仕事内容・働き方

整形外科看護師について知ろう!仕事内容や役割を紹介

正看護師仕事内容3 months ago

「整形外科の看護師はどのような仕事をしているの?」
このように疑問に思う方もいるでしょう。整形外科は骨・関節・筋肉の疾患やケガを患っている患者に対し、治療やリハビリを行う診療科です。この記事では、整形外科に勤務する看護師の仕事内容や役割について解説しています。整形外科についての詳細な説明や、勤務に向いている看護師の特徴にも触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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整形外科とは

整形外科は、骨や筋肉、神経などの「運動器」の疾病や外傷に対して治療や診断を行う診療科です。
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターによると、整形外科の目的は、運動器疾患による痛み・機能低下の改善によって体の自立を守り、健康長寿を支えることとされています。

整形外科では手術や薬物療法、リハビリなどが行われており、新生児から高齢者まで幅広い年齢層の患者が治療を受けています。患者の病態も外傷の治療を行う急性期、リハビリで身体の機能を取り戻す回復期、慢性的な経過を辿るリウマチなどの疾患を治療する慢性期までさまざまです。

部位や疾患ごとに専門領域がある

整形外科の対象領域である運動器は、治療対象となる器官が上半身から足の先まであり、専門も細かく分かれているのが特徴です。
脊椎外科や、上半身では手の外科や肩関節外科、下半身では股関節外科や膝関節外科、足の外科などがあります。

また、専門領域は必ずしも部位で分かれているわけではなく、スポーツ外傷を専門にしたスポーツ医学や疾患に特化したリウマチ外科・骨代謝外科、腫瘍が専門の骨・軟部組織外科といった専門科も存在します。人工関節の手術をした方の場合、部位別の専門にかかることもあれば、人工関節外科にかかることもあるようです。

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整形外科看護師の仕事内容

整形外科看護師の仕事内容は、ほかの診療科の看護師に共通する業務から、整形外科特有の業務まで幅広いのが現状です。細かい内容をみていきましょう。

入退院対応

入退院の対応は、病棟の看護師であればどの診療科でも求められる業務です。入院時の看護計画立案・説明やベッドの準備、退院準備の対応などが入退院対応に含まれます。

術前・術後管理

整形外科の患者は、侵襲性の高い外科手術を受ける方も多くいます。そのため、手術に関わる管理も整形外科看護師の重要な仕事です。「オペ出し」「手術出し」といわれる手術前に行う患者周辺の容態管理や術後のドレーン・創部管理、バイタルチェックなどを行います。

診療補助・療養上の世話

整形外科看護師はほかの診療科の看護師と同様に、基本的な診療補助や療養上の世話も行っています。具体的には注射・点滴・採血や入浴・排泄・食事介助などです。

整形外科の患者は、日常生活動作を取り戻すのが最終的な目標となります。入浴や食事の介助は看護師が全てを行うのではなく、患者のADLや回復度を見極めて適切なサポートを行うことが求められるようです。

整形外科的処置

整形外科看護師の仕事内容で、より整形外科に特化した処置もあります。具体的な処置は以下のとおりです。

  • ギプス・シーネによる固定
  • 整復介助
  • コルセットの装具装着、装着状態の確認
  • 牽引処置の管理

整形外科の患者は、治療の一環として患部を固定したり、牽引したりします。固定のための装具の管理や装着は、整形外科看護師の代表的な仕事の一つです。包帯の巻き方や創部固定といった技術は、勤務の中で磨かれていくでしょう。

リハビリの補助

整形外科の患者は、理学療法士や作業療法士などの指導を受けて、日常的にリハビリを行います。看護師が主体となってリハビリを行うことはありませんが、リハビリの補助を行うのは珍しくありません。立つ・座る・歩くといった基本動作の補助に入ることが最も多く、松葉杖や歩行器の使い方を指導したり、歩行補助・付き添いを行ったりしています。

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整形外科看護師の役割は?

整形外科看護師の役割は、患者が安心して治療を受けるためのサポートを行うことと、患者の早期回復を実現させることです。

患者の運動機能を回復させ、社会復帰に繋げるために、整形外科看護師は患者の治療やケアのサポートを行います。疾病に対する不安や闘病生活のストレスを感じている患者・家族もいますので、メンタル面のケアも欠かせません。

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整形外科看護師におすすめの資格

整形外科看護師におすすめの、整形外科勤務に特化した資格を紹介します。

日本運動器看護学会認定運動器看護師(JSMNC)

日本運動器看護学会認定運動器看護師は、JSMN 日本運動器看護学会が認定している資格です。運動器看護の分野において、熟練した看護知識・技術を用いて、水準の高い看護を実践できる看護師を育成し、実践の場での看護の質の向上を図る目的で設立されています。

資格を取得することで、専門知識をもって的確にアセスメント、看護実践を行い、患者のQOLを高めるために必要な職種と連携して患者・家族を指導・サポートするスキルがあると見なされます。なお、略称の「JSMNC」は、「ジャスミンシー」と読みます。

日本運動器看護学会認定運動器看護師の応募資格を得るには、以下の全項目を満たす必要があります。

  • 日本運動器看護学会正会員である
  • 看護師としての実務経験が5年以上あり、そのうち運動器領域(整形外科、脳神経外科、脳神経内科、リハビリテーション系の病院・クリニック・専門施設等)での実務経験が3年以上ある
  • 日本運動器看護学会認定運動器看護師育成講座の全コースを受講し500ポイントを獲得している、または指定の育成講座の該当ポイントを獲得し、同講座と同等の履修が修了していることを日本運動器看護学会認定審査委員会が認めた者である

書類審査と認定試験の合格を経て、資格が付与されます。資格取得後は、5年ごとに書類審査による資格更新が必要です。

骨粗鬆症マネージャー

骨粗鬆症マネージャーは、一般社団法人日本骨粗鬆症学会が認定している資格です。医師以外のメディカルスタッフを対象に、骨粗鬆症領域における専門スタッフとして基本的知識・技能があることを認定する資格となっています。

一般社団法人日本骨粗鬆症学会「骨粗鬆症マネージャー制度」によると、応募資格が得られる方は以下の項目を全て満たしている方です。

  • 一般社団法人日本骨粗鬆症学会の会員であり、会費を完納していること
  • 病院・診療所・介護サービス施設(事業所)・薬局・臨床検査センター・自治体・保健所・教育機関などに所属して医療・保険・教育活動に従事している
  • 指定のいずれかの国家資格(※)を有している、もしくは日本骨粗鬆症学会の評議員で医師・歯科医師以外の者
  • 指定期間内に、日本骨粗鬆症学会が実施する骨粗鬆症マネージャーレクチャーコースを1回以上受講している
  • 受験年度から指定期間内に日本骨粗鬆症学会の学術集会に1回以上参加している

※保健師、助産師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、臨床工学技士、言語聴覚士、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、視能訓練士

資格取得には認定試験への合格が必要で、資格は5年ごとに更新手続きが必要となります。

回復期リハビリテーション看護師

回復期リハビリテーション看護師は、一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会が認定している資格です。整形外科の中でも回復期リハビリテーション病棟での看護スキルに特化している資格となっています。回復期リハビリテーション病棟に入院する患者・家族に対する質の高い看護の提供を認定しており、勤務中の病院が正会員病院か準会員病院であれば申込可能です。

一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会「回復期リハビリテーション看護師認定規約・運営細則」によると、応募資格が得られる方は以下の項目を全て満たす方となっています。

  • 看護師の国家資格を取得しており、看護師の実務経験が通算5年以上ある
  • 回復期リハビリテーション病棟での看護師としての勤務経験が、受講日初日の時点で原則1年以上ある
  • 施設長もしくは上司の推薦がある
  • 回復期リハビリテーション看護に対する強い意欲があること
  • (準会員病院職員のみ)次年度以内に回復期リハビリテーション病棟を開設する予定の準会員病院の正職員看護師であること

資格取得に際して試験はなく、下記の認定要件を満たしたうえで回復期リハビリテーション病棟協会の承認を得ると、資格取得となります。

  • 回復期リハビリテーション看護師認定コースの全研修会日程に出席すること
  • 出席した研修会に関するレポートを提出すること
  • 認定コース修了のあと、自らの課題を決めて、全研修修了後6か月以内に会員病院の回復期リハビリテーション病棟で行った、4ヶ月以上の実践活動についてレポートにまとめ、期日までに提出して合格の評価を得ること

資格取得後は、5年ごとに資格の更新が必要です。

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整形外科に向いている看護師の特徴は?

整形外科に向いている看護師の特徴は、以下のとおりです。

  • 解剖学が得意・好き
  • 介助やリハビリをとおして患者と関わるのが好き
  • 体力に自信がある

整形外科は身体の運動器に関わる疾患を取り扱いますので、ほかの診療科よりも解剖学の基本的な知識が重要になってきます。筋骨格や関節の構造をよく理解している方は、整形外科領域の疾患についてもよく理解できるでしょう。

また、整形外科看護師は、直接患者に触れて身体介助やリハビリのサポートを行う機会があります。そのため、患者と関わるのが好きな方、患者を支えたり持ち上げたりという介助が苦にならない方は、楽しく働けるでしょう。

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整形外科看護師はケガや運動器の疾患の患者を支えている

  • 整形外科とは運動器に関わる疾患や外傷の治療を行っている診療科
  • 整形外科看護師は術前術後の管理や患部固定、装具装着などを行っている
  • 整形外科看護師は解剖学が好きな方や体力に自信がある方に向いている

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