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看護師のダブルライセンスにおすすめの資格と選ぶポイントを紹介

22 days ago

「看護師のダブルライセンスとは?どの資格を取れば良いの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。ダブルライセンスとは資格を2つ以上持っていることです。看護師はダブルライセンスとして保健師や社会福祉士などの資格を持っている人もいます。この記事では看護師のダブルライセンスにおすすめの資格や、取得する資格の選び方を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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ダブルライセンスとは

ダブルライセンスとは、文字どおり「2つ以上の複数の資格を取得すること」を指します。

看護師がダブルライセンスとして追加でほかの資格を取得することで、スキルアップやキャリアアップが見込めるでしょう。看護師の資格だけで働いている人と比べて、知識やできる看護ケアが増えるため、看護師として自分の価値を上げることにもつながります。また、将来的に看護師からほかの職種に転職したいと思ったときにも、選択肢を増やせるでしょう。

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看護師がダブルライセンスの資格を選ぶポイント

ダブルライセンス保有者になりたいと思ったとき、何の資格を取るのが良いのか迷うことも珍しくありません。ここでは、看護師がダブルライセンスの資格を選ぶポイントについて紹介します。

キャリアプランに沿った資格を選ぶ

看護師がダブルライセンスの資格を選ぶときは、自分の描くキャリアプランに沿った資格を選ぶのがおすすめです。特定の分野を極めていきたいのか、管理職として活躍したいのかによっても、適した資格が異なります。介護施設や児童福祉施設など、医療機関以外の職場で活躍したい場合は、志望する職場で活かせる専門分野の資格取得を目指すと良いでしょう。

資格取得までの流れを確認する

看護師がダブルライセンスの資格を選ぶときは、資格の内容だけでなく、取得までの流れもよく確認しましょう。

多くの資格では、資格試験を受ける条件として、受験資格を設けている場合があります。受験資格には実務経験や症例提出を求められる場合もあるため、現時点で受験資格を満たせそうなのか確認する必要があるでしょう。特に、養成学校で指定科目を修了しなくてはならない場合は、資格によっては養成学校が全日制しかない場合もあります。

また、看護師の資格を持っていると受験資格の一部が免除になる場合や、受験資格を満たした後に研修会を受講し、資格試験というように、資格取得までに段階を踏むものなどさまざまなパターンがあるようです。

資格取得までの期間を見積もる

看護師がダブルライセンスの資格を選ぶときは、資格取得までどのくらいの時間がかかりそうなのか見積もることも重要です。受験しようと思っても、規定の実務経験年数に届いていない場合や、養成学校で指定科目を修了する必要がある場合は、資格取得までに数年かかる道のりになります。

また、資格試験は試験が年に1回のみのケースも珍しくありません。資格試験の勉強を始めるときは試験時期から逆算して、試験に間に合うように勉強を始める必要があります。

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看護師のダブルライセンスにおすすめの資格:医療系

看護師のダブルライセンスにおすすめの医療系の資格を紹介します。

保健師

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「保健師」によると、保健師とは、自治体(保健所・市区町村)などに勤務し、すべての住民を対象に保健・医療・福祉・介護の分野の保険サービスを提供する職種です。医療機関に勤務する看護師と違い、健康な地域住民に対しても働きかけを行うのが特徴となっています。具体的な業務は、生活習慣病に関する保健指導・相談業務や母親学級、乳幼児の健康診断などです。

保健師になるには、保健師国家試験に合格する必要があります。前提として、保健師国家試験は、看護師免許を持っていなければ受験できません。

看護師資格取得と同時に保健師を目指す場合は、4年制看護系大学の保健師選択課程で学ぶと、看護師国家試験と同年に保健師国家試験を受けられます。それ以外の人は看護師免許取得後、看護系大学院や看護大学・看護短大の専攻科、保健師養成学校で1~2年間、指定科目を修了することで、保健師国家試験の受験資格を得られる仕組みです。

保健師国家試験は例年2月中旬に、全国12都道府県で実施されています。厚生労働省「第110回保健師国家試験、第107回助産師国家試験及び第113回看護師国家試験の合格発表」によると、2024年2月に実施された保健師国家試験の合格率は95.7%でした。

保健師は受験資格に看護師免許を活かせるというメリットがあります。医療機関に来る患者だけでなく、地域住民の健康に広く貢献したい看護師におすすめの資格です。

助産師

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「助産師」によると、助産師とは、出産の介助や妊産婦の相談業務、妊娠から産後までの母子の保健指導などを行う職種です。妊産婦だけでなく、新生児の健康診査や沐浴も行い、育児指導や妊娠・出産にあたって精神的に不安定になりがちな妊産婦のケアも行います。また、正常分娩であれば、助産師が単独で出産介助に携われるのが特徴で、病院だけでなく助産院で働く助産師も多くいるようです。

助産師になるには、助産師国家試験に合格する必要があります。なお、助産師には看護師免許を持っている女性しかなることができません。看護師資格取得と同時に助産師を目指す場合は、4年制看護系大学の助産師選択課程で学ぶことで、看護師国家試験と同年に助産師国家試験を受けられます。それ以外の人は看護師免許取得後、看護系大学院や看護大学・看護短大の専攻科、助産師養成所で1~2年学び、指定科目を修了することで 助産師国家試験の受験資格を得ることが可能です。

助産師国家試験は例年2月中旬に、全国12都道府県で実施されます。厚生労働省「第110回保健師国家試験、第107回助産師国家試験及び第113回看護師国家試験の合格発表」によると、2024年2月に実施された助産師国家試験の合格率は98.8%でした。

助産師は保健師と同様に、受験資格に看護師免許を活かせます。妊婦や新生児のケアを行いたい方や、妊娠・出産のサポートがしたい方におすすめの資格です。

理学療法士

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「理学療法士(PT)」によると、理学療法士とは、身体に障がいがある人などの身体運動機能の回復や維持・向上を図ったり、自立した日常生活が送れるよう、医師の指示のもと運動の指導や物理療法を行ったりする職種です。

脳性まひや事故・病気による障がい、老化による障がいなど幅広い疾患や状態の患者に対し、身体機能回復のための日常生活動作練習を行います。専用機器を用いて温熱や電気刺激、超音波療法を行うこともあるようです。病院や介護施設、障がい者福祉施設などでリハビリの専門職として活躍しています。

理学療法士になるには、理学療法士国家試験に合格する必要があります。高校卒業後、大学や専門学校などの理学療法士養成校で3~4年学び、指定単位を修了することで受験資格を得られます。
理学療法士国家試験は、例年2月下旬に全国8都道府県で実施されます。厚生労働省「第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について」によると、2024年2月に実施された理学療法士国家試験の合格率は89.2%でした。

看護師も患者の歩行訓練やリハビリに携わることがありますが、歩く・立つ・座るといった日常動作に関わるリハビリに、より専門的な立場から携わりたい人には、理学療法士の資格取得がおすすめです。

作業療法士

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「作業療法士(OT)」によると、作業療法士は、身体や精神に障がいのある人の心身機能を回復し、日常生活や社会生活に復帰できるよう訓練・指導・援助を行う職種です。食事や歯磨き、家事などの日常生活動作や芸術活動、スポーツなど生活の中における作業や動作を用いて訓練を進めます。

訓練を始める前には、患者の身体機能や認知機能、日常生活動作の能力を把握し、患者それぞれの訓練目標を決めるのも作業療法士の仕事です。身体の障がいだけでなく、アルコール依存症などの精神の障がいや高次脳機能障がい、認知症などの老年期の障がいなど幅広い障がいに対して訓練を行います。病院や介護施設、障がい者福祉施設でリハビリとして訓練を行うこともあり、なかには訪問介護事業所に勤め、患者宅で訓練を行うこともあるようです。

作業療法士になるには、作業療法士国家試験に合格しなければなりません。高校卒業後、大学や短大、養成施設で3~4年学び、指定の単位を修了することで、国家試験の受験資格を得られます。
作業療法士国家試験は、例年2月下旬に全国8都道府県で実施されます。厚生労働省「第59回理学療法士国家試験及び第59回作業療法士国家試験の合格発表について」によると、2024年2月に実施された作業療法士国家試験の合格率は84.1%でした。

精神的な障がいがある方の日常動作をサポートしたい方や、家事や掃除など、より日常的な生活動作に関するサポートをしたい方は、作業療法士がおすすめです。

言語聴覚士

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「言語聴覚士」によると、言語聴覚士は、ことばによるコミュニケーションや嚥下が困難な人を対象に、訓練・指導を行う職種です。脳卒中後の失語症や聴覚障がい、ことばの発達の遅れなどの発語だけでなく、摂食・嚥下障がいにも対応します。医師または歯科医師の指示の下、問題の本質やメカニズムを明らかにするために検査や評価を実施し、リハビリ計画を作成して訓練を実施するのが言語聴覚士の仕事です。
 
言語聴覚士は医療機関や福祉・介護施設だけでなく、教育機関に勤める人もいます。発語に問題がある子どもの指導にあたっては、保育園や幼稚園、学校などに訪問し、家族や施設の指導者へ助言を行うこともあるようです。

言語聴覚士になるにはいくつかルートがありますが、高校卒業後、文部科学大臣が指定した大学・短大か、都道府県知事が指定した言語聴覚士養成校で指定単位を修了し、受験資格を得るルートが一般的です。最終的には言語聴覚士国家試験に合格しなければなりません。

言語聴覚士国家試験は例年2月中旬、全国6都道府県で実施されます。厚生労働省「第26回言語聴覚士国家試験の合格発表について」によると、2024年2月に実施された言語聴覚士国家試験の合格率は72.4%でした。

ことばや発語にフォーカスした医学的な支援を行いたい人は、言語聴覚士の資格取得がおすすめです。また、失語症や発声障がいのある方は、自分の思いをうまく言葉にできないことに対し、気分の落ち込みや精神的な不安をみせることも珍しくありません。そのようなときに、看護師として患者や家族に寄り添った経験も生かせるでしょう。

臨床工学技士

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「臨床工学技士」によると、臨床工学技士は、医師の指示のもとに人工呼吸器・人工透析装置・人工心肺などの生命維持管理装置の操作や、医療機器の保守点検・管理を行う職種です。人工透析や人工心肺を行う医療機関に勤務し、医療機器を取り扱うことの多い手術室やICUで働くケースが多くみられます。

臨床工学技士になるには、臨床工学技士国家試験への合格が必要です。高校卒業後、臨床工学技士養成校で3年間学び、指定科目を修了すると受験資格を得られます。なお、看護師の養成学校で学んだ人は、臨床工学技士養成校の短期コースを1~2年修了することで受験資格取得が可能です。

臨床工学技士国家試験は、例年3月上旬に全国4都道府県の試験会場で行われます。厚生労働省「第37回臨床工学技士国家試験の正答・合格発表の訂正とお詫び」によると、2024年3月上旬に実施された臨床工学技士国家試験の合格率は79.5%でした。

臨床工学技士は、手術室や透析室に勤務する看護師にとっては身近な存在かもしれません。医療機器の操作・管理も行えるようになりたい方や、透析室やICUで機器操作をしながら看護ケアができるようになりたい方におすすめの資格です。

公認心理師

厚生労働省「公認心理師」によると、公認心理師は、心理学に関する専門的知識・技術をもって、心理に関する支援が必要な人の心理状態の観察や、相談・助言・指導を行う職種です。2018年に第1回公認心理師試験が行われており、比較的新しい資格となっています。

医療機関では、公認心理師は精神科医の指示により心理検査やカウンセリングを行って、問題解決や症状緩和を促す働きかけをします。自治体の精神保健福祉センターや児童相談所に勤める例もあり、地域住民からの相談に対応したり、家庭内暴力や虐待を受けた児童・子どもを保護し心理面のケアを行ったりもするようです。

厚生労働省「公認心理師法の施行について」によると、公認心理師になるには、公認心理師国家試験に合格する必要があります。国家資格の受験資格を得るには大学指定単位の取得が必要で、文部科学大臣および厚生労働大臣が定めた認定施設で指定のプログラムを受けるなどのルートがあります。大学や専門学校により履修できる指定単位の数が異なるため、大学院で不足単位を取得しなければならないケースもあるようです。公認心理士を目指す場合は、受験資格について個別に確認することをおすすめします。

公認心理師国家試験は、2018年に第1回が実施されてから開始時期が年によって前後していますが、総務省「インターネット版官報 号外第209号」によると2025年は3月2日に実施予定で、今後も3月に実施される見込みです。厚生労働省「第7回公認心理師国家試験(令和6年3月3日実施)合格発表について」によると、2024年3月に実施された公認心理師国家試験の合格率は76.2%でした。

公認心理師は平たくいうと、心理カウンセラーとして働く職種です。看護師として心療内科や精神科での勤務経験があり、患者の話をじっくり聞いて相談に乗るのが好きな方は、経験や能力を生かせるでしょう。

栄養士、管理栄養士

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「栄養士」によると、栄養士(管理栄養士)は、病院や社会福祉施設、学校などで栄養に関する指導や助言、食事の管理などを行う職種です。医療機関や保健所、社会福祉施設などで栄養指導を行っており、個人の特性や環境に合わせて栄養や食生活、食事と健康との関係について助言を行います。食事の管理に直接携わることもあり、病院や学校などでは栄養バランスなどを考えて献立を作り、栄養価の計算や食材の発注、調理を行うこともあるようです。

栄養士になるには、栄養士養成施設を卒業することで都道府県知事の免許を受けられます。管理栄養士は栄養士の上位資格のため、管理栄養士になるには受験資格として栄養士免許を取得していることが前提です。さらに、栄養士として実務経験を積む必要があり、年数は栄養士養成施設の年限により1~3年と異なります。その後、管理栄養士国家試験に合格することで資格取得となります。なお、4年制の管理栄養士養成学校を卒業した場合は、栄養士免許の取得後、すぐに管理栄養士国家試験を受験可能です。

管理栄養士国家試験は、例年3月に全国9都道府県で実施されます。厚生労働省「第38回管理栄養士国家試験の合格発表」によると、2024年3月に実施された管理栄養士国家試験の合格率は49.3%でした。

食事からあらゆる人の健康を支えたいという思いがある方は、栄養士や管理栄養士の資格取得がおすすめです。

歯科衛生士

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「歯科衛生士」によると、歯科衛生士は、歯科医師の直接指導の下に、歯・歯茎の病気の予防処置や歯科医師の診療の補助、歯科保健指導を行う職種です。多くは病院の歯科や歯科クリニックに勤務し、歯垢・歯石の除去やフッ化物の塗布、器具の消毒などを主に行っています。自治体の保健所や保健センターに勤める歯科衛生士は歯科健康指導の業務を行うことが多く、虫歯予防のアドバイスや正しい歯磨きの指導などを行うようです。

歯科衛生士になるには、歯科衛生士国家試験に合格する必要があります。大学や短大、専門学校などの歯科衛生士養成機関で3年以上学び、指定科目を修了することで、受験資格が得られます。
歯科衛生士国家試験は、例年3月に10都道府県で実施されます。厚生労働省「第33回歯科衛生士国家試験の合格発表について」によると、2024年3月に実施された歯科衛生士国家試験の合格率は92.4%でした。

看護師と歯科衛生士では、医科と歯科で専門領域が異なります。歯科領域の処置や施術補助に興味がある方は、歯科衛生士の資格取得を検討するのも良いでしょう。

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看護師のダブルライセンスにおすすめの資格:介護福祉系

ここからは、看護師のダブルライセンスにおすすめの介護福祉系の資格を紹介します。

介護支援専門員(ケアマネジャー)

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「介護支援専門員/ケアマネジャー」によると、介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護の必要な人に対してアセスメントを行い、必要な介護サービスを考えてケアプランを作成する職種です。
利用者と施設、行政との間に入り、適切な介護サービス提供のために働きかけを行うのが主な役割とされています。利用者のサービス提供開始後は利用者の様子をモニタリングし、状態に合わせて適宜または定期的にケアプランの見直しを行うのが代表的な仕事で、介護報酬請求に必要な給付管理票の作成も担当します。

ケアマネジャーになるには、介護支援専門員の資格が必要です。受験資格を満たし、介護支援専門員実務研修受講試験に合格後、実務研修を受け、登録を行うことで資格を取得できます。試験は都道府県単位での受付・実施ですが、受験資格や試験日などは全国一律で同じです。

大阪府「第27回大阪府介護支援専門員実務研修受講試験のお知らせ」によると、看護師免許を保有している人で、看護師の業務に従事した期間が資格取得日以降で通算5年以上かつ、従事日数が900日以上あれば、受験資格が得られることになっています。

介護支援専門員実務研修受講試験は、例年10月に各都道府県で行われます。厚生労働省「第26回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」によると、2023年10月に実施された介護支援専門員実務研修受講試験の合格率は21.0%でした。

介護分野の最難関資格とされていますが、介護分野のスペシャリストとして活躍したい看護師にはおすすめの資格です。

社会福祉士

公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験」によると、社会福祉士とは、身体上・精神上の障がいまたは環境上の理由により、日常生活に支障がある人の福祉に関する相談に応じ、助言や指導、行政機関との調整役を行う職種です。「ソーシャルワーカー」とも呼ばれます。
 
病院や介護施設、地域包括支援センターなどに勤務し、患者や利用者、地域住民からの相談業務を担当するのが主な仕事です。相談者が自立した生活を送れるよう、適切な公的サービスを紹介するなどして、必要な支援につなげます。

「社会福祉士」を名乗ってソーシャルワーカーとして働くには、社会福祉士国家資格が必要です。公益財団法人社会福祉振興・試験センター「受験資格(資格取得ルート図)」によると、社会福祉士の受験資格を得るには複数のルートがあり、看護師免許を持っている方は「一般養成施設等ルート」と呼ばれるルートに当てはまります。4年制の看護大学を卒業した人の場合は、社会福祉士の一般養成施設で1年間学ぶことで受験資格を得られます。3年制の看護短大・専門学校を卒業した人は、社会福祉士の一般養成施設で1年間学ぶ前に、相談業務の実務経験が1年以上必要です。

社会福祉士国家試験は例年2月に、24都道府県で行われています。 厚生労働省「第36回社会福祉士国家試験合格発表」によると、2024年2月に実施された社会福祉士国家試験の合格率は58.1%でした。なお、看護師免許を持っている方が当てはまる「一般養成施設等ルート」の既卒者の合格率は46.4%となっています。

実質的な看護ケアではなく、相談業務で包括的に相談者のサポートを行いたいという方には社会福祉士がおすすめです。特に、病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)は、病気やケガで治療中の患者を対象に支援を行うため、看護師として身についた知識が生かせるでしょう。

精神保健福祉士

厚生労働省「精神保健福祉士について」によると、精神保健福祉士とは、精神障がいの医療を受けている方や、精神障がい者の社会復帰促進を図る施設を利用する方に対し、地域相談支援の利用や社会復帰に関する相談に応じ、助言・指導・訓練などを行う職種です。国家資格が必要で、名称独占の資格となります。

業務内容は社会福祉士と似ていますが、精神障がいや精神疾患のある方に特化してサポートを行うのが特徴です。医療機関や精神保健福祉センターなどで相談業務に応じ、相談者を適切な公的サービスへつなげる橋渡しを担っています。

公益財団法人社会福祉振興・試験センター「受験資格(資格取得ルート図)」によると、看護師免許を持っている人の精神保健福祉士国家試験の受験資格は、社会福祉士と同じ仕組みです。4年制の看護大学を卒業した人は、精神保健福祉士の一般養成施設で1年間学ぶことで受験資格を得られます。3年制の看護短大・専門学校を卒業した人は、精神保健福祉士の一般養成施設で1年間学ぶ前に、相談業務の実務経験が1年以上必要です。

精神保健福祉士国家試験は、例年2月上旬に2日間にわたり、7都道府県で行われます。厚生労働省「第26回精神保健福祉士国家試験合格結果を公表します」によると、2024年2月実施分の精神保健福祉士国家試験の合格率は70.4%でした。

精神保健福祉士は、精神疾患のある方にフォーカスして、相談業務を行いたい人におすすめです。精神科や心療内科の勤務経験がある看護師であれば、知識や経験を生かせるでしょう。

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザーのことです。医療・福祉・建設に関する幅広い知識が必要で、要介護者に適切な住宅改修プランを提示したり、福祉用具に関するアドバイスをしたりします。

福祉住環境コーディネーターの資格は、東京商工会議所が主催・認定しており、3級から1級まであります。2・3級は年に2回、1級は年に1回試験が行われているようです。 東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験🄬とは」によると、2023年実施分の平均合格率が3級が40.9%、2級が38.1%、1級が14.5%でした。

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看護師免許にプラスして生かせるダブルライセンス資格

ここからは、看護師免許を持っていることを前提として、加えて取得することで業務に生かせるダブルライセンスの資格について紹介します。

認定看護師

日本看護協会「認定看護師」、日本看護協会「認定看護師ってどんな看護師?」によると、認定看護師とは、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有する者として、日本看護協会の認定を受けた看護師のことです。
緩和ケアや感染管理、心不全看護など認定を受ける分野を自ら選択し、規定の教育を受けて認定審査に合格すると資格が得られます。資格を得るには、看護師として5年以上(うち認定分野が3年以上)の実務経験が必要で、資格取得後は5年ごとの更新が必要です。

認定分野にはA課程とB課程があり B課程には特定行為研修が含まれています。そのため、B課程の分野の認定看護師になると、特定分野に限って特定行為が行える仕組みです。看護師のスペシャリストとして、特定の分野における技術や知識を高めたい人は、認定看護師の資格取得を目指すのも良いでしょう。

専門看護師

日本看護協会「専門看護師」、日本看護協会「専門看護師ってどんな看護師?」 によると、専門看護師とは、専門看護分野において卓越した看護の実践や相談・行政業務、教育・研究などを行う看護師のことで、日本看護協会が認定しています。がん看護や精神看護、在宅看護など、選択できる分野は12分野です。

専門看護師になるには、看護師として5年以上(うち認定分野が3年以上)の実践経験を積んだあとに、介護系の大学院で修士課程を修了して必要な単位を取得し、認定審査への合格が求められます。資格取得後は、5年ごとの更新が必要です。

認定看護師と比べてより高度な知識や技術が求められるうえ、教育・研究分野でも活躍できるのが特徴となっています。特定分野の専門性をより高めていきたい人や、臨床だけでなく、教育や研究分野でも活躍したい人におすすめです。

認定看護管理者

日本看護協会「認定看護管理者」によると、認定看護管理者とは、日本看護協会の認定看護管理者認定審査に合格し、管理者として優れた資質を持ち、創造的に組織を発展できる能力を有すると認められた看護師のことです。

看護師の管理職としての知識や能力を証明できる資格のため、資格を取得しようとする時点で、看護師の実務経験が通算5年以上、うち通算3年以上は看護師長相当の看護管理の経験があることとされています。

認定看護管理者の教育課程はファーストレベル・セカンドレベル・サードレベルに分かれており、ファーストから順にステップアップしながら受講していく流れです。サードレベルを修了した後は認定審査を受け、合格すると資格が得られます。資格取得後は、5年ごとに更新が必要です。

すでに看護師長として活躍しており、より看護管理のスペシャリストを目指したい人におすすめとなっています。

診療看護師

公益社団法人地域医療振興協会「診療看護師(NP)とは」によると、診療看護師とは、患者のQOL向上のために医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベル以上の診療を行える看護師のことです。一般社団法人日本NP教育大学院協議会が認定しています。

診療看護師になるには看護師の実務経験が5年以上必要で、看護系大学大学院の診療看護師養成コースを修了しなければなりません。最終的にNP認定資格試験に合格する必要があり、資格取得後は5年ごとの更新が必要です。

診療看護師になると、厚生労働省が定めている特定行為のすべてと、腹腔穿刺や気管挿管などの相対的医行為が行えます。できる業務の幅を大きく広げたい看護師におすすめの資格です。

消化器内視鏡技師

一般社団法人日本消化器内視鏡学会「消化器内視鏡技師制度規則」によると、消化器内視鏡技師とは、医学基礎知識と内視鏡の専門知識・技術を備え、積極的に消化器内視鏡業務に従事する人を認定している資格のことです。

資格試験を受けるには、受験資格を満たす必要があります。一般社団法人日本消化器内視鏡学会「2025年度(第44回:2025年3月2日)消化器内視鏡技師認定試験実施のご案内」によると、受験資格の中に医療関係の資格を有していることが含まれており、看護師資格も対象です。看護師資格を有していること以外の受験資格は、以下のとおりです。

  • 過去5年以内に、消化器内視鏡学会認定の専門医(非常勤含む)が従事する施設で、内視鏡に従事した勤務年数が満2年以上であること
  • 申請時点で技師会・技師会各支部主催の「消化器内視鏡技師学会」または「消化器内視鏡技師研究会」に2回以上出席していること
  • 申請時点で技師会が承認する「機器取扱い講習会(基礎編)」を1回以上受講(eーlearning可)していること
  • 所定の受講方法で規定の医学講義を合計20時間以上受講していること
  • 上部消化管・下部消化管・胆膵における申請者本人の消化器内視鏡介助症例数の合計が年間100件以上かつ本学会認定専門医より証明および推薦が得られること

受験資格を満たしたら学術試験を受験でき、試験に合格して日本消化器内視鏡学会に入会することで資格を取得できます。資格取得後は5年ごとに更新が必要です。
受験資格の中にもあるように、消化管内視鏡に関する業務に携わっている医療従事者が対象の資格となっているため、消化器科や内視鏡室に勤務する看護師に適した資格といえるでしょう。

3学会合同呼吸療法認定士

公益財団法人医療機器センター「3学会合同呼吸療法認定士」によると、3学会合同呼吸療法認定士とは、呼吸療法を習熟して呼吸管理を行う医療チームの構成要員を養成する目的で作られた資格です。

3学会合同呼吸療法認定士の資格を取るには、受講資格を満たしたあとに認定講習会を受講することで、認定試験の受験資格を得られます。看護師の受講資格は2年以上の実務経験があることと、申請書類提出日から5年以内に認定委員会が認める学会や講習会などに出席し、12.5点以上のポイントを獲得することが定められています。資格取得後も5年ごとの更新が求められ、更新するには学会や講習会への出席、論文発表などが必要です。

過去の合格者内訳を見ると、看護師の資格を持つ方は48.9%と、3学会合同呼吸療法認定士の受験資格がある医療従事者の中では最も多くなっています。呼吸器管理に興味のある看護師におすすめの資格です。

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看護師のダブルライセンスはキャリアアップにおすすめ

  • 看護師がダブルライセンスになると仕事の幅や将来の活躍の場が広がる
  • 看護師がダブルライセンスの資格を選ぶときは取得までの流れや期間を確認しよう
  • 看護師のダブルライセンスにおすすめの資格は、保健師や認定看護師など

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