職種・資格情報
ファーストレベルの合格率は?認定看護管理者について紹介
3 months ago
「ファーストレベルの合格率は?」と認定看護管理者取得を目指す方は気になることもあるでしょう。ファーストレベルを含む3つの教育課程の合格率は高いとされていますが、修了するまでの過程は大変といわれています。この記事では、認定看護管理者の教育課程の難易度や資格取得の流れについてご紹介。そもそも看護管理者とは何かについても説明していますので、ぜひご覧ください。
認定看護管理者とは
認定看護管理者とは、日本看護協会が主催する看護管理者向けの認定資格です。資格取得までには、看護管理者としての人材育成や病棟運営、看護師のマネジメントなどを学びます。
施設や部署の管理者として必要な知識をもち、質の高い組織的看護サービス提供のマネジメント能力があることを証明できる資格です。
看護管理者とは
そもそも看護管理者とは、看護師の管理職を担う役職のことです。施設により名称や権限は異なりますが、一般的には看護主任、看護師長、看護部長の順にステップアップしていきます。ここでは看護管理者のそれぞれの役割についてみていきましょう。
看護主任
看護主任は、役職に就いていない看護師が、初めてステップアップすることになる管理職といえるでしょう。施設によっては看護主任がおらず、「副看護師長」が看護主任相応の職務を担っている場合もあります。
1部署に1~3名ほどおり、看護師長や副看護師長の補佐を行いながらも、ほかの看護職員と同様に通常業務にも入るのが特徴です。看護職員のリーダーとして現場レベルで職員をまとめ、指導や教育も行います。
看護師長
看護師長は、病棟や外来などの各部署の責任者です。看護部と各部署、自部署の看護職員と医師や他部門との橋渡し的役割を担います。自部署の看護職員の統率・組織管理や看護の質を保証するための指導・周知、患者や家族への対応などが主な業務です。
部署の環境整備や看護職員・学生への教育、入退院管理も行っており、自部署の看護師の勤怠管理やシフト作成を任されるケースもあります。
看護部長
看護部は、病棟や外来などの部署に属さず、病院長直下の部門として施設全体の看護師を管理する組織です。その看護部の最高責任者が看護部長となります。病院長や各部門の責任者、外部機関と連携し、院内全体の看護組織の改善を図るのが仕事です。看護部で決定したことは、各看護師長をとおして看護職員に浸透できるようサポートも行います。
認定看護管理者取得までの流れ
認定看護管理者を取得するには、指定された教育課程にて講習受講やレポート提出を行ったのちに、認定審査に合格する必要があります。資格取得までの流れをみていきましょう。
受験資格
日本看護協会「認定看護管理者」によると、認定看護管理者認定審査を受けるには、以下の3項目を満たす必要があります。
- 看護師免許をもっていること
- 看護師免許取得後、実務経験通算5年以上、うち通算3年以上は看護師長相当以上の看護管理の経験があること
- 認定看護管理者教育課程サードレベルを修了している、または看護管理に関する学問領域の修士以上の学位を取得していること
上記の、「看護管理に関する学問領域の修士以上の学位」は、看護大学の大学院で規定の修士課程を修了することで得られます。看護師になるための養成機関は看護学校や看護大学がありますが、卒業と同時に就職する人が多く、大学院に進んで修士以上の学位を取得する人は少ないでしょう。
働きながら大学院進学を目指す方法もありますが、ほとんどの方は前者の「認定看護管理者教育課程サードレベルの修了」に向けて、教育課程に進む流れになります。
3つの教育課程
認定看護管理者認定審査の受験資格を得るための教育課程は、ファーストレベル、セカンドレベル、サードレベルの3つに分かれています。各レベルで修了要件が定められており、修了要件をクリアしなければ、次のレベル受講に進めない仕組みです。講習はレベルにより開催している団体や講習期間が異なり、都道府県の看護協会や看護系大学が開催しています。
ファーストレベル
ファーストレベルは、看護専門職として必要な管理に関する基本的知識・技術・態度の習得が教育目標とされている講習です。日本看護協会「認定看護管理者カリキュラム基準」によると、ファーストレベルの到達目標は以下のとおりです。
- ヘルスケアシステムの構造と現状を理解できる
- 組織的看護サービス提供上の諸問題を客観的に分析できる
- 看護管理者の役割と活動を理解し、これからの看護管理者のあり方を考察できる
105時間のカリキュラムで、演習や全体会以外のカリキュラムはオンライン授業を採用している団体もあります。また、公益社団法人北海道看護協会「認定看護管理者教育課程」によると、ファーストレベルの受講要件は以下のとおりです。
- 看護師免許を保有している
- 看護師免許を取得後、実務経験が5年以上ある
- 管理業務に関心がある
実務経験5年以上は認定審査の受験資格でも定められていますが、ファーストレベル受講希望時点でこの要件を満たす必要があることがわかります。なお、同受験資格にうたわれている看護師長相当の実務経験は問われていないので、役職についていない方も受講可能です。
カリキュラムには所定の時間数以上の出席が必要で、全課程の受講が終わったら教科目レポートを提出します。レポートの評価が規定以上の評価を得たら、修了認定がもらえる仕組みです。
セカンドレベル
セカンドレベルは、看護管理者として基本的責務を遂行するために必要な知識・技術・態度を習得することが教育目標の講習です。日本看護協会「認定看護管理者カリキュラム基準」によると、セカンドレベルの到達目標は以下のとおりです。
- 組織の理念と看護部門の理念の整合性を図りながら担当部署の目標を設定し、達成に向けた看護管理課程を展開できる
- 保険・医療・福祉サービスを提供するための質管理ができる
180時間のカリキュラムで、ファーストレベルよりも対面授業が行われることが多くなっています。実習の科目があることも特徴です。
公益社団法人北海道看護協会「認定看護管理者教育課程」によると、セカンドレベルの受講要件は、ファーストレベルの受講要件で述べられている看護師免許と実務経験に加え、ファーストレベルを修了しているという要件が追加されています。
もし、ファーストレベルを修了していなくても 看護部長相当の職位にある人、または副看護部長相当の職位に1年以上就いている人であれば、ファーストレベルの受講は免除されます。なお、修了認定の基準はファーストレベルと同じです。
サードレベル
サードレベルは、多様なヘルスケアニーズをもつ個人や家族、地域住民および社会に対して、質の高い組織的な看護サービスを提供するために必要な知識・技術・態度を習得することが教育目標とされる講習です。日本看護協会「認定看護管理者カリキュラム基準」によると、サードレベルの到達目標は以下のとおりとなっています。
- 保健医療福祉の政策動向を理解し、それらが看護管理に与える影響を考えることができる
- 社会が求めるヘルスケアサービスを提供するために、看護現場の現状を分析し、データ化して提示することができる
- 経営管理の視点に立ったマネジメントが展開できる
カリキュラムは180時間です。政策や国際社会にも目を向けて看護管理を考える科目があるのが特徴で、SDGsやヘルスケアサービスについて学ぶ時間もあります。セカンドレベルと同じく実習もありますが、実習内容は受講者自身が企画して実践する流れになっており、セカンドレベルよりも高度な内容になっています。
公益社団法人北海道看護協会「認定看護管理者教育課程」によると、サードレベルの受講要件は、セカンドレベルとほぼ同じです。セカンドレベルを修了していなくても、看護部長相当の職位にある人または副看護部長相当の職位に1年以上就いている人であれば、セカンドレベルの受講は免除されます。
修了認定の基準はファーストレベルやセカンドレベルと同じで、修了することで認定審査の受験要件を満たせる仕組みです。
認定審査
認定看護管理者の認定審査は年1回行われます。日本看護協会「2024年度認定の手引き」によると、認定審査を受けたい方は必要書類を揃えて受験申し込みを行い、書類審査を通過したら受験票が発行され、筆記試験を受験できる仕組みです。
筆記試験は試験時間120分で、四肢択一の一般問題が20問、論述問題が2問出題されます。2024年度試験は試験が10月、合否発表が12月下旬に実施される予定です。
資格更新
認定看護管理者の資格を取得し、資格を継続したい場合は、5年ごとに資格更新の手続きが必要です。日本看護協会「認定看護管理者」によると、更新までの5年間に、看護管理実践および自己研鑽の実績があることが更新要件に含まれています。
看護管理実践は、看護管理実務時間が2,000時間以上に達していることと、認定看護管理者に求められる看護管理能力を発揮していることを指します。自己研鑽実績は、日本看護協会が定めた実践活動や学会参加、学会発表の実績のことで、既定の点数換算表と実績と照らし合わせて50点以上が更新要件のラインです。
更新要件を満たし審査申請を行ったあとは、書類審査に合格することで資格更新できます。
認定看護管理者の合格率・難易度は?
認定看護管理者の認定審査の合格率は70~80%程度とされています。合格率は高いほうですが、認定審査を受けるまでの道のりが長く、資格取得のハードルが高い点においては、取得難易度の高い資格といえそうです。
前述のとおり、認定看護管理者の資格を取る場合、多くの方は教育課程を受講する流れになります。ファーストレベル・セカンドレベルなどの教育課程では定員数を上回る申し込みがあることが多く、その場合は基本的に審査時に提出した小論文の評価順に受講者が決められます。
また、教育課程の受講時はレポート提出が求められ、レポート評価が4段階評価のC(60点以上70点未満)以上でなければ修了認定されません。例として愛知県看護協会「認定看護管理者教育課程ファーストレベル」、愛知県看護協会「認定看護管理者教育課程セカンドレベル」、愛知県看護協会「認定看護管理者教育課程サードレベル」をみると、全レベルにおいて2023年度受講者は全員修了しています。講習にきちんと出席し、充分な内容のレポートを書いていれば合格できると考えられますが、評価があることを意識して取り組む必要があるでしょう。
認定看護管理者教育課程は、一つひとつのステップをクリアしていくのが大変と感じる方もいるかもしれません。しかし、グループワークやレポートの提出などにより学びが深まったり自部署の課題が明らかになったりするなど、看護管理者として活躍したい方にとって充実した講習になることは間違いないでしょう。
認定看護管理者のファーストレベルの合格率は高め
- 認定看護管理者とは看護管理者のスペシャリストであることを証明できる資格
- 認定看護管理者の受験要件には実務経験や教育課程の受講が含まれる
- 教育課程はファーストレベルなど3種類あり、どのレベルも合格率は高い
- 認定看護管理者の認定審査の合格率は7~8割程度となっている
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