NEW豆知識
看護師のボーナスはどのくらい?年齢、勤続年数別の平均額を紹介
4 days ago
「看護師はボーナスをどのくらいもらえるの?」と気になる方もいるでしょう。看護師のボーナスは2023年時点で平均85万円ですが、勤続年数や査定結果などにより異なります。この記事では、年齢別や施設規模別などカテゴリー別の看護師のボーナス額や、査定方法を紹介しています。看護師のボーナスについて知っておきたいことや、金額を上げる方法も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
看護師のボーナスはいくら?
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師のボーナス(年間賞与その他特別給与額)の平均は、85万6,500円となっています。
なお、同調査における全職種の平均ボーナス額は85万1,900円でしたので、看護師のボーナス額はほかの職種と比べて、平均くらいといえるでしょう。
看護師のボーナス額をカテゴリー別に比較
看護師のボーナス額をカテゴリー別に比較して紹介します。
経験年数別の看護師のボーナス額
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、経験年数別の看護師の平均ボーナス額は、以下のとおりです。
経験年数 | 看護師の平均ボーナス額 (年間賞与その他特別給与額) |
---|---|
0年 | 13万1,800円 |
1~4年 | 69万2,400円 |
5~9年 | 77万1,600円 |
10~14年 | 86万1,200円 |
15年以上 | 103万6,200円 |
参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
看護師のボーナス額は経験年数1年以降から大幅に上がり、経験年数を重ねるほどにボーナス額が上がっていく傾向にあります。経験年数0年(1年目)の看護師はボーナスを満額もらえないことが一般的なため、ほかの年数に比べて平均額が低いようです。詳細な理由は後述にて説明します。
年齢別の看護師のボーナス額
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、年齢別の看護師の平均ボーナス額は、以下のとおりです。
経験年数 | 看護師の平均ボーナス額 (年間賞与その他特別給与額) |
---|---|
20~24歳 | 46万3,900円 |
25~29歳 | 73万5,900円 |
30~34歳 | 82万300円 |
35~39歳 | 81万2,700円 |
40~44歳 | 92万3,800円 |
45~49歳 | 102万2,300円 |
50~54歳 | 100万7,700円 |
55~59歳 | 112万500円 |
60~64歳 | 75万6,200円 |
65~69歳 | 53万8,000円 |
70歳~ | 44万5,200円 |
参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
20代前半はボーナスが満額もらえない新卒の看護師が含まれるため、平均額が低くなっています。20代後半から年々ボーナスが増えていき、定年間近の55~59歳にボーナスが最も高くなるようです。
60歳以降にボーナス額が下がっているのは、労働時間や給与に関する契約が定年を迎えてから変わることがあり、ボーナスが大幅に下がったり支給されなくなったりすることが理由として考えられます。
施設規模別の看護師のボーナス額
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、施設規模別の看護師の平均ボーナス額は、以下のとおりです。
企業規模 | 看護師の平均ボーナス額 (年間賞与その他特別給与額) |
---|---|
10~99人 | 67万3,700円 |
100~999人 | 75万6,400円 |
1,000人以上 | 105万3,200円 |
参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
看護師のボーナスは、施設規模が大きいほどボーナスが高いことがわかります。医療機関に当てはめると、クリニックや訪問看護事業所よりも、大病院の方がボーナスが高い傾向にあるといえるでしょう。
医療系の他職種とのボーナス額の比較
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、医療系の他職種と、看護師の平均ボーナス額の比較は以下のとおりです。
職種 | 平均ボーナス額 (年間賞与その他特別給与額) |
---|---|
医師 | 127万6,300円 |
薬剤師 | 76万8,700円 |
保健師 | 75万5,700円 |
助産師 | 91万9,900円 |
看護師 | 85万6,500円 |
准看護師 | 62万9,500円 |
診療放射線技師 | 96万900円 |
臨床検査技師 | 86万8,100円 |
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士 | 71万4,400円 |
参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
ほかの医療系の職種と比べると、看護師のボーナスはやや高めといえるでしょう。
保健師と助産師は看護師から派生して取得できる資格ですが、助産師のボーナスは看護師より高め、保健師のボーナスは看護師より低めとなっています。助産師は看護師の知識に加えてより専門的な周産期・新生児の知識が必要であるため、ボーナスも高めに設定されているようです。
また、夜勤のある職種はボーナスが高くなる傾向にありますが、保健師は夜勤を求められることがほぼないため、看護師よりボーナスが低いことが考えられます。なお、保健師は保健センターなどで勤務することが多く、その場合は公務員として働くことになるため、ボーナスの支給額は低くても、支給の有無や金額の変動が安定しているというメリットが得られるでしょう。
看護師のボーナスについて知っておきたいこと
ここでは、看護師のボーナスについて知っておきたいことを解説します。
1年で2回に分けて支給される
ボーナスは夏季(6~7月)と冬季(12月)と、1年に2回に分けて支給されるのが一般的です。前述にて紹介した平均額は1年間の支給額のため、平均額から単純に計算すると、看護師は1回のボーナスあたり平均で40万円ほどが支給額となります。夏と冬では、冬の方がやや多くもらえるように金額が振り分けられることが多いようです。
なお、ボーナスの支給方法に決まりはないため、年に1回しか支給されない場合や一般的な時期からずれて支給される場合など、医療機関によって支給回数や時期が異なることもあります。
保険料などが引かれて支給される
ボーナスは所得税と社会保険料が引かれ、残りが手取りとして受け取れます。おおよそボーナスの75~85%が手取り額といわれており、満額が手取りとしてもらえるわけではないため、注意が必要です。
基本給や査定結果によって金額が異なる
ボーナスは、基本給や査定結果によって金額が異なります。ボーナスは基本給からベースが算出されることが一般的で、年間のボーナス総支給額は基本給の2ヶ月~4ヶ月分となっていることが多いようです。さらに、個人の業績などによる査定結果により、ボーナス額はベース金額から増減します。査定は、ボーナス支給前の6ヶ月間が査定期間とされ、その評価が次回のボーナスに反映される流れです。
看護師のボーナス査定方法
前項にて、ボーナスの査定について触れたように、看護師のボーナスはさまざまな評価が組み合わさって金額が決まります。ここでは、基本給から算出されるベースのほかに、どのような観点から看護師のボーナスが査定されているのかについて、紹介します。
年次による評価
年次による評価は、「勤続年数が長いほど査定金額が上がる」というものです。年齢は関係なく、看護師としてベテランであっても転職してきた人であれば、入職した年の年次評価は低くなります。長く勤めるほどボーナスのベースとなる基本給が上がっていくため、ボーナスの金額も高くなっていきます。
役職による評価
役職による評価は、「看護部長や看護師長、主任などのポストに付いた場合、評価してもらえる」というものです。施設によりどの役職から査定対象になるかは異なるため、リーダーや主任は役職による評価がつかない場合もあります。
勤怠による評価
勤怠による評価は、「安定して出勤しているか」というものです。シフトどおりに出勤しているか、出席率を評価されます。遅刻や早退、欠勤が多いと悪い評価がつき、査定が下がることがあります。
看護師にボーナスがないケース
看護師として働くうえで、全員がボーナスをもらえるわけではありません。ボーナスがないケースについても、知っておきましょう。
入職して半年~1年以内の場合
入職して半年から1年以内の場合は、ボーナスは支給されないと思っておくのが良いでしょう。
4月に入職した方は、すぐに夏のボーナスをもらえると考える方もいるかもしれません。しかし、4月の入職者は前年からの夏季ボーナス査定期間のうち後半の数ヶ月しか勤務していないため、査定ができないとみなされ、ボーナスが出ないことが一般的です。なお、医療機関によっては4月からの働きを評価し、「寸志」として少額を支給する場合もあります。冬のボーナスからは通常の査定の流れにのっとって、ボーナスが支給されるでしょう。
パート・派遣勤務の場合
派遣や非常勤の看護師は、ボーナスがないことがあります。ボーナスの支払いは義務化されているわけではないため、ボーナス支給が正社員のみという医療機関は多いようです。また、パートへもボーナス支給があっても、正社員より大幅に少ない額のこともあります。
休職中の場合
産休・育休や病気により長期休職中の場合は、ボーナス支給がないのが一般的です。給与の支払いについては、基本給のみ一部支払われる場合や基本給・ボーナスともにまったく支払われない場合など、就業規則や労使協定によって取り扱いが異なるため、個別に確認しましょう。
個人経営の医療機関に勤める場合
個人経営の医療機関では、ボーナスがないことも。支給があっても、平均金額より大幅に低いこともあるようです。ボーナスの有無は求人票に記載があるため、転職の際は要件をチェックしましょう。
勤め先の経営状況が良くない場合
医療機関自体の経営状況が良くない場合、ボーナスが減ったりなくなったりすることもあります。業績不振が続くとボーナスカットが継続的になったり、昇給がなくなったりすることもあるようです。
看護師がボーナスを多くもらう方法
看護師がボーナスをより多くもらうにはどうすればよいのかを紹介します。
査定が上がるように努める
看護師としてボーナスを多くもらうには、査定が上がるように努めましょう。査定項目の中で日常的に意識しやすいのは、勤怠評価です。遅刻をしないことや、体調を整えて早退や欠勤を防ぐのは社会人として当然のことですが、ボーナスの査定額を上げることにもつながります。
大規模の病院・法人に勤務する
前述でも紹介したとおり、施設規模が大きい医療機関に勤める看護師のほうがボーナスが高い傾向にあります。現状のボーナス額に満足していない方や、ボーナスが出ない職場に勤めている方は、大規模の病院や法人に転職することでボーナスが多くもらえるようになるでしょう。大学病院や公立病院、病床数の多い総合病院などは比較的ボーナスが高い傾向にあるようです。
退職する場合は事前にボーナス支給要件を確認する
退職する場合は、事前にボーナス支給要件を確認するようにしましょう。退職者のボーナス支給は就業規則により異なります。ボーナス支給日直前に退職してしまうと、直後に支給されるボーナスが受け取れないことも。退職する場合はボーナス支給要件を確認して、退職日や最終出勤日を決めるようにしましょう。
看護師のボーナスは2023年時点で平均85万円程度
- 看護師のボーナスは全職種や医療系の職種の中でも平均よりやや高めである
- 看護師のボーナスは基本給がベースとなり、査定評価が加味されて金額が決まる
- 看護師がボーナスを多くもらうには、大規模病院で勤務するのがおすすめ
関連記事
NEW
看護師がやりがいや魅力を感じるときは?職場別の例も紹介!
NEW
専門看護師になるメリットは?種類やなる方法を紹介
看護師のダブルライセンスにおすすめの資格と選ぶポイントを紹介
人気の記事
NEW職場・施設情報
認定こども園とは?働くうえで必要な資格や保育園との違いを紹介
NEW働き方・お悩み
看護師がやりがいや魅力を感じるときは?職場別の例も紹介!
NEW職種・資格情報