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看護師の離職率は何%?病院規模・都道府県別のデータも紹介!

3 days ago

「看護師の離職率は何%?」と疑問に思う方もいるでしょう。看護師の離職率は2022年度で11.8%(日本看護協会調査結果)となっています。この記事では、看護師の離職率について病床規模別・都道府県別の割合を紹介しています。新人看護師の離職率や仕事を辞める理由、長く働ける職場を選ぶポイントにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

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看護師の離職率は何%?

日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、2022年度の正規雇用看護職員の離職率は11.8%でした。これは、年間で10人に1~2人の割合で離職する看護師がいるという計算になります。

医療業界以外の職種との比較もみてみましょう。厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概要 産業別の入職と離職」によると、2023年の産業別離職率は以下のとおりです。

産業区分
離職率
医療、福祉 14.6%
鉱業、採石業、砂利採取業 9.2%
建設業 10.1%
製造業 9.7%
電気・ガス・熱供給・水道業 10.4%
情報通信業 12.8%
運輸業、郵便業 10.3%
卸売業、小売業 14.1%
金融業、保険業 10.5%
不動産業、物品賃貸業 16.3%
学術研究、専門・技術サービス業 11.5%
宿泊業、飲食サービス業 26.6%
生活関連サービス業、娯楽業 28.1%
教育、学習支援業 14.8%
複合サービス事業 7.8%
サービス業(他に分類されないもの) 23.1%
産業計
15.4%

参考:厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概要 産業別の入職と離職」

上記をみると、医療・福祉の離職率は全産業の離職率と比べてあまり差がありません。
離職率が10%後半、20%台の産業もあることから、医療・福祉業界の離職率だけが特別高いわけではないことがわかります。
上記の「医療、福祉」の分類には看護師以外の医療・福祉従事者も含まれますが、看護師の離職率に関しても、全産業の離職率と大幅に開きはないと考えられるでしょう。

ここからは、看護師の離職率について、設置主体や病床規模などカテゴリー別にみていきましょう。

看護師の離職率:設置主体別

日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、2022年の正規雇用看護職員の設置主体別離職率は以下のとおりです。

医療機関の設置主体
離職率
国立 10.6%
公立 8.8%
日本赤十字社 9.8%
済生会 11.9%
厚生農業協同組合連合会 9.7%
その他公的医療機関 14.1%
社会保険関係団体 10.7%
公益社団法人、公益財団法人 13.1%
私立学校法人 13.5%
医療法人 14.3%
社会福祉法人 12.4%
医療生協 11.2%
会社 10.2%
その他の法人 12.8%
個人 17.6%

参考:日本看護協会「2023年病院看護実態調査」

国公立の病院や日本赤十字社・厚生農業協同組合連合会など母体組織の大きい公的な病院は、看護師の離職率が比較的低いことがわかります。特に、国公立の病院で働く看護師は公務員扱いとなるため、待遇や福利厚生が安定している環境で働けるでしょう。

一方、個人経営の医療機関や、個人が法人を立ち上げて経営している医療機関では、離職率が高い傾向にあるようです。

看護師の離職率:病床規模別

日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、2022年の正規雇用看護職員の病床規模別離職率は以下のとおりです。

病床規模 離職率
99床以下 12.7%
100~199床 12.8%
200~299床 11.8%
300~399床 11.3%
400~499床 11.1%
500床以上 11.5%

参考:日本看護協会「2023年病院看護実態調査」

病床規模ごとの離職率をみると、全体をとおして大きな差はないですが、病床数の少ない病院のほうがやや離職率が高いようです。

看護師の離職率:都道府県別

日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、2022年の正規雇用看護職員の都道府県別離職率は、以下のとおりです。

都道府県 離職率
北海道 11.9%
青森県 8.4%
岩手県 6.5%
宮城県 8.5%
秋田県 7.5%
山形県 8.2%
福島県 9.6%
茨城県 10.7%
栃木県 11.3%
群馬県 8.1%
埼玉県 13.0%
千葉県 13.6%
東京都 15.5%
神奈川県 13.7%
新潟県 8.7%
富山県 8.6%
石川県 8.9%
福井県 9.1%
山梨県 10.7%
長野県 9.3%
岐阜県 11.1%
静岡県 11.2%
愛知県 12.7%
三重県 11.2%
滋賀県 12.6%
京都府 11.2%
大阪府 14.3%
兵庫県 13.7%
奈良県 11.7%
和歌山県 10.5%
鳥取県 7.2%
島根県 9.3%
岡山県 9.9%
広島県 10.1%
山口県 9.6%
徳島県 7.2%
香川県 8.4%
愛媛県 10.9%
高知県 10.2%
福岡県 12.3%
佐賀県 9.9%
長崎県 9.8%
熊本県 11.4%
大分県 10.4%
宮崎県 11.3%
鹿児島県 12.4%
沖縄県 13.4%

参考:日本看護協会「2023年病院看護実態調査」

都道府県別の離職率をみると、東京都の15.5%が最も多く、次いで大阪府が14.3%、神奈川県と兵庫県が13.7%となっています。また、離職率が最も低いのは鳥取県で7.2%でした。

全体的にみると、都市部は離職率が高く、地方では離職率が低い結果となっています。都市部はそもそも医療機関の数が多いうえ、自家用車以外の通勤手段も充実しており、転職しやすい環境のため離職する人が多くなっているようです。

新人看護師の離職率

日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、2022年度の新卒採用者の離職率は10.2%でした。看護師全体の離職率である11.8%とそれほど大きな差はないようですが、新卒採用者の約10人に1人は入職1年以内に離職しているという計算になります。

参考:日本看護協会「2023年病院看護実態調査」
厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概要」

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看護師の離職率が高いといわれる理由は?

「看護師は離職率が高い」とよくいわれます。前述のとおり、実際の離職率をみると医療業界と全業界の離職率に大きな差はありませんが、なぜ看護師の離職率が高いといわれるのでしょうか。

仕事がハードだから

看護師の仕事は、精神的にも肉体的にもハードな仕事です。忙しさは職場にもよりますが、いつも自分のペースでゆっくりと仕事ができる職場は、非常に少ないでしょう。病棟では1人で複数人の入院患者に対して処置や療養上の世話を行い、外来では次々に訪れる患者の対応を行わなければなりません。心身ともに疲弊してしまう看護師もいることから、「辞める人が多い」というイメージがつきやすいと考えられます。

人間関係に悩む人が多いから

看護師は、人間関係の悩みが原因で離職する人もいるようです。
看護師は患者の命を預かる仕事である以上、ミスは許されません。先輩看護師が後輩に厳しく指導するあまり、関係性が悪くなってしまったり、職場全体がギスギスとした雰囲気になったりすることもあるでしょう。加えて、医療現場では看護師の人手不足が問題視されており、忙しいあまり心に余裕がなく、同僚に冷たくあたる人もいるようです。

また、看護師は患者に関わるだけでなく医師や同僚の看護師、医療系の他職種とも協力しながら業務を進めていきます。業務上関わりのある人が多い以上、誰とでも良好な関係を築けるとは限らず、仕事相手との関わり方に難しさを感じる看護師も多いようです。

人手不足で教育体制が整っていない場合があるから

多くの医療現場では人手不足となっており、新卒者や転職者に対する教育がきちんと行われないまま、即戦力になるよう求められるケースがあります。勝手がわからないうえに必要なことを十分に教えてもらえず、既存の職員とトラブルになったり怒られたりすることで、仕事が嫌になり辞めてしまう人もいるようです。

経営母体の大きい病院に比べて、個人経営の病院では特に人手不足が深刻さを増しており、忙しさから疲弊している看護師もみられます。そのうえ、人手不足の病院は患者に対する業務以外に手が回らず、新人向けの教育体制が整っていない場合もあるようです。

ライフイベントにより辞める人がいる

看護師はライフイベントにより仕事を辞めるケースが多くみられるため、離職率が高いと思われるようです。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、男性の看護師は8万7760人いるのに対し、女性の看護師は74万7260人となっており、圧倒的に女性が多い結果になっています。
女性は結婚や出産といったライフイベントの節目に仕事を辞めるケースが男性よりも多くみられるため、そのことが「看護師の離職率が高い」といわれる理由につながると考えられるでしょう。

そもそも転職しやすいから

看護師はほかの職種と比べて、そもそも転職しやすい職種であることから、離職率が高いといわれる一面もあります。
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年9月分)について 参考統計表」によると、 2024年9月現在の有効求人倍率は1.14倍であるのに対し、保健師・助産師・看護師の有効求人倍率は2.03倍です。そのため、ほかの職種よりも求人数が多く、仕事を辞めても次の職場が見つかりやすい状況といえるでしょう。

転職しやすいことから、マイナスな理由での転職だけでなく、スキルアップ・キャリアアップを狙った転職やライフスタイルの変化に合わせて自分にあった職場を選びなおす目的の転職も、行いやすくなっています。

参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年9月分)について」

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看護師が離職率の低い職場で働くには?

看護師が離職率の低い職場で働くには、自分が職場に求める条件を明確にしたうえで、職場を選ぶことが大切です。ここでは、看護師が離職率の低い職場で働くにはどのような職場を選ぶと良いのかについて、解説します。

公立病院・大病院を選ぶ

看護師が離職率の低い職場で働くには、公立病院や経営母体の大きい病院、病床数の大きい病院を選ぶと良いでしょう。前述のとおり、これらの病院は離職率が低い傾向があります。公立病院や大病院の多くは職員が働きやすい職場作りに力を入れており、結果として福利厚生の充実や教育制度の確立につながっているようです。

また、大きな病院は勤務職員も多いため、離職者や休みの職員が出たときに、職員の少ない病院よりも1人当たりの負担が少ないというメリットもあります。

福利厚生や教育制度に力を入れている職場を選ぶ

看護師が離職を防ぐには、福利厚生や教育制度に力を入れている職場を選ぶのも良いでしょう。福利厚生が高い職場では職員の満足度が高く、離職率が低い傾向にあります。

教育制度に関してはOJTだけでなく、マニュアルを配布したり、新人向けの研修会を開いたりすることで新人をサポートしている場合もあります。教育制度が整備されている職場を選ぶことで、手厚いサポートを受けられ、職場に定着しやすくなるでしょう。

人間関係の良い職場を探す

離職の原因として人間関係の難しさが心配という人は、離職率の低さをうたっている職場を選ぶようにしてみましょう。
可能であれば、自分が患者として受診したときや見学をさせてもらったときに、「職員間の雰囲気が良いと感じたか」を基準にするのがおすすめです。友人や知人が働いている医療機関であれば、働いている人の意見を直接聞いてみるのも良いでしょう。

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看護師の離職率は2022年度で11.8%

  • 看護師が含まれる医療・福祉業とほかの産業の離職率に大きな差ははい
  • 新人看護師の離職率は2022年度で10.2%となっている
  • 看護師は仕事の忙しさや人間関係に悩む人が多いことから、離職率が高いといわれる
  • 看護師が離職率の低い職場で働くには福利厚生や教育制度が充実している職場がおすすめ

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