職種・資格情報

医療事務の資格に国家資格はない?種類や取得のメリットを紹介

11 days ago

「医療事務の資格には国家資格があるのか分からない」という方もいるでしょう。医療事務の資格には国家資格に該当するものはなく、民間資格のみとなっています。この記事では、医療事務資格の種類や資格を取得するメリットについて解説します。自分に合った医療事務の資格を選ぶポイントについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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医療事務の資格は国家資格なの?

医療事務に関する資格は複数ありますが、国家資格に該当するものはなく、民間の企業や学校などが認定する民間資格のみとなっています。

医療事務には、医師や看護師のように、働くうえで取得が必須となる資格はありません。資格が全くなくても医療事務として働けることから、「医療事務の資格は意味がない」といわれることもあるようです。

しかし、医療事務の資格は資格勉強を通して業務で必要な知識が得られるうえ、専門知識を習得した証明になります。医療事務の資格を取得することで転職時も有利になり、入職後もよりスムーズに業務が行えるでしょう。

医療事務の仕事内容

job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医療事務」によると、医療事務の主な仕事内容は、医療機関の窓口業務や診療報酬を請求するための書類作成などです。
具体的には、以下のような業務を行います。

  • 会計業務
  • レセプト(診療報酬請求明細書)の作成
  • 受付業務
  • 診察券やカルテの作成
  • 薬剤や備品などの購入に関する事務手続き

レセプトを用いた保険請求事務は、コンピュータで処理されることが一般的です。そのため、医療事務にはパソコンスキルが求められます。
また、保険診療では疾病名に対応した治療、投薬や療養の基準に基づいてレセプトを作成するため、診療報酬制度やレセプトに関する知識も必要となるでしょう。

参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「医療事務」

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医療事務の資格はどれがいい?

医療事務の資格は、資格ごとに内容や難易度が異なります。ここでは、代表的な5つの医療事務資格を紹介します。自分にはどの資格が合っているのか、チェックしてみてください。

診療報酬請求事務能力認定試験

「診療報酬請求事務能力認定試験」は、公益財団法人日本医療保険事務協会による民間資格です。公益財団法人日本医療保険事務協会「試験概要」によると、診療報酬請求事務能力認定試験は、診療報酬請求事務に従事する人の資質向上を目的としています。

公益財団法人日本医療保険事務協会「よくあるご質問(FAQ)」、公益財団法人日本医療保険事務協会「試験実績」によると、2025年2月現在、診療報酬請求事務能力認定試験の概要は以下のとおりです。

試験概要項目
詳細
受験科目 学科・実技(医科、歯科別)
受験資格 なし
試験日程 年2回(7月、12月)
試験時間 3時間(午後1時~午後4時)
受験料 9,000円(税込)
合格基準
平均合格率
(※第1回~第60回までの合計)
【医科】
- 受験者数:41万7257人
- 合格者数:12万7828人
- 合格率:30.6%

【歯科】
- 受験者数:1万649人
- 合格者数:4039人
- 合格率:37.9%

参考:公益財団法人日本医療保険事務協会「よくあるご質問(FAQ)」
公益財団法人日本医療保険事務協会「試験実績」

診療報酬請求事務能力認定試験は、全国17か所に設けられている試験地の会場にて受験が可能です。学科・実技ともに診療報酬点数表やその他資料の持ち込みが可能で、学科試験は5者択一式のマークシート方式、実技試験は手書き方式でレセプトを作成する試験となっています。

診療報酬請求事務能力認定試験は、医科・歯科ともに平均合格率が4割未満となっており、資格取得の難易度が高いのが特徴です。

参考:公益財団法人日本医療保険事務協会「試験概要」
公益財団法人日本医療保険事務協会「よくあるご質問(FAQ)」
公益財団法人日本医療保険事務協会「試験実績」
公益財団法人日本医療保険事務協会「受験状況」

医療事務技能審査試験

医療事務技能審査試験は、一般財団法人 日本医療教育財団による資格試験です。一般財団法人 日本医療教育財団「技能審査認定 医療事務技能審査試験(メディカル クラーク🄬)」によると、医療事務技能審査試験に合格すると、「メディカルクラーク🄬(医科または歯科)」の称号が付与され、医療事務職として必要な能力を備えていることの証明となります。

2025年2月時点における試験の概要は以下のとおりです。

試験概要項目
詳細
受験科目 学科・実技(医科、歯科別)
受験資格 なし
試験日程 毎月実施(土日を中心に月複数回設定)
試験時間 学科:50分/実技:70分
受験料 8,800円(税込)
合格基準 学科・実技それぞれの得点率が70%以上
平均合格率

参考:一般財団法人 日本医療教育財団「技能審査認定 医療事務技能審査試験(メディカル クラーク🄬)」

医療事務技能審査試験は、インターネットを通じて、自宅のパソコンで受験できます。試験は毎月数回実施されるため、受験に対するハードルは低く、資格取得のスケジュールも立てやすいでしょう。
また、2科目の試験終了後、その場で試験結果が表示されるため、すぐに次の学習や就職活動などを進められるのも大きなメリットです。

参考:一般財団法人 日本医療教育財団「技能審査認定 医療事務技能審査試験(メディカル クラーク🄬)」

医療事務認定実務者🄬

全国医療福祉教育協会「医療事務認定実務者試験」によると、医療事務認定実務者🄬試験とは、全国医療福祉教育協会による初学者向けの資格です。

医療事務認定実務者🄬試験では、医療事務の基礎知識や医療機関における各種制度、診療報酬請求に関する知識などが問われます。
2025年2月現在における試験の概要は、以下のとおりです。

試験概要項目
詳細
受験科目 学科・実技
受験資格 なし
試験日程 月1回(下旬)
試験時間 90分
受験料 - 一般:5,000円(税込)
- 団体(認定機関の通信・通学受講生):4,500円(税込)
合格基準 学科・実技それぞれの正答率が60%以上
平均合格率 約60~80%

参考:全国医療福祉教育協会「医療事務認定実務者試験」

医療事務認定実務者試験は、自宅での受験が一般的です。ただし、認定機関の通学講座を受験している方は、学校やスクールの教室などでも受験できます。
また、医療事務認定実務者試験も毎月試験が実施されているため、社会人や主夫・主婦も受験しやすいでしょう。

参考:全国医療福祉教育協会「医療事務認定実務者試験」

医事コンピュータ技能検定試験

医事コンピュータ技能検定試験は、一般社団法人医療秘書教育全国協議会による資格です。
一般社団法人医療秘書教育全国協議会「医事コンピュータ技能検定試験」、一般社団法人医療秘書教育全国協議会「個人受験」を参考に、2025年2月現在の試験概要を紹介します。

試験概要項目
詳細
受験科目 学科・実技
受験資格 なし
試験日程 年2回
試験時間 実技試験実施パターンによって異なる
受験料 (Webサイト内記載なし)
合格基準 学科(領域I、II)・実技(領域III)それぞれの正答率が60%以上
平均合格率 (発表なし)

参考:一般社団法人医療秘書教育全国協議会「医事コンピュータ技能検定試験」
一般社団法人医療秘書教育全国協議会「個人受験」

医事コンピュータ技能検定試験は、「医療事務」「コンピュータ関連知識」「実技(オペレーション)」の3つの領域で構成されています。実技試験では、実際にレセコンソフトの入ったコンピュータを使用して回答を行うのが特徴です。試験名のとおり、コンピュータ関連の知識に特化した資格といえるでしょう。

また、医事コンピュータ技能検定試験は3級・2級・準1級の3つの級が設けられており、自身のレベルや目標に合った級を受験できます。3級・2級の受験者は一つ上の級合格を新たな目標として、ステップアップの計画が立てやすい点もメリットです。

参考:一般社団法人医療秘書教育全国協議会「医事コンピュータ技能検定試験」
一般社団法人医療秘書教育全国協議会「個人受験」

医療事務検定試験

「医療事務検定試験」とは、日本医療事務協会主催の資格認定試験です。
株式会社日本教育クリエイト 日本医療事務協会「医療事務検定試験」、株式会社日本教育クリエイト 日本医療事務協会「医療事務の資格取得講座TOP」を参考に、2025年2月現在における医療事務検定試験の概要を紹介します。

試験概要項目
詳細
受験科目 学科・実技
受験資格 日本医療事務協会の講座受講生であることが原則
試験日程 毎月第4日曜日
試験時間 提出期日まで(期日までに返送)
受験料 7,700円(税込)
合格基準 総得点の70%程度を基準とした、問題の難易度で補正した点数以上の得点
平均合格率
(※2023年度医療事務検定試験実績数)
90.6%

参考:株式会社日本教育クリエイト 日本医療事務協会「医療事務検定試験」
株式会社日本教育クリエイト 日本医療事務協会「医療事務の資格取得講座TOP」

医療事務検定試験では、医療保険制度や医療費計算、請求事務の知識など、医療事務全般の基本的知識と技術が身に付きます。

医療事務検定試験は、原則、日本医療事務協会の講座受講生のみが受験できる試験です。講座は、通信コースと全国3か所(東京、愛知、大阪)での通学コースがあります。医療事務検定試験は、講座で使用した教材やテキストを見ながら、自宅で受験することが可能です。

参考:株式会社日本教育クリエイト 日本医療事務協会「医療事務検定試験」
株式会社日本教育クリエイト 日本医療事務協会「医療事務の資格取得講座TOP」

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医療事務の資格を取るメリット

前述のとおり、医療事務は資格がなくても働けますが、資格を取得するメリットは複数あります。ここでは、医療事務の資格を取ることで得られる3つのメリットをみていきましょう。

転職時にアピールできる

医療事務の資格を取得するメリットは、転職時にアピールできることです。医療事務の資格は、いずれの資格も履歴書に記載できるため、医療事務に関する知識を習得していることを転職先に証明できます。

また、医療事務の資格は、受験資格が問われないものが多いため、未経験での転職を考えている方もほとんどの資格で受験・取得が可能です。資格の有無は、採用担当者が注目するポイントの一つでもあるため、転職前に取得しておくと良いでしょう。

転職先ですぐに活躍できる

医療事務の資格を転職前に取得していると、転職先ですぐに活躍できるメリットもあります。医療事務としての実務経験がない場合でも、資格取得を通して基本的な知識を身に付けておくと、業務の流れを掴みやすいでしょう。

また、資格取得により基礎知識が早く身に付くことで、多くの業務に挑戦する機会が得られることも。より早くスキルアップしたい方にとって、資格取得によるメリットは大きいといえます。

資格手当がもらえる場合がある

医療事務の資格に対して手当がもらえる場合があることも、医療事務の資格を取得するメリットの一つでしょう。職場によって資格手当の有無や手当支給の条件、金額などは異なるため、気になる方は職場の規定を確認するのがおすすめです。

資格手当がない場合も、資格取得は好待遇につながる可能性があります。資格取得を通してスキルがアップすることで、給料が上がったり役職が与えられたりすることもあるでしょう。

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医療事務の資格を選ぶポイント

複数ある医療事務の資格の中で、どの資格を取得すると良いのか分からない方もいるでしょう。ここでは、医療事務の資格を選ぶポイントを3つ紹介します。

身に付けたいスキルを習得できるか

医療事務の資格は、自分が身に付けたいスキルが習得できる資格を選ぶのがポイントです。資格によって、学べる範囲や重きを置いている分野などは異なります。医療事務の資格を選ぶ際は、自分が身に付けたいスキルや知識を深めたい業務に関連した内容が含まれているかを確認すると良いでしょう。

難易度が自分に合っているか

医療事務の資格選びでは、試験の難易度が自分に合っているか確認することも大切です。
医療事務の資格は、初心者向けの資格からより上級者向けのものまであります。資格の取得を検討している方は、試験の出題内容や過去問題などを参考に、自分に合った難易度の資格試験を受けるのがおすすめです。

また、試験の解答方法が難易度に影響する場合もあります。解答方法は、二択形式のものや五者択一のもの、手書き形式による実技が含まれるもの、参考資料を見ながら回答できるものなどさまざまです。初学者の方は特に、試験の問題範囲に加え、解答方法も確認して資格選びをすると良いでしょう。

学習方法が選べるか

医療事務の資格を選ぶ際には、自分に合った学習方法が選べるかどうかも大切なポイントです。
資格によっては、資格制度を運営している企業や団体の講座受講が条件となっているものもあります。講座は受講せず、独学で資格取得を目指す方は、一般受験が可能な資格試験か確認することが大切です。

また、講座を設けている資格のなかでも、通学や通信など学習方法が選べるものもあります。働きながら受講・資格取得をする方は特に、自分に合った方法で講座を受講できる資格を選ぶと良いでしょう。

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医療事務の資格に国家資格はなく、民間資格のみ

  • 医療事務の資格は国家資格ではなく、認定団体の異なる民間資格が複数ある
  • 医療事務は専門的知識が必要な業務もあるため、資格の取得がおすすめ
  • 医療事務の資格を取得すると、転職時に自身のスキルの証明ができる
  • 医療事務の資格は、身に付けたいスキルや試験の難易度で選ぶのがポイント

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