仕事内容・働き方

准看護師と看護師の違いとは?できないことや資格、給料を解説!

正看護師准看護師3 months ago

「准看護師と看護師の違いは何?」そのように思う方もいるでしょう。准看護師と看護師は仕事内容は似ているものの、資格や業務範囲などが異なります。
この記事では、准看護師と看護師の違いについて紹介しています。そもそも准看護師とはどのような職種なのかの解説や気になる給料の違い、准看護師から看護師になる方法も説明していますので、ぜひ参考にしてください。

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准看護師とは

准看護師とは、病院や診療所、介護施設などで医師の診療補助や療養上の世話を行う医療従事者のことです。

准看護師になるには、都道府県知事が主催する准看護師試験に合格して、免許を得なければなりません。一般的に看護師と呼ばれる「正看護師」とは区別されていますが、仕事内容はほぼ同じで、判断の可否や指示元が異なっています。

厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、2022年末時点で、就業中の准看護師は全国に25万4,329人いるという調査結果でした。なお、同調査によると、就業中の看護師は131万1,687人となっています。

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准看護師と看護師の違いとは?

准看護師と看護師(正看護師)にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは資格や仕事内容、勤務先といった項目別に違いを解説していきます。

資格

准看護師と看護師の資格は、保健師助産師看護師法にて定義されています。

看護師(正看護師)についての定義が記載されているのは、第五条です。看護師は厚生労働大臣から免許を受けることと、傷病者・褥婦に対する療養上の世話や診療の補助を行うことと記載されています。

准看護師について定義されているのは、第六条です。准看護師は都道府県知事から免許を受けることと、医師や歯科医師、看護師の指示を受けて、前条である第五条に規定する業務を行うことと記載されています。

看護師は厚生労働大臣から免許を受ける資格で、国の法律に基づいた国家資格となります。受験する試験も「国家試験」です。一方、准看護師は都道府県知事が認定する資格で、国家資格ではありません。

資格取得までの流れ

准看護師と看護師は資格自体だけでなく、受験資格を得るまでの流れも異なります。

一般社団法人日本准看護師連絡協議会「准看護師になるため知っておきたいこと」によると、准看護師は最終学歴が中卒以上の方であれば、資格取得に向けて学習をスタートすることが可能です。

中卒以上の方が准看護師養成学校(年限2年)にて、必要な単位を取得すれば受験資格が得られる仕組みになっています。また、中学卒業時点で准看護師を目指す方は、高校の衛生看護科で3年課程を修了するコースでも受験資格を取得可能です。

看護師を目指す場合は、高卒以上の最終学歴が必要になります。必要なカリキュラムを履修できる学校は、看護系短大なら3年、専門学校なら3年か4年、大学看護学科なら4年と、学校により必要な年数はさまざまです。高校進学時に、5年一貫看護師養成指定校に入る選択肢もあります。

准看護師の資格を取得している人が看護師の資格取得を目指す場合の流れについては、この記事の最後で紹介しますので、そちらもぜひご覧ください。

仕事内容

准看護師と看護師は、できる仕事内容に大きく違いはありません。准看護師と看護師の主な仕事内容は以下のとおりです。

  • 診察・手術補助
  • バイタルチェック、注射・点滴・採血といった看護手技
  • 入浴・排泄・食事介助や清拭・移乗といった療養上の世話
  • 看護記録の記載

准看護師と看護師のの違いは、「業務上で自己判断ができるかどうか」です。正看護師は患者の状態を把握し、自己判断で処置することもあります。一方、準看護師は保健師助産師看護師法第六条にもあるとおり、医師・歯科医師、看護師の指示を受けて業務を行わなければなりません。

勤務先

准看護師は仕事上できないこともありますが、勤務できる職場に制限はなく、准看護師と看護師の職場はあまり違いがありません。
ただし、人手が少なくて単独の判断を迫られることも多い夜勤のある職場や、看護職員1名で対応を求められる一般企業の医務室などは、正看護師のほうが多いようです。

厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、2022年末時点で准看護師の就業が多い職場は、1位が病院で准看護師全体の36.6%、2位が診療所で31.5%、3位が介護保険施設等で24.2%でした。

看護師の就業が多い職場も、上位3施設の種類と順番は准看護師と同じですが、割合が大きく異なる結果となっています。1位の病院が70.9%、2位の診療所が12.0%、3位の介護保険施設等が7.0%と、病院に勤める看護師が7割以上という結果でした。

看護師に比べて、准看護師が診療所に勤める割合が多い理由としては、診療所は常に医師が近くにいてすぐに指示を仰ぎやすく、准看護師が活躍しやすい環境であるからだと考えられます。

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准看護師ができないこと

准看護師ができないこととして、以下の4点が挙げられます。

  • 看護業務において自己判断すること
  • ほかの看護師・准看護師への指示
  • 看護計画の立案
  • 主任・看護師長といった管理職への昇進

准看護師は単独で判断できないため、ほかの看護師や准看護師へ指示ができません。そのため、取りまとめや教育をする立場である管理職への昇進はできないことになっています。

また、病棟看護師は患者が入院してきたら看護計画を立案し、患者のケアの方針などを取りまとめた入院看護計画書を作成して患者に説明・交付します。看護師は履修するカリキュラムのなかで看護計画の立案について学びますが、准看護師には看護計画に関する科目がないため、看護計画立案・説明ができません。

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准看護師と看護師の給料の違い

e-Stat 政府統計の総合窓口「令和4年賃金構造基本統計調査」(企業規模計10人以上)によると、准看護師と看護師の給料の違いは以下のとおりです。

看護師 准看護師
決まって支給する現金給与額 35万1,600円 29万6,200円
年間賞与その他特別給与額 86万2,100円 62万7,300円

引用:e-Stat 政府統計の総合窓口「令和4年賃金構造基本統計調査」

年収を「決まって支給する現金給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給与額」で計算した場合、看護師の年収は508万1,300円、准看護師の年収は418万1,700円となります。
その年収差は約90万円となっており、国家資格である看護師のほうが准看護師より給与が高いことがわかります。

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准看護師から看護師になるには

給与面や業務権限において看護師と差がある准看護師ですが、看護師へステップアップするための道が用意されています。

公益社団法人日本看護協会「准看護師が看護師資格を取得するには?」によると、准看護師の実務経験が3年以上ある方は、看護専門学校に2年以上(定時制であれば3年以上)通うことで、看護師国家試験の受験資格が得られます。定時制は昼間制と夜間制があり、自分に合ったスタイルの学校で学習を進めることが可能です。

なお、准看護師の実務経験が7年以上あれば、通信制(2年課程)の学校も選べます。通信制では主に自宅で学習を進められるため、働きながら看護師を目指したい方も勉強と仕事を両立してステップアップが図れるでしょう。

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准看護師と看護師は資格や業務範囲などに違いがある

  • 准看護師は医師の診察補助や患者の療養上の世話を行う医療従事者
  • 准看護師は都道府県知事が発行する資格で、看護師は厚生労働大臣認定の国家資格
  • 准看護師は看護師と違い業務上で自己判断ができず、医師や看護師からの指示が必要
  • 准看護師としての実務経験があれば看護師へのステップアップを目指せる

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