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製薬会社で働く薬剤師とは?仕事内容・年収・必要な資格を紹介

「製薬会社で働く薬剤師とは、どのような仕事かよく分からない」という方もいるでしょう。製薬会社で働く薬剤師の主な仕事内容は、研究開発や自社製品の営業、学術・薬事事務などです。この記事では、製薬会社で働く薬剤師の主な仕事内容や平均年収、必要なスキル・資格について紹介します。薬剤師が製薬会社への転職を成功させるポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
製薬会社で働く薬剤師とは?
製薬会社で働く薬剤師は、営業職や研究職、管理職などとして幅広く活躍しています。医療機関や薬局で働く薬剤師は主に調剤業務を行う一方で、製薬会社の薬剤師は、自社の医薬品の品質管理や営業、研究開発などを行うのが特徴です。
厚生労働省「令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、2024年時点で薬剤師の約7%が、医薬品製造販売業・製造業(研究・開発や営業など)に従事しています。
製薬会社での薬剤師の求人は、調剤薬局や医療機関と比べると少ない傾向にあるようです。また、携わる業務によっては専門知識が必須である場合もあるため、薬剤師が製薬会社で働くうえでは、豊富な知識や入念な情報収集などが必要となるでしょう。
参考:厚生労働省「令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
製薬会社で働く薬剤師の仕事内容
製薬会社で働く薬剤師が携わる業務は、所属する部署によってさまざまです。ここでは、製薬会社で働く薬剤師の主な仕事内容を紹介します。
品質管理
製薬会社で働く薬剤師の仕事内容の一つは、自社で製造する医薬品の品質管理を行うことです。医薬品は安全性や品質を保つため、製造から出荷するまでのルールが細かく定められています。そのため、自社の医薬品がルールに則って製造されているか確認したり、適切に保管・出荷できるよう管理したりするのが、品質管理を行う部署で働く薬剤師の役割です。また、職場によっては、自社の医薬品に対する問い合わせの対応を行うこともあるでしょう。
なお、薬剤師が品質管理に関する業務に携わるうえで、取得が必須となる資格はありません。ただし、業務を行うにあたっては、薬学に関する知識や医薬品の製造・品質管理に関する知識などが必要となるでしょう。
営業(医薬情報担当者)
製薬会社で営業に携わる薬剤師は、医薬情報担当者として業務に従事します。
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医薬情報担当者(MR)」によると、医薬情報担当者とは、自社の医薬品の情報を扱う職種のことです。医薬情報担当者は、「MR(Medical Representatives)」と呼ばれることもあります。
医薬情報担当者の主な仕事内容は、情報の提供・収集・伝達です。医薬情報担当者は、医療機関や薬局などを訪問し、医師や薬剤師などに対して、自社製品の特徴や使用上の注意などを説明したり、薬に関する問い合わせに対応したりします。
また、医薬品の有効性や安全性に関する分析・評価を行い、結果を医療従事者に伝達したり、医師や薬剤師から製品の有効性や安全性、品質などの医薬品情報を集めたりするのも、医薬情報担当者の役割の一つです。
なお、薬剤師が医薬情報担当者として働くうえで必須となる資格はありません。ただし、医薬情報担当者として製薬会社に入社したあとは、公益財団法人MR認定センターが実施する認定試験や導入教育などを受け、必要な知識を身に付けていく必要があるでしょう。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医薬情報担当者(MR)」
治験業務(臨床開発モニター)
製薬会社で働く薬剤師は、臨床開発モニターとして治験に関する業務を行うこともあります。
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「臨床開発モニター」によると、臨床開発モニターとは、開発された新薬の有効性や安全性を確認するための治験に関わる業務を行う職種のことです。臨床開発モニターは「CRA(Clinical Research Associate)」と呼ばれることもあります。
臨床開発モニターの主な仕事内容は、治験に関する準備や医療機関との調整、治験実施中のモニタリング、報告書の作成などです。また、臨床開発モニターは、治験参加の資料の作成や治験薬の管理などを行うこともあります。
なお、薬剤師が臨床開発モニターとして働くうえでは、別途取得が必要となる資格はありません。臨床開発モニターは、薬剤師以外にも看護師や臨床検査技師などから転職するケースもあるようです。そのため、臨床開発モニターは、医療に関する知識や臨床経験などを活かせる仕事の一つといえるでしょう。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「臨床開発モニター」
研究開発
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「薬学研究者」によると、製薬会社では、新薬の開発を行うための研究開発を行う薬剤師もいます。
新薬の開発は、基礎研究に2~3年、医薬品候補物質に対する非臨床試験に3~5年、臨床試験(治験)に3~7年、国の審査を受け、承認を受けるのに2~3年と、長い年月をかけて行うのが特徴です。新薬開発の過程において、研究開発職に就く薬剤師は主に、基礎研究や非臨床試験に従事します。
具体的には、薬の候補となる新規物質(医薬品候補物質)を作り、医薬品となる可能性を調べたり、非臨床試験をとおして、選別された医薬品候補物質の有効性や安全性などを検討したりするのが、研究開発職の薬剤師の役割です。また、自身の研究内容に関連する分野の情報を調べたり、臨床試験や市販に向けた製剤化の検討を行ったりすることもあります。
なお、薬剤師が製薬会社の研究開発職として働く場合、博士号を取得していると、転職の際に有利になる可能性が高くなるでしょう。企業によっては、博士号を必須条件としている場合もあるため、研究開発に携わりたい方は、博士号の取得を目指すのがおすすめです。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「薬学研究者」
学術(DI)業務
製薬会社における学術業務とは、医薬品に関する情報の収集や管理などを行う業務のことです。学術に関する業務は、「DI(Drug Information)業務」と呼ばれることもあります。
学術職に就く薬剤師の主な仕事は、文献や論文を活用し、医薬品の成分や使用方法、副作用などに関する情報を調べたり、集めた資料・情報を管理したりすることです。また、学術職の薬剤師は、医薬品に関する問い合わせに対応したり、営業を行う医薬情報担当者(MR)へ情報提供を行ったりする役割も担っています。
なお、薬剤師が学術業務を行うにあたって、必要となる資格はありません。ただし、製薬会社におけるDI業務では、外国の文献や論文を扱うこともあるため、英語力があると業務で役立つでしょう。薬剤師が学術職として働く場合は、業務に関する専門知識を身に付けられる「医薬品情報専門薬剤師」のような関連資格を取得しておくのもおすすめです。
薬事業務
薬事業務とは、医薬品の開発や製造、販売などに関する薬事規制に対応するための業務のことです。具体的には、新薬の開発に伴う承認申請手続きや書類の作成、薬事戦略の策定などを行います。
薬剤師が薬事職に就くうえでは、医薬品や医療機器に関する知識だけでなく、薬事に関する法律や規則に関する専門知識も必要です。また、薬事職は各種申請手続きや書類作成などの業務を行うため、高い文章作成能力やパソコンスキルなどが求められる場面も多いでしょう。
製薬会社で働く薬剤師の平均年収
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「薬剤師」、job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医薬情報担当者(MR)」、job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「臨床開発モニター」、job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「薬学研究者」によると、令和6年賃金構造基本統計調査の結果を基に算出された薬剤師の平均年収は以下のとおりです。
| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| 薬剤師(全体) | 599万3000円 |
| 医薬情報担当者 (※そのほかの営業職業従事者を含む) |
618万3000円 |
| 臨床開発モニター (※そのほかの一般事務従事者を含む) |
481万4000円 |
| 薬学研究者 (※ほかの業種の研究者を含む) |
750万5000円 |
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「薬剤師」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医薬情報担当者(MR)」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「臨床開発モニター」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「薬学研究者」
医薬情報担当者や臨床開発モニター、薬学研究者などは、ほかの業種の従事者も含む金額となっているため、製薬会社で働く従業員のみの平均とは異なる可能性があります。たとえば、医薬情報担当者の場合、薬学に関する専門的な知識が必要となるため、一般的な営業職と比べると、給料が高く設定されていることも多いでしょう。
なお、製薬会社で働く薬剤師の給料は、企業や所属する部署などによって、大きく異なる可能性があります。職場によっては、給料は高いものの、業務量や残業が多いケースもあるでしょう。
そのため、薬剤師が転職する場合は、給料と業務量のバランスがとれた職場を選ぶことも重要です。なお、職場や部署によって、昇級・昇給の制度も異なるため、給料を上げたい薬剤師は、キャリアアップを目指しやすい職種や職場を選ぶのも良いでしょう。
参考:参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「薬剤師」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医薬情報担当者(MR)」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「臨床開発モニター」
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「薬学研究者」
薬剤師が製薬会社で働くメリット
ここでは、薬剤師が製薬会社で働くメリットを3つ紹介します。
スキルアップやキャリアアップにつながる
薬剤師が製薬会社で働くメリットの一つは、スキルアップやキャリアアップにつながる可能性があることです。
製薬会社で働く薬剤師は、医薬品をはじめとする医療分野に関する情報に触れる機会が多くあります。携わる業務内容によっては、薬剤師以外の医療従事者と関わり、情報や意見を集める機会や、文献や論文をとおして、最新の医療・医薬品に関する情報を得る機会があることも。そのため、薬剤師が製薬会社で働くと、医療や医薬品に関する知見を広げやすくなるでしょう。
また、製薬会社の薬剤師は、コミュニケーション能力や情報収集力など、業務をとおして磨けるスキルも多くあります。そのため、得た知識やスキルを自分のものとして十分に活かせると、薬剤師としてのキャリアアップにもつなげられるでしょう。
福利厚生が充実している
製薬会社は、福利厚生が充実している大手企業が多い傾向にあるため、プライベートと仕事の両立やモチベーションの維持などがしやすい点も、薬剤師が製薬会社で働くメリットといえます。
企業によっては、休暇制度や手当の制度などの種類が多かったり、研修や自己啓発支援の制度などが設けられていたりすることもあるようです。また、製薬会社では、土日休みの企業やフレックス制度が導入されている部署なども複数あるため、自分に合った働き方ができる職場や部署を見つけやすいでしょう。
年収アップが望める
年収アップが望めることも、薬剤師が製薬会社で働くメリットの一つです。
たとえば、医薬情報担当者として製薬会社で働く場合、企業によってはインセンティブが支給されたり、営業実績が昇給につながったりすることもあります。そのため、職場によっては、年収アップを目指しやすかったり、自身の目標やキャリアプランを立てやすかったりするメリットがあるでしょう。
このように、製薬会社で働く薬剤師は、スキルや実績、キャリアなどによって、年収アップを目指すことが可能です。そのため、入社直後は年収が低いと感じる場合でも、継続して働き、経験を積むことで、年収アップを望めるケースもあるでしょう。
製薬会社の薬剤師に必要なスキル・資格
薬剤師が製薬会社で働くうえで必要なスキルには、以下のようなものがあります。
- 医薬品に関する知識
- 情報収集力・情報処理能力
- コミュニケーション能力
製薬会社で働く薬剤師は、医薬品に関する専門知識が必須となります。製薬会社によって、扱う医薬品の種類や分野などは異なるため、薬剤師が転職する場合は、興味や知識がある分野の医薬品を扱う企業を探すと良いでしょう。
また、製薬会社で働く薬剤師は、さまざまな専門職と情報を共有したり、連携をとって業務を行ったりする場面があります。そのため、高いコミュニケーション能力や情報を収集し処理する能力などが求められるでしょう。
製薬会社の薬剤師に向いている人の特徴
製薬会社の薬剤師に向いている人の特徴の一つは、向上心があることです。
医療の分野では、日々さまざまな症状・疾患に対する医薬品が開発されたり、法律や規制などが変更されたりと、変化が多くあります。そのため、向上心をもって、多くの知識を身に付けようとする姿勢をもったり、自身のスキルを磨いたりできる人は、製薬会社の薬剤師に向いているでしょう。
また、几帳面な人や丁寧に物事を進められる人も、製薬会社の薬剤師に向いています。製薬会社の薬剤師の業務は、医薬品の安全性や企業への信頼に直結するものです。そのため、正確に業務を行える人や、小さな異変に気付ける人などであれば、製薬会社の薬剤師として活躍できるでしょう。
薬剤師が製薬会社への転職を成功させるには?
薬剤師が製薬会社への転職を成功させる2つのポイントは、以下のとおりです。
転職先の情報を入念に調べる
薬剤師が製薬会社へ転職する場合は、転職先での働き方や業務内容などの情報を入念に調べておくことが大切です。
たとえば、同じ業務内容であっても、企業ごとに業務の進め方や携わる従業員数などは異なります。また、勤務形態や職場環境などもさまざまです。
そのため、自身に合った職場を見つけるには、転職を希望する職場の情報を入念に調べたり、複数の企業の情報を比較したりすることが重要といえるでしょう。
必要な知識やスキルを身に付けておく
薬剤師の製薬会社への転職を成功させるには、転職先で求められる知識やスキルを調べ、事前に身に付けておくことも大切です。
前述のとおり、製薬会社で働く薬剤師は、営業職や研究開発職、学術職など、さまざまな専門職に就いています。職種が変わると、業務内容や必要なスキルも大きく変わるため、自身が働きたい職種に関する情報は、入念に調べておくことが重要です。
また、希望する職種で必要となる分野に関する文献や資料などで知識を増やしたり、関連する研修の受講や資格の取得などをとおしてスキルを磨いたりしておくと、転職を成功させやすくなるでしょう。
製薬会社の薬剤師の仕事内容は研究・営業・事務など
- 製薬会社の薬剤師は医薬情報担当者や臨床開発モニター、研究開発職などとして働く
- 製薬会社の薬剤師は、年収アップを望みやすいメリットがある
- 薬剤師が製薬会社で働くうえでは、医薬品に関する知識や情報処理能力などが必須
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