豆知識
SOAPの書き方が知りたい!項目別の注意点や例文を紹介
a year ago

「SOAPの書き方がわからない…」と思っている方もいるのではないでしょうか。SOAPとはカルテ記載方式の一種で、多くの医療機関で採用されている方式です。この記事ではSOAPの書き方について、例文を交えながら注意点などを紹介しています。それぞれの項目を理解して、記録記載を正しく行うための参考にしてください。
SOAPとは?
SOAPとは、医療機関や介護施設でカルテを記載するときの、記入方式の一種を指します。SOAP方式を採用している医療機関では、医師や看護師など患者と接する機会のある職員であれば、SOAP方式でカルテ記載するよう統一されていることが多いようです。SOAPを「エスオーエーピー」と読むことは誤りではありませんが、一般的には「ソープ」と読みます。
SOAPが採用される理由は、書き方を統一することで誰でも書きやすい・読みやすい診療記録が作れるからです。書きやすい・読みやすい診療記録を残すことで、職員間のスムーズな情報共有や患者への適切な医療提供に繋がります。
なお、SOAPは略語で、SOAPを構成する4要素の頭文字です。それぞれの意味や、どのような情報を指すのかについては、以下で紹介します。
S(Subjective)
SはSubjectiveで、主観的情報・主訴のことです。患者が発した情報を指し、診察・ケアの中で得られた患者の発言や、「痛みで顔を歪めている」などといった非言語的情報をSの欄に記載します。
O(Objective)
OはObjectiveで、客観的情報のことです。診察や検査によって得られた客観的な情報を記載します。
看護師は患部を見たり触ったりして得られた所見や、測定したバイタル値を記載することが多いでしょう。医師は以上に加えて、血液検査の結果や画像所見をOの欄に記載します。
A(Assessment)
AはAssessmentで、評価のことです。SとOを受けた総合的評価や、医師の診断結果を書きます。以前と比べて患者の状態は回復・維持・悪化しているか、医師へ報告が必要かについて書くことが多いでしょう。
P(Plan)
PはPlanで、計画のことです。Aに基づいて決定した治療方針・内容や、本人への指導内容を書きます。「計画」と聞くと、今後の長期的な方針を書くと思われがちですが、Aを受けて直近で実施が必要な処置や、すぐに変更した看護計画の内容も記載するのが特徴です。
SOAPの書き方を例文を交えて紹介!
実際、どのようにSOAPの項目を振り分けて記録を書いていけばよいのか、例を交えて書き方をみていきましょう。
患者にケアを行って得た情報を洗い出す
患者の病室に訪問し、処置を行って得られた情報は、一旦すべて洗い出してみるのがおすすめです。SOAP形式で記録を書くのに慣れている方は、情報を思い出しながら自然とどの情報がどの項目にあたるのか振り分けながら書き進められるでしょう。
しかし、SOAPに慣れていない方にとって、いきなり情報を4つに分けるのは難しいものです。情報の記載漏れの恐れもあるため、慣れないうちは情報を揃えてから分類するようにしましょう。
今回は、虫垂炎で緊急入院し、同日に虫垂切除術を受けて術後3日目となる84歳男性患者の病室へ、朝、看護師が訪問したときに得られた情報を例としてあげています。どの情報がSOAPの項目に当てはまるか、考えながらご覧ください。
- 朝9時過ぎに訪問
- 訪問時は、上半身を起こした状態でベッド上におり、腹部をさすっていた
- 訪問時の患者の発言「昨日はよく眠れました。でもなんかちょっと寒くてね。おなかは相変わらず張ってる気がするよ。さすってるんだけどね、トイレに行っても出ないね。」
- 腹部を触ると張っている印象で、聴診器をあてても腸蠕動音がないため、腹部マッサージを行ったところ、腸蠕動音1回/分認めた
- 昨日の夜よりマグミット錠200mg(便秘薬)が追加になっているので、便秘に関してはまだ様子をみてよさそう
- 水分不足だと便秘が加速しやすいので、喉が渇かなくても1時間に1回くらいは少しでいいので水を飲むよう告げると、「わかったよ、水を飲むようにするね」との返答
- 熱を測ると体温 37.5℃で患者は院内着の上から上着を羽織っていた
- いつから寒いか尋ねると「昨日の夜ではないね。朝食を食べてるときくらいに寒いなーと思って、さっき上着を着たのよ。」とのこと
- 術後の創を見ると感染兆候も認められず、熱感もない
- 創部は起床時でガーゼ交換したばかりとのことで浸出液もほぼない
- 感染ではないと思うが解熱剤があった方が良さそうなので、主治医のA先生に相談して指示を仰ぐことにした
- SpO2は98.9%、脈拍は80、血圧は124/81mmHg
一度訪問してケアするだけでも、これほどの情報が得られることが分かります。次項では、これらをSOAP形式に落とし込んでいきましょう。
情報をSOAP形式に落とし込む
上記の情報をSOAPに分けられたら、記録記載に適した文言に変えていきます。実際のカルテも4つの欄に分かれていることが多いため、ここでも記録を4つに分けて表にしました。
S | (訪問時、ベッドに座位をとり下腹部を衣類の上からさすっている) 昨日はよく眠れました。でもなんかちょっと寒くてね。おなかは相変わらず張ってる気がするよ。さすってるんだけどね、トイレに行っても出ないね。 (飲水を促すと)わかったよ、水を飲むようにするね。 (いつから寒いか尋ねると)昨日の夜ではないね。朝食を食べてるときくらいに寒いなーと思って、さっき上着を着たのよ。 |
O | 9:10訪問 体温 37.5℃、SpO2 98.9%、脈拍80、血圧124/81mmHg 腹部:膨満感あり、腸蠕動音なし→腹部マッサージ後、腸蠕動音1回/分 水分摂取について本人へ、喉が渇かなくても1時間に1回程度は少量でよいので水を飲むよう指導実施。 創部:熱感・浸出液なし |
A | 創部np※ 腹部は腹部マッサージにより腸蠕動やや改善あり 熱発はA医師へ報告、診察依頼した |
P | 創部は引き続き経過観察 腹部症状には飲水を促しながら、腹部マッサージも取り入れていく 熱発には対してはA医師の指示を待つ |
※np…「no problem」の略で問題なし、異常所見なしの意味
前項のように箇条書きするよりも、記録が読みやすくなったことが分かります。
記載例には訪問時間を書きましたが、実際にはSOAPとは別に記録の日時を書く欄があることが多いようです。その際はSOAP内には日時を書かず、日時を書く欄に病室に訪問した時間を書くのが一般的となっています。
また、記載する項目や使用される表現、記載してよい略語については、施設により細かいルールが異なります。
SOAPの項目別注意点
SOAP形式の記録を書くにあたって、ケア中に得た情報を4種類に振り分けるだけでなく、各項目に注意点があります。項目別の注意点も確認しておきましょう。
S(Subjective)
Sの主観的情報を書くにあたって、注意したい点は以下の2点です。
- 患者の発言をそのまま書くようにする
- 患者の発言を受けて看護師が解釈したことは書かない
患者の発言は、聞いたことをそのまま書くようにします。こちらで勝手に敬語にするなど、言葉尻を変更しないようにしましょう。医療機関によっては要約もNGとなっており、診療に直接関係ない内容を含め、発言内容をすべて書くというルールにしている施設もあります。
また、患者の発言を受けて、看護師自身が思った解釈はSには書けません。看護師の解釈は「評価」になりますので、必要があればAの欄に書きます。
O(Objective)
Oの客観的情報を書く際に注意したい点は、以下のとおりです。
- バイタルサインなど数値で表せるものは数値を書く
- 具体的な介入を行った際は前後の結果・状態を書く
- 症状は一般的な医療用語を使用する
- 検査結果や状態を受けて看護師が解釈したことは書かない
バイタルサインをはじめとした数値で表せる情報は、数値で書くようにします。便の色・形状など数値で表せないものは、スケールを用いると分かりやすいでしょう。改善・悪化や正常・微弱といった文言で表現してしまうと、「客観的情報」ではなく「評価」になってしまうので、Oの欄では結果のみに言及します。看護師の解釈についても同様です。
また、詳しい状態や症状を記載する場合は、医療用語を使用するほうが正確に情報が残せます。せきは湿性咳嗽または乾性咳嗽、ほてっている様子は紅潮・熱感あり、というように、正しい表現がすぐ出てくるようにしておきましょう。
A(Assessment)
Aの評価を書くときの注意点は、以下のようなものがあります。
- SとOに書いてあるデータを根拠に評価を書く
- 看護計画に関する項目がSとOに含まれていた場合、目標の達成度や目標を達成できた・できなかった要因を書く
- 看護師の感想を書かない
- 医師の診断・指示となりうる内容は書かない
Aに記載する評価は、SとOに書いてあるデータが根拠となっているのが前提です。前述の例文であれば、創部の状況・腹部症状・熱発に対する根拠が、必ずSとOに記載されていなければなりません。逆に、Aにある評価の根拠がSかOに見当たらない場合は、情報を書きそびれている可能性があります。
内容においては、看護師の感想となる文言や、医師の診断・指示となりうる内容は書かないようにしましょう。感想と捉えられてしまう文言は、「~と思う」「~な気がする」といった表現です。「~と考える」「~なことがうかがえる」といった適切な表現を使いましょう。そして評価にあたり、投薬の必要性や症状から考えられる病名などを判断できるのは、医師のみです。看護師の職務権限を超えた判断になってしまいますので、記載できません
また、看護計画に関する評価を記載する場合は、達成度や現状の要因を書いて、今後のケアや分析に繋げられるようにしましょう。新たに看護計画を立案する必要がある場合は、これもAに記載します。
P(Plan)
Pの計画を書くときは、以下の3点に気をつけましょう。
- 今後の治療・ケア計画について具体的に記載する
- 看護計画に関わる項目であれば、看護計画の追加・修正を記載する
- 医師の指示となりうる内容は書かない
Pもほかの項目と同様に、今後の計画について具体的に、詳しく記載します。Aを受けて、実際に看護計画を変更する場合は、変更後の計画をPに記載しましょう。
また、こちらも「補液投与する」「抗生剤投与」とだけ書くなど、医師が判断する内容は書きません。患者の症状に対して即時に医師と連携でき、その場で服薬や点滴ができた場合は、Oに記載するのが正しい判断です。
SOAPの書き方を身に付けて正しい記録記載を心がけよう
- SOAPは医療機関などで診療記録を記載する方式の一種
- SOAPの書き方は、主訴・客観的情報・評価・計画に情報を分けて記載する
- SOAP方式で記載するときは、情報をより詳しく、正しい項目に書くことが大切
関連記事

NEW
慢性期看護とは?特徴や看護師の役割・大切なことを紹介

NEW
イベントナースとは?仕事内容や働き方、求められるスキルを紹介

NEW
看護師の魅力とは?やりがいを感じるときや大変なことも紹介
おすすめ記事
人気のエリアから求人を探す
看護師の求人を都道府県・主要都市から探す