働き方・お悩み
看護師の仕事で大変なことは?対処法とやりがいも紹介
11 days ago
「看護師の仕事は大変なことが多く、どうしたらよいかわからない」と悩む方もいるでしょう。確かに看護師の仕事には大変なことも多いですが、考え方を改めたり、異動や休職を選んだりすることで対処できる場合もあるようです。この記事では、看護師が大変に思う点や、仕事で感じられるやりがいを紹介します。仕事が大変と思うときの対処法や、転職を選ぶ際の注意点にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
看護師の仕事で大変なことは?
「看護師の仕事は大変なことが多い」という声もよく聞かれますが、具体的にどのような点が大変なのでしょうか。
人間関係
職種に関わらず、仕事で大変なこととして挙げられることが多い問題は、「人間関係」です。
特に看護師は、患者とその家族や医師、同僚の看護師、他職種の医療従事者など、仕事上でさまざまな人と関わる機会があります。仕事をするうえで誰とでも良好な関係を築けるとは限らず、関わり方に難しさを感じることもあるでしょう。看護師は女性が多い職種のため、同性ならではの人間関係の難しさを感じることもあるようです。
また、看護師は患者の命を預かる仕事のため、上司や先輩から厳しく指導を受けることもあるでしょう。仕事上、必要な指導とは分かっていても、指導を受けた看護師は必要以上に落ち込んでしまい、先輩との関わりがストレスになるケースもみられます。逆に、指導を行う側の看護師は、あまり強く指導するとパワハラになりかねないと感じ、後輩への接し方に悩む人もいるようです。
業務に対するプレッシャー
看護師の中には、業務に対するプレッシャーにより大変な思いをしている人もいるでしょう。
看護師は患者の命を預かるという仕事柄、自分の小さなミスが医療ミスや医療事故につながる恐れを認識しておく必要があります。仕事中も「ミスは許されない」という不安や恐怖を感じながら仕事をしており、勤務が終わるたびにぐったりしてしまう人もいるようです。
また、人手不足の職場や忙しい部署では、不安があっても自分ひとりで業務にあたる場面も多く、よりプレッシャーや責任がかかる中で仕事をしなければなりません。
残業が多い・仕事量が多い
「残業や仕事量の多さに忙殺されてしまう」という看護師もみられます。
看護師の仕事は、いつも勤務時間内に仕事が終わるとは限りません。患者の急変や緊急入院の受け入れ、手術や処置が予定より長引くことなどによる残業が起こる可能性があります。外来やクリニックであれば、来院患者が多く診療時間が過ぎても診療が終わらない日もあるでしょう。
医療系の業務は次の日に持ち越せない場合がほとんどであるうえに、人手不足の現場も多いため、職場全体の仕事量が増えると看護師1人当たりの仕事量が大幅に増えていくことになります。そのため、「早く仕事を終わらせなければ」という焦りに駆られたり、プライベートの時間が削られていくことにストレスを感じたりする看護師もいるでしょう。
また、忙しくて余裕のない同僚から冷たい態度を取られ、嫌な思いをするケースもあるようです。
働きながら勉強し続ける必要がある
看護師は、勉強し続けることを求められる職種であり、仕事と勉強の両立が大変という声も聞かれます。
看護師の勉強は、国家資格を取って終わりではありません。勤務先の施設や部署によって、仕事内容や求められる専門知識・スキルに違いがあるため、異動や転職のたびに勉強が必要です。
また、医療は日々進歩しているため、新しい治療法やガイドライン、新薬が次々に出てきます。そのため、日々勉強し続けて、自分の知識を常に最新のものにアップデートし続ける必要があるでしょう。
業務時間外に院内の勉強会に出席したり、休みの日に院外の勉強会や研修会に出席したりしなければならないこともあります。プライベートの時間に自分で学習する必要に迫られる場合もあり、大変さを感じる人もいるようです。
休みが取りにくい
看護師の大変なこととして、休みが取りにくいことも挙げられるでしょう。医療業界は、慢性的な人手不足といわれます。そのため、休みの希望を出しても、すべて希望通りになるとは限らないでしょう。
自分や子どもの体調不良など、やむを得ない理由で急に休みを取ったり早退したりする場合でも、職員が1名減ると、ほかの職員にそのしわ寄せがいきます。休みを取るときも気を遣わなければならない空気が流れていたり、急に休むと次に出勤するときに気まずくなったりと、休みを取ることに関してストレスを感じる人もいるようです。
不規則なシフト
看護師の中には、「シフトが不規則なのが大変」と感じる人もいるようです。
病棟や入居型の介護施設などで働く看護師は、夜勤を求められることもあるでしょう。夜勤がある場合は、基本は日勤で働きつつ、月に数回は夜勤で勤務することになります。夜勤のときは夕方に出勤し、休憩や仮眠をはさみながら朝まで勤務しなければなりません。夜勤があるたびに生活リズムが崩れ、睡眠不足や疲れが取れないといった問題に悩まされる人も珍しくありません。
看取りに立ち会うこともある
看護師は、患者の命を預かる仕事をしている以上、看取りに立ち会う機会もあります。自分がケアをした患者が亡くなると、できる限りのことを行っていたとしても、喪失感や無力感にさいなまれる人もいるでしょう。中には、「何度看取りを経験しても慣れなくて毎回とてもつらくなる」という人もいます。看取りを経験するたびに少しずつ精神が消耗し、最終的に離職する看護師もいるようです。
看護師の仕事のやりがいは?
大変なことやつらいこともある看護師の仕事ですが、もちろんやりがいも多くあります。看護師は、仕事のどのような点にやりがいを感じられるのでしょうか。
人の役に立てる
看護師は、「自分の仕事が患者の役に立てる」と実感したときにやりがいを感じるようです。特に、患者が回復する姿を目の当たりにすると、日々の仕事にやりがいを感じられるでしょう。また、看護師は患者だけでなく、家族に寄り添うこともあるため、家族への対応でやりがいを得られることもあるようです。
また、看護師の仕事は公衆衛生を保つ一面もあります。患者の健康に寄与することで、地域住民や社会の役に立てると実感できることもあるでしょう。
直接感謝される機会も多い
看護師は患者や家族から直接患者される機会も多く、それがやりがいにつながることもあります。看護師の仕事は、ケア対象である患者や家族と日々接することになるため、処置や療養上の世話を行うと、直接感謝の言葉をかけて貰えることも多いでしょう。
大変なことも多い中で、仕事中に「ありがとう」と言葉をかけられると、疲れやストレスが軽くなり、仕事を頑張れるという人もいます。
給与が高い
看護師は世間一般からみても、給与は平均以上だといえます。厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師と全職種の男女別平均年収(年収はきまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額で換算)は以下のとおりです。
看護師の平均年収 | 全職種の平均年収 | |
---|---|---|
男女計 | 508万1700円 | 515万1372円 |
男性 | 525万7000円 | 550万427円 |
女性 | 506万1400円 | 422万1996円 |
参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
看護師の給料は、全職種の平均値くらいです。同資料によると男性看護師の労働者数は8万7760人、女性看護師は74万7260人となっており、数の多い女性看護師に限って注目すると、女性看護師の平均年収は女性全体よりも80万円ほど高くなっています。
看護師は夜勤がある場合は夜勤手当、救急病棟やICUなどの特殊な病棟に勤務する場合は特殊勤務手当など、基本給のほかに手当がつくケースがあり、職場によっては給与がより高くなることもあるようです。大変なことも多い仕事ですが、その分給与が高いことがやりがいにつながるという人もいます。
参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
自分に合った職場を選びやすい
看護師として活躍できる職場には多くの種類があり、自分に合った職場を選びやすくなっています。
現場で最先端の医療に触れたい人は大病院、高齢者のケアを中心に行いたい人は介護施設、プライベートの時間をしっかり確保したい人はクリニックというように、希望に合った職場を見つけやすいでしょう。社会福祉施設や一般企業など、医療機関以外にも活躍の場が多く、自分の希望に合った職場で働ける喜びがやりがいにつながる人もいるようです。
一度離職しても復帰しやすい
看護師は、離職しても復帰しやすい職種です。看護師は一度資格を取得すれば有効期限はなく、国家資格としての高い専門性が生涯保証されます。
そのため、離職・休職しても、復帰したいときに就活が難航することは他の職種と比べると少ないでしょう。また、前述のとおり医療業界全体が人手不足のため、ブランクがあっても引く手あまたの状況になっていると考えられます。
「離職してもいつでも戻れる」という心持ちで仕事できることが、日々のやりがいにつながるケースもあるでしょう。
看護師の仕事が大変だと思うときの対処法
「仕事が大変で毎日つらい」という看護師もいるかもしれません。ここでは、仕事が大変だと思うときの対処法について紹介します。
初心を思い出す・目標を再設定する
日々の忙しさにつらさを感じている人は、看護師を目指したときのことや、看護師になりたての頃の気持ちを思い出してみましょう。
「大変」と感じている人は、目の前の忙しさに気を取られ、毎日ただ仕事をこなすだけになっていることも。そこで、なぜ看護師になったのか、どんな看護師になりたいと思っていたのかを考え直してみることで、仕事の意義を再認識できます。看護師としてのキャリアを積む中で、新人の頃に立てた目標が気づかないうちに達成されていることに気づく人もいるでしょう。
現在の目標がない人は、目標を改めて設定しなおすのがおすすめです。大きな目標ではなかなか日々のやる気に直結しにくいため、具体的な目標を立てるのがポイントになります。目標を立てると日々の仕事に張り合いが出て、目標達成に向かって前向きに仕事を頑張れるでしょう。
家族や友人、同僚、上司などに相談する
悩みや不満を誰かに聞いてもらうだけで気持ちが軽くなり、仕事を頑張れる人もいるでしょう。
あえて仕事のことがわからない家族や友人に相談に乗ってもらうのも、一つの手です。看護師ならではの愚痴は同僚と吐き出し合うことで、すっきりするだけでなく、大変さも理解してもらえます。
ただの愚痴や不満ではなく、仕事をするうえで悩んでいることがあれば、上司に聞いてもらうのが良いでしょう。解決策を提示してもらえたり、自分ひとりで解決できない問題であれば、部署全体で改善のために動いてもらえたりすることもあります。
まとまった休暇を取ってリフレッシュする
とにかく心身ともに休みたいという人は、数日連続で休みを取ってリフレッシュするのがおすすめです。
家で寝たり好きなことをしたりするほかに、遠出して仕事のことを忘れる時間を作るのも良いでしょう。仕事のことを忘れる時間を作ると心身が休まり、「また看護師として頑張ろう」と思えるかもしれません。
異動希望を出す
人間関係に悩みがある人は、部署を異動することで、仕事内容は大きく変わらないまま、転職もせずに悩みが解決できることもあります。
ただし、異動したいと思ってもすぐ異動できるわけではなく、勤務先によって異動時期が決まっていることが一般的です。異動時期は1年のうち年度末のみの場合と、年度末と秋ごろの2回のパターンが多くみられます。異動したいと思っても、次の異動時期まで待たなければいけないうえに、必ずしも異動希望が通るとは限らないことも、念頭に置きましょう。
休職を検討してみる
仕事に行くこと自体がつらい人は、休職を検討してみても良いかもしれません。日常生活に支障が出る不調の場合は、数ヶ月単位で休むことで回復することもあります。
休職をするには医師の診断書が必要な場合もあるため、休職を検討する第一歩として、医療機関を受診してみるのも良いでしょう。
転職を検討する
どうしても今の職場で働き続けられないと感じた場合は、転職も選択肢となり得ます。環境を一新することで仕事のモチベーションも上がり、今悩んでいる問題が解決することも期待できるでしょう。ただし、転職することで必ずしも今の悩みが解決するとは限らず、新たな悩みに直面したり、収入が下がったりするリスクがあることにも注意が必要です。
看護師が転職を検討する際の注意点
前述のとおり、仕事で大変な現状を変えるには、最終手段として転職が挙げられます。そこで、看護師が転職を検討する際に注意したい点をまとめました。
仕事に対する希望を明確にする
転職活動を開始するときは、次の職場に求める条件を明確にしましょう。希望をすべて叶えようとすると、なかなか理想の職場が見つからなくなるので、譲れない条件を1~2つに絞るのがおすすめです。
自分のキャリアプランから転職先を考える
転職先を選ぶときは、今後のキャリアプランをもとに考えるのが大切です。
たとえば、「ゆくゆくは看護主任や看護師長になって、看護管理や指導に携わりたい」と思っている看護師が、大病院からクリニックに転職するとします。クリニックで勤務するとジェネラリストとしての能力は身につきますが、看護管理や指導の能力はあまり身につかないため、クリニックよりは別の大規模病院に転職する方が良いと考えられるでしょう。
また、美容クリニックなどやや特殊な職場に転職すると、通常の医療機関に戻るのが難しくなるケースもみられるため、キャリアについて考えたうえで転職先を選ぶのが重要です。
医療・介護の現場以外での働き方も検討する
看護師が転職を考えるときは、医療・介護の現場以外での働き方も検討してみましょう。
看護師が活躍できる職場は、病院や介護施設だけとは限りません。看護師として旅行に同行したりイベントや遊園地などで待機したりする仕事もあれば、一般企業に勤める産業看護師や医療知識を活かして医療系のライターになるという選択肢もあります。
ただし、医療・介護の現場以外の求人は少ない傾向があるため、探してもなかなか求人が見つからないことも。気になる求人を見かけたらすぐに応募するのがおすすめです。
看護師の仕事は大変なこともあるがやりがいも得られる
- 看護師は人間関係や仕事の忙しさ、休みの取りにくさなどが大変なこととして挙げられる
- 看護師は人の役に立てる点や直接感謝されることが多い点にやりがいを得られる
- 看護師の仕事が大変なときは、休職や転職を検討するのも一つの手
- 看護師が転職するときは、仕事の希望条件を絞りキャリアプランを明確にしよう
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