資格・スキルアップ

ケアマネージャーとは?資格や仕事内容をわかりやすく解説

ケアマネジャー仕事内容8 months ago

「ケアマネージャーの仕事内容について知りたい」「ケアマネージャーになるにはどうすれば良いの?」と気になる方もいるでしょう。

ケアマネージャーは、介護を必要とする方が適切な介護を受けられるようにサポートする介護職のスペシャリストです。介護職員の中には、キャリアアップを目指してケアマネージャーの資格取得を目指す方もいます。

本記事では、ケアマネージャーの仕事内容や資格取得について、わかりやすく解説!年収ややりがいについても紹介するので、チェックしてください。

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ケアマネージャーとは?

ケアマネージャーとは、正式名称を「介護支援専門員」といいます。介護を必要とする方が適切な介護保険サービスが受けられるように、ケアプランの作成や介護事業者・自治体・要介護者などとの間に入って調整を行うことが主な仕事です。また、要介護者や家族からの介護に関する相談を受けることもあります。
ケアマネージャーの活躍の場は、介護施設や居宅介護支援事業所のほか、地域包括支援センターや介護用品レンタル企業などさまざまです。
職場によって仕事内容は異なりますが、各専門職や相談者と密にコミュニケーションを取りながら仕事を進めます。

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ケアマネージャーの仕事内容

ケアマネージャーの仕事内容について、より詳しく解説します。

ケアプランの作成

ケアプランとは、要介護者や家族の状況・希望をふまえて、介護支援の方針や介護サービスの内容、目標などを定めたサービス計画書のことです。

ケアプランの作成でケアマネージャーが最初に行うのは、課題抽出です。電話面談や自宅訪問などを通じて、要介護者や家族のニーズを聞き、「杖を使いながらひとりで歩けるようになる」「自分ひとりで食事がとれる」などの目標を設定します。そして、どの介護保険サービスを提供するのが適切か、どのようなスケジュールで進めていくか、介護事業者と話し合いながらケアプランを作成します。
ケアプランの確定・実行後もモニタリング(定期訪問)を行い、要介護者の状況把握と継続的なサービス調整を行っています。

要介護認定の申請代行

要介護者が介護保険サービスを受けるためには、心身状態を自治体へ申請し、「要介護認定」を受ける必要があります。申請の代行もケアマネージャーの仕事内容の一つです。
また、要介護者が受けられる介護保険サービスは要介護度によって異なります。要介護の認定を受けた方の状態に変化があり、区分変更を必要とする際にも、ケアマネージャーが要介護認定の再申請代行を行います。

給付管理票の作成

ケアマネージャーは要介護者の支給限度額や自己負担額の確認を行い「給付管理票」の作成を行います。
給付管理票とは、国民健康保険団体連合会(国保連)へ介護報酬を請求するための書類です。国保連では、ケアマネージャーから提出された給付管理表と介護事業者から提出された介護給付費の明細書に齟齬がないかという審査が行われます。審査に通ると介護事業者へ介護保険の報酬が支払われるのです。

介護事業者と利用者間の調整・相談役

ケアマネージャーは要介護者や家族から介護に関する相談に乗る機会を定期的に設けたり、介護事業者との調整を行ったりします。
要介護者の代わりに介護事業者への要望を伝えて、両者の間に入って環境調整を行うことも、ケアマネージャーの重要な仕事内容の一つです。橋渡し役を担うことが多いため、コミュニケーション能力が必要となるでしょう。

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ケアマネージャーの役割と仕事内容は職場によって異なる

ケアマネージャーの仕事内容は職場により大きく異なります。ここでは職場別に求められる役割と仕事内容について触れていきます。

居宅ケアマネ

居宅介護支援事業所に勤めるケアマネージャーは「居宅ケアマネ」と呼ばれます。
居宅ケアマネの主な仕事内容は、自宅で介護が必要な利用者のもとを訪問して必要なサービスを検討し、生活環境や状態に適したケアプランを作成することです。また、要介護者から生活における困り事を聞いて、相談に乗ることもあります。
居宅介護支援事業所における人員の配置基準は、要介護者35人に対しケアマネージャー1人以上と定められています。

施設ケアマネ

特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護施設に勤めるケアマネージャーは「施設ケアマネ」と呼ばれます。
主な仕事内容は、居宅ケアマネと同様にケアプランの作成ですが、施設におけるケアプランの作成対象は施設利用者です。
また、施設によっては介護士と一緒に介護業務を行うほか、夜勤を担当することもあります。配置基準は、要介護者100人に対しケアマネージャー1人以上と定められています。

地域包括支援センターの主任ケアマネ

ケアマネージャーが地域包括支援センターで勤務する際は、「主任ケアマネ」としての役割を求められることが多く、その場合は「主任介護支援専門員」の資格が必要です。
主任ケアマネの主な仕事内容は「介護予防ケアマネジメント」で、要支援認定を受けた方が要介護の状態にならないよう、必要なサポートを計画します。
そのほか、地域のケアマネージャーの教育やサポートも業務の一つです。

民間の介護用品レンタル企業のケアマネ

介護施設や公的機関以外の場所で勤務しているケアマネージャーもいます。代表的な例は、民間の介護用品レンタル・販売企業に勤務するケースです。要介護者や家族へ必要な介護用品を提案したり、介護用品を導入して生活がどのように変わるかを専門的な観点から助言したりします。

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ケアマネージャーがやってはいけないことは?

要介護者や家族と連携するうえで、ケアマネージャーが業務上やってはいけないことも存在します。

同意を得ずにケアプランを確定すること

ケアプランの作成をはじめとする介護保険サービスの利用については、要介護者および家族への説明を行い、ご納得いただけたうえで行わなければなりません。また、サービス内容はケアマネージャーが「決める」のではなく、「提案」したうえで選択してもらうようにしましょう。

サービス提供や必要な手助けの拒否

「利用者がほかのケアマネージャーにケアプランの作成を依頼している」といった正当な理由がある場合を除き、ケアマネージャーはサービス提供を拒否してはいけません。また、要介護認定の申請代行などの必要な手助けを拒むことも、ケアマネージャーとしてやってはいけないことです。

介護保険とは関係のない作業

ケアマネージャーは業務上、要介護者からの頼まれごとが多い職種です。なんでも「必要な手助け」として請け負ってしまいそうになるかもしれません。よく依頼としてあがるのが、介護保険以外の書類の申請代行や車での送迎などです。
しかし、介護保険以外の業務を請け負うことはトラブルの原因になりかねず、事業届けのない車での送迎は道路運送法に抵触するおそれがあります。

必要な手助けとは、先述のようなケアプランの作成や要介護認定の申請代行など、介護保険サービスに関わることのみです。依頼を受けたときは、介護保険サービスに該当する内容かどうかを確認しましょう。

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ケアマネージャーの資格をとるには?

ケアマネージャーになるには「介護支援専門員」という資格が必要です。ここでは試験の受験条件や試験後の研修、合格率などについて詳しく解説します。

介護支援専門員の受験条件を満たす

ケアマネージャーになるには「介護支援専門員」という資格がなければ業務に従事できません。まずは介護支援専門員の受験資格を満たしたうえで、「介護支援専門員実務研修受講試験」の合格を目指しましょう。
試験は、勤務地または住所地の都道府県にて受験できます。

公益財団法人東京都福祉保健財団の令和5年度受験要項によると、試験の受験条件は下記のとおりです。

  • 特定の国家資格(医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士など)を保有し、実務経験が通算5年以上あり、従事した日数が900日以上ある
  • 特定の国家資格を保有していないが、生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員として相談援助業務に通算5年以上の従事期間があり、従事した日数が900日以上ある

上記条件のどちらかを満たせば、受験することができます。

試験合格後、実務研修を受ける

介護支援専門員実務研修受講試験に合格したあとは「介護支援専門員実務研修」を受講します。その後、都道府県に登録を行い、ケアマネージャーの資格が取得できます。

介護支援専門員の試験と合格率

介護支援専門員実務研修受講試験は年1回、例年10月中旬から下旬ごろに実施されています。試験は全60問が五肢複択方式で出題され、試験時間は120分です。
厚生労働省の発表によると、合格率は2018年度から2022年度の5年間で平均17.92%と、難易度の高い試験となっています。

介護支援専門員実務研修受講試験 2018年度から2022年度の合格状況

実施年度 受験人数 合格者数 合格率
2018年度 49,332 人 4,990 人 10.1 %
2019年度 41,049 人 8,018 人 19.5 %
2020年度 46,415 人 8,200 人 17.7 %
2021年度 54,290 人 12,662 人 23.3 %
2022年度 54,406 人 10,328 人 19.0 %

引用:厚生労働省

主任介護支援専門員でさらなるキャリアアップも

主任介護支援専門員は、ケアマネージャーの上位資格です。ケアマネージャーとして5年以上専任で実務経験があるなどの条件を満たし、「主任介護支援専門員研修」を受講することで資格を得られます。主任ケアマネージャーや主任ケアマネとも呼ばれる職種です。

厚生労働省の資料にあるように、2021年の介護報酬改定では、居宅介護支援事業所の管理者が主任ケアマネに限定されました。2027年までは経過措置が取られているため、すぐにすべての居宅介護支援事業所の管理者が主任ケアマネになるわけではありません。しかし、新たに管理者に就任する場合は、主任ケアマネであることが必須となります。
主任ケアマネの資格を取ることで、ケアマネージャーとしてのキャリアアップにつなげられるでしょう。

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ケアマネージャーの年収(給料)はどれくらい?

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、ケアマネージャーの平均月収は約28.5万円、平均年収は約406万円となっています。
主任ケアマネになると役職手当がつくこともあるようです。

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ケアマネージャーのやりがいは?

ケアマネージャーは要介護者と他職種の間で介護保険のスペシャリストとして日々働いています。仕事内容のどういったところにやりがいを感じられるのでしょうか。

要介護者がよりよい生活を送るための手助けができる

ケアマネージャーは、要介護者がより良い生活を送れるように介護保険サービスを選定し、ケアプランの作成を行います。介護保険サービスの利用がスタートしたあとも、要介護者へのフォローは続きますので、長いスパンで要介護者の手助けができるところが魅力的といえるでしょう。

介護をする家族のサポートもできる

ケアマネージャーのサポート対象は要介護者だけでなく、その家族も含まれます。
要介護者の家族は、介護や手続きに慣れている方ばかりではありません。利用サービスの内容や金銭面などで不安を抱えている方も多いのが現状です。ケアマネージャーが適切に介護保険サービスの介入を勧めることで、家族の不安も解消する手助けになれます。

さまざまな立場の人から必要とされる

ケアマネージャーが関わるのは要介護者とその家族だけではありません。介護士や社会福祉士といった介護施設の職員や、自治体、病院の医師・ソーシャルワーカーなどさまざまな職種と連携しながら要介護者の生活を支えていきます。
ケアマネージャーは他職種をまとめあげる立場として、必要不可欠な存在であるため、やりがいを感じる方が多いようです。

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ケアマネージャーの資格は廃止される?

ここまでケアマネージャーの仕事内容ややりがいなどを紹介してきましたが、ケアマネージャーの資格が廃止されるのではないかという話題を耳にし、不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

廃止される予定はない

結論からいえばケアマネージャーの資格が廃止される予定はありません(2023年6月時点)。ケアプランや給付管理表の作成を担うケアマネージャーは、介護保険分野において無くてはならない存在であり、今後も長く必要とされる職業といえるでしょう。

廃止されると噂される理由

なぜ廃止されるという話題が持ち上がったのでしょうか。
理由の一つとして受験資格の厳格化が考えられます。2018年よりケアマネージャーの受験資格は、「特定の国家資格所有者および相談業務従事者として、実務経験5年以上」という条件に変わりました。
以前は、介護業務に一定の年数従事していれば受験が可能でしたが、2018年からは対象職種が限定されています。
そのため、2017年の受験者が13万人以上だったのに対し、2018年の受験者は5万人以下に激減しました。よって、ケアマネージャーになる人が減ってしまい、このまま廃止されるのではないかと思った方がいたようです。

また、介護職員処遇改善加算の登場も噂の要因といわれています。
高齢化が進み介護の需要が高まるなか、介護職員の待遇が問題視されるようになりました。そのような状況を改善すべく、2012年度に処遇改善加算の制度が創設されて以来、処遇の見直しが行われてきました。
その結果、介護福祉士とケアマネージャーの処遇の差が縮まったことで、ケアマネージャーを目指す人が減り、資格が廃止になるのではと噂になったようです。

今後も高需要が見込まれるケアマネージャー

介護を必要とする方が介護保険サービスを利用するうえで、ケアマネージャーの存在は欠かせません。そのため、高齢化が進む社会において、ケアマネージャーの需要がなくなることはないでしょう。
また、前述のとおり、居宅介護支援事業所の管理者となるには主任ケアマネの資格が求められます。主任ケアマネになるには、ケアマネージャーの資格を取得したうえで、5年以上の実務経験が必須です。
まずはケアマネージャーとして経験を積み、さらに主任ケアマネの資格を取ることで、介護業界での活躍の幅を広げていけるでしょう。

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ケアマネージャーは介護保険を扱い調整役を担うリーダー

  • ケアマネージャーの仕事内容はケアプランの作成や要介護認定の申請代行など
  • ケアマネージャーの仕事内容は勤務する職場によっても異なる
  • ケアマネージャーは、要介護者がより良い介護を受けられるように調整する役割を担う
  • ケアマネージャーは、主任ケアマネの資格取得により、さらなるキャリアアップが可能

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