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医療介護福祉士は廃止された?代替資格と取得方法を紹介
13 hours ago

「医療介護福祉士について知りたい」という方もいるのではないでしょうか?医療介護福祉士とは、医学の知識をもった介護福祉士であることを証明する民間資格の1つです。2026年7月現在、資格取得のための研修は実施されていません。この記事では、介護福祉士が行えるケアの範囲や、医療知識を学べる資格・研修を紹介します。介護福祉士が医療の知識・技術を身につけるメリットも解説するので、ぜひご参考にしてください。
医療介護福祉士とは?
医療介護福祉士とは、医学的な知識を習得している介護福祉士であることを証明するための、日本慢性期医療協会による認定資格です。取得の過程で、慢性期医療における薬・検査やリハビリテーション介護、事故防止・救急処置の基本などに関する知識を身につけられます。
医療介護福祉士の資格は、あくまで知識を深めるための民間資格で、取得しても特定の業務や医療行為ができるようになるわけではありません。しかし、医療ニーズの高い方の支援や、多職種連携を行う際に役立つ知識が身につくことから、スキルアップを目的に取得している介護福祉士の方もいます。
ただし、2026年7月現在、医療介護福祉士の資格は新規に取得できません。医療の知識を深めたい介護福祉士の方は、ほかの資格の取得や研修の受講などを検討すると良いでしょう。
医療介護福祉士の資格は廃止された?
医療介護福祉士の資格取得のための講座は、2026年7月現在、実施されていません。その背景には、2012年4月の法改正に伴う「喀痰(かくたん)吸引等研修」の新設があると考えられます。
喀痰吸引等研修とは、介護職員が医療的ケアである「痰の吸引」「経管栄養」を行うために受講する研修です。この研修が新設されたことで、医療介護福祉士の資格を取得しなくても、国が認める公的な研修をとおして医療の知識を習得できるようになりました。その結果、医療介護福祉士の需要は減少し、認定講座が開催されなくなったと推測できます。
今後、認定講座が開催される可能性は低いため、実質的に「医療介護福祉士の資格は廃止された」といえそうです。
介護福祉士が行えるケアの範囲
厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」によると、介護福祉士が行える健康の維持に関するケアとして、以下のようなものがあります。
- 水銀・電子体温計、耳式電子体温計を用いた腋下や外耳道での検温
- 自動血圧測定器による血圧測定
- 軽度の切り傷・擦り傷・やけどの処置(専門的な判断・技術を必要としないもの)
- 健康な爪に対する爪切りややすりがけ
- 健康な口腔に対するケア(歯・口腔粘膜・舌の刷掃や清拭)
- 耳垢の除去(耳垢塞栓の除去を除く)
介護福祉士が行えるのは、専門的な判断・技術を必要とせず、医行為に該当しないケアです。爪切りや口腔ケアなどは、ケアする部分に異常がない場合に実施できます。医師や看護師のように、法律で医行為を行うことが認められた職種以外は、原則として医療的なケアは行えません。
ただし、医行為に該当する「喀痰吸引」と「経管栄養」は、指定の研修を修了・登録を完了し、都道府県の登録を受けた施設や事業所で行う場合に限り、介護福祉士も対応できます。こちらに該当する「喀痰吸引等研修」については次項で解説するので、あわせてご覧ください。
参考:厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」
医療の知識を深めたい介護福祉士におすすめの資格
ここでは、医療の知識を深めたい介護福祉士におすすめの資格を紹介します。
喀痰吸引等研修
喀痰吸引等研修とは、医療的ケアである痰の吸引と経管栄養を行えるようになるための研修です。
厚生労働省「喀痰吸引等研修~研修課程(1)~(p.1)」、文部科学省 「社会福祉士及び介護福祉法施行規則の一部を改正する省令[喀痰吸引等関係](概要)(p.1)」によると、喀痰吸引等研修では、以下の5項目に関する知識・技術を学びます。
- 口腔内の喀痰吸引
- 鼻腔内の喀痰吸引
- 気管カニューレ内部の喀痰吸引
- 胃ろうまたは腸ろうによる経管栄養
- 経鼻経管栄養
喀痰吸引等研修は、ケアの対象者や実施内容によって、次の3つの種類に分けられます。
| 第1号研修 | 不特定多数 | - 基本研修(講義50時間+演習) - 実地研修(5項目すべて) |
| 第2号研修 | 不特定多数 | - 基本研修(講義50時間+演習) - 実地研修(5項目のうちいずれか1~4項目) |
| 第3号研修 | 特定の者 | - 基本研修(講義・演習9時間) - 実地研修(5項目のうち、特定の者に対する必要な行為のみ) |
参考:厚生労働省「喀痰吸引等研修~研修課程(1)~(p.1)」
文部科学省 「社会福祉士及び介護福祉法施行規則の一部を改正する省令[喀痰吸引等関係](概要)(p.1)」
喀痰吸引等研修は、基本研修(第1号と第2号は共通)と実地研修で構成されています。第3号研修は、処置を行える対象者が特定の利用者に限定されるため、第1号・第2号と比べて研修時間が短いのが特徴です。
現在の介護福祉士の養成課程では、第1号・第2号の基本研修にあたる「医療的ケア」の科目がカリキュラムに組み込まれており、履修済みの場合は基本研修の受講は免除されます。ただし、実際に現場で医療的ケアを行うには、実地研修の修了が必須です。実地研修は、研修機関の登録もしくは、委託・連携を受けている施設や事業所で受講できます。
参考:厚生労働省「喀痰吸引等研修」
文部科学省「学校における医療的ケアの実施に関する検討会議(第1回)」
認知症介護実践者研修
厚生労働省「介護保険最新情報vol.1487(『認知症介護実践者等養成事業の円滑な運営について』の一部改正について)(p.26)」によると、認知症介護実践者研修とは、認知症ケアの質向上を目的とした公的な研修です。受講対象者は、認知症介護基礎研修の修了者や、同等のスキルをもった介護職員で、おおむね2年程度の実務経験がある方となります。
同資料(p.33)によると、認知症介護実践者研修のカリキュラムは、講義・演習(23時間)と実習(課題設定5時間・職場実習4週間・実習のまとめ3時間)で構成されており、一部の講義はオンラインで受講可能です。
講義・演習で学べる内容として、以下のようなものが挙げられます。
- 認知症の中核症状や行動・心理症状(BPSD)、原因疾患に関する知識
- 認知症の方の意思を尊重した支援方法
- 認知症による行動・心理症状(BPSD)を緩和するケア方法
認知症の医学的理解を深める科目が多い「認知症介護実践者研修」は、実践的な認知症ケアの知識を身につけたい方に適しています。
なお、実施する自治体や研修機関によって、受講の条件や研修内容は異なる場合があるため、興味がある方は事前に情報を確認しておくと良いでしょう。
参考:厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」
認定介護福祉士
認定介護福祉士認定・認証機構「認定介護福祉士の役割と実践力」によると、認定介護福祉士とは、介護の実践・教育・地域包括ケアなどの高い実践力を備え、多様な介護ニーズに対応できる介護福祉士であることを証明する民間資格です。
同サイト「認定介護福祉士になるには」によると、認定介護福祉士の資格を取得するには、要件を満たしたうえで、養成研修を受講する必要があります。研修を受講するための基本要件は、以下のとおりです。
- 介護福祉士の資格を有する
- 介護福祉士を取得後、5年以上の実務経験がある
- 介護職員を対象とした現任研修を100時間以上受講している
- 研修実施団体の課すレポート課題や受講試験で、一定の成績を修める(免除の場合あり)
研修の実施団体によっては、上記に加えて、「介護福祉士基本研修」や「ファーストステップ研修」の修了が求められる場合もあるようです。
認定介護福祉士養成研修は「I類(13科目)」「II類(9科目)」に分かれており、講義・演習形式で実施されます。
II類を受ける段階では、介護職の小チームのリーダーとしての実務経験が必要です。さらに、居宅・居住(施設系)サービス両方の経験があることが望ましいとされています。
なお、養成研修のカリキュラムには、疾患・障がいやリハビリテーションに関する科目が組み込まれており、介護福祉士に求められる医療分野の知識を習得可能です。
参考:認定介護福祉士認定・認証機構「認定介護福祉士の役割と実践力」
認定介護福祉士認定・認証機構「認定介護福祉士になるには」
ケアマネジャー(介護支援専門員)
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「介護支援専門員/ケアマネジャー」によると、ケアマネジャー(介護支援専門員)とは、利用者一人ひとりに合った介護サービスを提供するため、情報収集や課題分析をもとに、ケアプラン(介護サービス計画書)を作成する職種です。
ケアマネジャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)への合格と、介護支援専門員実務研修の受講・資格登録が必要となります。
ケアマネジャー試験を受験するには、以下のいずれかの要件を満たさなければなりません。
- 福祉・保健・医療に関する特定の国家資格等を有し、その資格に基づく対人援助業務の経験が5年以上かつ従事した日数が900日以上ある
- 特定の福祉施設・介護施設・障害者支援施設などにおける、相談援助業務の経験が5年以上かつ従事した日数が900日以上ある
ケアマネジャーの仕事では、医療ニーズの高い利用者に対するケアプランの作成や、医師や看護師との連携など、医療の知識が求められる場面が多くあります。そのため、ケアマネジャー試験は、ケアマネジメントだけではなく、保健医療に関する知識が問われる内容です。
計画作成や医療の知識を身につけて介護業界で広く活躍したい方は、ケアマネジャーの資格取得を目指してみるのも良いでしょう。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「介護支援専門員/ケアマネジャー」
介護福祉士が医療の知識・技術を身につけるメリット
介護福祉士が医療の知識・技術を身につけるメリットは、活躍の場が広がることです。医療の知識・技術を身につけると、高齢者施設や訪問介護事業所はもちろん、医療の現場で介護を担う人材としても重宝されます。
高齢化に伴い、介護と医療を必要とする高齢者は増加しているため、両方の知識・技術をもった介護福祉士の需要は今後も高いでしょう。
また、介護と医療の橋渡し役として支援チームに貢献できることも、介護福祉士が医療知識を学ぶ大きなメリットです。介護の現場では、医師や看護師と連携を図りながらケアを行う場面が多くあります。医療の知識があれば、介護の留意点や状況をスムーズに共有でき、多職種連携してケアの質を高めることが可能です。
介護福祉士は医療の知識を習得してスキルアップしよう
- 医療介護福祉士とは、医学的な知識をもつことを証明する民間資格の1つ
- 医療介護福祉士の認定講座は、現在実施されていない(2026年7月時点)
- 介護福祉士が医療の知識や技術を身につけると、活躍の場が広がるメリットがある
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