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分割調剤とは何かわかりやすく解説!メリット・デメリットも紹介
12 hours ago

「分割調剤とは何か知りたい」という方もいるのではないでしょうか?分割調剤とは、一度に処方された薬を最大3回に分けて提供する仕組みです。長期保存が難しい医薬品を提供する場合や、薬剤師による定期的な服薬指導が必要と医師が判断した場合などに行われます。この記事では、分割調剤の仕組みや目的、算定方法をわかりやすく解説します。分割調剤のメリット・デメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
分割調剤とは
分割調剤とは、一度に処方された一定期間の医薬品を、複数回に分けて調剤・提供する仕組みのことです。
通常、30日分の医薬品を処方する場合は、30日分をまとめて調剤・提供します。しかし、分割調剤を適用すると、「15日分×2回」や「10日分×3回」のように分割して調剤・提供することが可能です。
1回目と2回目以降に調剤・提供する薬の量は、同一の必要はありません。たとえば、これまで服薬したことがない医薬品を試す際は、まず7日分のみを調剤・提供し、問題なく服薬を続けられることが確認できた後、残りの23日分を提供することもあるようです。
なお、厚生労働省「別添1 医科診療報酬点数表に関する事項(p.478)」によると、分割調剤における分割回数は「3回まで」と定められています。
参考:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
分割調剤とリフィル処方箋の違い
分割調剤とリフィル処方箋の違いは、「1枚の処方箋を繰り返し使用するか」という点です。分割調剤では、最初に出された処方箋に基づいて2回目以降の調剤が行われます。
厚生労働省「長期処方・リフィル処方の活用について」によると、リフィル処方箋は、1枚の処方箋を最大3回まで(リフィルによる調剤は最大2回まで)使用することが可能です。リフィル処方箋の場合、同一の処方箋を使用するため、1回目と2回目以降で提供する医薬品の種類や量は原則変わりません。そのため、症状が安定している患者さんに対して発行するのが一般的です。
参考:厚生労働省「長期処方・リフィル処方の活用について」
分割調剤の目的
分割調剤が行われるケースとして、主に以下の3つがあります。
- 医薬品の長期保存・管理が困難
- 後発医薬品(ジェネリック医薬品)をお試しで服薬する
- 分割調剤が必要だと医師が判断した
それぞれのケース別に、分割調剤の目的や具体的な事例を見ていきましょう。
長期保存・管理が難しいケース
長期保存が難しいケースに該当するのは、主に医薬品の性質に起因する場合と、患者さんの管理能力(服薬管理)に配慮する場合の2つです。
医薬品の種類によっては、長期間放置すると品質の低下が懸念されるものも存在します。たとえば、目薬やシロップ剤のような液体状の医薬品は、品質の維持が難しく、使用期限が比較的短いものが多いのが特徴です。
このほか、複数の医薬品を1つの袋にまとめる「一包化」がされたものは、一度空気や光に触れているため、シートに入っている状態に比べて品質が悪化しやすくなります。品質保持が難しい医薬品を提供する場合、分割調剤が行われることがあるでしょう。
また、複数の医薬品の処方を受けている患者さんや、高齢・認知症の患者さんなどは、大量の医薬品があると、飲み間違いや飲み忘れのリスクにつながりやすくなります。一度に自宅で管理する医薬品の量を減らし、こうしたトラブルを防ぐことも、分割調剤の目的です。
後発医薬品(ジェネリック医薬品)を試すケース
分割調剤は、後発医薬品(ジェネリック医薬品)をお試しで服薬する場合にも実施されます。たとえば、一度に30日分の医薬品を処方する場合、後発医薬品をお試しとして最初の7日分のみ調剤し、問題がなければ残りの23日分も服薬を継続してもらう、といった提供の方法をとることが可能です。
副作用が生じた場合や十分な効果が得られない場合などは、2回目の調剤分を先発医薬品に切り替えられるため、安全性を確保しながら後発医薬品の導入を促せます。
医師の指示によるケース
以下のような場面で、医師の指示による分割調剤が行われることがあります。
- これまで服薬したことがない医薬品を処方する
- 体調の変化や副作用が起こる可能性が高い
- 病状が安定していない
- 飲み間違いや飲み忘れを防ぎたい
分割調剤は、医薬品を調剤するたびに、薬剤師が体調や服薬状況などのヒアリングを行い、医師に情報共有を行う仕組みです。そのため、分割調剤を行うことで、患者さんの状態に合わせた安全で適切な医薬品の提供が可能となります。
また、薬剤師が患者さんの状況を確認して意向を聞き取り、医師に提案して分割調剤が行われることもあるでしょう。
分割調剤における報酬の算定方法
分割調剤における報酬の算定方法は、分割調剤を行うケースによって異なります。
ここからは、厚生労働省「別表第三 調剤報酬点数表(p.2)」、厚生労働省「別添3 調剤報酬点数表に関する事項(p.5~6)」を参考に、3つのケース別に算定方法を見ていきましょう。
長期保存が難しい医薬品の場合
医薬品の長期保存が難しいことを理由に分割調剤を行う場合、初回は調剤基本料や薬剤調製料などの所定点数を算定します。そして、同一の薬局における2回目以降の調剤では、通常の調剤基本料に代えて、1回当たり5点が算定される仕組みです。
分割調剤は1つの薬局で扱うのが基本ですが、患者さんの事情によっては、2回目以降の調剤を異なる薬局で行うこともあります。その場合、調剤基本料は薬局ごとに算定できるため、変更後の薬局も通常どおり全額算定することが可能です。
たとえば、全3回の分割調剤のうち「1回目・2回目はA薬局、3回目はB薬局」で対応する場合、調剤基本料は1回目が全額、2回目が5点、3回目はB薬局において全額が算定される形となります。
後発医薬品(ジェネリック医薬品)のお試しの場合
後発医薬品のお試しのために分割調剤を行う場合、以下に該当すると調剤基本料が算定されます。
- 先発医薬品を初めて後発医薬品に変更して調剤する場合
- 同一の薬局において1つの処方箋の2回目の調剤を行う場合
後発医薬品を試すケースは、長期保存が困難なケースとは異なり、調剤回数は最大2回(1分割)までです。同一の薬局における2回目の調剤に限り、調剤基本料に代えて5点が算定されます。
なお、2回目の調剤時は、調剤管理料・服薬管理指導料・外来服薬支援料2を除く「薬学管理料」は算定されません。
医師の指示による場合
医師の指示による分割調剤の、調剤基本料・薬剤調製料・薬学管理料は、それぞれの所定点数を分割回数で割った点数が、1回の調剤に対して算定される仕組みです。
1回目の算定要件は調剤を行うことで、2回目以降は、調剤に加えて「服薬状況を確認して処方医に情報提供すること」も必要となります。情報提供のために確認すべき内容は、以下のとおりです。
- 残薬の有無
- 残薬が生じている場合は、その量と理由
- 副作用をはじめとする、服薬中の体調の変化の有無
- 副作用が疑われる場合は、その原因の可能性がある薬剤の推定
患者さんの転居や入院などの事情によって、2回目以降の薬局が変更となるケースにおいては、変更先の薬局でも各所定点数を分割回数で割った点数により算定するルールとなっています。
参考:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」
分割調剤のメリット
ここからは、分割調剤のメリットを見ていきましょう。
服薬管理がしやすくなる
服薬の管理がしやすくなり、医薬品の紛失や飲み忘れの防止につながる点が、分割調剤のメリットの1つです。服薬する期間が長い場合や、複数の医薬品を処方されている場合、自宅での適切な管理が難しいこともあると考えられます。分割調剤により、患者さん自身が自宅で管理する医薬品の量が減ると、紛失や飲み忘れのリスクを減らせるでしょう。
また、分割調剤の場合、薬剤師による服薬状況の確認や指導の機会が増えます。そのため、体調に異変があった場合にすぐに気づいたり、適切に服薬できているか確認したりすることが可能です。副作用の発現や効果が得られないといった、患者さんの意見をいち早くキャッチできれば、自己判断による服薬の中止を防ぐことにもつながります。
後発医薬品の普及を進められる
分割調剤では後発医薬品をお試しで服用できるため、後発医薬品の普及を進められる点もメリットといえます。
患者さんの中には、これまで先発医薬品を服薬しており、「今後は後発医薬品を選びたいけど身体に合うのか、効果に違いはないのか不安」と感じる方もいるでしょう。このような場合に、最初の数日分をお試しで調剤し、使用を続けるか判断できるため、医薬品の選択肢が広がる点がメリットです。
また、国の医療費を抑えるため、後発医薬品の提供割合に応じて調剤報酬が加算される仕組みがとられています。よって、後発医薬品の提供を促進することは、保険薬局にとって経営的なメリットがある点も特徴です。
患者さんの納得感や安心感につながる
分割調剤では、通常の処方と比べて薬局への来局頻度が上がり、薬剤師との対面指導や相談などをとおして、患者さんの意思を汲み取りやすくなるのが特徴です。
医薬品の飲みにくさがある場合や、効果を感じられない場合に、患者さんが自己判断で服薬を中断してしまうケースが見られます。その結果、残薬が積み重なり、適切な治療効果が得られなくなることもあるでしょう。
分割調剤の場合、医薬品を提供するたびに丁寧なヒアリングをするため、患者さん本人が納得したうえで服薬治療に取り組むための支援を行いやすくなります。このように、患者さんの生活に寄り添った継続的な支援を提供できることが、分割調剤の大きなメリットです。
分割調剤のデメリット
ここでは、分割調剤のデメリットを紹介します。
医療従事者の業務量の増加につながる
医薬品を提供する回数が増え、医療機関・薬局で働く医療従事者の業務量の増加につながる点が、分割調剤のデメリットの1つです。
医療機関側では、分割指示に係る処方箋(指示書)の発行や、薬局からの報告書の確認などの業務が発生します。また、処方箋を窓口で渡す際の患者さんへの説明や、レセコンの入力などの対応も必要です。
一方、調剤薬局では、2回目以降の医薬品を提供するスケジュールの管理や医師への情報共有、予定どおりに医薬品を受け取りに来ない患者さんへの連絡などの業務に対応しなければなりません。薬局の窓口で分割調剤を希望する旨を患者さんから伝えられた際は、処方医への確認連絡も必要となるでしょう。
このように、分割調剤に伴う業務は複数あるため、分割調剤の件数が増えるほど、医療従事者の負担が大きくなりやすい点が課題といえます。
医薬品の在庫管理が複雑になる
「後発医薬品の普及を進められる」というメリットがある一方で、扱う医薬品の種類が増えるため、在庫管理が複雑になる点はデメリットです。
たとえば、後発医薬品を試す場合、数日間服薬した後、先発医薬品に戻すケースが見られます。このような事例に対応するには、先発医薬品と後発医薬品の双方において、一定数の在庫を確保しなければなりません。しかし、先発医薬品と後発医薬品の切り替えのタイミングや必要量を正確に予測することは簡単ではないのが実態です。
このように、分割調剤の件数が増えるほど、予期せぬ在庫の変動やデッドストック(不動在庫)が生じやすくなります。そのため、薬局においては、初回の調剤時における入念なヒアリングや患者さんとの密なコミュニケーションを通じ、2回目以降の需要を少しでも高い精度で予測する管理体制が不可欠です。
分割調剤とは一定期間の薬を分けて提供する仕組み
- 分割調剤とは、一度に処方された医薬品を複数回に分けて提供する仕組みのこと
- 分割調剤は、患者さんの希望や医師の指示を受けて実施される
- 分割調剤の目的は、適切な服薬管理につなげることなど
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