働き方・お悩み
看護師の派遣とは?主な勤務先や働くメリット・流れを解説
a year ago
「派遣看護師とは、どのような働き方なのだろう」「派遣で働くとしたらどのようなメリットがあるのだろう」と気になる方もいるでしょう。
派遣看護師として働く際は、一般的な看護師と異なる点が多々あります。違いを知っておくことで、キャリアを築くための選択肢が増えるでしょう。
本記事では派遣看護師とは何か、種類や働くメリット、派遣で働く流れを解説します。
看護師の派遣とは
看護師の派遣とは、人材派遣会社と労働契約を結び、派遣先の職場で働くことを意味します。業務に対して指示を出すのは派遣先ですが、法律上の雇い主は人材派遣会社です。派遣看護師の給料は、人材派遣会社が支払います。
看護師の派遣の働き方は3種類
派遣の働き方には、大きく分けて3つの種類があります。以下で一つずつ見ていきましょう。
登録型派遣
登録型派遣とは、派遣が決まることで派遣会社と労働契約を結び、有期雇用の派遣労働者として働く仕組みです。
雇用される看護師にとって、自分のライフスタイルに合わせて働ける点が、大きなメリットといえるでしょう。たとえば「土日だけ」「平日5時間だけ」といった条件で働くこともできます。そのため、育児や介護など日常生活に時間の制限がある方でも安心して働けるでしょう。ただし、正社員と比べて待遇面が劣ることもあります。
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、労働者派遣の開始前もしくは開始後に、職業紹介を行う(または行うことを予定する)というものです。看護師の契約は、一定の派遣期間(6ヵ月以内)を経て、直接雇用に移行します。つまり、派遣と人材紹介を組み合わせたものだといえるでしょう。
看護師が紹介予定派遣で働くメリットは、直接雇用される前に、派遣という形で「その仕事に向いているかどうか」をしっかりと確認できることです。派遣先もその人の能力や適性を事前に確認することができるため、採用後のトラブルやミスマッチが起きにくくなります。
将来的に正社員として働きたい人や、仕事に興味があるものの事前に自分との適正を確かめたい人におすすめです。
常用型派遣
常用型派遣とは、期間を定めずに派遣会社に常に雇用される派遣方式のことです。
看護師にとってのメリットは、雇用が安定するという点が挙げられます。派遣先での就業期間が終了して次の派遣先で働くまでに期間が空いても、派遣会社との雇用関係は継続するため、安心して働けるでしょう。また、研修や実習といったスキルアップのための体制が比較的充実している傾向にある、というメリットもあります。
ただし、常用型の派遣社員として働くにあたっては、採用試験がある点に注意が必要です。派遣会社に登録して働き出すまでに時間を要する可能性があるでしょう。
看護師の派遣先
看護師の派遣先にはさまざまな種類があります。以下で主な3つの派遣先について見ていきましょう。
病院・クリニック
看護師の派遣先として代表的な職場の一つが病院・クリニックといった医療機関です。病院・クリニックでは、看護師は患者に対して健康状態のチェック(バイタルチェック)や診療のサポート、ナースコール対応、ベッドメイク、備品整理などを行います。
手術に対応している病院では、手術室での器具出しや手術中の患者ケアをすることもあるでしょう。医療機関によっては、常勤看護師の業務のサポートがメインとなる場合もあります。また、休んでいる看護師の代替要員として活躍することも多いです。
介護老人保健施設
介護老人保健施設で派遣看護師として働く人もいます。
介護老人保健施設とは介護保険施設の一つで、介護保険法に基づいて運営し、高齢者の生活をサポートする施設のことです。具体的には食事や入浴、排泄などの介助や、在宅復帰に向けたリハビリテーションなどのサービスを提供します。
介護老人保健施設は病院と異なり、基本的に急患が入ることがないため、定時で業務を終えやすい場合が多いです。場合によっては、入居者の急変対応などにより時間外勤務が発生することもありますが、病院と比較すると残業は少ない傾向にあるでしょう。
また、介護老人保健施設のほかに、高齢者をサポートする施設として、デイサービスや特別養護老人ホームなどがあります。施設形態によって選択できる派遣の種類が変わるため、施設を選ぶ際は確認が必要です。
保育園
保育園も看護師の派遣先の一つです。看護師は、体調管理やアレルギー対応、予防医療を行います。具体的には、けがや病気の応急処置、健康観察、感染予防、お薬の管理、歯磨き・手洗いの指導、健康診断の準備などです。
また、保護者に対して保健指導を行うこともあります。家庭に配布する「保健だより」や「健康情報」を作成し、予防接種などの情報提供を実施することもあるでしょう。
看護師の派遣として働くメリット
看護師の派遣として働くことにはさまざまなメリットがあります。主なメリットを3つ紹介します。
高時給で働ける
基本的に常勤看護師は月給制ですが、派遣の看護師は時給制になります。
職場にもよるため一概にはいえませんが、派遣の場合は、アルバイトよりも時給が数百円高いケースもあります。ただし、賞与のある正社員と比べると、給与は低くなるでしょう。
また、派遣で働く場合は、基本的にサービス残業がありません。時間外に働けば法定の割増時給で時間外手当(残業・夜勤手当)が支払われます。
ライフスタイルに合わせて働ける
常勤看護師の場合は、ワークライフバランスを取りづらい傾向にありますが、派遣看護師は自分のライフスタイルに合わせて働ける点が魅力です。
日本看護協会が実施した2021年度の調査研究報告によると、常勤看護師の1ヶ月あたりの超過勤務に関する状況は次のとおりです。
- 超過勤務をした:78.4%
- 超過勤務をしなかった:19.8%
- 無回答・不明:1.8%
正社員で働く看護師の多くが残業をしていることが分かります。また、ひと月あたりの合計残業時間の平均は17.4 時間でした。
さらに、「夜勤がない職場」は全体の14.6%を占め、「職場に夜勤はあるものの現在はしていない」と答えた人は、全体の15.5%という結果に。多くの職場で夜勤があり、看護師が対応していることが分かります。
このように正社員で働く場合、超過勤務や夜勤が多いため、自分のライフスタイルに合わせるのが難しいケースもあるでしょう。
一方、派遣看護師の場合は、勤務時間や勤務日数について事前に希望を出し、条件に合う職場や働き方を選ぶことができます。そのため、子育てや家事、介護との両立がしやすく、比較的自由なライフスタイルを実現しやすいでしょう。
サービス残業がない
常勤看護師の場合は、勤務先にもよりますが、サービス残業を強いられることも少なくありません。残業では、一般的に突発的な入院患者の対応や急変の対応をします。また、院内研修や勉強会への参加が残業に含まれることもあるでしょう。
しかし、派遣看護師の場合は、基本的に契約内容に記載のない業務は発生せず、労働派遣法によって時間外手当ての出ない残業も禁止されています。
勉強会や委員会に出席する際も業務としてみなされるため、基本的に給与が発生します。
看護師として派遣で働く流れ
看護師として派遣で働く際の一般的な流れは次の通りです。
1.派遣会社に登録
2.希望条件のもと派遣先を紹介してもらう
3.派遣先と顔合わせ
4.入職
まず、Webサイトなどで派遣会社を探しましょう。派遣会社が主催する登録会などに参加して話を聞く方法もありますが、足を運ぶ手間を減らしたい看護師はWEBで探すのがおすすめです。
派遣会社を決めたら、登録フォームから希望条件や履歴書、職務経歴書などを登録します。派遣会社によって書類や手続きが異なる場合がありますが、簡単な入力で終わることが多く、比較的簡単に登録可能です。
次に、コーディネーターと呼ばれる担当者とやりとりを行い、希望条件に合った派遣先を紹介してもらいます。派遣先の施設による面談を経て、入職決定です。
入職前に、職場見学や担当者との顔合わせが行われることもあります。入職後にトラブルが起きないよう、気になる点は事前に質問しておくとよいでしょう。
ライフスタイルに合わせて働くなら看護師派遣を
- 派遣看護師の働き方には、主に登録型派遣や紹介予定派遣、常用型派遣の3種類がある
- 主な派遣先には病院・クリニックや介護老人保健施設、保育園などがある
- 看護師派遣に賞与はないが、一般的な仕事に比べて高時給で働ける
- 事前に勤務したい曜日や時間を相談できるため、ライフスタイルに合わせながら働ける
- 基本的にサービス残業はなく、勉強会や研修に対しても給与が発生する
自分の実現したいキャリアや生活に応じて、派遣という働き方を選択肢に入れてみるのも良いでしょう。
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