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多職種連携の看護師の役割は?メリットやほかの職種の役目を紹介
4 days ago

「多職種連携における看護師の役割とは?」と疑問に思う人もいるでしょう。多職種連携における看護師の役割は、患者の観察や指導、他職種と患者の調整役などです。この記事では、多職種連携における看護師の役割や、看護師が関わる職種の多職種連携における役割について解説しています。そもそも多職種連携とは何かや、多職種連携のメリットにも触れていますので、ぜひご覧ください。
多職種連携における看護師の役割とは?
医療や介護の業界では、「多職種連携でケアにあたるように」と言われることがあります。多職種連携において、看護師はどのような役割を担っているのでしょうか。
患者の観察
多職種連携における看護師の主な役割は、患者の観察です。
入院病棟の場合、看護師は1日に数回、定期的に病室を訪問して、患者のバイタルサインを計測・記録するとともに、患者の発言や行動もカルテに記録します。
バイタルサインをはじめとする症状の変化があれば、医師に報告して指示を仰ぎ、適切に処置を行うのも看護師の役割です。また、患者は身体だけでなく心理状態が変化することもあるため、看護師は患者の心理状態も観察し、声掛けや傾聴など患者の心理状態に応じたケアを行います。
患者への指導
看護師には、患者へ入院生活や治療に関連する指導を行う役割もあります。
患者が入院してきたときは、入院生活に関するルールを説明、指導するのが看護師の役割です。患者ごとの安静度や生活上の注意点など、医師から指示があったものに関しても、看護師から重ねて指導を行います。
また、患者の退院時には、退院後の薬の服用方法や日常生活の過ごし方、患部のケア方法などを指導します。
患者・家族の相談役、他職種との調整役
患者や家族の相談役として話を聞いて患者の不安を解消したり、必要に応じて多職種に内容を共有して対応を依頼したりするのも、多職種連携における看護師の役割です。
入院患者にとって、看護師は1日に何度も接する職員となるため、最も距離が近い医療従事者といえるでしょう。そのため、患者や家族は看護師にだけ不安を口にすることも。看護師は患者や家族に寄り添ってまずは傾聴し、気持ちをくみ取って不安や悩みを和らげる声掛けを行います。
また、医師や薬剤師、管理栄養士などからの情報をかみ砕いて伝えたり、看護師の専門領域外の内容について患者から質問があった場合は、各専門職に対応を依頼したりすることもあるようです。
ほかの医療従事者にはなかなか言い出せないことも、距離の近い看護師には話せるという患者も多くいます。看護師は話しかけやすい雰囲気を心がけて患者に接することで、患者の希望や心境を聞き出してほかの職種へ共有できるため、より包括的にケアや指導が行えるでしょう。
医療の多職種連携とは
医療の多職種連携とは、医療現場で異なる専門性をもつ医療従事者が協力して、患者に適切なケア・治療を提供することです。
多職種連携により、医療の質の向上や効率的な医療サービスの提供を実現できるため、多くの医療機関で採用されているケア方針となっています。
看護師が関わる職種の多職種連携の役割
看護師が関わる医療従事者は、多職種連携ではどのような役割を担っているのでしょうか。
医師
医師は、患者の診断や治療を行うため、多職種連携の中ではリーダー的役割を担っています。診断をもとにほかの職種に指示を出したり、情報提供や助言を行ったりするのが、医師の主な役割です。
看護助手・介護職員
看護助手・介護職員の役割は、看護師のサポート役として主に療養上の世話を支援することです。看護助手・介護職員は、入浴介助や食事介助などを行い、患者の入院生活をサポートしています。
看護助手・介護職員は、患者を直接サポートする機会が多い職種のため、多職種連携では管理栄養士から聞いた情報を食事介助に活かしたり、リハビリ職からの情報を歩行介助や入浴介助に活かしたりできます。
リハビリ職
リハビリ職の役割は、疾病や障がいなどにより運動機能が低下した患者に対し、リハビリを行って機能回復を図ることです。リハビリ職は行われるリハビリの種類により、職種が異なります。
理学療法士は患者の運動機能の回復を支援し、作業療法士は患者の日常生活動作の維持・向上を支援する職種です。言語聴覚士は、声を出す・話す・飲み込むといった動作の改善を支援しています。
リハビリは、医師から指示を受けたリハビリ職が患者の状態を把握し、患者に適した計画書を作成して開始する流れが一般的です。患者の年齢や疾患、重症度などによって必要なリハビリが異なるため、医師以外の医療従事者から情報収集を行って、適切なリハビリに繋げています。
管理栄養士
食や栄養の専門職である管理栄養士は、患者の栄養管理・栄養指導が多職種連携における役割です。患者に合わせてエネルギー食や嚥下食などの特別食を提供したり、栄養状態や食欲が回復しない患者に関しては、患者や家族からヒアリングを行い、原因を探ったりします。
治療・服薬の状況や口腔内の状況、嚥下能力など、管理栄養士だけでは把握しきれない患者の情報に関しては、医師や看護師などから情報をもらい、対応を考えることもあるようです。
薬剤師
薬剤師の役割は、調剤や薬の管理、薬剤情報の提供、服薬指導です。入院中の毎日の服薬は主に看護師が管理しますが、薬剤師は看護師と連携しながら、誤った服用や飲み忘れがないよう指導・支援しています。
抗がん剤や血液凝固阻止薬、糖尿病の薬など、特に慎重な管理が必要な薬が投与されている患者に関しては、定期的に血液検査の数値などをモニタリングし、患者に対して服薬指導や副作用の発生有無の確認などを行っているようです。異常がみられた場合は速やかに医師に連携し、薬剤の種類や量の変更などを検討します。
医療ソーシャルワーカー(MSW)
医療ソーシャルワーカー(MSW)の役割は、社会福祉の観点から患者を援助することです。医療ソーシャルワーカーは、特に退院時に行われる「退院時カンファレンス」で、医師や看護師などの他職種と連携することが多くみられます。
転院先・退院先を決めるときには、患者や家族の生活環境や経済状況を把握し、活用できる社会資源を選定するのが医療ソーシャルワーカーの役割です。また、地域の医療機関や介護施設、自治体などの関係機関とも連携し、患者が退院後も安心して生活を送れるように支援を行います。
多職種連携のメリット
医療現場で多職種連携を行うと、患者や医療従事者にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。
患者ごとの細かいニーズに対応できる
多職種連携で医療ケアを行うと、患者ごとの細かいニーズに対応できるメリットがあります。
患者によって、罹患している疾患や重症度、既往症、自宅環境などの背景は異なるため、同じ疾患であっても、患者ごとに治療・ケア方法を考えることが必要です。患者ごとの情報やニーズを細かく把握するには、専門職が収集した情報を持ち寄る必要があるため、多職種連携による情報共有と対応が重要になります。
一貫性のあるケアを提供できる
多職種で患者の治療やケアの方針を共有しておくことで、一貫性のあるケアの提供が可能です。看護師やリハビリ職などさまざまな職種が患者に関わる中で、ケアに一貫性があると患者も安心してケアを受けられるでしょう。
多職種間にコミュニケーションが生まれる
多職種連携を行うことで、同じ医療機関内の他職種間でコミュニケーションが生まれるメリットもあります。
多職種連携では、定期カンファレンスなどを通して情報共有や意見交換を行うことが多いでしょう。そこで多職種間にコミュニケーションが生まれ、チームでよりよい医療を提供しようというモチベーションの向上にも繋がります。
多職種連携の看護師の役割は患者の観察や指導など
- 多職種連携の看護師の役割は、患者の観察や指導、患者と他職種間の調整など
- 多職種連携で看護師が関わる医療従事者には、医師やリハビリ職、管理栄養士などがいる
- 多職種連携を行うことで、患者の細かいニーズを把握し、一貫性のあるケアができる
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