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二次救急とは?役割や一次救急・三次救急との違いを紹介
7 days ago

「二次救急とは何かよく分からない」という方もいるでしょう。二次救急とは、重症の救急患者に対して、初期診療や応急処置、入院治療などを行う救急医療のことです。この記事では、二次救急の役割や一次救急・三次救急との違いについて紹介します。二次救急医療機関で働く看護師の仕事内容についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
二次救急とは
厚生労働省「救命救急センター及び二次救急医療機関の現状」によると、二次救急とは、救急医療を必要とする患者に対して、初期診療や入院治療を行う救急医療を指します。救急医療は、患者の重症度や緊急度の高さによって、「一次救急(初期診療)」「二次救急」「三次救急」の3つに分けられます。
二次救急では、救急車で搬送された患者や、一次救急では対応が困難な患者を受け入れて治療を行うのが特徴です。二次救急に対応する医療機関は、救急病院や救急告示医療機関と呼ばれることもあります。
e-Gov法令検索「救急病院等を定める省令」によると、消防法第2条第9項に基づき救急車で搬送された患者への医療を行うには、以下の基準を満たし、都道府県知事の認定を受ける必要があります。
- 救急医療について、相当の知識・経験を有する医師が常時診療に従事していること
- エックス線装置や心電計、輸血・輸液のための設備など、救急医療を行うために必要な施設や設備を有すること
- 救急隊による傷病者の搬送が容易な場所にあり、傷病者の搬入に適した構造設備を有すること
- 救急医療を必要とする傷病者のための専用病床、または当該傷病者のために優先的に使用される病床を有すること
なお、二次救急で対応を行う患者は、自家用車やタクシー、公共交通機関を利用して来院する場合もあります。
参考:厚生労働省「救命救急センター及び二次救急医療機関の現状」
e-Gov法令検索「救急病院等を定める省令」
二次救急医療機関の役割
厚生労働省「救命救急センター及び二次救急医療機関の現状」によると、二次救急は以下のような役割を担っています。
- 24時間365日、救急搬送の受け入れに応じる
- 地域で発生する救急患者への初期診療や入院治療を行う
- 脳卒中、急性心筋梗塞に対する医療など、自施設で対応可能な範囲において高度な専門的診療を担う
- 自施設で対応困難な救急患者は、必要な救命処置を行った後、救命救急医療を担う医療機関などへ紹介する
- 救急救命士などへの教育を行う
二次救急では、「病院群輪番制方式」と「共同利用型病院方式」によって、地域の救急患者の受け入れ体制が整備されています。
病院群輪番制方式とは、地域内の病院が順番に二次救急を担当し、患者の受け入れを行う仕組みのことです。一方、共同利用型病院方式では、医師会立病院などが休日や夜間に病院の一部を解放し、二次救急の患者の受け入れを行います。
いずれの場合も、通常の当直体制とは別に、重症救急患者の受け入れに対応する医師や看護師などの医療従事者が配置されるのが特徴です。
また、二次救急では、一次救急からの搬送患者を受け入れたり、自院で対応が難しい患者をほかの医療機関や三次救急へ搬送したりします。そのため、地域内の医療機関と連携をとることも、二次救急に求められる役割の一つです。
参考:厚生労働省「救命救急センター及び二次救急医療機関の現状」
二次救急と一次救急・三次救急の違い
「一次救急」「二次救急」「三次救急」の大きな違いは、対象患者の重症度・緊急度です。また、対応する医療機関やそれぞれの医療機関がもつ役割も異なります。ここでは、一次救急と三次救急の特徴を詳しくみていきましょう。
一次救急とは
厚生労働省「初期救急医療体制の現状」によると、一次救急とは、比較的軽症の救急患者を対象とした救急医療のことです。一次救急に対応する医療機関は、休日夜間急患センターや在宅当番医制に参加する診療所などがあります。
一次救急で診療を行う対象は、独歩で来院できる軽度の症状の患者や、入院が必要なく、処置を受けた日に帰宅可能な患者などが一般的です。
参考:厚生労働省「初期救急医療体制の現状」
三次救急とは
厚生労働省「救命救急センター及び二次救急医療機関の現状」によると、三次救急とは、重篤な救急患者を対象とした救急医療のことです。三次救急医療機関は、救命救急センターや高度救命救急センターなどがあります。
三次救急医療機関では、緊急性・専門性の高い疾病や、複数の診療科領域にわたる疾病などに対応しているのが特徴です。三次救急医療機関は、ほかの医療機関で対応できない重篤患者への医療を担当します。そのため、三次救急で対応する患者は、救急車やドクターヘリなどで搬送されるのが一般的です。
参考:厚生労働省「救命救急センター及び二次救急医療機関の現状」
二次救急医療機関で働く看護師の仕事内容
二次救急医療機関で働く看護師の主な仕事は、以下のとおりです。
- 症状の確認
- 血圧や心拍数などの計測
- 点滴や酸素投与などの初期治療
- 医師の診療の補助
- 手術や入院、搬送の準備
緊急度や重症度の高い患者の場合、搬送されてきた際の症状の確認や初期治療が重要です。二次救急の看護師は、素早く患者の状態を把握し、必要に応じた処置を行います。また、自施設での対応が難しい患者をほかの医療機関へ搬送する際、調整や準備を行うのも二次救急で働く看護師の重要な役割の一つです。
二次救急では重症度が高い患者を受け入れるため、迅速に判断し対応する力が看護師に求められるでしょう。
上記に加え、二次救急の看護師は、患者が受けている検査・治療・手術の内容を家族へ説明することもあります。二次救急では、救急車で搬送される患者が多く、状況がつかめず混乱している家族も多いでしょう。二次救急の看護師は、家族が患者の現状を把握できるようサポートする役割も担っています。
二次救急とは救急患者へ入院治療を行う救急医療のこと
- 二次救急では、重症度の高い救急患者への初期診療や入院治療を行う
- 二次救急では、脳卒中や急性心筋梗塞などに対する高度な専門的診療を行う場合もある
- 二次救急の看護師は、患者の症状の確認や初期治療を行う
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