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薬剤師国家試験の合格率は?日程・時間割や合格基準を紹介
17 days ago
「薬剤師国家試験の合格率は?」と気になる方もいるでしょう。薬剤師国家試験の合格率は、例年60%後半で推移しています。この記事では、薬剤師国家試験の受験資格や、試験日・試験科目などの概要、過去5年間の合格率を紹介しています。薬剤師国家試験の申し込みの流れや合格基準も紹介していますので、ぜひご覧ください。
薬剤師国家試験の受験資格
薬剤師国家試験は誰でも受験できるわけではなく、受験申し込みの前に受験資格を満たさなければなりません。厚生労働省「薬剤師国家試験」によると、薬剤師国家試験の受験資格を得るには、原則として学校教育法に基づく大学で6年制の薬学課程を修了する必要があります。
なお、薬学に関する大学の教育課程には4年制もありますが、2018年度以降の入学者は4年課程を修了しても、薬剤師国家試験の受験資格は得られません。6年課程は最終的に薬剤師の国家資格を取得するための内容であるのに対し、4年課程の内容は、薬の開発や研究を目的としたものという違いがあるためです。
もし、4年課程を修了後に大学院へ進んで、計6年間学んだとしても、最初から6年課程で学んだ場合と得られる知識は異なります。この場合でもこれから入学する場合は薬剤師国家試験の受験資格は得られないため、注意しましょう。
薬剤師国家試験の概要
薬剤師国家試験の概要について、紹介します。
申し込みの流れ
受験願書は、試験前年の10月中旬以降に配布が開始されます。薬剤師国家試験の受験資格が得られる大学で配布されるほか、郵送または試験運営本部事務所などの窓口で請求可能です。
願書の受付期間は1月上旬~中旬に設定されるため、期間中に郵送で薬剤師国家試験運営本部事務所に提出するか、薬剤師国家試験運営臨時事務所に持参して直接提出します。受験申し込みが受理されると、2月中旬までに受験票が郵送で交付されます。なお、新卒者の場合は在学中の大学に受験票がまとめて届く仕組みです。
試験日・場所
薬剤師国家試験は、例年2月下旬に2日かけて行われます。厚生労働省「薬剤師国家試験」によると、2025年の薬剤師国家試験試験日は2月22日・23日です。
試験地は、北海道・宮城県・東京都・石川県・愛知県・大阪府・広島県・徳島県・福岡県となっています。東京都や大阪府など受験者が多い試験地は、試験会場が2か所以上設定されることもあるようです。
試験科目・時間割
前述でも触れていますが、薬剤師国家試験は2日かけて行われます。厚生労働省「第109回薬剤師国家試験 受験者留意事項」によると、2024年2月に実施された第109回薬剤師国家試験の試験科目及び時間割は、以下のとおりです。
時間 | 問題区分および科目 | |
---|---|---|
第1日 | ||
午前9時30分~午前11時 | 必須問題試験 (物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務) |
|
午後12時30分~午後3時 | 一般問題試験(薬学理論問題) (物理・化学・生物、衛生、法規・制度・倫理) |
|
午後3時50分~午後5時45分 | 一般問題試験(薬学理論問題) (薬理、薬剤、病態・薬物治療) |
|
第2日 | ||
午前9時30分~午前11時35分 | 一般問題試験(薬学実践問題) (物理・化学・生物・衛生)複合問題 |
|
午後1時~午後2時40分 | 一般問題試験(薬学実践問題) (薬理、薬剤)複合問題 |
|
午後3時30分~午後6時 | 一般問題試験(薬学実践問題) (病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務)複合問題 |
参照:厚生労働省「第109回薬剤師国家試験 受験者留意事項」
薬剤師国家試験は、必須問題試験と一般問題試験(薬学理論問題・薬学実践問題)に分かれており、上記の時間割で試験が行われます。薬学実践問題では実務単独問題のほか、各科目と実務を組み合わせた複合問題が出題されるのが特徴です。
合格発表
2月中旬に行われる薬剤師国家試験は、3月下旬に合格発表が行われます。2024年2月に実施された薬剤師国家試験の合格発表は、3月19日に行われました。厚生労働省「国家試験合格発表」によると、国家試験の合否は、合格発表当日の午後2時以降にWebサイトで確認できます。合格者は免許申請が必須で、免許登録がなされると薬剤師として働けるようになります。
薬剤師国家試験の合格率
厚生労働省「試験回次別合格者数の推移」によると、2020~2024年の合格率は以下のとおりです。
実施回(実施年) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第105回(2020年) | 1万4,311名 | 9,958名 | 69.58% |
第106回(2021年) | 1万4,031名 | 9,634名 | 68.66% |
第107回(2022年) | 1万4,124名 | 9,607名 | 68.02% |
第108回(2023年) | 1万3,915名 | 9,602名 | 69.00% |
第109回(2024年) | 1万3,585名 | 9,296名 | 68.43% |
参考:厚生労働省「試験回次別合格者数の推移」
薬剤師国家試験の合格率は、例年6割後半で推移しています。専門教育を6年間受けていても、3割以上の人が不合格になる結果となっており、難易度の高い試験といえそうです。
新卒者と既卒者の合格率
薬剤師国家試験の合格率は、新卒者と既卒者ではどのような違いがあるのでしょうか。厚生労働省「試験回次別合格者数の推移」によると、2020~2024年の薬剤師国家試験の新卒者と既卒者の合格率は、以下のとおりです。
実施回 (実施年) |
新卒 | 既卒 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
第105回 (2020年) |
9,194名 | 7,795名 | 84.78% | 4,804名 | 2,050名 | 42.67% |
第106回 (2021年) |
8,711名 | 7,452名 | 85.55% | 5,035名 | 2,079名 | 41.29% |
第107回 (2022年) |
8,665名 | 7,386名 | 85.24% | 5,217名 | 2,126名 | 40.75% |
第108回 (2023年) |
8,548名 | 7,254名 | 84.86% | 5,146名 | 2,267名 | 44.05% |
第109回 (2024年) |
8,416名 | 7,100名 | 84.36% | 4,957名 | 2,103名 | 42.42% |
参考:厚生労働省「試験回次別合格者数の推移」
例年、新卒者は85%前後、既卒者は40%台で合格率が推移しています。既卒者は、新卒時に受験した薬剤師国家試験に不合格となり、働きながら再受験に向けて勉強を積み重ねてきた人もおり、新卒者よりも試験対策の時間が取れず、合格率が低いという背景が考えられます。
薬剤師国家試験の合格点は?
薬剤師国家試験は、「何点取れば合格」というように、合格点のみで合否の判断が行われているわけではありません。合格基準は例年、問題の難易度により調整されています。厚生労働省「第109回薬剤師国家試験合格基準及び正答について」によると、2024年3月に実施された第109回薬剤師国家試験の合格基準は、以下のすべての基準を満たした者を合格とする、とされています。
- 全問題の得点が420点以上(配点は1問2点・688点満点)
- 必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上
- 禁忌肢問題選択数は2問以下
例年、全体の正答率は6割程度になっており、特定の問題種別や科目に偏らずに正答していなければ合格できないのが特徴です。
また、禁忌肢を規定数以上選択すると、不合格になるという基準も設けられています。厚生労働省「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」によると、禁忌肢とは「薬剤師として選択すべきでない選択肢」のことです。具体的には以下のようなことを考慮して、問題の選択肢の中に禁忌肢が盛り込まれます。
- 公衆衛生に甚大な被害を及ぼすような内容
- 倫理的に誤った内容
- 患者に対して重大な障がいを与える危険性のある内容
- 法律に抵触する内容
誤った知識や倫理観を有する人が薬剤師として働くことで、患者の命に関わる事態を引き起こす可能性もあります。決して選ぶべきでない選択肢を盛り込むことで、誤った知識をもつ受験者を選別する目的で、禁忌肢による合否判定が採用されているようです。
薬剤師国家試験は2月に行われ合格率は60%台後半
- 薬剤師国家試験は2月中旬に2日間にわたって行われ、3月下旬に合格発表がある
- 薬剤師国家試験の合否は発表日の午後2時にWebサイトで確認できる
- 薬剤師国家試験の合格者は新卒者では約8割、既卒者では約4割にとどまっている
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