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医療事務の職業訓練とは?概要や受講条件を解説
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医療事務の職業訓練について気になる方もいるでしょう。医療事務の職業訓練は、就職を目指す求職者を対象とした、原則として受講料無料で専門スキルを習得できる公的な制度です。本記事では、医療事務の職業訓練を受ける条件やメリット、注意点を解説します。また、受講までの主な流れや取得できる資格の例についても触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
医療事務の職業訓練とは
医療事務の職業訓練とは、ハローワークを通じて申し込める公的な就職支援プログラムの一つです。主に病院やクリニックでの受付、診療報酬明細書の作成といった実務に必要な知識を、数ヶ月間のカリキュラムを通して体系的に学べます。職業訓練は、知識を得るだけでなく、早期の再就職をゴールとしていることが特徴です。
公共職業訓練と求職者支援訓練の違い
職業訓練には、公共職業訓練と求職者支援訓練の2種類があります。厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練、求職者支援訓練)について知る」によると、公共職業訓練は、主に雇用保険を受給している求職者が対象です。一方、求職者支援訓練は主に雇用保険を受給できない求職者を対象としています。
どちらの訓練も医療事務としての基礎を学ぶ内容に大きな差はありませんが、自身の現在の雇用保険の受給状況によって、どちらの枠組みで申し込むかが決まります。
厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練、求職者支援訓練)について知る」
医療事務の職業訓練の受講条件
職業訓練は希望すれば誰でも無条件に受けられるわけではなく、一定の受講資格を満たす必要があります。基本的にはハローワークに求職申し込みをしており、就職の意思が明確であることが前提です。その上で、各訓練コースごとの筆記試験や面接、適性検査などに合格し、選考に通過することが求められます。
受講を制限されるケース
青森労働局「職業訓練制度のご案内」によると、過去1年以内に職業訓練を受けたことがある場合は、原則として新たな受講が制限されます。これには、訓練を途中で辞退した場合も含まれます。ただし、訓練校側の都合による中止など、やむを得ない事情がある場合はこの限りではありません。
また、ハローワークでの職業相談を通じて「就職の意思がない」と判断された場合や、健康状態などの理由により「訓練を継続して受講することが困難」とみなされた場合も、受講は認められません。公共職業訓練は原則として離職者を対象としているため、在職中の受講は一部の短期間の訓練を除き制限されています。
青森労働局「職業訓練制度のご案内」
職業訓練を活用して医療事務の資格を取得するメリット
職業訓練を活用して医療事務の資格を取得するメリットとして、受講料の負担軽減を図れることや専門的な就職支援を受けられることなどが挙げられます。ここでは、職業訓練を活用して医療事務の資格を取得するメリットについて、それぞれ詳しく紹介します。
原則として受講料無料でスキルを習得できる
千葉労働局「ハロートレーニング(公的職業訓練)のご案内 (就職に向けてスキルを身につけたい方へ)」によると、職業訓練の受講料は、原則として無料です。ただし、教科書代などは一部自己負担となります。
医療事務の職業訓練コースにおいても、病院受付やレセプト作成に必要な専門知識を学ぶ講義費用は原則として無料です。そのため、民間のスクールや通信講座と比較して、資格取得や知識の習得にかかる経済的負担を抑えられるでしょう。なお、自己負担となるテキスト代の具体的な金額は、受講する訓練施設やコースによってあらかじめ決められています。
千葉労働局「ハロートレーニング(公的職業訓練)のご案内 (就職に向けてスキルを身につけたい方へ)」
給付金をもらいながら受講できる場合もある
厚生労働省「就職支援・給付金などについて知る」によると、雇用保険を受給できない求職者が一定の要件を満たす場合、職業訓練受講給付金を受給しながら受講することが可能です。この制度では、月額10万円の職業訓練受講手当と、訓練施設へ通うための通所手当が支給されます。
職業訓練受講給付金を受給するには以下のすべてを満たしている必要があります。
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 現在住んでいるところ以外に土地や建物を所有していない
- すべての訓練実施日に出席している
- 世帯の中に給付金を受給して訓練を受けている人がいない
- 過去3年以内に、不正行為により特定の給付金の支給を受けたことがない
- 過去6年以内に職業訓練受講給付金の支給を受けたことがない
また、雇用保険受給者の場合は、訓練期間中の基本手当に加え、日額500円の受講手当(上限あり)と通所手当(上限あり)が支給されます。
厚生労働省「就職支援・給付金などについて知る」
就職支援(キャリアコンサルティング)が受けられる
職業訓練期間中および終了後には、就職支援を受けられます。職業訓練を実施する機関には、受講者に対して定期的なキャリアコンサルティングを実施することが義務付けられているためです。これには、自己分析の支援や履歴書・職務経歴書の添削、模擬面接の実施などが含まれ、受講者の早期の再就職をサポートしています。
職業訓練を活用し医療事務の資格を取得する際の注意点
職業訓練を活用して医療事務の資格を取得する際の注意点は、開講時期が決まっていることや面接・書類審査に通過する必要があることです。ここでは、職業訓練を活用して医療事務の資格を取得する際の注意点について、それぞれ解説します。
開講時期が決まっている
職業訓練は、年間の実施計画に基づいて実施されています。訓練コースごとに募集期間、選考日、訓練期間が定められており、定員に達した場合や募集期間を過ぎた場合は申し込みができません。
職業訓練の募集要項はハローワークの担当窓口や職業訓練検索などで確認できます。募集期間から実際の受講開始までには、選考試験や手続きの期間が設けられているため、計画的に準備することが大切です。
面接や書類審査に通過する必要がある
医療事務の職業訓練の受講を希望する際には、書類審査や面接などの選考を経る必要があります。職業訓練は早期就職を目指す人を対象としているため、訓練内容への適性や就職への意欲が審査されます。
選考の方法はコースごとに異なりますが、筆記試験や適性検査、面接が実施されることが一般的です。面接ではこれまでの経歴だけでなく、「なぜ医療事務として働きたいのか」「訓練内容を理解し、最後まで完遂できるか」といった点が確認される可能性があります。
各コースには定員が設けられており、応募状況によっては倍率が高くなることもあるでしょう。したがって、受講を希望する際は、単に「興味がある」というだけではなく、具体的な就職目標や意欲を示せるよう、事前に準備をしておくことが大切です。
医療事務の職業訓練を受講するまでの主な流れ
医療事務の職業訓練を受講するには、事前の求職申し込みや窓口での職業相談、選考試験などのステップが必要です。ここでは、医療事務の職業訓練を受講するまでの主な流れを紹介します。
最寄りのハローワークでの求職申し込みと職業相談
医療事務の職業訓練受講を希望する場合、まずは居住地を管轄するハローワークで求職申し込みを行います。その後、窓口で職業相談を受け、目標を具体的に設定しましょう。
ハローワークから「再就職に職業訓練の受講が有効」という判断を受けることで、訓練の受講申し込みが可能になります。そのため、ハローワークへ行く際は単に職業訓練の受講希望を伝えるだけでなく、具体的な就職計画をハローワークの担当者と話し合い、受講の必要性を客観的に確認することが大切です。
受講申し込みと選考
ハローワークでの職業相談を経て受講の必要性が認められたあと、指定の期間内に受講申込書をハローワークへ提出します。申し込みが受理されると、後日、訓練実施施設にて選考試験が行われます。
合格通知の受け取りと受講手続き
愛知労働局「求職者支援訓練 受講手続きの流れ」によると、選考試験の結果は後日、訓練実施機関から自宅に書面等により通知されます。合格通知を受け取った際は、指定された期限までに再びハローワークへ出向き、選考結果通知書を持参して就職支援計画書の交付を受けましょう。手続きには期限が設けられており、正当な理由なく期限を過ぎた場合は辞退とみなされる場合があるため、注意が必要です。
また、厚生労働省「求職者支援制度・訓練受講のしおり-就職支援計画書の交付を受ける方へ-」によると、選考試験に合格したあとも月に一度、あらかじめ指定された「指定来所日」にハローワークに来所して職業相談を行わなければなりません。
参考:愛知労働局「求職者支援訓練 受講手続きの流れ」
厚生労働省「求職者支援制度・訓練受講のしおり-就職支援計画書の交付を受ける方へ-」
職業訓練で取得できる医療事務分野の資格の例
厚生労働省「就職につながる『医療事務分野の職業訓練(求職者支援訓練)』を受講しませんか 就職活動に生かせる様々な訓練コースがあります」によると、医療事務分野の職業訓練において、取得目標とされる主な資格は以下のとおりです。
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- 医療事務管理士技能認定試験
- 調剤事務管理士技能試験
- 医療事務検定試験
- 診療報酬請求事務能力認定試験
これらの資格は、職業訓練を通じて習得した技能を客観的に証明する手段となります。訓練校ごとに目標とする資格やカリキュラムが異なるため、受講申し込みの際には、自身の希望する就職先に求められる技能と資格がコース内容に含まれているかを確認しておきましょう。
厚生労働省「就職につながる『医療事務分野の職業訓練(求職者支援訓練)』を受講しませんか 就職活動に生かせる様々な訓練コースがあります」
医療事務の職業訓練は原則無料で専門スキルを学べる公的制度
- 医療事務の職業訓練とは、専門知識や実務スキルを学べる公的な就職支援制度
- 医療事務の職業訓練を受けるには、求職申し込み後受講の必要性を認められる必要がある
- 職業訓練で医療事務資格を取得するメリットは、原則無料かつ就職支援があること