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医療事務に向いている人とは?特徴や必要なスキルを紹介
9 days ago

「医療事務に向いている人はどのような人?」と疑問に思っている人もいるでしょう。医療事務には人と接するのが好きな人や、期限内に正確に作業をこなせる人が向いています。この記事では、医療事務に向いている人の特徴や、求められるスキルを紹介しています。医療事務に向いていない人の特徴にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
医療事務に向いている人とは?
医療事務に向いている人について、特徴をまとめました。
人と接するのが好きな人
医療事務には、人と接するのが好きな人が向いているでしょう。
医療事務は病院の顔として、患者や外部の業者など多くの人と接する機会があります。患者が病院に来て最初に顔をあわせるのが、医療事務です。そのため、医療事務の接遇態度や表情などが、病院の印象に直結します。
多忙なときは1日100人以上の患者に対応することもあるため、人と接するのが好きな人は、楽しく働けるでしょう。
PCスキルがある人
医療事務には、PCスキルのある人が向いています。
医療事務の中心業務であるレセプト作成や受付・会計業務は、レセプトコンピュータ(レセコン)や電子カルテが使われているのが一般的です。
従来は、レセプトも紙に記載したものまたは紙で出力したものを提出しても良いことになっていました。厚生労働省「【現在紙レセプトによる請求を行っている医療機関・薬局向け】2024年度以降の取り扱いと必要な届出について」によると、2024年4月以降は原則、紙レセプトの提出は受け付けないことになっています。つまり、医療機関の規模や区分に関わらず、レセプトはPCを使用したオンライン提出が原則必須となるため、PCスキルがなければレセプト作成ができません。そのため、PC操作やタイピングが得意な人は仕事に早く適応できるでしょう。
期限内に正確に作業をこなせる人
医療事務に向いている人として、期限内に正確に作業をこなせる人も挙げられます。
医療事務が作成したレセプトは原則、毎月10日までに前月分のレセプトを提出するのが決まりです。10日までに提出できなかった分は、次月以降に提出月のレセプトと一緒に提出することになります。
医療機関の主な収入源は、患者からの自己負担分と審査支払機関からの医療費の支払いで成り立っており、レセプトの提出が遅れるとその分の利益回収が遅くなるため、期限内で提出することが大切です。
また、提出したレセプトに誤りがある場合や請求内容が不適切な場合などは、「返戻」といってレセプトが審査支払機関から返却され、提出した月には返戻レセプトの分の診療報酬を受け取れません。返戻されたレセプトを修正して提出する場合も、次月以降の提出になり、利益回収の遅延も発生します。出来上がったレセプトは確認してから提出するのが一般的ですが、最初から正確に作成できることに越したことはありません。
また、窓口においても、診療費の算出や会計処理を正確かつ迅速に行うことが求められます。会計処理が遅いと患者を待たせることになってしまい、クレームにつながることも。医療事務はどの業務においても、早く正確に処理できる能力がある人が向いているといえます。
柔軟な対応力がある人
柔軟な対応力がある人も、医療事務に向いている人の特徴の一つです。
患者からクレームがあった際は可能な範囲で柔軟に対応したり、緊急度の高い患者が来院したときは医師や看護師にすぐ報告して指示を仰いだりと、今行っている仕事を中断して臨機応変に対応する力が求められるでしょう。
来院患者が多いときや、レセプト作成が予定より遅れているときも、自分の仕事が済んだらほかの職員の仕事を手伝う柔軟さが必要になります。
勉強し続けるのが苦にならない人
勉強し続けるのが苦にならない人も、医療事務に向いています。
医療事務は、資格を持っている人や経験者も、新しい職場で働くときは覚えなければいけないことが多くあります。同じ職場に長く勤務していても、レセコンや電子カルテのアップデートや入れ替えがあれば、操作を勉強しなおす必要があるでしょう。
また、診療報酬は基本的に2年に1度改定されます。新しい算定方法や管理料が追加されたり、方針が変更になったりするため、その都度勉強して知識をアップデートしなければなりません。
参考:厚生労働省「【現在紙レセプトによる請求を行っている医療機関・薬局向け】2024年度以降の取り扱いと必要な届出について」
医療事務に向いていない人とは?
医療事務に向いている人がいる一方で、中には向いていない人も存在します。医療事務に向いていない人の特徴もみてみましょう。
数字が苦手な人
数字が苦手な人は、医療事務に向いていないでしょう。
医療事務の仕事は、数字を扱う場面が頻繁にあります。会計時は点数や金額を計算し、レセプトを作成するときは、使用した薬剤の量と薬価を見て薬の費用を計算したり、管理料や処置料、検査料など患者ごとにひと月当たりの診療点数を算出したりします。計算間違い・書き間違いは請求誤りや返戻につながるため、数字に強い人が求められるでしょう。
マイペースに仕事をする人
医療事務には、マイペースに仕事をする人も向いていません。
前述のとおり、医療事務の仕事はレセプト作成や会計など、正確さだけでなく、ある程度早さも求められます。計算や書類の出来が完璧であっても、作業がマイペースだと患者や同僚に迷惑をかけてしまうかもしれません。
チームワークを求められるのが苦手な人
チームワークを求められるのが苦手な人も、医療事務には向いていません。
医療事務の仕事はチームワークが重要です。自分から進んで困っている同僚の手助けをしたり、忙しい同僚を手伝ったりできる人は、医療事務として活躍できます。「自分の仕事以外は関係ない」というスタンスで仕事をしていると、人間関係の悪化にもつながるでしょう。
医療事務に必要なスキル・知識
医療事務に向いている人・向いていない人の特徴をみてきましたが、必要なスキルや知識にはどのようなものがあるのでしょうか。
コミュニケーションスキル
医療事務には、コミュニケーションスキルが必要です。
前述のとおり、医療事務は1日に多くの患者と接します。年代は子どもから高齢者まで幅広く、体調が悪い人や症状・要望をうまく伝えられない人も訪れるため、相手にあわせてコミュニケーションを取ることが大切です。相手を選ばず、笑顔で思いやりを持って接することが求められるでしょう。
また、職員間のコミュニケーションも重要です。医師や看護師、同僚と円滑にコミュニケーションが取れる医療事務は、仕事もスムーズに進められます。
PC・事務処理スキル
PCスキルや事務処理スキルも、医療事務には不可欠です。
前述のとおり、レセプト作成や会計処理にはレセコンや電子カルテが使用されます。また、医療事務が物品発注や物品管理、経理を行うケースもあるため、その場合は文書作成や表計算ソフトのスキルも求められるでしょう。
医療事務に求められるPCスキルは、PCを操作する基本的な能力やブラインドタッチ程度のタイピングスキル、簡単な文書作成や表計算のスキルなどです。データ分析やデータベース構築などの高度なスキルを求められることはほぼないでしょう。
診療報酬に関する知識
医療事務には、診療報酬に関する知識も必要です。
診療報酬に関する内容は専門的ですが、転職者に対しては医療事務未経験であっても、診療報酬についてある程度理解している前提で教育が進む場合もあります。算定のルールや点数の種類は非常に多いため、全く知識がない人がOJTで一から学んでいくのは、現実的ではないでしょう。
診療報酬に関する知識が不安という方は、通学や通信教育で医療事務講座を受けたり、医療事務の資格を取得したりするのがおすすめです。
医療事務に向いている人は対応力やPCスキルのある人
- 医療事務に向いている人は、人と接するのが好きで、柔軟な対応力がある人
- 医療事務に向いていない人は、数字やチームワークが苦手でマイペースな人
- 医療事務にはコミュニケーションスキルやPCスキル、診療報酬の知識が求められる