仕事内容・働き方

療養型病院とは?介護医療院との違いや仕事内容を紹介

正看護師病院a month ago

「療養型病院とは?」と思っている方もいるでしょう。療養型病院とは病院の療養病床のことを指し、慢性期患者に対して医療的ケアや療養上の世話を行っています。この記事では療養型病院の詳細や看護師の仕事内容、働くうえでのメリット・デメリットについて紹介しています。介護版の療養型病院である介護医療院との違いにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

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療養型病院とは

療養型病院とは、療養病床がある病院を指します。 厚生労働省「介護療養病床・介護医療院のこれまでの経緯」によると、療養病床とは、病院または診療所の病床のうち、主に長期にわたり療養を必要とする患者が入院する病床のことです。後述する介護医療院と区別するために、「医療療養病床」と呼ばれることもあります。

療養型病院に入院する患者は、積極的な加療を必要としないものの在宅での療養生活が難しい方や、日常的な症状は落ち着いているものの継続的なケアが必要な慢性期患者が中心です。入院期間は長く、半年以上入院する方も多くいます。

施設形態としては、療養病床のみを有している療養型病院もあれば、一般病床が多くある病院に療養病床が併設されている場合もあるようです。

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介護版療養型病院「介護医療院」とは

療養病床には、介護保険のルールに則り運営されている「介護医療院」もあります。

厚生労働省「介護医療院とは」によると、介護医療院とは、要介護高齢者の長期療養・生活のための施設のことです。介護職員だけでなく医師や看護師も勤務しており、療養型病院と同様に医療行為やケアが行われています。患者に対し、療養上の管理・看護・医学的管理の下における介護および機能訓練、そのほか必要な医療ならびに日常生活上の世話を行うことが、介護医療院の目的です。

介護分野における療養病床は、以前までは「介護療養型医療施設」の介護療養病床という形を取っていました。しかし、2024年3月末で介護療養型医療施設という施設形態が完全廃止となったため、同様の役割を担う施設として「介護医療院」が創設されています。

介護医療院とほかの介護施設との違い

介護医療院とほかの介護施設との違いは、要介護高齢者に長期療養ができる環境を提供しているかどうかにあります。

たとえば、介護老人保健施設であればリハビリの場としての役割が大きく、在宅復帰を目指す施設です。特別養護老人ホームは要介護高齢者の生活の場を提供している介護施設であり、身体介助や日常生活上の世話のほか、医療的ケアが行われることもありますが、長期療養を目的としていません。

ほかの介護施設では生活のサポートとして「介護」行為がメインとなり、介護医療院では、療養上の管理がメインとなります。

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療養型病院と介護医療院の違い

療養型病院と介護医療院は、行われているケアや職員の職種など似ている点が多くあります。ここでは、療養型病院と介護医療院の違いについて紹介します。

                                                                           
療養型病院
(医療療養病床)
介護医療院
Ⅰ型Ⅱ型
概要- 病院・診療所の病床のうち、主として長期療養を必要とする患者を入院させるもの- 要介護者であって、主に長期にわたり療養が必要な者に対し、療養上の管理・看護・医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療ならびに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設
人員配置- 医師…48:1(施設で3名以上)
- 看護職員…4:1
- 介護職員…4:1
- 医師…48:1(施設で3名以上)
- 看護職員…6:1
- 介護職員…5:1
- 医師…100:1(施設で1名以上)
- 看護職員…6:1
- 介護職員…6:1
設置根拠- 医療法- 介護保険法

参照:厚生労働省「介護療養病床・介護医療院のこれまでの経緯」
厚生労働省「介護医療院とは」

療養型病院と介護医療院の大きな違いは、患者が要介護者であるかどうかです。介護医療院は介護保険制度に基づいた施設のため、患者は介護保険被保険者である65歳以上の高齢者のうち、要介護認定を受けている人に限られます。一方、療養型病院は医療保険制度に基づいた施設のため、患者に年齢制限はありません。療養病床を利用する患者の特性上、高齢者が多いようですが、小児や65歳未満の成人も入院できます。

また、療養型病院と介護医療院では人員配置も異なります。療養型病院では医療的ケアの必要性から、介護職員より看護職員の方が多い配置となっています。逆に、介護医療院では要介護者のケアを行うため、看護職員より介護職員が多い配置となっていることもあるようです。

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療養型病院での看護師の仕事内容

療養型病院での看護師の仕事は、大きく分けて医療的ケアと療養上の世話・身体介護です。ここでは、その仕事内容について詳しく紹介します。

医療的ケア

療養型病院の看護師の主な仕事は、医療的ケアです。詳しい内容は以下のとおりです。

  • 点滴・注射・採血
  • バイタル測定
  • 内服管理・与薬
  • 褥瘡管理
  • 喀痰吸引
  • 経管栄養

療養型病院においてもほかの病院と同様に、患者のバイタル測定や点滴・注射・採血などが定期的に行われます。

療養型病院の患者の中には、肺の疾患や呼吸不全により気管切開をしている患者や、経口摂取不良などのため胃ろうや腸ろう、中心静脈栄養から栄養を摂取している患者も少なくありません。そのため、喀痰吸引や経管栄養のサポートを行う機会が多いようです。

療養上の世話・身体介助

療養型病院の看護師は、褥瘡防止のための体位交換やシーツ交換などの療養上の世話も行います。食事・排泄・入浴の介助やおむつ交換といった身体介助は介護職員が中心となって行われますが、一緒に看護師もサポートするようです。

夜間は定期的に巡回を行い、体位交換やトイレへの付き添い、転倒・夜間徘徊への対応などを行っています。

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療養型病院で働くメリット

療養型病院で働くメリットは、以下のようなものがあります。

  • 落ち着いた雰囲気の中で働ける
  • 患者と長期間にわたって向き合える
  • 高度な医療手技を求められることが少ない

療養型病院では慢性期の患者が入院しているため、急性期病床のような慌ただしさがあまりありません。急変や救急対応が少ないため、落ち着いた雰囲気で働けるでしょう。業務がある程度ルーティン化されており、高度な医療手技を行う機会も少ないようです。そのため、手技に自信がない方であっても、働きやすい環境といえるでしょう。

また、療養型病院では半年以上入院する患者も多くいます。一般病棟のように患者の入れ替わりが激しくないため、患者とじっくり向き合える点も療養型病院のメリットです。患者には寝たきりの方や意識がない方も少ないため、コミュニケーションに重きを置いてケアが行えるでしょう。

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療養型病院で働くデメリット

療養型病院で働くに際してデメリットもあります。以下のようなデメリットもあることを理解しておきましょう。

  • 知識やスキルが成長しにくい
  • 力仕事を求められることが多い

前述のとおり、療養型病院では急変が少なく、重症患者もいないため、救急対応や高度な技術を必要とする手技を行う機会がほぼありません。そのため、看護師としての知識やスキルが成長しにくい環境であるというデメリットがあります。一般病棟や急性期病院である程度経験を積んだ看護師であれば、今までに身に付けた知識やスキルを活かして仕事ができるでしょう。

また、療養型病院では身体の動きに制限がある方や高齢者が多く入院しているため、力仕事を求められることが多くなります。入浴・トイレの介助や移乗などでは患者を持ち上げることもあり、体力のない人にとっては「仕事がきつい」と感じられるかもしれません。

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療養型病院では慢性期患者の療養上の世話や医療的ケアを行う

  • 療養型病院は病態が落ち着いている慢性期患者が入院する医療機関
  • 療養型病院は介護医療院と違って医療保険制度に基づく施設で小児や成人も入院可能
  • 療養型病院では医療的ケアや療養上の世話、身体介助が行われている

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