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看護師の志望動機の書き方は?ポイントやケース別例文を紹介
6 months ago
看護師の志望動機の書き方が分からないという転職活動中の方もいるでしょう。志望動機を書くときは、いくつかのポイントに気を付けて書くことで魅力的な文章に仕上げられます。この記事では、看護師の志望動機を書くときのポイントを例文を交えて紹介しています。志望動機を面接で話すときのポイントについても触れていますので、転職活動中の看護師の方はぜひ参考にしてください。
看護師の志望動機を書くときのポイント
看護師の志望動機は、以下のポイントを押さえて作成しましょう。
前向きな表現を心掛ける
志望動機を書くときは否定的な表現は使わず、前向きな表現で記載しましょう。前職を転職した理由がマイナスな要素であった場合、理由をそのまま記載するのは避けるべきです。
前職の退職理由について詳しく書く必要はなく、なぜこの志望先を選んだのかという点を掘り下げると良いでしょう。「新しい環境でスキルアップしたい」「自分の理想とする看護を極めたい」など、前向きな表現で今後の展望を述べるのがおすすめです。
自身のエピソードや考えを入れる
志望理由や今後の展望だけでなく、今までの経験の中で自分の強みがアピールできるエピソードがあれば、志望動機に盛り込むことをおすすめします。自分が思う看護の信念や、今後どのような看護を実践したいかといった自分の考えを述べるのも良いでしょう。
志望動機の中にエピソードが入ることで、志望理由や展望の説得力が増します。採用後に活躍する姿を採用担当者がイメージしやすい、という利点もあるでしょう。
志望先に特化した内容にする
志望動機は、志望先に特化した内容になるよう工夫しましょう。求人内容や志望先のWebサイト、施設見学などで情報収集し、魅力を感じた点を盛り込みます。
志望先の理念・方針に共感したことや、専門分野に特化した医療提供を行っていること、自分のやりたい看護が提供されている点など、志望動機に入れられる特徴を見つけましょう。
熱意や長く働く意思をアピールする
志望動機には、長く働きたいという意思や、ここで頑張りたい、スキルアップしたいという熱意を盛り込むと良いでしょう。これまでに在籍期間の短い経歴がある方は、志望先から「うちでもすぐ辞めてしまうのでは…」と思われがちです。長く働きたいという意思は、志望動機の中に意識的に盛り込むのをおすすめします。
3部構成で200~300文字程度にまとめる
志望動機を履歴書に書くときは、結論・理由・展望の3部構成にすると、まとまった文章になります。
全体の長さは200~300文字程度が適度な文字数です。文字数が少なすぎると意識が低いと思われてしまい、長すぎても考えがまとまっていないとみなされる恐れがあります。文字数を意識しながら、記入欄の8~9割は埋められるように心掛けましょう。
誤字脱字に注意して丁寧に書く
基本的なことですが、志望動機を書くときは誤字脱字にも注意が必要です。文章を考えながらいきなり履歴書に書くのではなく、まずは別の紙やパソコンで下書きを行いましょう。
履歴書上で書き間違えた場合は修正印による修正ができますが、修正箇所がある履歴書は担当者にあまり良い印象を与えないこともあります。志望動機は下書きを見ながら、丁寧に書きましょう。書き終えたあとは自分で見直すだけでなく、家族や友人に見てもらうのもおすすめです。
看護師の志望動機に入れないほうが良い内容
看護師の志望動機に入れないほうが良い内容も、中には存在します。以下の内容を書こうと考えていた方は、ほかの内容を書くように考え直してみることをおすすめします。
待遇や福利厚生・給与について
待遇や福利厚生など、求人の条件に惹かれたという点は志望動機に入れないようにしましょう。具体的には、「給与に魅力を感じたから」「土日が休みだから」といった内容です。
勤務条件を志望理由としてあげていると、志望先から「仕事に対する意欲がない」「条件でしかみられていないのか」と思われてしまいます。前項も参考に、条件以外に惹かれた魅力も考えてみましょう。
受け身で熱意がみえない内容
志望動機を考えていると、気づかぬうちに受け身で熱意がみえない内容になってしまうこともあります。たとえば「配属された部署で頑張りたい」「与えられた仕事を精一杯こなしたい」という内容では、仕事に対しての熱意がみえないでしょう。確かに、与えられた役割・仕事をまっとうすることは大切ですが、自らやりたい・学びたいことがある、成し遂げたいことがあるというように自主性を打ち出すと、魅力的な内容になります。
志望先の立地に惹かれたという内容
「自宅から近い」「電車の乗り継ぎなしで通勤できる」など、志望先の立地に惹かれたという内容を志望動機に入れるのは相応しくないでしょう。「立地が良ければどこでも良いのか」「ほかに魅力的な理由はなかったのか」と思われてしまいます。たとえ立地が応募理由の1つであったとしても、志望動機に入れるのはおすすめしません。
看護師の志望動機のケース別例文
ここでは、看護師の志望動機の例文をケース別に紹介します。前項のポイントを押さえた志望動機となっていますので、ぜひポイントを考えながらご覧ください。
急性期病院への転職
看護師として急性期病院へ転職する場合の志望動機の例文は、以下のとおりです。
貴院を志望致しました理由は、総合病院で行われている急性期の治療・看護に触れてステップアップしたいという思いがあるからです。
以前は整形外科のクリニックに3年勤務しておりました。過去にケガや手術のために総合病院に入院していて、現在は外来加療を行っているという患者様を看る機会が多い職場でした。保存加療やリハビリを中心とした看護ケアに携わる中で、周術期や受傷直後の加療についても深く学びたいという思いが芽生えてきました。
前職で培ったコミュニケーション能力を活かしつつ、救急科と整形外科の連携が強く高度外傷にも多数実績がある貴院にて、私も急性期医療の一端を担いたいと考えております。
急性期病院では夜勤や急変対応があり、仕事がきついという理由から離職する方もいる職場です。そのため急性期病院に転職する場合は、なぜ急性期・ハードな職場に行きたいのかという点について志望動機で触れるようにしましょう。また、急性期の病院は全国的に数が多いため、志望先特有の特徴を理解している点にも触れると、魅力的な内容になります。
クリニックへの転職
看護師としてクリニックへ転職する場合の志望動機の例文は、以下のとおりです。
私が貴院を志望した理由は、より患者様の日常生活に寄り添った看護を提供したいと考えるからです。
前職は総合病院の泌尿器科病棟に4年、消化器内科病棟に3年勤務しておりました。7年間をとおして急性期の患者様を看ることが多く、特にがんの患者様のケアに携わる機会が多かったのですが、手術が終わるとすぐに退院される方が多く、次第にこのような患者様の退院後の生活まで長く支えていきたいと思うようになりました。
貴院は慢性疾患の方の加療に加え、がん患者や終末期の患者様宅への往診も行っていると存じ上げております。急性期の現場で身に付けた知識やスキルを活かして、地域の患者様に長く寄り添う看護を展開したいと思い、貴院を志望致しました。
転職先にクリニックを選ぶ看護師の方には、「夜勤をしたくない」「日曜祝日は休みたい」といった理由がある方もいるでしょう。しかし、志望動機の中にそのような理由を盛り込むのは避けるべきです。診療内容や通院している患者の特徴に注目しましょう。
また、耳鼻科や皮膚科など、単科が多いのもクリニックの特徴です。単科のクリニックに転職する場合は、なぜその診療科で働きたいのかも触れるのがおすすめです。
ブランク明けの転職
子育てや介護、療養などでブランクのある方が看護師として復職する場合の志望動機の例文は、以下のとおりです。
大学病院と総合病院の勤務を合わせて、看護師としての実務経験は8年間あります。出産と育児により、仕事からは3年ほど離れていました。この度、2人目の子どもの保育園入園が決まったため、看護師として復帰したいと考えています。
現場から離れていた点に対して不安はありますが、貴院にはブランクのある看護師向けの研修制度があるとのことで、制度を活用させていただきながら復職したいと考えております。
子どもが2人とも保育園に通うためパート勤務を希望致しますが、ゆくゆくはフルタイムで勤務させていただき、貴院に長く貢献していきたいです。
しばらく看護の仕事から離れていた場合は、ブランク前の実績や仕事から離れていた年数、理由を正直に書くと良いでしょう。
例文のように、いきなりフルタイムで働くのが難しいという場合もあります。譲れない勤務条件がある場合は、正直に記載してOKです。別途、履歴書内に本人希望欄がある場合は、志望動機から勤務条件についての記載をなくし、本人希望欄に条件を書くのでも問題ありません。
スキル・キャリアアップを目指した転職
看護師としてスキルアップ・キャリアアップを目指して転職する場合の志望動機の例文は、以下のとおりです。
前職は耳鼻科のクリニックに5年間勤務しておりました。アレルギー性鼻炎や中耳炎、急性扁桃炎などの患者様を看る機会が多い中、貴院にて咽頭がんの手術を受けたあとに経過観察としてクリニックに来られる患者様も少数ですがいらっしゃいました。クリニックにいた当時はがんの加療が落ち着いた方を看るのみでしたが、次第に耳鼻科領域のがんや急性期疾患の加療に携わりたいと思うようになりました。
貴院は県内でも珍しく、耳鼻科の急性期病棟にて頭頚部領域の疾患も取り扱っており、両方の領域において外科手術の実績も多いと存じ上げております。
貴院でさらに耳鼻・頭頚部領域の知識と技術を身に付け、高度な専門知識を持つ看護師に成長していきたいと考えて、志望致しました。
より看護師としての価値を高めたい、成長したいと希望して転職する人もいるでしょう。 今までの経験を踏まえ、志望先でどこを伸ばしていきたいのかを具体的に書くようにします。
未経験分野への転職
看護師として未経験の施設・診療科へ転職する場合の志望動機の例文は、以下のとおりです。
私が貴院を志望した理由は、精神疾患のある患者様を支える看護ケアを行いたいと思ったからです。
前職は消化器外科と呼吸器内科の病棟で合わせて5年間勤務しておりました。以前、肺がんの化学療法目的に、パニック障害と適応障害がある患者様が入院してこられました。患者様は治療に対する不安から興奮状態や不眠が続いており、私は服薬加療以外に患者様にできることはないかと考えました。そこで、毎日定期的に訪問し、不安な気持ちを聞いたり、こちらから日常のことをお話ししたりしていくと、患者様の精神状態が安定し、表情が和らいでいくのを実感できました。そのとき、精神疾患のある患者様のサポートに携わる楽しさを知り、より深く携わる場所で活躍したいという思いが芽生えてきました。
精神科や心療内科での勤務経験はありませんが、私自身の看護の理念である「患者様に寄り添い支えていく看護」を、貴院でのケアをとおして体現したいと考えております。
未経験分野に転職する場合は、なぜその分野で働きたいのか、理由となるエピソードをしっかり書くようにしましょう。未経験ながら頑張りたいという熱意も入れると、より魅力的な志望動機になります。
ライフステージの変化による転職
ライフステージの変化により看護師として転職する場合の志望動機の例文は、以下のとおりです。
子どもが社会人になったことを機に、高齢の両親が住む地元に移住することになりました。今までは総合病院の心臓血管内科、眼科、緩和ケア病棟などに勤務した経験があります。キャリアを活かして看護師の仕事を続けられる職場を探していたところ、地域のかかりつけ医として、外来診療と緩和ケア中心の往診を行っている貴院に非常に魅力を感じました。これまでの経験を活かしつつ、地域に根差した看護を提供したいという私自身の看護の信念と通ずるものを感じており、ぜひ貴院で成長させていただきたいと考え、志望致しました。
看護師としてのキャリアやスキルをある程度重ねていたとしても、今後も成長していきたいという熱意を盛り込むと、好印象を与える志望動機になります。
看護師が面接で志望動機を話すときの注意点
志望動機は履歴書に書いて完了ではなく、面接でも真っ先に聞かれる項目です。面接で志望動機を話すときは、どのようなことに気を付ければ良いのかみていきましょう。
履歴書と一貫性のある内容を1~2分で話す
面接で志望動機を話すときは、履歴書に記載した内容をもとに話しましょう。履歴書と違う内容を話すと、「一貫性がない」と思われる恐れがあります。面接官は履歴書に書いてある内容を詳しく聞きたいという意図で質問しますので、履歴書の内容を掘り下げて話すようにしましょう。
とはいえ、話が長いと聞いているほうからは「何が言いたいのかわからない」と思われることもありますので、1~2分で話せるよう練習しておくのをおすすめします。
話すときも3部構成を意識する
話すときは結論・理由・展望の順番で、3部構成を意識しましょう。最初に志望した理由を一言で述べ、具体的なエピソードを交えながら話します。最後に入職したらどのように活躍したいのか、展望を付け加えると話がまとまるでしょう。
構成を分けて話すことで、聞く方も要点を整理できます。また、面接官から「はい」か「いいえ」で答えられない質問を投げかけられたときは、「分かりやすく話ができるか」というコミュニケーション能力もみられていますので、順序立てて伝えられるようにしましょう。
看護師の志望動機のポイントを押さえて転職を成功させよう
- 看護師の志望動機は前向きな表現を心掛け、エピソードや志望先に特化した内容を入れる
- 看護師の志望動機には給与や立地に惹かれた点などは入れないほうが良い
- 看護師の面接での志望動機は、3部構成で履歴書を掘り下げた内容を1~2分で話す
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