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病棟看護師の仕事とは?1日の流れや役割、病棟の種類を紹介
9 months ago

「病棟看護師はどのような仕事をしているの?」と疑問に思う方もいるでしょう。病棟看護師は基本的に診療・検査補助や身体介助、療養上の世話を行っています。この記事では、病棟看護師の詳しい仕事内容や役割、1日の流れについてご紹介。活躍できる病棟の種類や、向いている人の特徴についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
病棟看護師とは
病棟看護師とは、病院の中で入院患者を看る「病棟」に勤務する看護師のことです。病棟では24時間365日、ケアや医療サービスの提供が必要になるため、多くの看護師は夜勤を交えて2交代制か3交代制で働くことになります。新卒の看護師はほとんどの場合、まずは病棟看護師として働くことになるようです。
病棟看護師の役割
病棟看護師の役割は、包括的に入院患者の治療や生活をサポートすることです。病棟看護師は入院患者の治療・検査の補助や医師の診療補助だけでなく、入院中の療養上の世話やメンタル面のサポートも行います。患者が適切な治療や検査を受けられるよう援助するだけでなく、入院生活やメンタル面まできめ細かくサポートし、患者に寄り添うことが求められるでしょう。
病棟看護師の仕事内容
病棟看護師の仕事は幅広く、医療行為や身体介助、カンファレンスの出席などさまざまな業務を行っています。ここでは、病棟看護師の仕事内容について詳しくみていきましょう。
バイタル測定
バイタルとは、心拍数・血圧・呼吸数・体温など身体の基礎データのことです。病棟看護師は病室に訪問し、患者1人あたり1日に3~5回程度バイタル測定を行います。起床時や夕食後など、患者ごとに決められた時間に訪問し、測定内容は看護記録としてカルテに記載するのも病棟看護師の仕事です。
与薬・服薬管理
病棟では患者の薬はナースステーションですべて預かり、一括管理するのが一般的です。病棟看護師は、患者へ処方箋のとおりきめられた時間に薬を持って行きます。患者に合わせて薬を渡すのみの場合や、飲むところまでサポートする場合、とろみのついた水を用意する場合などサポートする範囲も異なるようです。外用薬であれば、塗ったり貼ったりするのをサポートします。
点滴・注射・採血
病棟看護師は医師の指示を受けて、患者に点滴や静脈注射、採血を行います。薬剤の準備・ミキシングをしたり、点滴が終わる時間を計算して点滴を交換したりもします。
経管栄養管理
消化管を切除した方や経口摂取が難しい方は、胃ろうや中心静脈チューブから栄養を摂取していることがあります。病棟看護師は栄養剤を準備し、経管栄養を採用している患者に栄養剤を注入します。
創部・褥瘡管理
ケガをした方や手術をした方、褥瘡(床ずれ)のある方に対して、病棟看護師は患部を消毒したり、ガーゼやドレッシング材などで覆うケアを行ったりします。
特に褥瘡のある方に対しては「褥瘡管理」が必要です。褥瘡がひどくなったり、別の箇所に追加で褥瘡ができたりしないように、数時間おきの除圧処理や体位の調整を行っています。
排液管理
医療現場では患者にカテーテルやドレーンといった管を挿入し、排液の管理を行うことがあります。術後の患者や腎機能が低下している患者は、「導尿」といって尿管にカテーテルを挿入して尿量を管理する必要があり、病棟看護師がカテーテルの交換や尿量管理を行います。術後患者の手術部位には血や滲出液を排出するためのドレーンが挿入されることもあり、排液量の観察や医師の指示を受けてドレーンを抜去するのも病棟看護師の仕事です。
人工呼吸器管理・喀痰吸入
病棟では、酸素吸入が必要な方や呼吸の力が弱い方が人工呼吸器を使用しています。病棟看護師はバイタルチェック時などに、人工呼吸器を使用している患者に対して酸素量や呼吸量をチェックします。人工呼吸器を使用している方や嚥下力が低下している方は痰が詰まってしまうことがあるため、定期的に喀痰吸引を行うのも看護師の役目です。
身体介助
病棟では患者の療養上の世話も行うため、看護師は身体介助の機会も多いのが特徴です。食事・入浴・排泄介助やベッド・車いすへの移乗、歩行・車いす移動の介助などを行います。
体位交換
うまく寝返りが打てない患者や意識レベルが低い患者に対し、褥瘡予防のために2~3時間に1回、身体の姿勢や向きを変える体位交換を行います。患者を一時的に持ち上げる必要があるため、看護師が2人以上で訪室するのが一般的で、夜間も定期的に行われる業務です。
手術出し(オペ出し)
手術前・検査前の事前処置や手術室への搬送も病棟看護師の仕事です。一連の業務は「手術出し」「オペ出し」と呼ばれます。手術により必要な事前処置が異なるため、患者に合わせて処置を行ったり、物品を用意したりする必要があるようです。取り外さなければいけないアクセサリーやネイルなどのチェックも行い、スムーズに手術や検査が始められるように準備を行います。
カンファレンス出席
病棟看護師は、カンファレンスに出席することもあります。代表的なカンファレンスは、退院の目途が立った患者について、退院先や退院後の生活について確認する「退院時カンファレンス」です。担当患者が退院するときに看護師代表として出席を求められることがあり、入院中の患者の様子やADL、本人の希望などを医師やソーシャルワーカーに伝えて、話し合いに参加します。
ナースコール対応
病棟看護師ならではの代表的な仕事の一つが、ナースコール対応です。患者のベッドサイドにあるナースコールは、ナースステーションの親機や看護師が持っているPHSなどと連動しており、患者や家族からの呼び出しがあったときは訪室して対応します。
ナースコールは、トイレ介助依頼や点滴が終わったときに押される通常のコールと、激しい痛みや呼吸苦などのときに押される緊急のコールがあるようです。緊急コールの場合は命にかかわる急変が起きている場合もあるため、病棟看護師は担当患者にかかわらず駆けつける必要があります。
入退院手続き
入退院のときに、病棟看護師が行う手続きもあります。具体的には、入院時にアナムネを取って患者のアレルギー歴や薬剤歴などを確認したり、入院看護計画書を交付したりするなどです。
退院時には退院後の生活についての指導や、残った処方薬の受け渡し、忘れ物チェックなどを行います。
申し送り
申し送りとは、日勤から夜勤・夜勤から日勤へシフトが変わるとき、病棟看護師間で患者の情報について連絡を行うことです。病棟看護師は出勤直後に申し送りで情報収集を行い、退勤直前に申し送りで必要事項を連絡することになります。
看護記録の記載
病棟看護師は患者のバイタルや行ったケアについて、看護記録を記載します。看護計画の立案・変更時やカンファレンス出席時にも記録を残すようです。
病棟看護師の1日の流れ
病棟看護師は日勤と夜勤に分かれて勤務します。ここでは病棟看護師の1日の流れについて、シフト別に紹介します。
日勤の場合
日勤は、朝から夕方までの勤務です。病院にもよりますが、午前8時ごろから午後5時ごろまでのシフトが多くなっています。
午前8時30分 | 出勤、夜勤との申し送り |
午前9時 | ラウンド、バイタル測定、退院患者対応 |
午前10時 | 新規入院患者対応、注射・点滴処置 |
午前11時 | 検査出し、体位交換 |
正午 | 昼食配膳・食事介助・与薬/休憩 |
午後1時 | バイタル測定、排泄介助 |
午後2時 | 点滴交換、清拭・入浴介助 |
午後3時 | 退院時カンファレンス出席 |
午後4時 | インフォームドコンセント出席 |
午後4時30分 | 夜勤との申し送り |
午後5時 | 看護記録記載、退勤 |
夜勤(2交代制)の場合
夜勤は、夕方から朝までの勤務で、2交代制か3交代制のどちらかを採用していることが多いようです。2交代制の場合は2時間程度の休憩を挟んで約16時間勤務します。3交代制の場合は、夕方から深夜まで勤務する「準夜勤」と、深夜から朝まで勤務する「深夜勤」の2つのシフトに分かれます。
ここでは、2交代制の夜勤のタイムスケジュールについて紹介します。なお、夜勤は時刻により仕事がきまっていることが多く、2交代制と3交代制で仕事内容は大きく変わらないようです。
午後4時30分 | 出勤、日勤との申し送り |
午後5時 | 点滴交換、手術後患者の対応 |
午後6時 | 夕食配膳・食事介助・与薬 |
午後7時 | バイタル測定、排泄介助 |
午後8時 | 休憩 |
午後9時 | 消灯、夜間巡回 |
午後10時 | 看護記録記載、カルテ整理 |
午後11時 | 体位交換、排泄介助 |
午前1時 | 休憩 |
午前2時 | 夜間巡回 |
午前4時 | 点滴交換 |
午前6時 | 起床、バイタル測定、洗面介助 |
午前7時 | 朝食配膳・食事介助・与薬 |
午前8時 | 排泄介助 |
午前8時30分 | 日勤との申し送り |
午前9時 | 看護記録記載、退勤 |
病棟看護師が働く病棟の種類
病棟は、入院する患者の疾患や病態によって多くの種類があります。同じ病棟看護師でも 配属先により、仕事内容や求められるものが変わるようです。
ここでは、病棟看護師が働く病棟の種類についてみていきましょう。
ICU・救急病棟
ICUや救急病棟では、急性期患者や緊急性を要する重症患者に対し、高度医療を提供しています。ICUや救急病棟のほかにも、NICUやハイケアユニット病棟などが同様の機能・役割を持つ病棟として機能しているようです。
ICUや救急病棟では急変対応が多く、意識レベルの低い患者も多いため、綿密なアセスメントや患者の容体を把握する能力が特に求められます。人工呼吸器や人工透析などの医療機器の管理や緊急入院の受け入れも多いため、豊富な知識と精神的・体力的なタフさが必要になるでしょう。
急性期病棟
急性期病棟では、突然のケガや病気により医療を必要としている重症度の高い患者が入院します。手術前後の患者や検査を控えている患者が入院するケースも多くみられ、患者の入れ替わりが激しいことが特徴の病棟です。
処置や検査の多い患者が多いため、スピード感やマルチタスクをこなす能力が求められます。急変への対応力も必要です。
慢性期病棟・療養病棟
慢性期病棟・療養病棟では、病状は安定しているが長期的な治療や療養が必要な患者に対し、看護ケアや介護、リハビリを行っています。
医療ケアを行いながら、身体介助や療養上の世話を行う機会が多く、半年近く入院する方もいるため、患者とじっくりかかわりたい方に向いているでしょう。
回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟は、病状が安定した回復期の患者へ医療的ケアやリハビリを提供する病棟です。脳血管疾患・神経疾患の患者やケガをした患者が多く、看護師はPTやOT、STなどの医療従事者と連携して日常生活とリハビリのサポートを行います。
地域包括ケア病棟
地域包括ケア病棟とは、在宅復帰に不安がある患者が、安心して帰宅できる状態を目標としてケアを提供する病棟です。在宅介護を行う家族に向けて、レスパイト入院としても利用できます。
病棟から転棟を受け入れることが多く、退院支援や介護業務の機会も多いのが特徴です。他職種との連携や在宅医療との連携が特に求められるでしょう。
緩和ケア病棟・ホスピス
緩和ケア病棟やホスピスは、末期がんなど直ちに命にかかわる疾患に罹患している患者に対し、身体的・精神的苦痛を和らげてQOLを向上させるケアを行う病棟です。積極的な治療はあまり行わず、痛みや不快な症状を和らげる処置がメインとなります。
ターミナルケアや看取りを行うことも多いため、患者家族に対してもメンタル面のサポートなどが求められるでしょう。
病棟看護師の給与
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、看護師の平均給与(きまって支給する現金給与額)は35万2,100円です。
同調査をもとに「きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額」で平均年収を算出すると、508万1,700円となっています。なお、これは勤務先に関係なく、すべての看護師の平均額です。
病棟看護師は夜勤があり夜勤手当がつくため、外来やクリニック勤務の看護師より給与が高いこともあるでしょう。
病棟看護師に向いている人は?
看護師のなかでも、病棟勤務に向いている人はどのような人なのでしょうか。
協調性がある人
病棟では医師や看護師だけでなく、薬剤師や栄養士、リハビリ職員などさまざまな医療従事者が「チーム医療」の一員として働いています。そのため、病棟看護師は協調性のある人が向いているでしょう。年齢や職種に関係なくコミュニケーションを積極的に取り、協調性をもって行動することが、病棟看護師には特に求められます。
看護師としての基本技術を身に付けたい人
前述のとおり、新卒の看護師はほぼ病棟に配置されます。病棟では医療処置や身体介助など、看護師としての基本的な技術に広く触れる機会があるからです。
外来でも、もちろん看護師としてスキルアップできますが、病棟では24時間365日患者対応を行うため多くの経験を積むことができ、より早く技術の定着が狙えます。看護師としての基本技術をしっかり身に付けたいという方は、病棟看護師として働くのがおすすめです。
より専門分野を極めたい人
病棟看護師は、より専門分野を極めたい人にも向いています。病院では診療科ごとに病棟が分かれていることが多く、希少疾患の治療やより専門的なケアを行っている病棟もあります。医師のように、より専門に特化した看護師としてキャリアを積むこともできるでしょう。また、認定看護師の資格を取得するには、指定分野での臨床経験を問われることも多いため、病棟で経験を積む看護師もいます。
タフな人
病棟看護師にはタフな人も向いています。病棟勤務では夜勤があるうえ、特にICU・救急病棟や急性期病棟は日常的に忙しいことも多いでしょう。体力がない場合、身体の不調を感じやすくなり、勤務を続けるのが難しくなってしまうかもしれません。
また、病棟では急変対応や死亡退院に直面することもあります。日々、緊張や悲しみを強く感じていては精神的な負担が大きくなりすぎてしまうことも。ある程度、精神的なタフさも求められるといえるでしょう。
病棟看護師は入院患者の診療補助や療養上の世話を行う
- 病棟看護師は入院患者の治療や生活を包括的にサポートしている
- 病棟看護師には夜勤もあり、多くは2交代制か3交代制で働いている
- 病棟看護師が働く病棟には多くの種類があり、病棟により求められるスキルが異なる
- 病棟看護師には協調性がある人やタフな人、専門分野を極めたい人が向いている
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