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トラベルナースとは?ドラマでも注目された看護師の働き方を解説
a year ago
最近になって日本でも注目され始めたトラベルナース。しかし、実際にはどのような形で勤務していたり、どのような点が一般的な看護師と違ったりするのか、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。
ここではトラベルナースの働き方が気になっている方に向けて、基本的なことから、なり方や働く上でのメリット・デメリットまでを説明していきます。
トラベルナースとは
まずはトラベルナースとはどのような仕事なのか、制度やシステム、ほかの看護師との違いなどについてご説明します。
どのような制度・システムか
トラベルナースは応援ナースとも呼ばれており、人手不足の医療機関などで一時的に働く助っ人のような看護師のことです。契約期間はが原則6カ月で、場合によっては契約を更新して6カ月以上働く場合もあります。
海外で1970年代以降に看護師の人手不足の問題解消に向けて、臨時で看護師を受け入れるようになったことがトラベルナースの始まりといわれています。
応援ナース・派遣ナースとの違い
派遣ナース(派遣看護師)とは、派遣会社と雇用契約を結んで特定の医療機関に派遣される看護師のことです。
一方、応援ナース(トラベルナース)は、職場と直接雇用契約を結び、一定の期間働く看護師のことを指します。雇用形態は契約社員やパート・アルバイトといった非正規の契約となるのが一般的です。
なぜ注目されているか
トラベルナースは、海外では数十年前から存在している働き方です。
日本では、コロナ禍によって医療の最前線で対応する看護師の需要が高まったことや、テレビドラマの放送がきっかけで注目されたと考えられます。
トラベルナースになるための条件
トラベルナースになるためには看護師の資格が必要です。職場のニーズにもよりますが、准看護師の資格を活かしてトラベルナースになる人もいます。
応募先によって必要な経験年数は異なるものの、トラベルナースになるうえで厳密な決まりはありません。ただし、人手不足のときに即戦力として活躍することを期待されるため、看護師の場合は正看護師として3年以上の臨床経験があると良いでしょう。
契約先の応募条件なども見て、自分に合っているか確認する必要があります。
また、契約先が多忙な職場であるケースが多いので、のんびり働きたい方やマイペースな方にとってはつらいと感じる可能性があります。
心構えとしては雇用形態に関わらず、責任と覚悟を持って現場に貢献する気持ちが大切といえるでしょう。
トラベルナースになるメリット
この項では、トラベルナースとして働くメリットについてご紹介します。給与や人間関係、業務内容、経験の面から説明するので以下で見ていきましょう。
給与が高く福利厚生が充実している
トラベルナースはボーナス・賞与がないものの、比較的高い給料を受け取れる可能性があります。地域や職場によっても異なるため一概にはいえませんが、中には月40万円〜50万円ほどと高給与の職場もあるでしょう。また、引っ越し費用や家賃、家電などについては契約先が負担してくれるケースもあります。
社会保険についても完備されていることが多いため、契約時の雇用形態などから確認しておきましょう。
人間関係を気にする必要がない
契約期間が決まっているため人間関係に縛られにくいこともメリットとして考えられます。たとえ職場の雰囲気が合わなかったとしても、期間限定なら耐えられる場合があるでしょう。
一方で、契約先の医療機関と相性が良いと正職員として本採用されるトラベルナースもいます。
看護業務に集中できる
トラベルナースは、多くの場合、委員会などの看護と直接関係のない業務には参加しなくてよいため、看護業務に集中できます。
さまざまな分野の看護経験を積むことが多くなるため、トラベルナースを経て、より専門性を高めたいと思える分野に出合う看護師もいます。
病院以外の経験を積むことができる
クリニックや老人ホームなどが契約先となることもあるため、病院以外の就労経験を積むことができる点も魅力の一つです。
短期間で複数の医療現場の経験を積むことができるため、看護スキルだけでなく、仕事の進め方や連携の取り方など、トラベルナースを経験すると看護師として総合的に鍛えられるでしょう。
トラベルナースになるデメリット
トラベルナースになる場合、デメリットとして考えておいたほうがよいことについても説明します。ここではボーナスや退職金、契約期間が切れたとき、キャリアアップなどについて触れていきます。
ボーナスや退職金は受け取れない
期間限定の雇用形態であるため、ボーナスや退職金は受け取れません。もし月収が高く設定されていたとしても、年収ベースで考えるとそれほど高額にならない可能性もあります。
収入を重視する方は、月給に注目するだけでなく、年収に換算して今までの職場と比較すると良いでましょう。
契約先が変わるごとに調整業務が必要
契約先が半年や数カ月、長くても数年で変わるため、そのたびに新しい契約先についてエージェントと調整したり、引っ越しの手続きをしたりする必要があります。
職場環境についても同様です。新しい契約先であっても、トラベルナースでは短期間で人間関係を構築し、施設特有の制度や物品の配置などにすぐに適応する力が求められます。
管理職などへのキャリアアップはできない
契約期間の関係から継続的に働くことができないため、管理職や看護師長へのキャリアアップを狙う場合は正職員として病院に勤める必要があります。
将来的にも第一線で仕事をしたい人にとっては現場の経験を積むことができるため問題ありませんが、キャリアアップが少しでも気になる方は、働き方について考えてみたほうがよいでしょう。トラベルナースは経験を積むことはできても、キャリアアップは望めない仕事と認識しておくことが大切です。
即戦力が求められる
人手不足の病院がトラベルナースを募集するため、基本的には即戦力が求められます。
また、忙しい職場が多く、契約先の医療機関で丁寧な研修や業務のレクチャーを受けられない可能性もあります。中でも、いつも求人を出している医療機関は業務が忙しいことが予想されます。こまめに求人を確認しておくか、気になる場合はエージェントに内部情報を聞いておくとよいでしょう。
有給の付与は6カ月以上働いたとき
有給休暇は労働基準法に定められているとおり、6カ月以上継続して、労働日の8割以上の日数を勤務した場合に付与されるものです。契約期間が短くなりがちなトラベルナースでは付与されないことが多いといえます。
有給が付与されなくても、月収や住宅手当、人間関係などにおけるメリットを重視したい方にはトラベルナースが向いているでしょう。
まとめ
トラベルナースとはどのような働き方か、また働く上でのメリットやデメリットについて説明しました。
- トラベルナースとは臨時の人手不足として病院に勤務する看護師のこと。
- メリットは月収の高さや短期間でさまざまな経験を積めることなど。
- デメリットは経験を積めても管理職などへのキャリアアップができないことなど。
ご自身にとってトラベルナースという働き方が合っているかどうか、判断の一助になれば幸いです。
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