働き方・お悩み
看護師に必要なコミュニケーションスキルを習得!ポイントを紹介
10 months ago
「患者とのコミュニケーションでは何に気をつければいい?」そのように悩む方もいるでしょう。この記事では、看護師に必要なコミュニケーションスキルを上げるにはどうすれば良いのかについて紹介しています。仕事でコミュニケーションを取るときに大切なことについても、患者と医療従事者で対象別に説明していますので、ぜひ参考にしてください。
看護師にコミュニケーションスキルはなぜ必要?
看護師にコミュニケーションスキルが必要な理由は、大きく分けて2つあります。患者へ適切なケアを提供し、信頼関係を築くためと、スタッフ間で情報共有を行ってミス防止や不測の事態に対応するためです。
患者の中には、病気や治療に不安を感じている方も多くいます。そこで看護師と良好なコミュニケーションが取れると、安心して治療や看護ケアを受けられるでしょう。
職員間では、コミュニケーションを密に取ることでミスや事故を防げます。連絡不足や、聞き間違い・思い違いといったコミュニケーションエラーはミスを招き、インシデントや重大な医療事故につながることも。綿密なコミュニケーションはミスを防ぐだけでなく、職場の雰囲気を良くして働きやすい人間関係を作ることにも一役買っています。
看護師と患者とのコミュニケーションで大切なこと
看護師が患者のケアをするうえで、どのような点に気をつけてコミュニケーションを取るのが良いのでしょうか。
表情と話を聞く態度に気をつける
患者とコミュニケーションを取るときは、発言内容だけでなく表情と態度にも気をつけましょう。言葉以外のコミュニケーションから、患者は看護師から話しやすさや頼りやすさを感じ、安心してケアを受けられます。忙しいときでも笑顔で対応し、「時間がない」という気持ちを態度に出さないことが必要です。また、話を聞くときは「ながら聞き」はできるだけしないようにし、手を止めて話を聞くようにしましょう。
看護師の仕事は多忙なため、仕事中にせかせか、ピリピリしてしまう人もいるでしょう。看護師が話しかけにくい雰囲気を出していると、患者は看護師に話したり頼ったりしにくくなり、看護師は患者の些細な変化を見逃してしまうことも。話しかけやすい雰囲気作りもコミュニケーションにおいて重要なポイントです。
傾聴しながら共感を取り入れる
看護師は、自分が話すことよりも、患者の話を聞くことを優先するのが非常に重要です。こちらが話すときは、患者の話を最後まで聞いてからにしましょう。患者は病気や今後の治療に不安を持つ人が多く、自分の気持ちを吐き出したいという方もいます。話を聞いてもらえるだけで気が楽になり、前向きに治療に臨めることもあるでしょう。
また、適度に相槌を打ったり、「そうなんですね」「お辛いですよね」と声掛けをしたりと、傾聴の中に共感の要素を交えるのも効果的です。共感の気持ちを見せることで、患者は「自分を理解してくれている」という安心感を得られ、信頼関係の構築にもつながります。
正しい敬語・言葉遣いで話す
「患者と早く信頼関係を築きたいから」と、馴れ馴れしく接することは避けましょう。「馴れ馴れしさ」と「フランクさ」は異なり、患者との距離を縮めようとしてため口を使うのは良くありません。看護師が患者と話すときは敬語を使いましょう。小さな子ども相手であれば敬語を使わなくても良いですが、そうでない限りは失礼に当たります。
また、正しく敬語が使えていても、「そうっすね」「〇〇っすか?」と語尾が砕けた表現を使う人もいます。このような表現も患者へのコミュニケーションとしては不適切ですので、普段から口癖になっている人は気をつけましょう。
医療従事者間でコミュニケーションを取るときに大切なこと
看護師が医療従事者間でコミュニケーションを取るときに大切なことは、患者に対するコミュニケーションの場合と少しポイントが異なります。どのようなことに気をつけるべきか、みていきましょう。
わからない・できないことは正直に申告する
仕事上でわからない・できないことを任されたときは、正直に申告することが大切です。医療現場では、経験のない症例、習熟度の低い手技を行う機会もあります。看護師はチームで動くことが多いため、多忙なときに同僚から仕事を引き受けることもあるでしょう。また、本来はあってはなりませんが、「ここの病棟ではこの方法と決まっている」というようなローカルルールを適用した指示が来たり、忙しいからと不完全な情報のみで指示が出されたりすることも。
自分のスキルのレベルやキャパシティを超えた仕事を引き受けてしまうと、仕事の漏れやミスにつながります。何にでも挑戦することは良いことですが、わからないことを誰にも確認せずに誤った解釈で行動してしまうと、インシデントや医療事故につながることもあるでしょう。
とはいえ、何でもすべて「わからない」「できない」と答えていると、やる気がないと誤解される恐れもあります。わからない・できないことを伝えるときは、「この仕事まではできる」「この手技だけはやったことがない」など、範囲を明確に伝えるのがおすすめです。
説明や報告は結論から話す
伝達ミスやコミュニケーションエラーを防ぐには、最初に結論から話し、そのあと説明を付け加えるようにしましょう。忙しいときに説明や報告を行う際、時系列に忠実に話していると「何が言いたいの?」と思われてしまうこともあります。できるだけ短く、わかりやすく話すのがポイントです。
意見や助言を押し付けない
特にベテラン看護師に多い注意点ですが、相手の意図を理解し、自分の経験や知識から得られる考えを同僚に押し付けないようにしましょう。
医療現場には職種や経験年数、在籍してきた施設などが異なる、さまざまなスタッフが働いています。その個人個人に違った考え方があり、患者対応にも違いが出るのは当然です。看護師の仕事は人を相手にする仕事のため、中には必ずしも正解がない対応もあります。自分が教える立場の場合でも同僚の意見を尊重し、押し付けではなく別の選択肢として自分の意見を提案するのが良好なコミュニケーションを行うポイントです。
看護師がコミュニケーションスキルを上げるには?
最後に、看護師がコミュニケーションのスキルを上げるにはどうするのが良いのかを紹介します。患者、スタッフ関係なく誰にでも適応できるものとなっていますので、ぜひ参考にしてください。
まずは挨拶をしっかり行う
どの職種でも日常的に挨拶をすることは当たり前ですが、重要なことです。患者や同僚、立ち入り業者など分け隔てなく、挨拶は笑顔でしっかり行いましょう。挨拶がきちんとできるだけで相手に好印象を与えられ、良好なコミュニケーションの第一歩となります。
「報連相」を忘れずに行う
「報連相」は報告・連絡・相談の略としてビジネスシーンで良く知られている言葉で、迅速な情報共有が大切な医療現場にも重要事項としてあてはまるものです。
患者の命を預かる看護師は、普段から単独で判断するのが危険となることもあります。起きたことはペアや先輩看護師へまずは「報告」しましょう。その後、関係するほかのメンバーへ報告者か報告を受けた人が「連絡」します。そして、今後の対応について「相談」するというのが一連の流れです。
対応に急を要し、事前に報告・連絡出来なかったとしても、事後報告は必ず行いましょう。患者に対する事象であれば、カルテへの記載も忘れずに行ってください。
真っ先に否定言葉を使わない
コミュニケーションを取るうえで、会話の最初に「でも」「しかし」といった否定言葉を使わないようにしましょう。
例えば、「改善を感じないからリハビリに行きたくない」と言っている患者がいたとします。行きたくないという患者に対し、「でも、時間だから行かないといけません。リハビリは続けることで少しずつ効果が出てきますよ。」と声をかける場合と、「そうですよね、結果がついてこないとリハビリも行きたくないですよね。でも、リハビリは続けることで少しずつ効果が出てきますよ。今日も少しだけ頑張ってみませんか?」と声をかける場合では、どちらの方が印象がよいかは一目瞭然です。
誰でも自分の言葉を否定されると、いい気持ちはしないもの。否定的な意見を言わないといけないときは、まず傾聴・共感の姿勢を見せたあと、意見を言うようにします。患者に対してだけでなく、同僚へのコミュニケーションでも否定から入らないように気をつけてみるのがおすすめです。
コミュニケーションスキルの高い看護師になろう
- 看護師にコミュニケーションが必要なのは患者との信頼関係やミスのない職場を作るため
- 看護師と患者とのコミュニケーションで大切なことは、表情や傾聴・共感の姿勢など
- 医療従事者間のコミュニケーションでは結論から話すことを心がけよう
- 看護師がコミュニケーションスキルを上げるには挨拶と「報連相」をしっかり行おう
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