仕事内容・働き方

サービス管理責任者(サビ管)になるには?仕事や資格研修を解説

サービス管理責任者仕事内容9 months ago

「サービス管理責任者(サビ管)とはどのような職業?」
「サービス管理責任者(サビ管)になる方法は?」
そのように考えている方もいるでしょう。この記事ではサービス管理責任者(サビ管)の仕事内容や勤務場所、なる方法について解説しています。給料や向いている人についても説明していますので、ぜひ参考にしてください。

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サービス管理責任者(サビ管)とは

サービス管理責任者(サビ管)とは、障がい者福祉サービスを提供する施設などで、適切なサービス提供のために配置されている責任者のことです。サービス管理責任者(サビ管)は、障がい者総合支援法で配置が義務付けられています。サービス管理責任者(サビ管)として働くには、都道府県が主催する研修を修了する必要があります。

サービス管理責任者(サビ管)の業務は、提供するサービスの現状把握や品質向上を図ることです。「責任者」という名称のとおり、施設のまとめ役としてリーダーシップを発揮する場面が多くあります。

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サービス管理責任者(サビ管)の仕事内容

サービス管理責任者(サビ管)は、具体的にどのような仕事を行っているのでしょうか。以下で詳しく説明します。

アセスメントと個別支援計画書の作成

サービス管理責任者(サビ管)の代表的な仕事は、施設利用者へのアセスメントと個別支援計画書の作成です。サービス管理責任者(サビ管)は、サービス利用を希望する方やその家族と面談をします。

面談では、利用者の生活背景や障がいの程度などの状況を把握し、生活目標や課題を見つけるアセスメントを行います。その後アセスメントで得られた情報をもとに、個別支援計画書を作成します。個別支援計画書ができたら施設スタッフと会議の上、計画の確認や修正が行われ、利用準備を始める流れです。

支援内容のモニタリング

利用者の施設利用がスタートしたら、個別支援計画書をもとに適切な支援ができているかモニタリングすることもサービス管理責任者(サビ管)の仕事です。サービスの現状を実際に見るだけではなく、本人や家族と面談をして状況を確認することもあります。個別支援計画書の修正が必要と判断された場合は、個別支援計画書の再交付も行います。

関係機関との連携

利用者が適切なサービスを受けるために、サービス管理責任者(サビ管)は医療機関や行政、ほかの事業所と連携をとる必要があります。サービス管理責任者(サビ管)は関係機関で利用できる社会資源があるかを確認し、利用者へ還元することでサービスの品質向上を図っています。

施設スタッフへの助言や指導

施設のまとめ役として、スタッフのマネジメントを行うのもサービス管理責任者(サビ管)の仕事です。質の高いサービス提供ができるよう、施設スタッフへ指導や助言を行っています。OJTの指導役になったり、職員のスキルアップのために研修を行ったりすることもあるようです。

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サービス管理責任者(サビ管)になるには

サービス管理責任者(サビ管)になるには、実務経験の要件を満たし、基礎研修と実践研修の修了が必要です。サービス管理責任者(サビ管)の資格取得に際して試験はありません。
実務経験の指定年数が残り2年となる時点から基礎研修を受講できます。基礎研修修了後は2年間のOJTを経て実践研修を受講し、資格付与になる流れです。

まずは実務経験の要件を満たす

サービス管理責任者(サビ管)になるには、以下のいずれかの実務経験が必要になります。該当する実務経験は大きく分けて3種類です。

相談支援業務の経験

相談支援業務は、身体または精神の障がいがある方や、環境上の理由により日常生活に支障がある方に対し、日常生活の自立に関する相談に応じ、指導や助言などを行う業務のことです。

サービス管理責任者(サビ管)資格取得における要件年数は5年以上で、実務経験3年以上で基礎研修の受講が可能になります。具体的にどのような業務が該当するのか、詳細を見てみましょう。

1.下記の施設等において相談支援業務に従事する者

  • 身体障がい者・知的障がい者相談支援事業
  • 身体障がい者・知的障がい者更生相談所
  • 精神障がい者社会復帰施設
  • 児童相談所
  • 福祉事務所
  • 障がい者支援施設
  • 老人福祉施設
  • 介護老人保健施設・介護医療院 など

2.下記の施設にて就労支援に関する相談支援の業務に従事する者

  • 障がい者職業センター
  • 障がい者就業・生活支援センター

3.特別支援学校での進路相談・教育相談の業務に従事する者

4.病院や診療所などの医療機関で相談支援業務に従事する者のうち、次のいずれかに該当する者

  • 社会福祉主事任用資格を有する者
  • 旧訪問介護員2級以上に相当する研修(介護職員初任者研修)を修了した者
  • 国家資格等(医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士など)を有する者
  • 上記の1~3にて相談支援業務に従事した期間が1年以上である者

5.その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事する者

出典:厚生労働省「障がい者福祉サービスにおけるサービス管理責任者(サビ管)について」より一部加工して引用

以上をみると相談支援業務は、主に相談員やソーシャルワーカー、支援相談員と呼ばれる職業の業務に該当することがわかります。

直接支援業務の経験

直接支援業務は、身体または精神の障害がある方へ、入浴や排泄、食事などの介助を行うとともに、要介護者や介護をする家族などに対し指導も行う業務です。

また、日常生活における基本的な動作の指導や、生活能力向上のために必要な訓練と支援、その訓練者の指導も行うことも含まれます。職業訓練や職業教育に係る業務も同様です。主に介護スタッフや看護助手、生活指導員などの業務が、直接支援業務にあたるでしょう。

サービス管理責任者(サビ管)の資格取得における直接支援業務の要件年数は10年以上で、実務経験8年以上で基礎研修の受講が可能となります。詳細な要件は以下のとおりです。

1.下記の施設及び医療機関等において介護業務または訓練業務に従事する者

  • 障がい者支援施設
  • 老人保健施設
  • 介護老人保健施設
  • 療養病棟
  • 障がい福祉サービス事業
  • 老人居宅介護等事業
  • 訪問看護事業所
  • 保険医療機関・保険薬局 など

2.障がい者雇用事務所において就業支援の業務に従事する者

3.盲学校・聾学校・養護学校における職業教育の業務に従事する者

4.その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事する者

なお、これらの従事者で下記の資格を持つ方は、要件年数が5年に短縮されます(実務経験3年で基礎研修の受講が可能)。

  • 社会福祉主事任用資格を有する者
  • 旧訪問介護員2級以上に相当する研修(介護職員初任者研修)を修了した者
  • 児童指導員任用資格を有する者
  • 保育士

出典:厚生労働省「障がい者福祉サービスにおけるサービス管理責任者(サビ管)について」より一部加工して引用

ほかの要件に比べて要件年数が最も長い直接支援業務ですが、有資格者は年数短縮の措置を受けられるメリットがあります。

国家資格などによる業務経験

国家資格などの業務に3年以上従事しており、かつ、前述の相談支援業務および直接支援業務に3年以上従事した方は、サービス管理責任者(サビ管)の実務経験要件を満たしています。該当の国家資格などは以下のとおりです。

  • 医師・歯科医師
  • 看護師・准看護師
  • 薬剤師
  • 栄養士(管理栄養士を含む)
  • 保健師
  • 助産師
  • 歯科衛生士
  • 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士
  • 社会福祉士
  • 介護福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 義肢装具士
  • あん摩マッサージ指圧師
  • はり師
  • きゅう師
  • 柔道整復師

出典:厚生労働省「障がい者福祉サービスにおけるサービス管理責任者(サビ管)について」より一部加工して引用

以上の資格を持つ方は、実務経験1年で基礎研修を受講でき、サービス管理責任者(サビ管)の資格取得では最も早いルートになります。

研修を修了する

サービス管理責任者(サビ管)の資格取得における実務経験の要件を満たしたら、次は研修の受講です。基礎研修を受講したのち2年間のOJTを受け、実践研修を受講します。研修ごとの詳細を確認していきましょう。

基礎研修

前述のとおり、基礎研修は実務経験の指定年数が残り2年となる時点で受講可能です。基礎研修の際は相談支援従事者初任者研修の講義部分(11.5時間)と、サービス管理責任者(サビ管)等基礎研修の講義・演習(15時間)の2種類を受講する必要があります。

実践研修

基礎研修修了翌日から5年間に、相談支援業務または直接支援業務のOJTを原則として2年間経験すると、サービス管理責任者(サビ管)等実践研修(14.5時間)を受講できます。基礎研修終了後は期間内に実践研修を受けなければならず、注意が必要です。この実践研修修了をもって正式にサービス管理責任者(サビ管)の資格が付与されます。

更新研修

サービス管理責任者(サビ管)の資格が付与された後も、資格更新研修(13時間)の受講が5年に1度必要です。期間内に更新研修を受講しなければ、資格が失効してしまいます。
もし、更新研修を受けられずに資格が失効した場合は、実践研修から受け直さなければなりません。その際、実践研修の受講前に問われるOJT2年以上の実務経験要件は、適用外となります。

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サービス管理責任者(サビ管)の勤務場所

ここでは配置義務がある施設に絞って、サービス管理責任者(サビ管)の勤務場所について紹介します。

サービス管理責任者(サビ管)の配置義務がある施設 施設概要
療養介護施設 医療機関に長期入院していて常時医療・介護が必要な方に対し、機能訓練や身体介護などを提供している
生活介護施設 障がい者支援施設などで常に介護が必要な利用者に対し、入浴・排泄などの身体介護や生活援助を行う
創作的活動や生産活動の機会の提供もしている
自立訓練施設(機能訓練) 身体障がい者や難病患者に対し、障がい者支援施設・障がい福祉サービス事業所、利用者宅を訪問して理学療法・作業療法などのリハビリ、生活相談・助言を行う
自立訓練施設(生活訓練) 知的障がい者・精神障がい者に対し、障がい者支援施設・障がい福祉サービス事業所、利用者宅を訪問し自立生活に必要な入浴や排泄、食事などの訓練を行う
生活に関する相談・助言も行っている
共同生活援助施設
(グループホーム)
ほかの利用者と共同生活を送る住居に入居している障がい者に対し、入浴・排泄などの介護や日常生活の相談・援助を行う
就労移行支援施設 一般企業への就労を目指す65歳未満の障がい者や難病患者に対し、就労移行支援事業所などで生産活動や職場体験活動を提供する
求人開拓や職場定着のサポート、就労に必要な知識・能力を身に付けるサポートも行っている
就労継続支援施設
(A型・B型)
一般企業や事業所に雇用されることが困難な障がい者に対し、就労・生産活動の機会や就労に必要な知識・能力向上のために必要な訓練を提供している
施設に直接雇用となる「A型」と、雇用契約を結ばない「B型」がある

サービス管理責任者(サビ管)は、多くの場所で活躍できるのが魅力です。

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サービス管理責任者(サビ管)に向いている人とは?

サービス管理責任者(サビ管)は実務経験が問われる職種です。これまでの経験を活かして障がい者福祉分野でキャリアアップしたい方は、サービス管理責任者(サビ管)に向いているでしょう。

また、業務上スタッフをまとめることも多いため、マネジメントを行いたい方やコミュニケーション能力が高い方もサービス管理責任者(サビ管)に向いています。

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サービス管理責任者(サビ管)の給料

厚生労働省の「令和3年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」によると、2022年9月のサービス管理責任者(サビ管)(児童発達支援管理責任者を含む)の平均給与額(常勤職員の場合)は、38万8,340円でした。

同調査の福祉・介護職員の平均給与額は31万1,050円であることから、サービス管理責任者(サビ管)としてキャリアアップすれば給与アップも見込めるでしょう。

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サービス管理責任者(サビ管)は障がい者施設のまとめ役

  • サービス管理責任者(サビ管)は施設利用者のアセスメントやスタッフの教育を行う
  • サービス管理責任者(サビ管)は実務経験とOJT、研修を経て資格が得られる
  • サービス管理責任者(サビ管)は障がい者福祉分野を中心に多くの職場で活躍できる
  • サービス管理責任者(サビ管)は経験を活かしてキャリアアップしたい方におすすめ

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