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デイサービスの看護師の役割は?仕事内容や給料も紹介
a day ago
「デイサービスの看護師の仕事内容がよく分からない」という方もいるでしょう。デイサービスの看護師は、利用者の健康管理や医療ケアなどを行います。この記事では、デイサービスで働く看護師の仕事内容について紹介します。デイサービスで働く看護師のメリットやデメリットについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
デイサービスとは
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの?-通所介護(デイサービス)」によると、デイサービス(通所介護)とは、通所介護の施設に通う利用者に対して、食事や入浴などの日常生活上の支援や機能訓練などを提供するサービスのことです。
デイサービスは、利用者の社会的な孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的とし、利用者が可能な限り自宅で自立した生活を送れることを目指しています。デイサービスの利用対象者は要介護1~5の認定を受けた方のみとなっており、要支援認定1・2の方は利用できません。
また、厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「公表されている介護サービスについて」によると、通所型の介護サービスには、デイサービス以外にも、地域密着型通所介護や療養通所介護、認知症対応型通所介護などがあります。これらは地域密着型サービスとなっており、原則として居住している市区町村以外の施設・事業所のサービスの利用はできません。
一方で、地域密着型サービスでないデイサービスでは、居住地域外の施設も利用可能であるため、利用者はより広範囲から施設を選んで通えるのが特徴です。
デイサービスとデイケアとの違い
デイサービスと同じ通所系サービスの一つに「デイケア(通所リハビリテーション)」があります。厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの?-通所リハビリテーション(デイケア)」によると、デイケアは、利用者に対して食事・入浴の介助や生活機能向上のための機能訓練、口腔機能向上サービスなどを提供するサービスです。デイケアを提供する施設には、病院や診療所、介護老人保健施設などがあります。
デイサービスとデイケアで異なるのは、メインのサービス内容です。デイサービスでは、利用者の日常生活の介助をメインに行うのに対して、厚生労働省「通所リハビリテーション(参考資料)」によると、デイケアでは理学療法や作業療法などのリハビリテーションを行うことをメインのサービスとしています。
また、利用対象もデイサービスとデイケアとでは異なります。前述のとおり、デイサービスは要支援認定の方は利用できませんが、デイケアでは介護予防の目的を含むため、要介護認定の方だけでなく、要支援認定を受けた方も利用可能です。要支援認定を受けた方に対しては、要介護状態にならないよう、利用者の心身機能や生活機能の維持・向上を目指した介護予防サービスを提供しています。
参考:厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの?-通所介護(デイサービス)」
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「公表されている介護サービスについて」
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの?-通所リハビリテーション(デイケア)」
厚生労働省「通所リハビリテーション(参考資料)」
デイサービスで働く看護師の仕事内容
デイサービスで働く看護師は主に、利用者の健康管理や医療ケアの提供、介護業務のサポートなどを行っています。それぞれの仕事内容について詳しくみていきましょう。
利用者の健康管理
デイサービスで働く看護師は、利用者の健康管理を行います。具体的な仕事内容は、脈拍や血圧、体温などを測るバイタルチェックや服薬管理、健康相談の対応などです。利用者の来所時や昼食後、退所前などには健康状態を測定・記録し、異常がみられないか管理しています。
また、服薬が必要な利用者に対しては、薬の種類や数に間違いがないか、正しく服用できたかをチェックします。薬は、種類や数が変更になる場合もあるため、毎回確認を怠らないようにすることも、デイサービスの看護師の重要な仕事の一つです。
医療ケア
医療ケアの提供も、デイサービスの看護師の主な仕事の一つです。デイサービスで行われる医療ケアには、血糖測定やインスリン注射などがあります。これらは医療行為にあたるため、介護職員は行えません。また、デイサービスには医師の配置義務がないため、医師が常勤していない施設も多いようです。そのため、看護師はデイサービスでの医療ケアが行える数少ない人材として、重要な役割を任されています。
介助や機能訓練のサポート
利用者の食事・入浴時の介助や機能訓練のサポートを行うことも、デイサービスの看護師の仕事の一つです。前述のとおり、デイサービスでは、医師または看護師のみが医療ケアを行えます。よって、医療ケアが必要になった際にすぐに対応できるよう、食事や入浴の介助は介護士がメインで行い、看護師はそのサポートを行うことが多いようです。ただし、職員の数が少ない施設の看護師は、介護士とともに介助を主体的に行うこともあります。
厚生労働省「介護人材関係について」によると、デイサービスで行われる機能訓練は、座る・立つ・歩くなどの身体機能の向上を中心にした訓練や、食事・更衣・トイレの日常生活動作に対する訓練など、さまざまです。また、利用者の目的に合わせた訓練に加え、身体を使ったレクリエーションなども行っています。看護師は、機能訓練のサポートを行ったり、利用者と一緒にレクリエーションに参加したりすることもあるでしょう。
参考:厚生労働省「介護人材関係について」
デイサービスで働く看護師の一日のスケジュール
デイサービスの看護師は、どのように一日を過ごしているのでしょうか。ここでは、デイサービスで働く看護師の一日のスケジュール例を紹介します。
午前8時30分 | 出勤 |
午前9時 | 利用者の送迎 |
午前10時 | バイタルチェック、入浴後のケア |
午前11時 | レクリエーション |
正午 | 昼食時の介助、服薬の管理 |
午後1時 | 休憩 |
午後2時 | 機能訓練のサポート、記録、バイタルチェック |
午後3時 | おやつの配膳・下膳 |
午後4時 | 利用者の送迎 |
午後5時 | 片付け、翌日の準備 |
午後5時30分 | 退勤 |
デイサービスの看護師の仕事は、利用者を出迎えることから始まります。利用者の送迎に関しては、施設で出迎え・見送りを行うこともあれば、看護師が送迎車に添乗することもあるようです。
施設に着いた利用者に対しては順番にバイタルチェックを行い、その日の体調を確認します。前述のとおり、入浴介助自体は介護士がメインに行い、看護師は入浴前後の体調の確認や薬の塗布などのケアを行うことが多いでしょう。
また、昼食やおやつの時間のあとには、嚥下や咀嚼などの口腔機能の低下がみられる利用者に対して、口腔ケアを行うこともあるようです。
デイサービスの施設では利用時間が定められていることが多く、看護師は利用者の退所時刻には見送りもしくは送迎をした後、退勤となります。送迎にかかる時間によっては、残業が発生することもあると考えられますが、基本的には大幅な残業が発生する機会は少なく、定時で退勤できるでしょう。
デイサービスで働く看護師の給料
厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、デイサービスで働く看護師の平均給与は、常勤で37万5327円、非常勤で33万9893円となっています。
なお、ほかの通所型介護サービスで働く看護師の平均給与と比べると、以下のとおりです。
サービス種類 | 看護師の平均給与 | |
---|---|---|
常勤 | 非常勤 | |
デイサービス | 37万5327円 | 33万9893円 |
地域密着型通所介護 | 35万4454円 | 32万8553円 |
認知症対応型通所介護 | 39万5925円 | 35万3412円 |
通所リハビリテーション | 41万7917円 | 36万2207円 |
参考:厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果」
同じ通所型介護サービスであっても、サービスの種類によって平均給与は多少差があるようです。業務内容や給与を比較して、自分に合った勤務先を探してみるのも良いでしょう。
また、デイサービスの看護師の給与を年収換算(平均給与額×12か月)すると、常勤の場合の平均年収は450万3924円、非常勤の平均年収は407万8716円となります。なお、デイサービスでは夜勤や宿直がないため、病棟で働く看護師に比べると年収が低くなる可能性があるでしょう。
参考:厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果」
デイサービスで働く看護師のメリット
デイサービスで働くことは、看護師にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、デイサービスで働く看護師のメリットを紹介します。
仕事とプライベートを両立させやすい
デイサービスで働く看護師のメリットの一つは、仕事とプライベートを両立させやすいことです。
利用時間を夕方までに設定している施設の場合、夜勤や宿直を求められることはありません。また、前述のとおり、利用者が施設を利用する時間も決まっているため、残業時間が発生する可能性も少ないと考えられます。よって、プライベートの時間を確保しながら働きたい看護師にとっては、大きなメリットでしょう。
精神的負担が比較的少ない
デイサービスで働く看護師にとってのメリットには、精神的負担が比較的少ないことも挙げられます。
デイサービスでは、緊急対応や高度なスキルを必要とする処置が求められる機会は少ないでしょう。また、入所型施設のように看取りの対応をする可能性もほぼないといえます。そのため、精神的負担が比較的少ない環境で働ける点は、看護師にとってデイサービスで働くメリットとなるでしょう。
デイサービスで働く看護師のデメリット
一方、看護師にとって、デイサービスで働くことによるデメリットもあると考えられます。ここでは、デイサービスで働く看護師のデメリットを紹介します。
医療ケアのスキルアップはしにくい
デイサービスでは医療機関のような医療ケアを行う機会が少なく、その点が看護師にとってデメリットになる可能性があります。
前述のとおり、デイサービスでは医師の配置義務がないため、医師が常勤している施設は少ないでしょう。医師がいない場合は、医師の判断の下で行う必要がある点滴や採血などの医療行為は行えません。また、求められるケアがバイタルチェックやインスリン注射などある程度固定されており、看護師として基本的なスキルがあればできるものが多くなっています。
よって、デイサービスでは医療ケアに関するスキルアップはしにくく、スキルを磨きたい看護師にとってはデメリットとなるでしょう。
単独での判断が求められる
デイサービスで働く看護師にとって、単独での判断が求められる点はデメリットになり得る要素の一つです。
厚生労働省「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」によると、定員11名以上のデイサービスにおける看護職員の人員基準は、施設ごとに1人以上と定められています。よって、施設内で自分以外の看護師は勤務していないケースもあり、医療・看護面での判断が自分一人に委ねられることもあるでしょう。
そのため、利用者の体調に変化があった際に、デイサービスの看護師は単独で適切かつ素早い判断力を求められる可能性が高く、プレッシャーを感じてしまう看護師もいると考えられます。
参考:厚生労働省「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」
デイサービスの看護師に向いている人
デイサービスで働く看護師のメリット・デメリットをみてきましたが、デイサービスの看護師にはどのような人が向いているのでしょうか。ここでは、デイサービスの看護師に向いている人の特徴を3つ紹介します。
高齢者とのコミュニケーションが好きな人
高齢者とのコミュニケーションが好きな人は、デイサービスの看護師に向いているでしょう。デイサービスの看護師は、利用者と信頼関係を築くことが大切です。なかには、コミュニケーションをとるのが苦手な利用者との関わり方に悩んだり、自分と年が離れた利用者との会話の内容に困ったりすることもあると考えられます。
コミュニケーションが好きな人であれば、笑顔で接することで、利用者との信頼関係は築きやすくなるでしょう。また、看護師から率先して話し掛けることで、利用者に心を開いてもらえることもあります。コミュニケーションが得意な人は、その力を存分に発揮できる環境といえるでしょう。
責任感のある人
デイサービスの看護師に向いている人の特徴の一つは、責任感があることです。前述のとおり、デイサービスの施設内には、自分以外の看護師や医師がいない場合も多いでしょう。よって、医療的な判断が必要になった際には、看護師が一人で対応する必要があります。そのため、デイサービスの看護師は責任感をもち、常に周囲の様子を観察し動ける人が向いているでしょう。
プライベートの時間を確保したい人
プライベートの時間を確保したい人も、デイサービスの看護師に向いているでしょう。前述のとおり、デイサービスは残業や夜勤を求められることが少ないのが特徴です。そのため、ワークライフバランスを重視したい看護師に向いている職場だといえます。また、デイサービスでは非常勤で勤務している看護師もおり、子育てをしている方や休職明けの方なども、自分のペースに合った働き方がしやすいでしょう。
デイサービスの看護師は利用者の健康管理を行う
- デイサービスの看護師は、バイタル測定や医療ケアを主に行っている
- デイサービスの看護師は、利用者の介助や機能訓練のサポートを行うこともある
- デイサービスで働く看護師のメリットは、仕事とプライベートを両立させやすいこと
- コミュニケーションをとるのが得意な人は、デイサービスの看護師に向いている
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