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訪問看護師とは?仕事内容や1日のスケジュール、給料を紹介
9 months ago

「訪問看護師とは?」と疑問に思う方もいるでしょう。訪問看護師は訪問看護事業所に勤務する看護師のことで、利用者宅を訪問して看護処置を行います。この記事では、訪問看護師の仕事内容や1日のスケジュール、ほかの職場の看護師との違いについて解説しています。訪問看護師として働くメリット・デメリットや、気になる給料も説明していますので、ぜひご覧ください。
訪問看護師とは?
厚生労働省「訪問看護のしくみ」によると、訪問看護とは、訪問看護師などが利用者宅に訪問して療養生活を送っている方の看護を行うサービスです。よって、訪問看護師とは、訪問看護サービスに従事する看護師を指します。
訪問看護師は、利用者や家族の思いに沿った在宅療養生活の実現に向けて、健康維持・回復やQOL向上を目的としたケアを提供するのが仕事です。利用者は高齢者や障がいのある方、精神疾患がある方など幅広く、予防から治療、看取りまで対応します。
訪問看護師とほかの職場の看護師の違い
訪問看護師とほかの職場の看護師の違いは、どのような点があるのでしょうか。
勤務場所 | - 訪問看護事業所を拠点として利用者宅へ訪問 | - 配属先の病棟 | - 配属先の外来 - 勤務先のクリニック |
主な仕事内容 | - 医療処置・看護ケア - 身体介助 - リハビリ - 家族への支援 |
- 医師の診察補助 - 医療処置・看護ケア - 周術期看護 - 療養上の世話 - 配属先の診療科に特化したケア |
- 医師の診察補助 - 医療処置・看護ケア - 検査の補助 |
仕事を行う環境 | - 基本的に訪問看護師1名で訪問して業務を進める | - 周りに看護師が多い環境 - 医師の指示を受けながら業務を進める |
- 医師が常に近くにいることが多い - 医師の指示を受けながら業務を進める |
夜勤の有無 | - 無(オンコールがある事業所もある) | - 有 | - 無 |
ほかの看護師と異なる訪問看護師の特徴は、一人で仕事を進めていく点と、利用者宅に訪問して看護ケアを行う点です。夜勤も基本的にはありません。
訪問看護師の仕事内容
厚生労働省「訪問看護のしくみ」によると、訪問看護師は食事・排泄などの療養上の助言や、心身の健康状態・障がいの状態を観察し、状況に応じた助言を行います。緊急対応や予防的支援も訪問看護師の仕事です。また、医療的ケアが必要な方に対しては、主治医と連携して医療処置・医療機器の管理も行います。
ここでは、訪問看護師の仕事内容について詳しくみていきましょう。
医療処置・看護ケア
訪問看護師はバイタル測定や問診を行い、利用者の健康管理に努めています。医療処置は主治医が記載した「訪問看護指示書」に基づいて行われるのが基本です。注射や点滴だけでなく、必要に応じて在宅酸素・人工呼吸器の管理や気管切開後の管理、胃ろうを使用した経管栄養などが行われることもあります。膀胱留置カテーテルやストーマの管理、褥瘡ケアなども訪問看護師の仕事です。
身体介助
訪問看護師は、利用者の食事・入浴・排泄などの身体介助も行います。栄養面の管理や体位変換を行うこともあるようです。
リハビリテーション
在宅生活で利用者の体力が低下しないよう、寝たきりを予防するための軽い運動が行われたり、利用者の身体機能回復のためにリハビリが行われたりすることもあります。具体的には、姿勢維持の訓練や車いすへの移乗などが行われるようです。より専門的なリハビリが必要な利用者に対しては、理学療法士や作業療法士が訪問してリハビリが行われることもあります。
緩和ケア・ターミナルケア・看取り
訪問看護では、がん患者の痛みや苦しみを和らげる「緩和ケア」も行われています。また、人生の最期が迫っている方に対し積極的な延命治療を行わず、苦痛を取り除いてQOLを高める「ターミナルケア」を行うのも訪問看護の役目です。利用者が尊厳を保って人生を終えられるよう、訪問看護師は主治医とも連携してケアから看取りまでを行います。
家族への支援
利用者と同居して在宅介護を行っている家族に対し、相談にのったりアドバイスしたりするのも訪問看護師の役割です。医療機器・医療的処置の操作や褥瘡の処置方法、日常生活で介護を行う上での問題などについて、指導を行います。
記録作成
訪問看護のサービスが行われたら、訪問記録の作成が必要です。訪問記録は利用者ごとに、訪問に行った訪問看護師自身が作成します。月次では訪問看護報告書という書類の作成が必要です。
訪問看護師の1日のスケジュール
訪問看護師は、訪問看護事業所を拠点に利用者宅へ訪問します。ここでは、訪問看護師がどのようなスケジュールで1日の業務を進めているのかみてみましょう。
午前9時 | 出勤・朝礼 | - 訪問看護事業所に出社、職員間で情報共有 - 連絡事項を確認し、訪問に向けて準備 |
午前9時30分 | 訪問 | - 車や自転車で利用者宅へ訪問 - 午前中に訪問するのは1~2件程度 |
正午 | 昼食休憩 | - 訪問看護事業所に戻って昼食を取る - 事業所に戻らずに出先で済ませることも |
午後1時 | 訪問 | - 午前中に引き続き利用者宅へ訪問する - 午後は2~3件訪問できる場合が多い |
午後4時 | 事業所へ帰る | - 事業所に戻り、その日の訪問記録や訪問看護報告書を記載する |
午後5時 | 終礼・退勤 | - 終礼を行い、退勤する |
訪問看護師は、1日に4~6件ほど訪問して利用者にケアを行います。事業所によっては、事業所への出社・退勤前の立ち寄りが必須ではないケースもあり、自宅から利用者宅へ直行直帰できる事業所もあるようです。
訪問看護師になるには
訪問看護師になるには、看護師か准看護師の資格が必須ですが、訪問看護に特化した資格の取得は求められません。ただし、訪問看護師は基本的に一人で訪問するため、すべての処置・ケアに対応できるスキルが必要です。そのため、訪問看護師になるには、臨床経験は数年以上あるほうが良いでしょう。教育プログラムが用意されている訪問介護事業所もあるため、不安な方は教育体制の整った事業所を選ぶのがおすすめです。
訪問看護師として働くメリット
訪問看護師として働くメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
利用者一人ひとりとじっくり向き合える
訪問看護師のメリットは、利用者一人ひとりと長期間にわたりじっくり向き合えることです。病棟看護師は、一度に数十人の患者のケアを求められるうえ、急性期病院であれば患者の入れ替わりも激しく、どうしてもケアが慌ただしくなることもあるようです。クリニックであれば、1日200人近く患者が来院することもあり、一人ひとりにじっくり対応するのは難しいでしょう。
一方、訪問看護は1回の訪問が30分以上になることが多く、利用者一人に対して時間をかけて対応できます。また、訪問看護では看護師は担当制が基本のため、担当の利用者とは数年単位で関わることもあり、信頼関係も生まれるでしょう。
自分のペースで仕事がしやすい
訪問看護師は基本的に一人で仕事を行うため、自分のペースで仕事がしやすいメリットがあります。その日の訪問先や訪問の順番、行うケアなど決められている部分もありますが、訪問先での仕事の進め方やペースは、自分の裁量で決められるのが訪問看護師の特徴です。
また、同僚の看護師と会うのは事業所にいるときだけなので、仕事中にほかの看護師とペースを合わせる必要があったり、仕事の進め方に意見されたりすることもありません。職場の人間関係に悩みたくないという方にも、訪問看護は働きやすい仕事となっています。
ワークライフバランスを重視した働き方ができる
訪問看護師は、ワークライフバランスを重視した働き方ができる仕事としても注目されています。訪問看護は基本的に夜勤がなく、日勤のみの働き方も可能です。また、土日祝日が休みの事業所が多く、規則的に休みが取れるというメリットもあります。
正社員・フルタイム以外の働き方も充実しており、時短勤務やパートであれば、勤務時間や曜日を自由に決めて働ける事業所もあるようです。
訪問看護師として働くデメリット
訪問看護師として働くには、デメリットも存在します。どのようなデメリットがあるのかも、確認しておきましょう。
オンコール対応がある場合もある
オンコールとは、夜間や休日に対応する人を決めておき、緊急時に対応する勤務体制のことです。前述のとおり、訪問看護は基本的に夜勤はありませんが、オンコール制を取って夜間・休日対応している事業所があります。
オンコール当番のときには、事業所から支給されたPHSなどを携帯し、着信があればすぐに対応するのが仕事です。当番中に電話が鳴らなければ対応のないまま当番が終わることもありますが、オンコールに慣れない方は「着信が来ると思うと気が抜けない」という方もいるでしょう。心配な方は、オンコールの担当頻度や電話が鳴る頻度、実際にどのくらい訪問に行くのかなどを事前に確認するのをおすすめします。
基本的に自分一人で対応しなければならない
訪問看護師は病院とは異なり、一人で利用者宅に訪問するため、あらゆる事態に幅広く対応しなければなりません。わからないことや急変に見舞われても、すぐに医師やほかの看護師を頼れない状況であることは理解しておく必要があります。
なお、臨床経験がある看護師だったとしても、訪問看護初心者をいきなり一人で訪問に行かせることはほぼありません。先輩看護師がサポートしてくれる期間に、あらゆる事態への対応方法や、わからないことがあったときにどうすればよいかなどを確認しておきましょう。
移動手段により移動が大変なこともある
訪問看護における移動手段は自動車や自転車で、事業所により異なります。自転車移動の場合は、悪天候時や夏の猛暑、冬の厳しい寒さなど屋外の環境によっては移動するだけで大変なことも。自動車移動の場合は応募の時点で普通自動車免許必須とされており、運転が苦手な方は移動を苦痛に感じることもあるでしょう。
訪問看護師の給料
厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、訪問看護事業所で働く看護師の、常勤換算一人当たりの給与は、2022年度決算時点で常勤で46万3,927円、非常勤で39万3,566円となっています。准看護師では常勤で41万311円、非常勤で35万1,571円でした。
訪問看護師は夜勤がなく、土日祝日休みの事業所が多い中、給料は高水準であることがわかります。
訪問看護師は利用者宅に訪問し在宅医療が必要な方へケアを行う
- 訪問看護師は訪問看護事業所に勤務し、利用者宅へ訪問して医療処置やケアを行う
- 訪問看護師はほかの看護師と違い、基本的に一人で訪問して仕事を行う
- 訪問看護師になるには、看護師資格以外の資格は不要だが臨床経験があった方が良い
- 訪問看護師は利用者一人ひとりとじっくり向き合って仕事ができるメリットがある
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