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医療事務になるには?就職までのルートやあると良い資格を紹介!
8 days ago

「医療事務になるにはどうすれば良いの?」と疑問に思う方もいるでしょう。医療事務になるのに決まったルートはないため、無資格でなる人や資格を取得してからなる人などさまざまです。この記事では、医療事務になるための主なルートやあると良い資格を紹介しています。医療事務になるためのルート別のメリット・デメリットにも触れていますので、ぜひご覧ください。
医療事務になるには学歴や資格は必須?
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医療事務」によると、医療事務になるには、特別な学歴や特定の資格は必要とされません。ただし、薬価点数や診療報酬点数の換算方法、請求書の作成方法、カルテの見方などの知識は必要となります。
そのため、実際には働き始める前に、独学や資格講座などで知識を身に付けたり資格を取得したりする人が多いでしょう。
なお、学歴の規定はないものの、実際の求人の応募要件では高卒以上の学歴を求められるケースが多いようです。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医療事務」
医療事務になるには?就職までの主なルート
医療事務になるには、どのようなルートが考えられるのでしょうか。ここでは、医療事務として就職するまでの主なルートについて紹介します。
無資格で就職する
前述のとおり、医療事務は未経験・無資格で就職することも可能です。医療事務の求人の中には、未経験・無資格者歓迎のものや、無資格者に対して資格取得支援制度・OJTによる院内教育制度が充実している職場もあります。
レセプトやカルテに関する知識がなくても、新人教育が充実している職場を選べば、無資格からでも医療事務として活躍できるでしょう。
独学で資格を取得する
「知識のない状態で医療事務になるのは不安」という方は、独学で資格を取得してから医療事務になるルートがおすすめです。実際、医療事務の資格は講座受講などの受験資格を問わないものも多くあり、取得したい資格の参考書やテキストを購入して勉強することで、独学で取得できる場合もあります。
資格講座を受講する
「医療事務の資格が独学で取れるか不安」という方は、資格講座を受講すると良いでしょう。資格講座は、教室に通学して受講するスクール講座か、通信講座が一般的です。通信講座では、テキスト学習とe-ラーニングを組み合わせて指導を行っている講座が多くみられます。
スクールか通信かにもよりますが、最短2~3ヶ月でカリキュラムを完了できる場合が多いようです。
医療事務系の学校に通う
「時間をしっかりかけて学んでから医療事務になりたい」という方は、医療事務系の学校に通う方法があります。医療事務系の学校は、専門学校・短大・大学があり、学校や学科によって取得できる資格や技能が異なるのが特徴です。
短大は2年制、医療事務系の専門学校は1~2年制の学科が多く、医療事務・医療秘書に関する資格を複数取得できるカリキュラムが一般的となっています。専門学校の3年制学科は、医療事務に加えて診療情報管理士や医療情報技師、IT系のカリキュラムも含まれていることが多いでしょう。
また、4年制の大学では診療情報管理士の資格取得を最終目標としている学科が多く、合わせて医療事務や医療情報、病院マネジメントに関する知識・資格も得られる仕組みになっています。
医療事務になるのにあると良い資格
ここまで、医療事務になるためには独学や資格講座、学校への通学で資格を取得するルートがあることについて触れてきました。実際に、医療事務になるのにあると良い資格について、以下で4つ紹介します。
医療事務技能審査試験
一般財団法人 日本医療教育財団「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク🄬)」によると、医療事務技能審査試験は、医療機関などにおける受付業務やレセプト作成業務に関する職業能力を審査される試験です。合格すると、「メディカルクラーク🄬(医科・歯科)」の称号が得られます。
インターネットを利用したIBT方式で試験が行われるため、自宅からの受験も可能です。さらに、試験は毎月複数回行われているので、自分の都合や知識の到達度に合わせて受験しやすいでしょう。
試験は、医療事務の知識を問われる学科が50分と、接遇やレセプト作成などの技能が問われる実技が70分で構成されています。合格するには、学科と実技それぞれ7割以上の正答が必要です。
医療事務技能審査試験を受験する場合、受験資格は問われません。そのため、医療事務として働いた経験がなく、レセプトに関する知識がない人が、最初に受験するのにもおすすめの資格です。
参考:一般財団法人 日本医療教育財団「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク🄬)」
医師事務作業補助技能認定試験
一般財団法人 日本医療教育財団「医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク🄬)」によると、医師事務作業補助技能認定試験は、カルテや医療文書の記載など、医師が行う事務作業を補助する業務に関しての職業能力を評価する試験です。合格すると「ドクターズクラーク🄬」の称号が得られます。
医師事務作業補助技能認定試験を受験する際には、受験資格は問われません。インターネットを利用したIBT方式で試験が行われ、自宅からの受験も可能です。試験は毎月複数回行われているため、自分の都合や知識の到達度に合わせて受験がしやすいでしょう。
試験は、医師事務作業補助の知識を問われる学科が50分と、医療文書の作成が4症例ある実技が70分で構成されています。合格ラインは、学科と実技それぞれで7割以上正答かつ、実技試験の各問の得点率がすべて3割以上です。
医療事務の業務として、医師事務作業補助(クラーク)の仕事が含まれている病院に就職する方に、おすすめの資格となっています。
参考:一般財団法人 日本医療教育財団「医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク🄬)」
医事コンピュータ技能検定
一般社団法人 医療秘書教育全国協議会「医事コンピュータ技能検定試験」によると、医事コンピュータ技能検定は、医療事務やコンピュータの知識、レセプト作成能力が問われる試験です。試験は3級・2級・準1級があり、2025年度は各級2回ずつ、6月と11月に実施されます。
一般社団法人 医療秘書教育全国協議会「審査基準」によると、3級の程度は、医療事務や医事コンピュータについての基礎的な知識を有し、カルテや診療伝票を基に医事コンピュータを用いて正しいレセプトを作成できるレベルとされています。
出題は、領域I:医療事務と領域II:コンピュータ関連知識、領域III:実技(オペレーション)の3領域に分かれており、合格するには各領域ともに6割以上の正答が必要です。
試験は医事コンピュータソフトの入ったコンピュータがある施設で行われ、実務に近い形でレセプトコンピュータを用いて回答を行います。そのため、レセプトに関する知識だけでなく、レセプトコンピュータの操作スキルも身に付けたい人におすすめの資格です。
参考:一般社団法人 医療秘書教育全国協議会「医事コンピュータ技能検定試験」
一般社団法人 医療秘書教育全国協議会「審査基準」
診療報酬請求事務能力認定試験
公益財団法人日本医療保険事務協会「試験概要」によると、診療報酬請求事務能力認定試験とは、診療報酬請求事務に従事する者の資質向上のために実施される全国一斉統一試験です。受験資格はなく、医科と歯科に分かれてそれぞれ学科と実技の試験が行われます。
試験は7月と12月の年2回、全国17ヶ所の試験地で実施されます。公益財団法人日本医療保険事務協会「試験実績」によると、第1回から第61回までの医科の平均合格率は30.7%です。そのため、医療事務関連の資格の中では、最難関の資格といわれることもあります。
診療報酬請求事務能力認定試験は難易度が高いため、未経験・無資格の人がいきなり受験して合格できる可能性は低いでしょう。現在、医療事務として働いている人や、ほかの医療事務の資格をすでに取得している人は、取得することで更なるスキルアップが狙える資格です。
参考:公益財団法人日本医療保険事務協会「試験概要」
公益財団法人日本医療保険事務協会「試験実績」
医療事務の就職までのルート別メリット・デメリット
医療事務になるためのルートには、ルートごとにメリットとデメリットがあります。以下では、ルート別のメリットとデメリットを紹介しますので、どのルートが自分に合っているか考える際に参考にしてみてください。
無資格で就職する
医療事務に無資格で就職する場合の最大のメリットは、資格取得のために時間や費用を費やす必要がないことです。働きながら現場で知識が身に付けられるため、経験と知識を同時に得たい人や、すぐに医療事務として働きたい人に向いているルートといえます。
ただし、無資格から医療事務に就職する場合は、無資格者OKの求人を探す必要があるでしょう。医療事務の求人は即戦力を求めている場合も多く、経験者や有資格者でなければ応募できない場合もあります。
また、何も分からない状態で仕事をスタートしなければならないうえ、職場によっては教育体制が整っていないことも。業務中に分からないことがあっても、忙しいときは同僚に聞きづらいといったケースもあるようです。
独学で資格を取得する
独学で医療事務の資格を取得してから就職する場合、資格取得のための費用がテキスト代と受験料のみで済むうえ、自分のペースで勉強できます。現在、ほかの仕事に就いていて、将来的に医療事務に転職したい人も、仕事をしながらスキマ時間や休日に勉強を進められるでしょう。
一方、独学の場合は勉強中の不明点を自力で解消しなければならず、分からないことがあってもすぐに誰かに聞けないというデメリットもあります。また、家事や仕事に追われて勉強が疎かになると、資格取得までのモチベーションを保ち続けるのが難しい人もいるようです。
資格講座を受講する
資格取得のために講座を受講する場合は、教えてもらったり質問をしたりしながら知識を身に付けられます。試験本番を想定して模試が受けられる講座もあるため、より安心して試験に臨めるでしょう。
また、一部のスクールでは、資格取得支援に加えて提携施設への就職斡旋が受けられる場合もあります。資格取得の勉強をしながら、別途、自分一人で就活も進める必要がない点は、資格講座を受講するうえで大きなメリットです。
資格講座のデメリットとしては、テキスト代以外に数万円の受講費がかかる点が挙げられます。また、1日の質問回数に制限がある講座もあるため、事前に質問することを絞る必要があり、不明点を一度にすべて質問できないことも。なお、資格講座では基本的に1つの資格に対して集中的に勉強することになるため、独学や学校に通う場合と異なり、一度に複数の資格の対策ができないことが一般的です。
医療事務系の学校に通う
医療事務系の学校に通ってから医療事務になる場合は、同じ目標を持つ仲間と一緒に勉強できるというメリットがあります。分からない部分を学生同士で聞き合ったり、講師に質問したりして勉強を進められるでしょう。
また、学校では医療事務の民間資格が複数取得できるうえ、医師事務作業補助や医療秘書、診療情報管理士など医療事務以外の資格を取得できる場合も多く、医療事務以外の就職の選択肢も広がるでしょう。
さらに、学校では就活のサポートも受けられることが多く、面接練習や履歴書の書き方の指導を受けられます。病院実習を行っている学校では、就職前に現場の雰囲気を体験できるというメリットもあるでしょう。
一方、医療事務系の学校に通うデメリットは、費用と時間がかかることです。学校に通うには入学金や学費がかかるうえ、1~4年の年数がかかります。
夜間制のない学校も多いため、短大・専門学校であれば、週5日、朝から夕方まで通学しなければならないことも。社会人は仕事と学校の両立が難しいでしょう。
医療事務になる方法に関するよくある質問
ここでは、医療事務になる方法に関するよくある質問にお答えしています。
無資格で医療事務になるのは難しいですか?
無資格で医療事務になることは可能ですが、資格を取得してから医療事務になるより難しい場合があるでしょう。無資格者を歓迎していたり、新人教育の制度が充実していたりする求人もありますが、経験者や有資格者に応募条件を絞っている求人も多くあります。そもそも無資格OKの求人がなかなか見つからないことも。不安な場合は、民間資格を1つ以上取得してから医療事務になるのがおすすめです。
医療事務の資格を独学で取るのは難しいですか?
医療事務の資格は、資格によって難易度が異なるため、合格率の高い資格から挑戦すると、比較的資格が取りやすいでしょう。合格率の高い資格であれば、独学のテキスト学習のみでも合格できる可能性があります。また、試験の実施頻度の高い資格を選ぶと、不合格になってもすぐに再挑戦できるため、より短い期間で資格が取りやすいでしょう。
医療事務になるには資格は必須ではない
- 医療事務になるには資格や学歴は必須ではなく、無資格で就職することも可能
- 医療事務になる方法として、独学や資格講座で資格を取得するか学校に通う方法がある
- 医療事務の資格は民間資格で、試験内容や実施頻度、難易度がそれぞれ異なる