職種・資格情報
ガイドヘルパーとは?仕事内容は?必要な資格や給料を紹介
2 months ago

「ガイドヘルパーとはどのような仕事かよく分からない」という方もいるのではないでしょうか?ガイドヘルパーとは、障がい者が外出する際の支援を行う職種です。この記事では、ガイドヘルパーの種類や仕事内容、給与・時給の相場を紹介します。ガイドヘルパーの資格やメリットについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
ガイドヘルパーとは
厚生労働省「障害福祉のお仕事図鑑」によると、ガイドヘルパーとは、障がいのある方の外出時のサポートをする職種の総称です。
肢体不自由・視覚障がい・知的障がい・精神障がいなど、支援対象者の障がいの種類はさまざま。利用者さんの状態や特性によって、必要な支援の内容は異なります。
ガイドヘルパーの役割は、携わる分野の専門知識を活かして、ニーズや状況に合った適切なサポートを行うことです。
参考:厚生労働省「障害福祉のお仕事図鑑」
ガイドヘルパーの種類と仕事内容
提供するサービスの内容によって、ガイドヘルパーの種類は主に以下の3つに分けられます。
- 同行援護従業者
- 行動援護従業者
- 移動支援従業者(全身性障がい・知的障がい・精神障がい)
「同行援護」と「行動援護」は、国が定める障害福祉サービスです。これに加え、自治体が独自に地域生活支援事業として「移動支援」のサービスを展開している場合があります。
ここからは、それぞれのガイドヘルプの対象者や、ガイドヘルパーの具体的な仕事内容を見ていきましょう。
同行援護従業者
厚生労働省「同行援護に係る報酬・基準について≪論点等≫(p.1)」によると、同行援護従業者とは、視覚障がいのある方の外出をサポートする職種です。主に視力・視野の障がいや夜盲の症状により、単独での移動が困難な方の支援を行います。
移動時や外出先において、視覚的な情報の提供や代読・代筆、移動・食事・排泄などの日常生活動作のサポートを行うのが、同行援護従業者の主な仕事内容です。
行動援護従業者
厚生労働省「行動援護に係る報酬・基準について≪論点等≫(p.1)」によると、行動援護従業者とは、知的障がいもしくは精神障がいがあり、常時介護を必要とする方をサポートする「行動援護」に従事する職種です。
行動援護従業者は、状況に応じて以下のような対応を行い、利用者さんが安全に外出できるよう支援します。
| 予防的対応 | 予定が分からないことに不安を感じて危険な行動につながらないよう、あらかじめ行動の順番などを伝えておく |
| 制御的対応 | 自傷・他害などの危険な行動が起きた際に、場所の移動などの適切な対応を行い、利用者さんと周囲の安全を確保する |
| 身体介護的対応 | 外出中の食事・排泄や、外出に伴う衣服の着脱をサポートする |
参考:厚生労働省「行動援護に係る報酬・基準について≪論点等≫(p.1)」
行動援護従業者には、外出に伴う身体介護に加え、危険な行動を予防するためのコミュニケーションや、行動障がいがみられた際の安全確保などを行う役割があります。
行動援護の対象者は、障害支援区分が3以上で、認定調査項目のうち「行動関連項目等」が10点以上の方です。18歳未満の場合、同等の支援が必要であると自治体が判断すれば利用できます。
参考:厚生労働省「第36回『障害福祉サービス等報酬改定検討チーム』資料」
移動支援従業者
厚生労働省「障害者等の移動の支援について(p.3)」によると、移動支援とは、生活や社会参加のための外出をサポートすることです。障がいがあり、外出時の移動支援の必要性を自治体から認められた方が利用できます。
移動支援事業の内容は自治体によって異なり、対象者も身体障がいのある方・知的障がいのある方・精神障がいのある方などさまざまです。国が定める障害福祉サービスと比べ、対象者や利用目的が幅広く、生活の充実を支えられる仕事といえます。
また、移動支援は「個別支援型」「グループ支援型」「車両移送型」の3つの実施方法があり、複数の対象者の同時支援や福祉バスの巡回による送迎支援を行う場合もあるようです。
ガイドヘルパーが行えない仕事
同ページによると、同行援護や行動援護のガイドヘルパーは、原則として以下のような支援は行えません。
- 経済活動に関わる外出:通勤や営業活動など
- 通年かつ長期にわたる外出:通学・通所・通院など
- 社会通念上適当でない外出:ギャンブル・宗教活動・飲酒が目的の外出など
上記のほかにも、長期にわたる旅行や、定期的に通う習い事に伴う移動などは、同行援護や行動援護の対象外となる場合が多いようです。
サービスの範囲は、「公費によるサービスとして適切であるか」「該当の障害福祉サービスの目的と一致しているか」といった視点で判断されます。
一方、移動支援の具体的な利用条件は自治体が決めるため、地域によってガイドヘルパーが行える支援の範囲は異なる場合があるでしょう。
参考:厚生労働省「社会保障審議会障害者部会(第67回)」
ガイドヘルパーの資格の取得方法
ガイドヘルパーとして働くためには、支援内容に応じた資格や経験が必要です。ガイドヘルパーの要件を満たす資格は複数あります。
ここからは、同行援護・行動援護・移動支援のスキルの習得に特化した養成研修の概要を見ていきましょう。
同行援護従業者養成研修
同行援護従業者養成研修には「一般課程」と「応用課程」があり、一般課程を修了することで同行援護に携われます。
応用課程は管理職である「サービス提供責任者」の要件の一つで、サービス提供責任者になるには、別途介護の資格や実務経験も必要です。
厚生労働省「指定居宅介護の提供に当たる者としてこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの等 :別表第六」によると、同行援護従業者養成研修における一般課程のカリキュラムは、以下のとおりです。
| 区分 | 科目 | 時間数 | 免除制度 |
|---|---|---|---|
| 講義 | 外出保障 | 1時間 | |
| 視覚障害の理解と疾病(1) | 1時間 | ||
| 視覚障害の理解と疾病(2) | 0.5時間 | ◯ | |
| 視覚障害者(児)の心理 | 1時間 | ||
| 視覚障害者(児)福祉の制度とサービス | 1.5時間 | ◯ | |
| 同行援護の制度 | 1時間 | ||
| 同行援護従業者の実際と職業倫理 | 2.5時間 | ◯ | |
| 講義・演習 | 情報提供 | 2時間 | |
| 代筆・代読(1) | 1時間 | ||
| 代筆・代読(2) | 0.5時間 | ◯ | |
| 演習 | 誘導の基本技術(1) | 4時間 | |
| 誘導の基本技術(2) | 3時間 | ◯ | |
| 誘導の応用技術(場面別・街歩き)(1) | 4時間 | ||
| 誘導の応用技術(場面別・街歩き)(2) | 1時間 | ◯ | |
| 交通機関の利用 | 4時間 | ||
| 合計 | 28時間 | ||
参考:厚生労働省「指定居宅介護の提供に当たる者としてこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの等:別表第六」
同行援護従業者養成研修の一般課程では、講義や演習を通して、同行援護のサービス内容や支援方法を学習します。
なお、「盲ろう者向け通訳・介助員養成研修修了者」は、科目免除の対象。計28時間のうち9時間が免除となるため、計19時間で修了できます。
参考:厚生労働省「指定居宅介護の提供に当たる者としてこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの等(p.1)」
行動援護従業者養成研修
厚生労働省「行動援護に係る報酬・基準について≪論点等≫(p.1)」によると、「行動援護従業者養成研修の修了」「直接処遇経験1年以上(知的障がい・精神障がいのある方など)」という2つの要件を満たすと、行動援護に携われます。
サービス提供責任者として働く場合は、3年以上の直接処遇経験が必要です。
厚生労働省「指定居宅介護の提供に当たる者としてこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの等:別表第八 」によると、行動援護従業者養成研修は、以下のカリキュラムに沿って実施されます。
| 区分 | 科目 | 時間数 |
|---|---|---|
| 講義 | 強度行動障害がある者の基本的理解に関する講義 | 1.5時間 |
| 強度行動障害に関する制度及び支援技術の基礎的な知識に関する講義 | 5時間 | |
| 強度行動障害がある者へのチーム支援に関する講義 | 3時間 | |
| 強度行動障害と生活の組立てに関する講義 | 0.5時間 | |
| 演習 | 基本的な情報収集と記録等の共有に関する演習 | 1時間 |
| 行動障害がある者の固有のコミュニケーションの理解に関する演習 | 3時間 | |
| 行動障害の背景にある特性の理解に関する演習 | 1.5時間 | |
| 障害特性の理解とアセスメントに関する演習 | 3時間 | |
| 環境調整による強度行動障害の支援に関する演習 | 3時間 | |
| 記録に基づく支援の評価に関する演習 | 1.5時間 | |
| 危機対応と虐待防止に関する演習 | 1時間 | |
| 合計 | 24時間 | |
参考:厚生労働省「指定居宅介護の提供に当たる者としてこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの等:別表第八 」
行動援護従業者養成研修では、行動障がいの原因や支援方法を学び、行動援護の仕事への理解を深めます。利用者さんとのコミュニケーションや周囲との連携に関する科目もあり、実践的なスキルを習得できる内容です。
参考:厚生労働省「第36回『障害福祉サービス等報酬改定検討チーム』資料」
厚生労働省「指定居宅介護の提供に当たる者としてこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの等(p.2)」
移動支援従業者養成研修
東京都 福祉局「東京都障害者(児)移動支援従業者養成研修事業実施要綱 :別紙1」によると、東京都の移動支援従業者養成研修では、以下の3つの課程が設けられています。
| 視覚障害者移動支援従業者 養成研修課程 |
20時間 | 【講義(11時間)】 - 障害者福祉に関する制度及びサービス - 身体障害者ホームヘルプサービスに関する知識 - サービス利用者の理解 - 移動支援の基礎知識 【演習(9時間)】 - 移動の支援に係る技術 |
| 全身性障害者移動支援従業者 養成研修課程 |
16時間 | 【講義(12時間)】 - 障害者福祉に関する制度及びサービス - 身体障害者ホームヘルプサービスに関する知識 - サービス利用者の理解 - 移動支援の基礎知識 【演習(4時間)】 - 車椅子での移動の支援に係る技術 |
| 知的・精神障害者移動支援従業者 養成研修課程 |
19時間 | 【講義(13時間)】 - 障害者福祉に関する制度及びサービス - 知的・精神障害者ホームヘルプサービスに関する知識 - サービス利用者の理解 - 移動支援の基礎知識 【演習(6時間)】 - 移動の支援に係る技術 |
参考:東京都 福祉局「東京都障害者(児)移動支援従業者養成研修事業実施要綱:別紙1」
移動支援従業者養成研修は、自治体が主体となって実施しています。研修課程の種類・時間数などの内容や開催スケジュールは、各自治体のWebサイトなどで公表されるため、移動支援のガイドヘルパーに興味がある方はチェックすると良いでしょう。
参考:東京都 福祉局「東京都障害者(児)移動支援従業者養成研修事業の関係規程」
ガイドヘルパーの就業先
ガイドヘルパーの主な就業先として、以下が挙げられます。
- 訪問介護・居宅介護事業所
- 障がい者支援施設
- 移動支援事業所
- 高齢者施設
移動支援を専門に行う事業所は限られるので、ガイドヘルパーの仕事に興味がある方は、「訪問系のサービスを提供する事業所」や「障がい者支援施設」の求人も調べてみるのがおすすめです。
高齢化に伴い、障がいのある高齢者に対する移動支援の需要も高まっています。そのため、ガイドヘルパーの資格に加えて、介護に関する知識・資格をもっていると、活躍の場が広がるでしょう。
ガイドヘルパーの給与・時給
厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査調査結果報告書(p.78)」によると、同行援護・行動援護を行うガイドヘルパー(常勤)の平均給与額は以下のとおりです(2024年9月)。
- 同行援護:31万9880円
- 行動援護:34万5900円
同行援護や行動援護に携わるガイドヘルパーの給与相場は、30万~35万円程度です。時給の場合、1500~2000円程度が相場となります。
一方、移動支援従業者の場合は、自治体がサービス料金を決定するため、地域による給与差が発生しやすいでしょう。支援内容にもよりますが、専門知識が必要な同行援護や行動援護と比べると、移動支援のガイドヘルパーの給料は低い傾向にあります。
ガイドヘルパーの給料は、職場や雇用形態、地域などの条件によって異なるでしょう。給料面を重視する場合は、手当の制度が充実している職場を探したり、複数の事業所を掛け持ちして働いたりする選択肢もあります。
参考:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果」
ガイドヘルパーの仕事をするメリット
ここでは、ガイドヘルパーの仕事をするメリットを紹介します。
多くのやりがいを感じられる
ガイドヘルパーは、障がいのある方を直接サポートする仕事で、趣味に伴う外出の支援などにも幅広く関わります。利用者さんの生活の質向上や安定に貢献できたり、感謝の言葉をかけてもらえたりすることも多いでしょう。
そのため、「利用者さんの力になれている」というやりがいを感じながら働けるメリットがあります。
専門的なスキルが身に付く
ガイドヘルパーの仕事では、利用者さんの状況に合わせて柔軟に行動するスキルや、コミュニケーションスキル、外出先でのトラブルに対応する判断力などが身に付きます。移動の介助や食事・排泄のサポートなどは、施設においても頻繁に行う業務です。
そのため、ガイドヘルパーとして経験を積むと、介護や障がい福祉の分野で幅広く活かせるスキルを習得できます。
ライフスタイルに合った働き方を選べる
ガイドヘルパーが行う支援は、1回当たり0.5~2時間程度と比較的短いものから、半日以上の長時間にわたるものまであります。パートやアルバイトの求人も多く、平日の数時間のみ働いたり、土日中心で働いたりと、ライフスタイルに合わせて働くことが可能です。
また、ガイドヘルパーの仕事は日中の外出支援が中心となるため、夜勤や当直は基本的には発生しません。生活リズムが大きく崩れる心配がなく、仕事とプライベートを両立しやすい点も、ガイドヘルパーとして働くメリットの1つです。
ガイドヘルパーは障がい者の安全な外出をサポートする
- ガイドヘルパーとは、障がい者の外出時の支援を行う職種の総称
- ガイドヘルパーが提供する主なサービスは、同行援護・行動援護・移動支援の3つ
- ガイドヘルパーとして働くには、支援内容に応じたスキルが求められる
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