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救急看護師とは?仕事内容やなる方法、関連資格を紹介
9 months ago

「救急看護師とは?」と考える方もいるでしょう。救急看護師は、ICUや救急外来、救急病棟などで救急医療に従事する看護師のことです。看護師のなかでも特に高度な知識・スキルやスピード感、冷静な判断が求められます。この記事では、救急看護師の詳細な仕事内容や関連資格、なる方法について解説しています。救急看護師のなるメリット・デメリットや向いている人の特徴も触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
救急看護師の仕事内容
救急看護師の仕事は、突然の発症や病状悪化、ケガなどにより直ちに医療が必要な人に対し、適切な救急処置や看護ケアを行うことです。救急看護師は、ICU(集中治療室)や救急病棟、救急救命センターに勤務して、下記のような仕事を行っています。
初期治療・応急処置
救急看護師は搬送されてきた急患に対し、止血や注射などの初期治療を施します。心停止・呼吸停止の患者には、人工呼吸や心臓マッサージなどの心肺蘇生を行うこともあり、一次救急処置のスキルが求められるようです。
トリアージ・問診
救急対応を行う部署では、救急看護師がトリアージを任されることもあります。トリアージとは、事故や災害などで傷病者が複数人いる場合、患者を素早く観察して治療の優先度を判断することです。必要な情報を収集し、評価するアセスメントの能力が求められます。
医師の診療・処置の補助
救急看護師はほかの看護師と同様に、医師のそばで診療や処置の補助を行います。患者の状態を素早く把握し、医師が次に何を行うかを考えながら補助を行う必要があるため、臨床推論の知識も必要です。
家族へのケア
患者の急病や突然のケガに驚き、ひどく悲しんだり取り乱したりする家族も珍しくありません。救急看護師はそのような家族の気持ちに寄り添い、精神的なケアを行う役目もあります。家族の心情をくみ取りながらも、現状や今後の見通しを伝えたり、家庭での様子などの情報収集を行ったりする必要もあり、コミュニケーションスキルが必要です。
災害現場や傷病者のもとでの応急処置
救急看護師のなかには、ドクターカーやドクターヘリに同乗して救命処置を行う場合もあります。災害現場や救急処置を必要としている急病人のもとへ急行し、医師や救急救命士と連携して、現場や搬送中に応急処置を行います。
救急看護師になるには?
救急看護師になるには、看護師の国家資格を取得していることが前提です。ほかに特別な資格は必要ありませんが、疾患・臓器・診療科・重症度などを問わず、高度な看護知識が必要となります。そのため、新卒で救急医療施設に就職する人もいますが、救急以外の急性期病棟などで経験を積んだのち、救急救命センターなどに異動・転職して救急看護師になるルートが一般的です。
また、ときには医師の指示を待たずに応急処置を行うことが求められるため、医師や看護師の指示がなければ業務が行えない准看護師ではなく、正看護師のほうが救急看護師になるには有利でしょう。
救急看護師に活かせる資格
看護師資格があれば救急看護師になれますが、持っていると異動・転職時に有利になったり、働くうえで役立ったりする資格があります。ここでは、救急看護師に活かせる資格についてみてみましょう。
クリティカルケア認定看護師
クリティカルケア認定看護師は、救急看護認定看護領域と集中ケア認定看護領域が統合された、認定看護師の資格です。クリティカルケアとは、疾患や外傷などにより危機的な容体の患者に対するケアのことで、救急医療の現場で求められるスキルの一つとなっています。
公益社団法人日本看護協会「認定看護師教育基準カリキュラム」によると、クリティカルケア認定看護師制度の目的は、クリティカルケア分野において高い臨床推論能力と病態判断能力に基づき、熟練した看護技術および知識を用いて、水準の高い看護を実践できる力を育成することです。また、看護職に対し指導を行える能力を育成するという目的もあり、キャリアアップの第一歩にもできる資格となっています。
急性・重症患者看護専門看護師
急性・重症患者看護専門看護師は、危機的状況にある患者に対して最前の医療を提供する能力を証明する資格です。
公益社団法人日本看護協会「専門看護師」によると、急性・重症患者看護専門看護師の役目は、緊急度や重症度の高い患者に対して集中的な看護を提供することです。また、患者本人と家族の支援や医療スタッフ間の調整などを行い、最善の医療が提供されるよう支援することも求められます。
ICLS
ICLSは「Immediate Cardiac Life Support」の略で、日本救急医学会が主催する医療従事者のための蘇生トレーニングコースです。突然の心停止に対する最初の10分間の対応と、適切なチーム蘇生を身に付けることを目標としており、救急看護師に不可欠なBLS(一次救急処置)に関する知識を学べます。具体的には、AED(自動体外式除細動器)の操作や心電図の波形評価、気道確保などがカリキュラムに含まれるようです。
JPTECプロバイダーコース
JPTECとは「Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care」の略で、一般社団法人JPTEC協議会が主催する急病者への応急処置が学べるコースです。プロバイダーコースはJPTECのなかでも医療従事者向けの内容になります。病院前救急医療の現場で必要とされる観察・処置を、見落としなく迅速に実施できるようになるのがJPTECでの目標です。座学や実技、実技達成度評価・筆記試験を経て、コース修了となります。
救急看護師になるメリット
救急看護師になると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
救急対応が学べる
救急看護師は、急変や救急搬送された患者のケアを行うことが日常になるため、救急患者を見るだけで何をすべきかがわかるようになってきます。一般病棟でも急変対応をしたり、緊急入院を受け入れたりすることもありますが、救急看護師ほど多くの経験は積めないでしょう。救急対応のスキルを身に付けられるのは、救急看護師ならではのメリットです。
患者の改善が目に見えてわかる
救急処置が必要な患者へ救急看護師が適切な処置を施すことで、容体が安定したり、生死に関わる状態から命を救えたりすることもあります。救急看護師は、患者の改善が目に見えてわかる機会が多いため、やりがいや達成感を得られるでしょう。
看護師としてのスキルアップが見込める
救急看護師は幅広い疾患や症状の患者をケアするため、豊富な知識やスキルが身につき、看護師としての総合力が上がっていくでしょう。なかには「救急看護師を経験していれば、どの職場に転職・異動しても対応できる人材になれる」という声もあるほどです。看護師としてのスキルアップを目指したい方は、救急看護師をめざすのも良いでしょう。
救急看護師のデメリット
救急看護師になるにはデメリットも存在します。どのようなデメリットがあるかも、理解しておきましょう。
身体的にも精神的にもハードな面が多い
救急対応をする部署は忙しく、患者が次々に搬送されてくる日も珍しくありません。熱中症・脱水の患者が多い夏場や、脳血管疾患・心疾患が増える冬場など、繁忙期もあります。夜勤中は落ち着いた時間が多い一般病棟と違い、夜勤中も日勤時と変わらないほど急患や急変対応があって忙しいこともあり、救急看護師は体力もいる仕事といえるでしょう。
また、救急対応をしていると、救えなかった患者も出てくることがあります。悲しむ間もなく次の患者が運ばれてくることもあるため、気持ちを切り替えて仕事をしなければなりません。
常に緊張感のある職場に身を置かなければならない
救急救命センターやICUなどは、一般病棟より緊張感のある部署といわれることが多いようです。患者の生死に関わる判断や処置が行われる場であることから、先輩看護師からの指導がより厳しく感じることも。そのため、職場の雰囲気にストレスを感じてしまう救急看護師もいます。
救急看護師に向いている人の特徴
救急看護師はどのような人が向いているのでしょうか。
スピード感と判断力のある人
救急看護師には、スピード感と判断力のある人が向いています。搬送されてきた患者と接触したときから、処置のスピード感や何をすべきか判断する力が求められるため、看護の知識やスキルがあるだけでなく、テキパキ動ける人が向いているといえるでしょう。
幅広い看護知識と豊富な経験がある人
救急看護師になると、診療科を問わず幅広い疾患の患者を看ることになります。前述のとおり、救急看護師には新卒看護師よりも、経験や知識を活かして働ける経験のある看護師のほうが向いているでしょう。
タフな人
救急看護師には体力や精神的な強さも求められるため、タフな人が向いています。特に、体力に自信がある人や冷静さのある人、気持ちの切り替えがうまい人は、救急看護師を目指すのも良いかもしれません。ただ、仕事に慣れることでタフさが身についていくこともあるので、体力やメンタル面の強さに自信がないという方でも、過度に心配することはないでしょう。
協調性のある人
どんなに優秀な救急看護師でも、一人では患者を救えません。救急の現場こそ、チームワークが求められるため、協調性をもって仕事ができる人は救急看護師に向いています。
救急看護師の年収
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は508万1,700円となっています(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて算出)。
救急看護師の給与には夜勤手当やオンコール手当、特殊勤務手当がつくことがあります。特に特殊勤務手当は、集中力や体力を必要とする病棟に勤務する医療従事者に付けられる手当です。救急救命センターやICUなど、特別な病棟で働いている場合にしか支給されません。
また、救急看護師の職場は地域の中核医療を担う2次救急や、高度な救急医療にも対応可能な3次救急の病院が多く、もとから給与水準が高い傾向にあります。そのため、救急看護師はもともとの給料の高さや手当の多さから、看護師全体のなかでも高い給与を見込めるでしょう。
救急看護師は救急医療の最前線で働いている
- 救急看護師は、救急救命センターやICUで救命措置や医師の処置の補助などを行う
- 救急看護師には看護師の資格のみでなれるが、ICLSやJPTECを持っていると有利
- 救急看護師にはスピード感や判断力、協調性のある人が向いている
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