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地域医療に貢献!日常や災害現場での実践力につながる薬剤師の学びを紹介
4 days ago

地域の医療体制を支える薬剤師には、患者さんへの服薬支援をはじめとする通常業務の質向上から、予測困難な災害などの有事における対応力まで、非常に幅広い知識と柔軟なスキルが求められています。
そんな中で、「もっと薬剤師としての専門性を高めたい」「現場の課題解決につながる新しい知見を得たい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、薬剤師のキャリアアップや現場でのスキル向上を力強くサポートする注目の団体をピックアップしてご紹介します。これからの医療現場でさらなる活躍を目指すためのヒントとして、ぜひお役立てください。
日本災害医療薬剤師学会
日本災害医療薬剤師学会は、誰もが被災者になり得る事態に備え、災害医療の普及・啓発や対応策の研究を目的として2006年に設立された団体です。
地震や風水害が頻発・激甚化する日本において、災害時の医薬品供給や公衆衛生を担う薬剤師の重要性は増しています。同学会は、こうした社会的ニーズに応え、有事の際に対応できる薬剤師の育成を推進。災害医療が地域医療の一部であるという視点に立ち、多職種や多機関との連携を重視した活動に尽力しています。

有事の際にも対応できる薬剤師の育成「災害医療支援薬剤師」
「災害医療支援薬剤師」は、災害医療現場で専門性を発揮できる薬剤師を育成するため、同学会が2014年に創設した登録制度です。
制度開始以来、多くの薬剤師が登録・活動しており、特に新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、公衆衛生における薬剤師の役割や地域のBCP(事業継続計画)が強く注目されるようになりました。これに伴い、薬剤師に従来の枠組みを超えた新たな知識や実践的なスキルが求められています。
そんな社会情勢の変化に応えるべく、同学会が注力しているのが研修プログラムの継続的な改善です。従来のカリキュラムのアップデートに加え、学習機会の均等化を目指したオンライン受講体制を整備。居住地や家庭の事情に関わらず、全国の薬剤師が災害医療に関する最新の知見を学べるよう環境を整えています。
また、研修内容は、現場で即戦力となる実践的なスキルを網羅できるよう随時更新されるため、常に質の高い学びを得ることが可能です。

研修プログラムの内容
現在の研修プログラムは、当初からの「A~Dコース」に、公衆衛生に特化した「Eコース」を加えた全5コースで構成されています。
- Aコース:災害の基礎、災害医療の基礎
- Bコース:保健医療福祉調整本部での活動
- Cコース:トリアージの基礎と災害時の病態・メンタルヘルス
- Dコース:薬剤師の災害現場での活動
- Eコース:災害時の公衆衛生
これらのコースは基本的に、どの順序からでも受講可能です。5つすべての単位を取得し、一定の手続きを完了した会員が「災害医療支援薬剤師」として登録されます。
平時から専門的な学びを深めることで、いざという時に地域社会へ貢献できる実践力を習得できるのが大きな魅力です。予測困難な災害に備え、薬剤師としての新たな専門性を切り拓きたい方は、ぜひ同学会の取り組みに注目してみてはいかがでしょうか。
※本記事の内容は執筆時点(2026年3月)の情報です。
■詳細情報
日本災害医療薬剤師学会
災害医療支援薬剤師
特定非営利活動法人薬剤師緊急対応研修機構
特定非営利活動法人薬剤師緊急対応研修機構(PERT)は、日々の業務中や災害時など、いざという時に命を救うための適切な行動をとれる人材の育成を目指している団体です。活動として主に定期的な研修を開催し、薬剤師のみならず、そのほかの薬局の従業員(登録販売者・薬局事務等)、地域に住まう市民や学生など一般の方にも広く提供しています。
同機構が実施する研修の特徴は、徹底した「実技中心」のプログラムである点です。実践形式で行うことで、主体的に参加するスタイルを確立。現場で確実に役立つ"できる技術"を身につけられるのが何よりの大きな強みです。
現在、緊急対応について学べる「プロバイダーコース」、指導者としての考え方を学ぶ「インストラクター養成ワークショップ」、成果体験ができる「薬剤師メディカルラリー」の3つの研修コースを展開しています。
薬剤師×緊急対応!地域の医療者として発揮できる技術を習得「プロバイダーコース」

「プロバイダーコース」は、"心停止への対応"や"外傷時の処置"など、緊急時に必要となる技術を実践的に学べるプログラムです。適切な処置を行える本物のスキルを身につけておくことで、緊急事態に自然と体が動き、いざという時に頼られる、地域社会の心強い存在となることができます。突然の心停止時におけるAEDの活用や、交通事故発生時の初期対応など、目の前の大切な命を守るために適切な行動が取れるようになるでしょう。
なお、同コースが目標とするところは、救急を必要とする傷病者の救助と社会復帰です。そのための行動目標として「薬剤師が自信を持って救急隊(救命チーム)の到着までの時間、役割を果たせるようになる」を掲げています。
現状、法的に薬剤師が現場で行える救急対応の範囲は、一般の方と大きく変わるわけではありません。だからこそ、医療従事者としての基礎知識を活かしつつ、「実際に手を動かせる技術」を習得しているかどうかが決定的な差を生み出します。また、薬局にある資機材が利用できることは薬剤師の方にとって、ものの見方が変わる一助になるかもしれません。

薬剤師は地域住民が"扉一枚"でアクセスできる最も身近な医療従事者です。薬局の扉を開ければすぐに相談できる距離の近さは、緊急時の初期対応において大きな強みとなります。
「不測の事態に備えたい」という思いを抱く薬剤師の方にとっても、確かな手技を身につけることは、地域医療の最前線に立つための自信となるでしょう。地域の中で迅速な対応ができる薬剤師が増えることで、地域全体の救命力向上も期待されます。
幅広いニーズに対応
同機構は企業や団体のニーズに合わせたカスタマイズ研修も積極的に行っており、直近では自動車部品工場での企業研修が実施されました。医療職ではない一般の参加者の方々も非常に高い熱意を持って実技訓練に取り組み、大きな反響を呼んでいます。
どの現場でも、「いざという時に仲間を救いたい」「周りの人の助けになりたい」という思いは同じです。全国各地からの参加もあり、あらゆる職種の方にとって緊急対応のスキルがいかに求められているかがわかります。
講習は基本丸1日行われ、受講中に手技と共に必要な知識が自然と身につくプログラムが組まれています。現在、薬剤師だけでも300名超の方々が研修で学んだ内容と手技を活かし、地域の身近な医療従事者として各地で活躍されているとのことです。
現場で活きる実践的な技術を習得したい方は、ぜひ各研修プログラムの詳細をチェックしてみてください。
※本記事の内容は執筆時点(2026年4月)の情報です。
■詳細情報
特定非営利活動法人薬剤師緊急対応研修機構
プロバイダーコース
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