豆知識
老人福祉法とはどのような法律?内容や介護保険法との違いを解説
2 months ago

「老人福祉法について知りたい」という方もいるのではないでしょうか。老人福祉法は、高齢者福祉に関連する日本で最も古い法律です。この記事では、老人福祉法が作られた背景や目的、規定する事業や施設を解説します。老人福祉法と介護保険法の違いについてもまとめたので、介護や福祉に関心がある方はぜひ参考にしてみてください。
老人福祉法とは?わかりやすく解説
e-GOV法令検索「老人福祉法 第1条」によると、老人福祉法とは、高齢者の福祉に関する基本を定める法律です。高齢者の健康保持や生活の安定を図ることを目的に、高齢者福祉の増進に関連する事業や施設のあり方などを定めています。
老人福祉法は廃止されておらず現在も改正が続いている
厚生労働省「平成23年版 厚生労働白書 第2章(p.52)」によると、1963年に制定された老人福祉法は、世界で初めての高齢者関係の法律といわれています。
老人福祉法が制定された理由には、核家族化の進行で各家庭で高齢者を扶養することが難しくなり、高齢者に向けた福祉施策の需要が高まった時代背景があるようです。
老人保健法や介護保険法よりも古い法律ですが、老人福祉法は現在も改正されながら存続しています。
参考:厚生労働省「平成23年版 厚生労働白書」
老人福祉法が規定する居宅生活支援事業
老人福祉法では、高齢者を対象とした居宅生活支援事業の運営や内容について定めています。
e-GOV法令検索「老人福祉法 第5条の2」によると、老人福祉法が規定する高齢者向け居宅生活支援サービス一覧とその定義は、以下のとおりです。
| 老人居宅介護等事業 (訪問介護など) |
主に高齢者を対象に、居宅で食事・入浴・排せつなどの介護や日常生活のサポートを提供する事業 |
| 老人短期入所事業 (ショートステイなど) |
主に在宅生活を送る高齢者を対象に、短期間の入所による養護を行う事業 |
| 老人デイサービス事業 | 主に施設に通う高齢者に対し、食事・入浴・排せつなどの介護や機能訓練を提供する事業 |
| 認知症対応型老人共同生活援助事業 (グループホームなど) |
主に認知症の高齢者が共同生活を送る住居で、食事・入浴・排せつなどの介護や日常生活上の援助を行う事業 |
| 複合型サービス福祉事業 (看護小規模多機能型居宅介護など) |
訪問看護と小規模多機能型居宅介護を一体的に提供する事業と、その他厚生労働省令が定める複合型の事業 |
| 小規模多機能型居宅介護事業 | 高齢者などの支援対象者の状況に応じて、通所や短期宿泊、居宅への訪問を行い、食事・入浴・排せつなどの介護や日常生活の援助を提供する事業 |
参考:e-GOV法令検索「老人福祉法 第5条の2」、e-GOV法令検索「介護保険法 第8条」
老人福祉法が定める居宅生活支援事業は、心身の機能低下に伴って介護が必要になった高齢者や、介護予防のための支援が必要な高齢者の日常生活を支えるサービスです。
参考:e-GOV法令検索「介護保険法」
老人福祉法が規定する老人福祉施設
e-GOV法令検索「老人福祉法 第5条の3」によると、老人福祉法における老人福祉施設は7つあります。下記は、老人福祉法が規定する老人福祉施設の一覧とその定義です。
| 老人短期入所施設 | 老人短期入所事業を行う施設。主に在宅生活を送る高齢者を対象に、短期間の入所による養護を行う |
| 老人デイサービスセンター | 老人デイサービス事業を行う施設。主に施設に通う高齢者に対し、食事・や入浴・排せつなどの介護や機能訓練を提供する |
| 老人福祉センター | 無料か低額な料金で、高齢者に関する相談対応や、健康増進・教養向上・レクリエーションのための取組を行う施設 |
| 老人介護支援センター | 高齢者やその養護者に対する相談援助や、地域の高齢者福祉事業に対する総合的な援助を行う施設 |
| 養護老人ホーム | 主に居宅で養護を受けるのが難しい高齢者に対し、自立や社会参加の支援を行う入所施設 |
| 特別養護老人ホーム | 主に常時の介護が必要で居宅での生活が困難な高齢者を対象に、介護や機能訓練、健康管理などを提供する入所施設 |
| 軽費老人ホーム | 無料か低額な料金で、主に高齢者に対して食事の提供や日常生活に必要な支援を行う入所施設(上記の老人福祉施設に該当しないもの) |
参考:e-GOV法令検索「老人福祉法 第20条の2の2~第20条の7の2」
老人福祉法では、デイサービスや老人福祉センター、特別養護老人ホーム、軽費老人ホームといった老人福祉施設の定義や運営について定めています。
有料老人ホームの設立・運営は老人福祉法が規定する
e-GOV法令検索「老人福祉法 第29条」には、有料老人ホームの設立や届出に関する記載があります。有料老人ホームは、老人福祉施設には該当しませんが、老人福祉法が規定する施設です。
参考:e-GOV法令検索「老人福祉法」
老人福祉法と介護保険法の違い
老人福祉法と介護保険法は、「何年に制定されたか」「なぜ制定されたか」「何を定めているか」が異なります。以下で詳しく紹介するので、両者の違いを確認してみてください。
法律ができた背景や制定の目的の違い
老人福祉法が制定された1963年から34年後の1997年に、介護保険法が制定されました。
厚生労働省「平成23年版 厚生労働白書 第2章(p.67)」によると、介護保険法が制定された背景には、バブル経済崩壊による財政状態の悪化や、介護体制を改善する必要性の高まりなどがあります。
介護保険法では、国民全体で高齢者福祉を支える仕組みとして、介護保険制度が創設されたのが大きな特徴です。
老人福祉法が「高齢者の福祉の必要性やあり方」について規定する法律であるのに対し、介護保険法は「高齢者を社会全体で支える介護の仕組み」を規定する法律という違いがあります。
参考:厚生労働省「平成23年版 厚生労働白書」
規定する施設・事業の種類や分類の違い
e-GOV法令検索「介護保険法 第8条」によると、介護保険法が規定する高齢者向け施設(介護保険施設)は、介護老人保健施設や介護医療院です。老人福祉法における「特別養護老人ホーム」は、介護保険法では「介護老人福祉施設」として規定されています。
また、介護保険法では、居宅サービスとして「訪問介護」「通所介護(デイサービス)」「短期入所生活介護(ショートステイ)」などを定義。さらに、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)や小規模多機能型居宅介護は、地域密着型サービスに分類されます。
老人福祉法では「居宅生活支援事業」としてまとめられているサービスが、介護保険法ではサービスの目的ごとに分類されているのが特徴です。
参考:e-GOV法令検索「老人福祉法」e-GOV法令検索「介護保険法」
老人福祉法に関するよくある質問
ここでは、老人福祉法に関してよくある疑問をQ&A形式で紹介します。
老人福祉法と介護保険法の両方で規定されている施設は?
老人福祉法と介護保険法の両方で規定されている施設は、特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービスです。ただし、法律によって異なる名称で記載されています。老人福祉法における名称は、ショートステイは「老人短期入所施設」、デイサービスは「老人デイサービスセンター」です。一方、介護保険法における名称は、特別養護老人ホームが「介護老人福祉施設」、ショートステイが「短期入所生活介護」、デイサービスが「通所介護」となっています。
参考:e-GOV法令検索「老人福祉法」
e-GOV法令検索「介護保険法」
老人福祉法の施行規則とはなんですか?
法律の施行規則とは、その法律を実行するための規則や細かい決め事を定めたものです。e-GOV法令検索「老人福祉法施行規則」では、適切に法律が実行されるよう、老人福祉法で定める内容や対象の定義についての詳細が規定されています。
参考:e-GOV法令検索「老人福祉法施行規則」
養護老人ホームへの入所措置について教えてください
養護老人ホームの入所措置とは、施設へ入所を希望する方の申請に対して、市町村が老人福祉法に基づき入所の適否を判断する仕組みを指します。入所措置の基準は、原則65歳以上で要介護認定を受けておらず、環境上・経済上の理由で自宅での生活が難しいことです。
老人福祉法は高齢者福祉の基本を定める法律
- 老人福祉法の制定は1963年で現在も廃止されていない
- 老人福祉法では高齢者向けのサービスや施設が規定されている
- 老人福祉法と介護保険法の違いは、いつ成立したかや目的
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