転職ガイド
介護職の転職で活かせる資格・スキルや成功させるポイントを紹介
3 months ago

「介護職の転職事情を知りたい」という方もいるのではないでしょうか?介護職は人手不足や需要の高さから、資格や経験が問われない職場もあり、比較的転職しやすいのが特徴です。この記事では、介護職の主な転職理由や、介護職に転職するメリットを紹介します。介護職への転職を成功させるポイントや、活かせる資格・スキルも解説するので、ぜひ参考にしてください。
介護職は転職を繰り返すのが当たり前?
介護職として働く方のなかには、職場環境や業務内容などに不満を感じ、転職を繰り返す方もいるようです。
厚生労働省「介護人材確保の現状について(p.44)」によると、2007~2018年度の介護職員の離職率は、どの年度においても産業計を上回っていました。特に、2007年度は産業計の離職率が15.4%であるのに対して、介護職員の離職率は21.6%と高い結果です。そのため、「介護職は離職率が高い」という印象をもっている方もいるかもしれません。
一方で、2022年度以降は介護職員の離職率は産業計を下回っています。2024年度のデータを見ると、産業計の離職率が14.2%であるのに対して、介護職員の離職率は12.4%です。
介護分野では、高齢化による需要の高まりや人手不足などを受け、介護職員の賃金や職場環境を改善する取り組みが実施されています。その効果もあり、近年介護職員の離職率は低下しているため、一概に「介護職は転職を繰り返すのが当たり前」とは言い切れません。
同資料(p.45)によると、介護職員の離職率は事業所によってばらつきがあり、離職率が30%以上と非常に高い事業所も一部存在するようです。就職先によっては、業務量の多さや職場環境などの事業所由来の要因によって、転職を考えるケースもあると考えられます。
参考:厚生労働省「第6回福祉人材確保専門委員会 資料」
介護職の転職理由にはどのようなものがある?
介護職では、どのようなことが転職理由になり得るのでしょうか?ここからは、介護職の転職理由の一例を見ていきましょう。
身体的な負担が大きい
介護職の転職理由の一つは、身体的な負担が大きいことです。
たとえば、身体介護を行う場面が多い職場や、利用者さんの要介護度が高い施設で働く場合、人によっては足腰への負担を強く感じることがあります。介護職には一定の体力が求められるので、体力不足や疲労の蓄積が原因で、転職を考えるケースもあるでしょう。
介護職の具体的な業務内容は、施設形態や利用者さんの傾向などによって異なります。そのため、今の職場で長期的に働くのは難しいものの、介護の仕事は続けたいと考え、介護業界内で転職をする方もいるようです。
職場環境や人間関係に不満がある
介護職では、職場環境や人間関係が原因で転職するケースも見られます。介護職の仕事は、職員同士で連携をとりながら業務を行う場面が多いのが特徴です。そのため、ほかの職員との人間関係がうまくいっていなかったり、職場の雰囲気が悪かったりすると、業務をスムーズに進められないことも。日々の勤務がストレスとなり、転職に至ることもあるようです。
また、介護職は、利用者さんやそのご家族とコミュニケーションをとる場面が多くあります。特に利用者さんとは顔を合わせる機会が多いため、関係性の構築がうまくできない相手がいると、精神的なストレスが大きくなり、転職を考える要因になることもあるでしょう。
教育制度が整っていない
職場の教育制度が整っていないことも、介護職員の転職につながる理由の一つです。
たとえば、介護職員の入れ替わりが少ない介護施設では、入職者に対する教育制度が整っていないことがあります。業務の進め方が分からないまま現場に出ることになると、精神的な負担を感じるのも無理はありません。
また、介護職経験者が転職する場合、即戦力として扱われ、施設のルールや業務の進め方に関する教育が十分に受けられないことも。その結果、自信をもって業務に取り組めないストレスを感じ、転職を考えるようになる人もいるようです。
介護職へ転職するメリット
介護職へ転職するメリットには、無資格や未経験から挑戦できることや、自身に合った働き方を選びやすいことなどがあります。ここからは、介護職へ転職するメリットを詳しく見ていきましょう。
無資格や未経験から挑戦できる
介護職の人手を確保するために、無資格や未経験の方を積極的に採用して教育する介護施設・事業所もあります。異業種からも比較的転職しやすい点が、介護職へ転職するメリットの一つです。
厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における改定事項について(p.12)」によると、医療・福祉関係の資格を有さない介護職の方は、入職後に「認知症介護基礎研修」を受講することになります。よって、介護職未経験の方も、介護の基礎知識を身に付けて業務に従事できるでしょう。
なお、認知症介護基礎研修の受講は、入職後1年間の猶予期間が設けられています。基本的に介護職になってから職場経由で受講する研修で、施設によっては、入職後すぐに認知症介護基礎研修を受講する時間を設けている場合もあるようです。
また、職場によっては、資格取得支援制度として、介護に関する資格の取得や研修の受講に対する補助が受けられることもあります。無資格から介護職に転職する場合は、資格取得に関する制度を事前に確認して職場を探すと良いでしょう。
参考:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定について」
自身に合った働き方が選べる
施設介護や訪問介護などの事業所の種類によって、介護職の働き方は異なります。夜勤の有無や勤務時間なども、職場によって傾向が異なるのが特徴です。働き方の幅が広く、自身のライフスタイルに合わせた働き方ができる職場を見つけやすい点も、介護職へ転職するメリットといえます。
たとえば、利用者さん一人ひとりとのコミュニケーションを密にとりながら働きたい方は、利用者数が比較的少ない介護施設を探してみるのがおすすめです。また、夜勤なしで働きたい場合は、通所型の介護施設や訪問介護の仕事を中心に調べてみると、条件に合った職場を見つけやすいでしょう。
介護職の転職で活かせる資格
介護職の転職に活かせる資格は、前述した認知症介護基礎研修のほかに、「介護職員初任者研修」や「介護福祉士実務者研修」があります。以下で2つの資格の詳細を確認してみましょう。
介護職員初任者研修とは
厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」によると、介護職員初任者研修とは、基本的な介護業務を行ううえで必要となる知識や技術を身に付けるための研修です。受講要件は設けられておらず、無資格や未経験の方が、介護職への転職に向けて取得することも多くあります。
介護職員初任者研修は、すでに廃止されている「ホームヘルパー2級」の資格に相当するレベルに位置付けられており、介護職未経験の方も受講しやすい難易度です。
130時間の研修と筆記試験による修了評価を終えると、介護職員初任者研修修了者として認定されます。介護職員初任者研修を修了すると、訪問介護の業務に携われるので、無資格よりも転職先の選択肢を増やせるでしょう。
参考:厚生労働省「介護職員・介護支援専門員」
介護福祉士実務者研修とは
厚生労働省「制度改正の概要(p.4)」によると、介護福祉士実務者研修とは、幅広い利用者さんに対する基本的な介護提供能力の修得を目的とする研修です。介護職員初任者研修と同じく受講要件はありません。
介護福祉士実務者研修では、介護福祉士養成施設(2年以上の養成課程)における到達目標と同等の水準を設けています。介護職員初任者研修と比べると難易度が高く、研修時間もおよそ450時間と長いのが特徴です。
介護福祉士実務者研修は、国家資格である「介護福祉士」の試験の受講要件の一つだったり、訪問介護の管理職「サービス提供責任者」の資格要件の一つだったりします。そのため、取得すると介護業界でのキャリアアップを目指しやすいでしょう。
参考:厚生労働省「介護福祉士養成施設等における『医療的ケアの教育及び実務者研修関係』」
介護職の転職で活かせるスキル
介護職の転職で活かせるスキルとして、以下のようなものが挙げられます。
- コミュニケーションスキル
- 判断力
- 観察力
- 臨機応変に行動する柔軟性
コミュニケーションスキルは、利用者さんと接するうえでも職員同士で連携するうえでも不可欠です。判断力や観察力、対応力があれば、状況の変化に柔軟に適応できるでしょう。
医療や福祉の分野から介護職へ転職する場合、これまで培った知識や経験を活かせます。また、異業種から介護職へ転職する場合も、上記のようなスキルを選考でアピールすると好印象につながるでしょう。
介護職の転職を成功させるポイント
ここでは、介護職の転職を成功させるポイントを3つ紹介します。
転職理由や志望動機を明確にする
介護職の転職を成功させるポイントの一つは、転職理由や志望動機を明確にしておくことです。たとえば、業務内容や働き方が原因で退職する場合、転職先の事業所形態や規模などが前職と類似していると、同じような不満を感じるおそれがあります。
特に、介護職から介護職へ転職する場合は、前職・現職を退職するに至った要因を明らかにし、同様の理由で転職する可能性が低い職場を探すことが大切です。
施設見学をする
介護職の転職では、志望先の施設や事業所を見学し、実際に働く職員の様子や施設・事業所の雰囲気などを見ておくことも重要です。
転職に先立って施設や事業所の見学をすると、求人サイトや施設のWebサイトだけでは分からない情報や、実際の介護現場の様子を知られることも。介護職員が業務を行う様子や利用者さんの様子を見学できると、自身が働く姿を想像しやすく、入職後のミスマッチを防げます。
転職活動のタイミングを考慮する
介護職の転職を成功させるためには、転職活動のタイミングを考慮することも大切です。介護職は通年で求人が出ていますが、4月の新年度前や夏のボーナスの支給後の時期などは、人員補充の求人が増える傾向にあります。介護職への転職を考えている方は、転職したい時期から逆算し、早めに転職に関する情報を集め始めるのがおすすめです。
介護職の転職活動では、情報収集や施設の比較、施設見学など、時間がかかることもあります。転職活動を行う期間は長めに見積もっておくと、焦らず十分に時間をかけて、自分に合った職場を探せるでしょう。
また、介護職へ転職する際は、在職中に少しずつ転職活動を始めておくのもポイントです。退職してから転職先を探す場合、転職活動中は安定した収入がなくなるため、余裕をもって転職活動に取り組めない可能性があります。
十分に情報収集が行えないまま転職すると、入職後にミスマッチを感じて後悔するおそれがあるので、すぐに辞める理由がなければ在職中に職探しを始めると良いでしょう。
介護職の転職に関するよくある質問
ここでは、介護職の転職に関するよくある質問を2つ紹介します。
異業種から介護職へ転職できる?
介護業界には、未経験者を採用して教育する職場もあるため、異業種から介護職への転職は可能です。特に、医療や福祉などの分野から介護職に転職する場合、介護職が未経験であっても、自身の知識や技術を活かしやすいでしょう。「知識や経験がなくて不安」という方は、教育制度が充実している職場を中心に探してみるのがおすすめです。
40代・50代から介護職への転職は難しい?
年齢が上がるにつれて、定年までの就業可能年数が短くなるため、40代・50代の場合は採用される確率が低くなる可能性があります。しかし、介護業界は比較的年齢を問わず始めやすい仕事です。
厚生労働省「介護人材確保の現状について(p.42)」によると、介護職員(施設等)の約7割、訪問介護員の約8割が40代以上です。60代以上で介護職として働く方も多く、40代や50代で介護職へ転職しても長く活躍できます。
なお、40代・50代の方が介護職への転職を成功させるには、入職後に活かせるスキルや介護職の仕事への熱意をしっかりとアピールすることが大切です。
参考:厚生労働省「第6回福祉人材確保専門委員会 資料」
ポイントを押さえて介護職への転職を成功させよう
- 介護職では、職場環境や人間関係などが理由で転職する方もいる
- 介護職へ転職するメリットの一つは、無資格や未経験から挑戦できること
- 介護職の転職を成功させるには、施設見学をとおして職場の様子を知ることが大切
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