豆知識
フェイスシートとは?項目・記入例・ポイントを紹介
3 months ago

「フェイスシートとはどのようなものかよく分からない」という方もいるでしょう。フェイスシートとは、介護や福祉の分野で作成される、利用者の基本情報をまとめた資料のことです。この記事では、フェイスシートの主な項目や記入例を紹介します。フェイスシートを作成するときのポイントやアセスメントシートの違いについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
フェイスシートとは
公益社団法人日本看護協会「在宅・介護領域における『多職種情報共有シート』-目的と使い方-」によると、フェイスシートとは、介護や福祉の分野におけるサービス利用者の基本情報をまとめた書類のことです。
フェイスシートには、氏名や家族構成、緊急連絡先、生活歴など、サービスを利用するにあたって必要となる情報を記載します。そのため、フェイスシートは、介護や福祉サービスの利用開始時に作成されるのが一般的です。なお、記載情報に変更があった際には、その都度、最新の情報への更新を行います。
フェイスシートとアセスメントシートの違い
フェイスシートと同様に、介護や福祉の現場において作成・活用される書類の一つが「アセスメントシート」です。フェイスシートとアセスメントシートは、記載内容や使用の目的などに違いがあります。
公益社団法人日本看護協会「在宅・介護領域における『多職種情報共有シート』-目的と使い方-」によると、アセスメントシートとは、利用者の生活のベースとなる情報や、内服薬などの変化する情報を記載したものです。具体的には、主に以下のような項目が設けられています。
- 疾病や治療への理解
- 終末期の希望
- 健康状態
- 食事・移動・排泄・清潔に関する情報
アセスメントシートは名前のとおり、利用者のもつ問題点や課題、希望などについて、職員が分析・評価した内容を含むのが特徴です。介護や福祉の現場では、利用者に必要なサービス(支援)の内容を判断する材料として活用されます。
つまり、フェイスシートは、利用者に対する理解を深めるための書類であるのに対して、アセスメントシートは、利用者の現在の状況を正しく把握し、適切なサービスの提供につなげるための書類であるといえるでしょう。
参考:公益社団法人日本看護協会「介護施設の看護」
フェイスシートの主な項目と記入例
公益社団法人日本看護協会「在宅・介護領域における『多職種情報共有シート』:フェイスシート」によると、フェイスシートには、以下のような項目が設けられています。
- 基本情報(氏名・性別・血液型・生年月日・住所・電話番号など)
- サービス利用開始日
- 家族構成・家族関係
- 生活歴
- 職歴
- 個人的な因子(趣味・大切にしているもの・性格など)
- 病歴(疾患や主治医の情報など)
- サービス利用の理由と経緯
- 経済的な情報
フェイスシートを作成する際は、利用者本人や家族に聞き取りを行い、必要な情報を集めます。家族関係や生活歴など、項目によっては、利用者が話しづらいと感じる場合もあるでしょう。そのため、情報の聞き取りを行う際には、フェイスシートの重要性を説明したうえで、情報提供を依頼することが大切です。また、聞いた情報は適切に管理し、許可なく使用しない旨を事前に伝えておくと、利用者が安心して話しやすくなることもあるでしょう。
フェイスシートの記入例
フェイスシートの項目のなかには、どのような情報を、どのように記入すれば良いか迷いやすいものもあるでしょう。ここでは、「家族構成・家族関係」「生活歴」「経済的な情報」に関する記載方法や記入例を紹介します。
家族構成・家族関係
フェイスシートに家族構成を記入する際には、「ジェノグラム」と呼ばれる記号を用いた家系図を用いることがあります。
厚生労働省「アセスメントと援助方針の策定」によると、ジェノグラムの書き方の一例は、以下のとおりです。
- 本人を中心にして、3世代にわたる家族の情報を記載する
- 男性は四角、女性は丸で表す
- 本人が男性の場合は二重の四角、女性の場合は二重丸で表す
- 兄弟姉妹は、左から順に第1子、第2子と並ぶように記載する
- 同居家族は破線の丸で囲む
- 婚姻関係は二重線で結ぶ
- 死亡は四角または丸にバツ印を付ける
家族構成や家族関係の項目では、家系図からでは読み取れない家族間の関係性を、文章で追記することもあるでしょう。
なお、家系図の具体的な記載方法や書き方のルールは、施設によって異なる場合もあるため、職場のルールに沿った書き方ができるようにしておくことが大切です。
生活歴
生活歴とは、生い立ちや育ってきた環境、これまでに起きた出来事などを簡潔にまとめたものです。生活歴の項目では、学歴や職歴、ライフイベントなど、本人の人生において重要な出来事を時系列に沿って記入していくケースが一般的でしょう。
公益社団法人日本看護協会「[記入例]多職種情報共有シート:全種類」によると、70代女性のフェイスシートにおける生活歴の一例は、以下のとおりです。
几帳面で面倒見の良い性格で、夫が亡くなってからも、畑仕事に精を出しては、近所に配っていた。また、孫が顔を見せに行くと、大変喜んでいた。現在は年金と長男からの仕送りで生活している。
生活歴は具体的なエピソードを含めて書くと、その人の人柄や性格、考え方などが理解しやすくなります。また、これまでの生活の様子を詳しく書くことで、サービスの利用に至った経緯や現在の状態との差も分かりやすくなるでしょう。
なお、上記の例のように、家族から聞いた本人のエピソードがあれば、生活歴に盛り込む場合もあります。
経済的な情報
経済的な情報には、年金や家族からの仕送りなど、本人の経済状況を理解するうえで必要な情報を記入します。定期的に収入がある場合は、「年金:◯◯万円/月」や「家族からの仕送り:◯◯万円/月」などのように、金額と頻度などを記載しておくと、状況を把握しやすくなるでしょう。
参考:公益社団法人日本看護協会「介護施設の看護」
厚生労働省「生活保護ケースワーカー向け研修教材」
フェイスシートを作成するときのポイント
ここでは、フェイスシートを作成するときのポイントを4つ紹介します。
すべての欄を埋める
フェイスシートを作成するときのポイントの一つは、すべての欄を埋めることです。
フェイスシートのフォーマットは、サービス計画の立案やサービスの利用開始にあたって必要な情報を網羅できるよう、事業所や施設ごとに作成されています。そのため、フェイスシートは作成時にすべての欄を埋めることで、必要な情報についての聞き漏れを防ぐことが可能となるでしょう。
なお、フェイスシートは、作成者以外の職員が使用することもあります。使用時にフェイスシートの情報が不足していると、再度聞き取りを行う必要があり、手間と時間がかかることも。よって、フェイスシートを作成する際は、すべての欄に対する情報が集められているか、確認しながら聞き取りを進めていくことが大切です。
最新の情報を記入する
フェイスシートは、常に最新の情報を記入した状態にしておくことも大切です。
フェイスシートは主に、関係機関と情報共有を行う際やサービスの利用計画を見直す際などに使用されます。そのため、適切なサービス提供を行ううえでは、記載内容に変更が生じた際にはすぐに更新し、最新の情報を確認できる状態にしておくことが重要です。
特に、緊急連絡先や主治医の情報など、緊急時に使用する可能性がある情報については、注意深く管理する必要があるでしょう。家族の連絡先などは変更されることも珍しくないため、情報に変更があった際には速やかに連絡をしてもらうよう、事前に伝えておくことが大切です。
分かりやすい表現を使用する
誰が見ても分かりやすい表現を使用することも、フェイスシートを作成するときのポイントの一つです。フェイスシートは、事業所外と関係職員と情報を共有する際に使用することもあります。そのため、専門用語や略語などを多用すると、正しく情報が伝わらないおそれもあるでしょう。よって、フェイスシートを作成する際は、ほかの職種の職員が見ても分かりやすい表現を意識して使用することが大切です。
客観的な事実のみを記入する
フェイスシートでは、作成者の主観や憶測は含めず、客観的な事実のみを記入することも重要です。たとえば、利用者の状態に関して、「◯◯が難しい様子」のような主観が入った表現を用いると、その程度が分かりづらくなります。そのため、具体的な表現が難しい場合は、利用者の発言をそのまま記載するなど、事実が正しく伝わるように記入することがポイントです。
また、読み手によって捉え方が変わるような曖昧な表現は避け、具体的な数値を用いて記入すると、伝わりやすいフェイスシートになるでしょう。
フェイスシートとは利用者の基本情報をまとめたもの
- フェイスシートとは、介護や福祉サービスの利用者の情報をまとめた書類のこと
- フェイスシートには利用者の氏名や家族構成、生活歴などを記載する
- フェイスシートのフォーマットは、事業者や施設によって異なる場合がある
- フェイスシートを作成するときは、分かりやすい表現を使用することが大切
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