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潜在看護師とは?戻らない理由や復職への道筋を解説!

正看護師a year ago

「潜在看護師とはどんな看護師のこと?」と気になる方や、「現在、潜在看護師だが復職が不安だ」「看護師資格を持っているが、今の仕事に活かせていない」と考えている方もいるでしょう。
この記事では、潜在看護師とは何かやその人数について説明します。また、潜在看護師の増加によって起こる社会問題や、看護師に復職する方法について詳しく説明しています。
潜在看護師からの看護師復帰に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。

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潜在看護師とは

潜在看護師とは、看護師免許を持つ人の中で、現在看護師として勤務していない人を指します。看護師としての勤務経験はあるものの、何らかの理由で辞職したあとに復職していないというケースが多いようです。一般的には、65歳未満、または、65歳以下で該当する方を指します。

看護師全体における潜在看護師の割合

厚生労働省によると、2018年末時点で、65歳未満の潜在看護師は全国に69万5,461人います。また、看護師資格を持つ人のうち、潜在看護師の割合は、31.11%です。
つまり、看護師資格を持つ人の3割以上は、看護師として働いていないことが分かります。

出典:厚生労働省「新たな看護職員の働き方等に対応した看護職員需給推計への影響要因とエビデンスの検証についての研究」分担研究報告書(令和2年度)」

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潜在看護師が生まれる理由

看護師資格を取得するのは簡単なことではありません。勉強を重ねて取得した看護師資格を持ちながら、看護師として働かない選択をした人には、どのような理由があるのでしょうか。

妊娠・出産などによりライフスタイルが変化した

女性は、結婚・妊娠・出産のタイミングでライフスタイルが変化することが多く、休職する人も少なくありません。特に出産後は子育てが始まり、すぐに仕事へ復帰することが難しくなります。また、看護師の仕事の多くは多忙で、育児で忙しい人にとっては復職のハードルが高いと感じることがあるでしょう。そのため、看護師への復職をせずに専業主婦となったり、ほかの仕事に就いたりするケースがあるようです。

体力が勤務体系に追いつかなくなった

年齢を重ねた看護師は、そのような多忙な勤務についていけず、定年前に仕事を辞めて復職しない人がいるようです。看護師の仕事は、患者のケアや診療補助など多岐にわたります。そのため一度に複数の仕事に追われることが多く、看護師の仕事は体力勝負といえるでしょう。また、病気や体調不良により職を離れた経験がある看護師は、体力に自信がなくなり看護師に復職しない人もいます。

知識やスキル面の不安があり看護師に戻りたくなくなった

何らかの理由で看護師を辞めたあと、復職可能な状態になっても看護師に戻らない人もいます。一度、看護師として働いたことがあると多くの職場では「経験者」として見られます。経験者は勤務期間にブランクがあっても、新卒のようにサポートがもらえないことも珍しくありません。そのため知識やスキルへの不安が拭えず、復職しない人がいるようです。

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潜在看護師の増加で起こる社会問題

前述の通り、潜在看護師は決して少ない数ではありません。潜在看護師が増加することは社会問題にもつながります。

社会全体における看護師不足

近年では高齢化の進行で医療の需要が高まり、社会全体で看護師の人手を必要としています。結果として看護師不足により病棟閉鎖となったり、運営が立ち行かなくなった病院があったりという現象は実際に起こっているのです。
もし看護師になりたい人が増えたとしても、看護師の免許を取って現場で一人前になるまでには数年かかるため、すぐには問題を解消できません。潜在看護師が増えるほど社会全体の看護師不足は解消しにくいといえます。

医療サービスの質の低下

厚生労働省の資料では、「看護師数が多くなると患者の安全性は高い」と提唱されています。これは、看護師の数が多いと患者一人あたりにより時間を割いた手厚い看護が可能となり、質の高い医療サービスが提供できるということです。
看護師の数が増えても、新卒看護師が多ければ教育に時間がかかり、すぐに質の高い医療サービスは提供できません。そのため潜在看護師が増えると、医療サービスの質もなかなか上がらず、社会全体に影響を及ぼします。

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潜在看護師が復職するには?

充実した医療サービスの提供に向けて、潜在看護師の復職が望まるものの、復職に不安を抱えている潜在看護師が多いことも事実です。潜在看護師が復職への不安を取り払い、スムーズに再就職するにはどうすればよいのでしょうか。

看護や医療の知識を再度勉強する

潜在看護師が看護師として復職する際は、インターネットや本で医学知識を再度勉強するのがおすすめです。
医学の進歩は年々早くなっています。以前働いていた頃の知識は、古いものとなっているかもしれません。近年では医療知識を学べるアプリやオンライン講義も存在しますので、休日や家事・育児などの間に少しずつ勉強を進められてみましょう。

復職支援制度を活用する

復職に向けて、潜在看護師を対象に実施されている復職支援制度を活用するという方法もあります。
1992年の看護師等の人材確保の促進に関する法律により、看護師の就業促進や人材確保のため、各都道府県にナースセンターを設立することが制定されました。
ナースセンターは活動の一環として、潜在看護師への復職支援制度を実施しています。具体的には求人案内のほかに、復職研修が行われており、座学に加えて採血や喀痰吸引などの実技も復習可能です。自治体によっては復職研修が無料で受けられる場合もあるため、知識やスキルに不安がある潜在看護師は気軽に研修に参加してみましょう。

単発やパートの仕事から始めてみる

拘束時間の長さに不安を持つ潜在看護師は、単発やパート勤務から復職してみるのも一つの手です。
単発の看護師の仕事としては、ツアーナースやイベントナースがあります。ツアーナースは宿泊を伴う場合もありますが、双方ともに最短1日で仕事が終わります。
また、パートの場合、日勤のみで採用してもらえるケースも多いようです。重症患者の対応をいきなり任される可能性も低いため、ブランクの長い潜在看護師が復職しやすいといえます。

家族のサポートを得る

復職するにあたって、仕事と家事、子育て・介護などを両立しなければならないケースに見舞われる人もいます。そのような場合は仕事復帰への協力が得られるよう、家族としっかり話し合うことが大切です。復職したことで家族への負担が増えないよう、勤務形態や勤務時間、場所などはよく吟味して決めるのをおすすめします。

ライフスタイルに合った仕事を選択する

看護師として働き始めた頃からライフスタイルが変わったという潜在看護師は、ライフスタイルにあった仕事を探してみましょう。夜勤が難しい場合は、クリニックなど日勤のみの仕事に絞っても職を見つけられます。子育て中の看護師に向けて、保育所が病院に併設されている施設も増えてきました。
また、このような希望条件は面接時に伝えておくと、採用後も条件のミスマッチを感じずに働けます。

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潜在看護師は現場の人手不足を解消できる救世主

  • 潜在看護師とは看護師として働いていない有資格者のことを指す
  • ライフスタイルの変化や体力低下などにより潜在看護師になる人がいる
  • 潜在看護師の増加は、人手不足や医療サービスの質の低下を引き起こす
  • 潜在看護師向けの復職支援制度を活用して、復職を目指すことも可能
  • 潜在看護師は自分に合った働き方を選んで復職しよう

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