症の方に寄り添いたい、向き合いたいという方
取得方法試験の合格
取得にかかる費用・認知症ライフパートナー3級:6,500円
・認知症ライフパートナー2級:10,500円
・認知症ライフパートナー1級:15,000円
(2023年5月時点)

認知症介助士

認知症の適切な対応方法を知りたい方は認知症介助士がおすすめです。認知症介助士の資格試験は、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が実施しています。資格取得を通じて、認知症の人に対する適切なコミュニケーションの仕方や接遇の方法を身に付けられます。

認知症介助士を取得するには40分の検定試験に合格しなければなりません。検定試験の受験料は3,300円(税込)です。

                 
おすすめの人認知症の適切な対応方法を知りたい方
取得方法試験の合格
取得にかかる費用3,300円(税込)(2023年5月時点)

介護業務で役立つ資格

介護職は現場の業務が重要とされています。実際の業務で役立つ資格を持っておけば、スキルアップやキャリアアップに役立つでしょう。

ここでは介護業務で役立つ資格を13種類の資格を紹介します。

  • ガイドヘルパー
  • 難病患者等ホームヘルパー
  • 同行援護従業者養成研修
  • 行動援護従業者養成研修
  • 重度訪問介護従事者
  • 福祉住環境コーディネーター
  • サービス介助士
  • 福祉用具専門相談員
  • レクリエーション介護士
  • 社会福祉士
  • 介護予防運動指導員
  • 介護事務に関する資格
  • 精神保健福祉士

ガイドヘルパー

障がい者と接することが多い方は、ガイドヘルパーの資格を目指してみましょう。ガイドヘルパーは移動支援従事者とも呼ばれ、障がい者や高齢者など移動が困難な人を支援する資格です。

ガイドヘルパーは主に3種類あります。

ガイドヘルパーの種類 ガイドをおこなう相手
同行援護従業者 視覚障がい者
行動援護従業者 知的障がい児者または精神障がい者
全身性障害者ガイドヘルパー 全身性障がい者

ガイドヘルパーの資格は、都道府県が実施する研修の受講などで取得できます。費用や研修の期間は自治体によって異なりますが、一例は次のとおりです。

研修名 研修期間 申し込み条件 受講料
全身性障害者移動支援従業者養成研修課程 3~4日 介護福祉士、ホームヘルパー1級・2級、介護職員初任者研修、介護職員基礎研修、実務者研修の修了者および修了予定者 27,940円(2023年5月時点)
知的障害者移動支援従業者養成研修課程 3~4日 特になし 12,000円(2023年5月時点)
                 
おすすめの人障がい者と接することが多い方
取得方法自治体が実施する研修の受講など
取得にかかる費用自治体によって異なる

難病患者等ホームヘルパー

難病患者等ホームヘルパーとは、難病患者等のニーズに対応するための知識や技能を身に付けていることを証明する資格です。難病患者と接する機会が多い方におすすめします。

難病患者等ホームヘルパーは研修の受講で取得可能です。研修は2種類あり、カリキュラムが異なる点に注意してください。

難病患者等ホームヘルパーの種類 カリキュラム
入門講座 難病の保健・医療・福祉制度
難病入門
難病患者の心理と家族の理解
基礎課程Ⅰ 難病の保健・医療・福祉制度1
難病の基礎知識1
難病患者の心理及び家族の理解
基礎課程Ⅱ 難病の保健・医療・福祉制度2
難病の基礎知識2
難病患者の心理学的援助法
難病に関する介護の事例検討等

受講対象者は実施機関によって異なる可能性がありますが、多くの場合は以下のとおりです。

難病患者等ホームヘルパーの種類 受講対象者
入門講座 ホームヘルパー3級
介護福祉士
基礎課程Ⅰ 介護職員初任者研修課程の修了者又は履修中の者
ホームヘルパー2級
介護福祉士
基礎課程Ⅱ 介護福祉士実務者研修の修了者又は履修中の者
ホームヘルパー1級
介護福祉士

受講を検討する場合、実施機関に確認してみましょう。受講費用も各都道府県や研修機関によって異なります。

                 
おすすめの人難病患者と接する機会が多い方
取得方法研修の受講
取得にかかる費用都道府県や研修によって異なる

同行援護従業者養成研修

同行援護従業者養成研修はガイドヘルパーの一つで、取得することで視覚障がい者の外出をサポートできるようになります。視覚障がい者と接する機会が多い方におすすめです。

同行援護従業者養成研修には2つの種類があります。

  • 一般課程
  • 応用課程

一般課程を修了すると、外出時の介助や視覚情報の補助といった業務への従事が可能です。同行援護のサービスを提供する事業所において、サービス提供責任者を目指す場合は、応用課程を修了しなければなりません。

受講の方法は研修によって異なるため、あらかじめ確認しましょう。基本的に通学で受講することになりますが、研修によっては一部通信形式にも対応しています。費用も研修によって異なりますが、一般的には30,000円〜40,000円前後です。

                 
おすすめの人視覚障がい者と接する機会が多い方
取得方法研修の受講
取得にかかる費用研修によって異なる

行動援護従業者養成研修

行動援護従業者養成研修もガイドヘルパーの一つとされる資格で、知的障がい児者や精神障がい者など強度行動障がいが見られる人を支援できるようになります。

行動援護従業者養成研修は、研修の受講によって取得できます。研修費用は事業者によって異なりますが、一般的に40,000円〜55,000円前後です。申し込み条件も事業者によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。

                 
おすすめの人強度行動障がい者を支援したい方
取得方法研修の受講
取得にかかる費用事業者によって異なる

重度訪問介護従事者

重度訪問介護従事者は重度の肢体不自由、知的障がい、精神障がいなどがある方を支援する資格です。利用者や身内などに重度の障がい者がいる方に向いています。

重度訪問介護従事者の種類は以下の2つです。

重度訪問介護従事者の種類 内容
基礎課程 重度の肢体不自由者に対して入浴や排泄、食事、移動を介護するために基礎的な知識や技術を学ぶ
追加課程 基礎課程の知識や技術をさらに深め、緊急時の対応等を身に付ける

どちらか一方を取得することも、両方同時に研修を受けることもできます。受講料は事業者によって異なりますが、15,000円〜30,000円程度が一般的です。

                 
おすすめの人利用者や身内などに重度の障がい者がいる方
取得方法研修の受講
取得にかかる費用事業者によって異なる

福祉住環境コーディネーター

利用者の暮らしや住環境に関してアドバイスしたい方におすすめの資格が福祉住環境コーディネーターです。福祉住環境コーディネーターの資格を取得すると、高齢者や障がい者にとって快適な住環境を提案できるようになります。

資格を取得するためには、試験に合格しなければなりません。試験は1級から3級まであり、受験方法や受験費用は以下のとおり異なります。

                 
おすすめの人利用者の暮らしや住環境に関してアドバイスしたい方
取得方法<福祉住環境コーディネーター2級・3級>
以下のいずれかの方式を選択
・IBT方式:自宅等で受講する方法
・CBT方式:各地のテストセンターで受講する方法
<福祉住環境コーディネーター1級>
・CBT方式:各地のテストセンターで受講する方法
取得にかかる費用<福祉住環境コーディネーター3級>
・IBT方式:5,500円(税込)
・CBT方式:5,500円+CBT利用料2,200円(税込)
<福祉住環境コーディネーター2級>
・IBT方式:7,700円(税込)
・CBT方式:7,700円+CBT利用料2,200円(税込)
<福祉住環境コーディネーター1級>
・9,900円+CBT利用料2,200円(税込)
(2023年5月時点)

サービス介助士

サービス介助士とはケアフィッターとも呼ばれている資格です。車椅子の介助や視覚障がい者の手引など、介護の業務のみならず日常生活のさまざまな場面で高齢者や障がい者を支えられるようになります。

サービス介助士の資格を取得するには、課題提出と実技教習、検定試験の合格が必要です。課題提出では100問出題され、60点未満になると期限までに再提出しなければなりません。実技教習は6〜7時間相当のオンライン講座と対面形式の教習を受けることになります。

最終的に、検定試験で70点以上を獲得すると合格です。課題や検定試験をスムーズにクリアした場合、資格取得までに平均して2ヵ月かかります。受験費用は41,800円(税込)で、検定試験で合格できなかった場合、3,300円(税込)を支払うことで再受験可能です(2023年5月時点)。

                 
おすすめの人日常生活のさまざまな場面で高齢者や障がい者を支えたい人
取得方法課題提出と実技教習、検定試験の合格
取得にかかる費用41,800円(税込)

福祉用具専門相談員

福祉用具専門相談員とは、高齢者や障がい者が快適に暮らせるよう適切な用具の選び方や使い方をサポートする仕事です。車椅子や特殊ベッドなど、福祉用具に関する知識を深めたい方に向いています。

福祉用具専門相談員になるには、指定講習を受講し50時間のカリキュラムを修了しなければなりません。ただし、介護福祉士の資格を持っている方は、講習を受けなくても福祉用具専門相談員として活動することが可能です。

福祉用具専門相談員指定講習は全国で開催されており、オンラインで受講することもできます。受講費用は事業者によって異なるものの、45,000円前後が一般的です。

                 
おすすめの人福祉用具に関する知識を深めたい方
取得方法指定講習の受講と50時間のカリキュラム修了
取得にかかる費用45,000円前後

レクリエーション介護士

さまざまなレクリエーションで利用者を楽しませたい方におすすめなのがレクリエーション介護士です。レクリエーション介護士は一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会が認定する資格で、35,000人以上(2022年8月末調査時点)が取得しています。

レクリエーション介護士資格には、1級と2級の2種類あります。レクリエーション介護士の資格を持っていない方は、まずレクリエーション介護士2級の取得を目指しましょう。費用は受講する学校によって異なるものの、一般的には35,000円以上が必要です。1級を受講するためには91,300円(税込)かかります(2023年5月時点)。

                 
おすすめの人レクリエーションで利用者を楽しませたい方
取得方法<レクリエーション介護士2級>
・通学もしくは通信講座の受講
・筆記試験の合格
<レクリエーション介護士1級>
・通学による必須講座の受講
・実技試験の合格
・筆記試験の合格
・現場実習
取得にかかる費用<レクリエーション介護士2級>
35,000円〜
<レクリエーション介護士1級>
91,300円(税込)
(2023年5月時点)

社会福祉士

社会福祉士は介護福祉士と同じく国家資格の一つです。介護の現場ではなく利用者やその家族の相談対応、アドバイス業務に力を入れたい方におすすめです。

社会福祉士を取得するには基本的に学校や養成施設で学ばなければなりません。社会福祉士の国家試験を受験するためのルートは大きく分けて3つあります。

  • 福祉系大学ルート
  • 短期養成施設ルート
  • 一般養成施設ルート

短期養成施設ルートの場合は、福祉系の短大や大学などで基礎科目を履修したあと、短期養成施設で6ヵ月以上学ぶといったルートになります。
一般養成施設ルートの場合は、一般大学などで学んだのち、一般養成施設等で1年以上学習が必要です。なかにはこれらの課程に加えて、一定の実務経験が必要なルートもあります。
そのうえで、社会福祉士国家試験に合格しなければなりません。

社会福祉士の受験料は19,370円(2023年5月時点)ですが、別途前述した各教育課程における費用が発生します。

                 
おすすめの人介護の現場ではなく利用者やその家族の相談、助言業務に力を入れたい方
取得方法養成施設などで学び、国家資格に合格する
取得にかかる費用19,370円

介護予防指導士

介護予防指導士とは、介護を予防するために重要な運動法を指導する専門家のことです。特定非営利活動法人 日本介護予防協会が講習や試験を実施しています。介護状態の方だけでなく、介護のリスクがある高齢者や障がい者に予防運動を行っていきたい方に向いています。

介護予防指導士の資格を得るには、講義や実技の講習を受けなければなりません。受講料は10科目 21.5時間で54,000円(税込)です(2023年5月時点)。

                 
おすすめの人予防運動を行っていきたい方
取得方法講義や実技の受講
取得にかかる費用54,000円(税込)

介護事務に関する資格

現場職だけでなく、事務作業ができるようになりたい方におすすめなのが介護事務に関する資格です。介護事務は介護施設の受付やレセプトの作成等を行います。

介護事務関連の主な資格は次のとおりです。

  • ケアクラーク
  • 介護事務管理士®技能認定
  • 介護情報実務能力認定
  • 介護報酬請求事務技能検定

基本的に、筆記や実技試験に合格することで取得できます。取得費用は資格によって異なるため、事前に確認しましょう。上述した試験の受験費用は次のとおりです(2023年5月時点)。

                       
ケアクラーク6,900円(税込)
介護事務管理士®技能認定5,500円(税込)
介護情報実務能力認定7,700円(税込)
介護報酬請求事務技能検定6,600円(税込)

なお、講座などを受ける場合は、上記とは別に費用が発生するのでご注意ください。

                 
おすすめの人事務作業ができるようになりたい方
取得方法主に試験の合格
取得にかかる費用資格によって異なる

精神保健福祉士

精神的な障がいがある人の支援や社会復帰に関わりたい方は、精神保健福祉士の取得を目指してみましょう。精神保健福祉士は精神保健福祉士法に基づく国家資格の一つです。

精神保健福祉士を取得するには、受験資格を満たさなければなりません。基本的に、保健福祉系の学校や短期養成施設、一般養成施設で一定期間学ぶ必要があります。
もし、社会福祉士の資格を保持している方の場合は、短期養成施設等で6ヵ月以上学ぶことで受験資格を得られます。

試験の受講費用は24,140円ですが、これとは別に教育課程において多くの費用が発生することを把握しておきましょう。

                 
おすすめの人精神的な障がいがある人の支援や社会復帰に関わりたい方
取得方法試験の合格
取得にかかる費用24,140円

介護に関する資格を取得するメリット

介護に関する資格を取得すると、さまざまなメリットがあります。特に重要なのは、以下4つのメリットです。

  • 転職活動を有利に進められる
  • 給与が上がる可能性がある
  • 介護の理解を深められる
  • 幅広い業務に対応できるようになる

転職活動を有利に進められる

転職を考えるなら、資格の取得がおすすめです。自分の能力や知識、技術の習得レベルを説得力を持ってアピールできます。

特に介護業界は、事業の運営に資格取得者が必須であることも珍しくありません。
たとえば、訪問介護事業所の運営には、1人以上のサービス提供責任者が必要です。

以下の資格を取得すると、サービス提供責任者の任用要件を満たすことができます。

  • 介護福祉士
  • 実務者研修修了者
  • 介護福祉士旧介護職員基礎研修修了者
  • 旧訪問介護員養成研修1級課程修了者

厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02977.html)によると、日本は2040年度までに約280万人の介護職員を確保しなければなりません。介護に関する資格を取得しておくことでご自身の市場価値が高まり、転職を有利に進められる可能性があるでしょう。

給与が上がる

資格の取得は給与アップにもつながるでしょう。厚生労働省によると、有資格者と無資格者では給与面で次のような差があります。

所有資格 2021年度の月の平均給与
無資格者 271,260円
介護福祉士 328,720円
社会福祉士 363,480円
介護支援専門員 362,290円
実務者研修修了者 307,330円
介護職員初任者研修修了者 300,510円

あくまで平均であるため、必ずしも上記の給与をもらえるわけではないという点に注意してください。ただ、介護士の初歩的な資格である介護職員初任者研修を取得するだけでも、給与は高くなる可能性があります。

介護の理解を深められる

介護の資格取得に向けて学ぶ課程で、介護に関する理解を深められるでしょう。介護の理解を深めることには、以下のようにさまざまなメリットがあります。

  • 今以上に効率的に業務をこなせるようになる
  • より利用者に寄り添うことができるようになる
  • 万が一、自分が介護状態になった際にどうすれば良いかがわかる
  • 身内の介護が必要になった際に、適切な対応ができる
  • 障がい者や高齢者の事故やトラブルに出くわしたとき、正しい行動を取ることができる

このように、資格取得に挑戦するメリットは多くあります。

幅広い業務に対応できるようになる

業務の幅を広げたい方は資格の取得を目指してみましょう。介護資格の中には、現場職以外のところで役に立つものも少なくありません。

たとえば、介護福祉士の場合、主な業務は高齢者や障がい者の介護です。そのため、就職先が施設やグループホーム、デイサービスなどが一般的でしょう。

しかし、社会福祉士の資格を取得すると、介護施設だけでなく医療機関や学校、行政機関など幅広い分野で活躍できる可能性があります。このように、資格を取得すればさまざまな仕事に挑戦することができるでしょう。

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介護に関する資格の取得を目指す際の注意点

資格によって取得方法が異なる点に注意してください。受験資格を満たしていなければ、どれだけ勉強しても試験を受けることができません。

特に介護福祉士や社会福祉士、精神保健福祉士といった国家資格は実務経験や通学経験などが求められます。民間の資格でも受験資格を定めているものがあるため、事前にかならず確認しましょう。

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介護の資格を取得して有利に転職活動を進めよう

  • 介護の資格を持っていない人は、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修の取得を目指すのがおすすめ
  • 介護業務で活かせる国家資格には、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士などがある
  • 資格の有無はキャリアアップや給与アップにつながる
  • 資格によって受験資格や費用などが異なるため、事前にかならず確認する

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