仕事内容・働き方

デイサービス(通所介護)とは?仕事内容や働く職種について解説

介護職・ヘルパーデイサービス仕事内容9 months ago

介護業界で転職を考える方のなかには、「デイサービス(通所介護)とは、どのような施設なのか」「どういう人が向いているのか知りたい」という方もいるでしょう。

デイサービスには、ほかの介護施設とは異なる特徴があります。また、デイサービスの種類によって、仕事内容はさまざまです。

本記事ではデイサービスの種類とそこで働く職種について説明します。働くメリットやデメリット、向き不向きについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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デイサービス(通所介護)とは

デイサービス(通所介護)とは、高齢者に対して日中に介護サービスを提供する施設です。利用者は日帰りでデイサービスに通います。利用対象となるのは要介護1〜5の認定を受けた方で、要支援1・2の人は利用できません。
職員の主な仕事は、利用者の食事や入浴、排泄など日常生活のサポートです。レクリエーションや機能訓練なども実施します。

デイサービス(通所介護)の目的

デイサービス(通所介護)の目的は、利用者ができる限り自宅で自立した日常生活を送れるように、生活や心身機能の維持・向上をサポートすることです。また、利用者の孤立感を解消したり、利用者の家族の負担を軽減したりするという目的もあります。

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デイサービス(通所介護)の種類

デイサービス(通所介護)と一口にいっても、特化するサービス内容は施設によって異なります。この項では、主な4種類のデイサービスについて紹介します。

一般型デイサービス

一般型デイサービスとは、利用者の生活全般をサポートする地域密着型の施設です。事業所の規模はさまざまで、主に3つの種類に分けられます。

利用人数 特徴
大規模デイサービス 大規模型(Ⅰ):延べ利用者数 月~900人以内
大規模型(Ⅱ):延べ利用者数 900人以上
デイサービス職員、利用者ともに人数が多く活気がある
通常規模デイサービス 1ヵ月の平均利用延べ人数が301人以上750人以内 一般的な規模のデイサービスで、基本的な設備が揃っている
小規模デイサービス 1日の利用定員が18人以下 利用人数が少ないため、利用者一人ひとりへのサポートが手厚い

一般型デイサービスは、事業所の規模によって特徴が変わります。たくさんの方とつながりを持ちたい方は大規模デイサービスを、一人ひとりに丁寧なサポートを提供したい方は小規模デイサービスを選ぶとよいでしょう。

認知症対応型デイサービス

認知症の高齢者が通うものを認知症対応型デイサービスと呼びます。認知症対応型デイサービス利用人数は1日あたり12人以下と、小規模デイサービスの定員よりもさらに少ないのが特徴です。

事業所には認知症に関する専門的な知識を身に付けた管理者が在籍しており、職員の業務をサポートします。「認知症の方との接し方を学びたい」「認知症の方に特化したケアのスキルを身に着けたい」という人におすすめのデイサービスです。

リハビリ特化型デイサービス

リハビリ特化型デイサービスとは、身体機能の訓練や治療後のリハビリをメインに行う施設です。日常動作を行うことが困難な方への施設ではないため、食事や入浴、排泄などの日常生活のサポートを行う場面はほとんどありません。あくまでも、機能訓練による利用者の自立支援を目的としたデイサービスです、

リハビリ特化型デイサービスには、理学療法士や作業療法士といった専門的な資格を持つ職員が在籍しています。身体機能の回復・向上のためのサポートについて学びたい人におすすめの施設といえるでしょう。

療養型デイサービス

デイサービスの利用者のなかには、難病や脳血管疾患後遺症を持つ重度要介護者、あるいはがん末期患者など、常に医療ケアを必要とする方も少なくありません。常に看護師の目が行き届く環境で利用者の支援を行う施設を、療養型デイサービスと呼びます。

療養型デイサービスでは、利用者に対していつでも医療ケアを提供できるよう、看護師などの職員が常駐している場合がほとんどです。ほかの種類のデイサービスと比べると、医療の要素が強いため、その分緊張感が漂っている傾向にあるといえるでしょう。ターミナルケアに関心がある方におすすめのデイサービスです。

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デイサービス(通所介護)で働く職種と仕事内容

ひとくちにデイサービス(通所介護)の職員といっても、次のように職種は多岐にわたります。

  • 管理者
  • 生活相談員
  • 看護職員
  • 機能訓練指導員
  • 介護職員
  • 調理師
  • その他職員

どのような業務を担当するかは職種によってさまざまであるため、事前に理解しておく必要があるでしょう。ここでは職種と仕事内容を解説します。

管理者

管理者とは、デイサービス(通所介護)の運営全般に関わる職種です。各施設に常勤で1人配置され、利用者に対する円滑なサービス提供のためにさまざまな業務を行います。デイサービスの管理者の主な仕事内容は、次のとおりです。

  • 介護施設の管理
  • 運営に関わる事務作業
  • 職員のシフト管理
  • 広報活動

管理者を務める際は、デイサービスの代表として責任感を持って管理業務を行い、職員や利用者と信頼関係を築けるかどうかが大切といえるでしょう。

生活相談員

利用者に対して最適なサポートを行うためには、家族からの情報提供が欠かせません。利用者の家族と施設をつなぐ窓口のような存在が、生活相談員と呼ばれる職種です。
生活相談員の主な仕事として、以下の内容が挙げられます。

  • 利用者や家族の相談対応
  • デイサービス(通所介護)の利用希望者に対する手続き業務
  • ほかの施設との連絡や日程調整

このように、デイサービスの利用者やその家族が施設を安心して利用できるようサポートするのが生活相談員の主な仕事です。サービスを提供する側と受ける側をつなぐ、重要なポジションといえるでしょう。

看護職員

看護職員とは、デイサービス(通所介護)利用者の健康管理を担う職種です。利用者の体調をよく観察して、必要があれば医師の指示のもとで医療行為を行います。
デイサービスにおける看護職員の仕事内容は、次のとおりです。

  • 利用者の健康状態チェック
  • 服薬管理
  • 必要に応じて医師の指示による摘便やインシュリン注射といった医療行為
  • 容態急変時の応急処置

利用者が安心して毎日を過ごすためにも、看護職員はなくてはならない存在といえるでしょう。常時観察が必要な利用者がいる場合には、夜勤をすることもあります。

機能訓練指導員

デイサービス(通所介護)利用者が自立した生活を送るためには、一人ひとりの状態に合わせた機能訓練が必要です。利用者の機能訓練をサポートする職種を、機能訓練指導員と呼びます。
機能訓練指導員の主な仕事内容は、次のとおりです。

  • 利用者一人ひとりの生活能力の評価
  • 機能訓練計画書の作成と実施
  • マシントレーニング時の介助
  • ほかの職員への機能訓練指導

デイサービス利用者の身体機能や認知機能の維持または向上の程度は、機能訓練指導員の腕にかかっているといえるでしょう。一人ひとりに最適な訓練計画を立てるのは簡単なことではありませんが、やりがいのある仕事です。

介護職員

介護職員は、デイサービス(通所介護)利用者への介護行為を主な業務としています。具体的な仕事内容は、次のとおりです。

  • 利用者の自宅と施設間の送迎業務
  • 入浴や食事、排泄などの介助
  • レクリエーションの企画

デイサービス利用者が、なるべく自由に生活を送れるようサポートするのが介護職員の役割です。利用者一人ひとりの異なる悩みを正確に把握して、それぞれに合う形で支えようとする心遣いが求められます。

調理師

デイサービス(通所介護)の利用者に向けて食事を提供するのが、調理師の仕事です。利用者のなかには、毎日の食事を楽しみにして日々のリハビリを頑張っている方も少なくありません。調理師は、このようなデイサービス利用者の満足度を高めるうえで重要な役割を果たしています。
調理師の主な仕事内容は次のとおりです。

  • 献立の作成
  • 必要な食材の発注
  • 食材の仕込み、調理
  • 皿洗い
  • 厨房の掃除

高齢者への食事提供がメインとなるため、味だけでなく健康バランスにも気を遣わなければなりません。また、食事の時間を楽しんでもらえるように、メニューに変化を付けたり、利用者の咀嚼能力に合わせて食べやすいように調理したりすることも大切です。料理をするのが好きな人、人を喜ばせるための工夫を楽しめる人におすすめの職種といえるでしょう。なお、デイサービスによっては介護職員が調理の仕事を兼務することもあります。

その他職員

デイサービス(通所介護)には、ほかにもさまざまな職種の方が働いています。そのうちの一つが事務員です。事務員の仕事内容を簡単に紹介します。

  • 関係各所との電話対応
  • 施設における窓口対応
  • 請求書の発行業務
  • 利用者管理表の作成

上記のほかにもデイサービス運営に関わる事務仕事があれば、その都度柔軟に対応します。マメな性格で、仕事を淡々とこなす能力がある人に向いている職種といえるでしょう。

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デイサービス(通所介護)で働くメリット

デイサービス(通所介護)で仕事をするうえでの主なメリットは、次の2つです。

  • 資格や経験がなくても働ける
  • 夜勤や残業が少ない

デイサービスで介護職員として働く場合は、必ずしも資格や経験は必要ではありません。そのため、資格必須の訪問介護事業所などと比べると、介護業界が未経験の方も「就職や転職がしやすい」施設であるといえるでしょう。専門的な知識や技術がない方も、利用者とのコミュニケーションを楽しめる方は活躍できる可能性があります。

また、デイサービスは定時になると利用者が自宅へ帰るため、急な残業が発生するケースも少なめです。家事や育児と両立している方も多く、ほかの介護施設に比べると働きやすい職場環境といえるでしょう。

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デイサービス(通所介護)で働くデメリット

デイサービス(通所介護)の仕事には、デメリットもあります。デイサービスで働くデメリットは、次のとおりです。

  • 他の介護施設よりも給料が低い
  • 専門性の高い介護スキルの習得が難しい

厚生労働省によると、2021年度に介護職員等特定処遇改善加算を新規取得した事業所のうち、同年9月の給料が最も高かったのは、介護老人福祉施設で32万8,120円でした。
一方、デイサービスの給料は27万5,670円で、全体平均の29万3,800円を下回っています。
ほかの介護事業所にくらべると、デイサービスの平均給料はやや低い傾向にあるといえるでしょう。

ただし、地域・施設によって給料に差があるため、一概にはいえません。金銭面を重視したい方は各施設の求人情報をよく確認するとよいでしょう。
また、デイサービスは介護スキルが磨かれにくいというデメリットもあります。介助業務は行うものの、レクリエーションの実施や利用者とのコミュニケーションに重きを置く傾向にあるためです。介護の専門的な知識や技術の習得を目指す人は、自分で学習を進めていく必要があるでしょう。

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デイサービス(通所介護)の1日の流れ

デイサービス(通所介護)で働く介護職員の仕事について紹介します。出勤から退勤まで、どのようなスケジュールで動くかという一例です。

時間 業務 概要
8:00〜 出勤 出勤して1日の予定を確認
9:00〜 送迎 デイサービス利用者を車で送迎
10:00〜 レクリエーション 運動機能や認知機能を維持するためのレクリエーション
11:00〜 入浴介助 入浴の準備や介助、片付けなど
12:00〜 食事 配膳、食事介助、口腔ケア
13:00〜 機能訓練 個別に計画された機能訓練
14:00〜 おやつ 配膳、食事介助、片付け
15:00〜 送迎 デイサービス利用者を車で送迎
16:00〜 事務作業 1日の活動内容やデイサービス利用者の様子を記録
17:00〜 退勤 片付け、掃除をして退勤

デイサービス利用者が、笑顔で毎日を過ごせるようにサポートするのが介護職員の仕事です。ときには慌ただしい1日もありますが、人と話すのが好きな方にとっては、やりがいのある日々になるでしょう。

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デイサービス(通所介護)の給料の目安

デイサービス(通所介護)の給料は、職種によって差があります。厚生労働省によると、給料の目安は次のとおりです。

【特定処遇改善加算を取得した事業所における職員の平均給与額】

職種 2021年9月 2020年9月
介護職員 32万3,190円 31万5,410円
看護職員 37万1,340円 36万4,610円
生活相談員・支援相談員 34万4,790円 33万6,370円
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士または機能訓練指導員 35万1,110円 34万2,270円
介護支援専門員 35万6,310円 34万8,070円
事務職員 30万2,980円 29万6,770円
調理員 26万1,380円 25万5,850円
管理栄養士・栄養士 31万1,400円 30万4,080円

引用:厚生労働省

調理員や事務職員などはほかの職種と比べると、やや低い結果となっています。一方、国家資格を有する看護職員や理学療法士といった専門職や、公的資格である介護支援専門員を持つ人は、ほかの職種と比べると給料が高い傾向にあります。
ただし、上記はデイサービスの職員のみを対象とした調査結果ではないため、あくまで一つの参考としてください。

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デイサービス(通所介護)での勤務に向いている人

デイサービス(通所介護)の仕事に対する考え方は、人によってさまざまです。デイサービスでの勤務に向いている人の特徴を紹介します。

  • 人と話すのが好き
  • プライベートも大切にしたい

デイサービスは、人と人とのつながりにより成り立つものです。初対面の相手とも自然と打ち解けられる人は、デイサービスでの勤務に向いているといえるでしょう。

デイサービスの種類にもよりますが、基本的には夜勤や残業が少ない仕事です。仕事とプライベートを両立させるために、デイサービスでの勤務を選ぶ人も少なくありません。

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デイサービス(通所介護)での勤務に向いてない人

デイサービス(通所介護)での勤務に向いていない人がいるのも事実です。働き始めてから後悔することのないように、事前に確認しておきましょう。

  • 企画を考えるのが好きではない
  • 人から注目されるのが苦手

レクリエーション企画や開催の準備は、利用者を楽しませるための大切な仕事の一つです。一から企画を立案するか、過去の事例を活用するかといった方法はデイサービスによって異なります。しかし、準備や運営を楽しめないと、仕事が苦しくなってしまう可能性もあるでしょう。

また、レクリエーションをする際は、説明したりお手本を見せたりする場面もよくあります。慣れると抵抗なくできるという人もいますが、人から注目を集めるのが苦手な方は、苦労するかもしれません。

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デイサービス(通所介護)で働くには

デイサービス(通所介護)で働くには、施設ごとの求人案内に応募して、書類選考や面接試験を受けるのが一般的です。効率的に転職活動を進めたい場合は、転職エージェントや求人サイトを利用するのも良いでしょう。

資格の必要の有無は、職種によって異なります。具体的には次のとおりです。

職種 必要な資格
介護職員 あると有利:介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、介護福祉士など
看護職員 必須:看護師免許
機能訓練指導員 必須:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師(または准看護師)、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師のいずれか
調理師 必須:調理師免許(調理員や調理補助の場合は不要)

また、デイサービスで活かせる資格として社会福祉士、介護予防指導士といった資格もありますが、必須ではないため取得しなくても働くことは可能です。

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デイサービス(通所介護)の特徴を理解して転職を検討しよう

  • デイサービス(通所介護)とは、要介護認定者が施設に通いながら介護を受ける仕組み
  • 一般型デイサービスのほかに認知型やリハビリ特化型、療養型などがある
  • デイサービス(通所介護)で働く職種には看護職員や機能訓練指導員といった専門性が高いものもある
  • 会話好き、プライベートも大切にしたい人はデイサービス(通所介護)勤務に向いている

デイサービス(通所介護)の種類や職種を把握したうえで「自分に合っている」と感じる場合、転職を検討してみましょう。

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