仕事内容・働き方

訪問看護ステーションとは?事業所の特徴や1日の流れを紹介!

正看護師9 months ago

「訪問看護ステーションはどのようなサービスを行っているの?」このような疑問を持つ方もいるでしょう。訪問看護ステーションは、高齢者や障がいのある方の自宅に訪問し、看護やリハビリなどを行うスタッフが勤務する事業所です。この記事では、訪問看護ステーションの特徴や仕事内容、1日の流れについて解説しています。訪問看護ステーションで働くのに向いている人の特徴にも触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。

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訪問看護ステーションとは

訪問看護ステーションとは、「訪問看護」を行う看護職員などが所属する事業所です。訪問看護ステーションに所属する看護職員やリハビリ職員は、事務所を拠点に高齢者や障がいのある方、医療的ケア児の自宅・施設に出向きます。身体介護や生活援助を行う訪問介護とは異なり、訪問看護で行われるのは医療行為や看護的ケア、リハビリです。
 一般社団法人全国訪問看護事業協会「令和5年度訪問看護ステーション数調査結果」によると、2023年4月1日時点で国内に15,697件の訪問看護ステーションがあり、その数は年々増加傾向となっています。

事業所の特徴

厚生労働省「平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成29年度調査)(5)訪問介護のサービス提供の在り方に関する調査研究事業報告書」によると、2017年時点で訪問看護ステーションの看護職員数(常勤換算数)は、2.5~3.0人未満の施設が10.1%、3.0~5.0人未満が最も多く32.6%、5.0~7.0人未満が22.2%となっています。ここまでで全体の6割以上を占めており、少人数で運営している事業所が多いようです。
また、同調査によると訪問看護ステーションにおけるリハビリ職員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)の有無は、有が52.7%、無が44.8%でした。リハビリ職員を有する訪問看護ステーションは全体の半数ほどですが、リハビリ職員の数は年々増えているようです。

人員配置

厚生労働省「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について」 によると、訪問看護ステーションの人員配置について以下のように規定されています。

  • 保健師、看護師または准看護師(看護職員)は常勤換算で2.5以上となる員数、うち1名は常勤
  • 理学療法士、作業療法士または言語聴覚士は指定訪問看護ステーションの実情に応じた適当数
  • 保健師または看護師であり、適切なサービス提供を行うために必要な知識・技能を有する管理者を1名以上配置していること

引用:厚生労働省「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について」より一部加工して引用

なお、管理者は管理上支障がない場合、訪問看護ステーションのほかの職務や、同一敷地内にあるほかの事業所・施設などの職務に従事してよいとされています。

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訪問看護ステーションの役割

昨今は高齢化に伴い、住み慣れた地域や自宅で最期まで自分らしく過ごすために、医療・介護・予防医学・生活支援が連携し、地域全体でサービスを展開するという「地域包括ケアシステム」が推進されています。
地域包括ケアシステムにおける訪問看護ステーションの役割は、在宅医療・看護を担うことです。医療機関や介護施設とも連携しながら、在宅療養からターミナルケアまでを担当する事業所として地域社会に貢献しています。

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訪問看護ステーションで働く職種

訪問看護ステーションで働く職種には、看護職員とリハビリ職員、事務職員、施設管理者などがいます。看護職員は看護師や准看護師、保健師を指し、医療行為や看護ケアが仕事です。リハビリ職員は理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ行為を行う職員を指します。施設管理者や事務職員に関しては、看護職員やリハビリ職員が兼務していることもあるようです。

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訪問看護ステーションでの仕事内容

訪問看護ステーションで働く看護職員やリハビリ職員は、利用者の主治医が作成した「訪問看護指示書」に基づいてケアやリハビリを行うのが主な仕事です。具体的な仕事内容は以下のとおりとなっています。

仕事内容
詳細
体調チェック 問診やバイタルチェックで体調に変化がないかチェックし、必要に応じて助言を行う
医療的処置 訪問看護指示書に従って、点滴・インスリン注射やカテーテル・ストーマ管理などを行う
褥瘡管理 褥瘡の処置・予防やリスク評価、家族への指導を行う
認知症と精神疾患のケア 服薬管理や生活環境の整備、家族へ対応方法の助言を行う
在宅療養上の管理 家族や在宅介護の関係者と、食事・排泄・呼吸管理や口腔ケア、栄養管理などを行う
家族への支援・相談対応 在宅看護に関して困りごとや分からないことを聞き、アドバイスや必要な支援を行う
医療機器の管理と指導 医療機器の専門業者と連携して、機器の管理と、吸引器・吸入器・酸素ボンベ・人工呼吸器などの使用法を指導する
リハビリテーション リハビリ職員が主導し、身体機能や嚥下機能の回復、拘縮や廃用症候群の予防を目的としたリハビリを行う
ターミナルケア 在宅での看取り・エンゼルケアや家族の精神的なケアを行う
訪問看護報告書の作成、カルテ記載 事業所に戻ってから、訪問看護指示書どおりに看護を行った記録として、訪問看護報告書の作成や、カルテの記載を行う

訪問看護ステーションが行う業務は看護業務がほとんどを占めるため、ほとんどの訪問先に看護職員が訪れます。ただし、提供するサービスにおいてリハビリが中心になる場合は、リハビリ職員が看護職員の代わりに訪問する仕組みです。リハビリが必要な場合は、看護職員の代わりにリハビリ職員が訪問することを事前に利用者に説明し、訪問看護計画書にサインをもらってから訪問を行っています。

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訪問看護ステーションでの1日の流れ

訪問看護ステーションにおける看護職員・リハビリ職員の1日の流れは以下のとおりです。

時間
スケジュール
詳細
9:00 出勤
ミーティング
・出勤後は留守電やメールを確認する
・ミーティングでは情報共有や連絡事項の確認を行う
9:30 利用者宅訪問 ・自転車や自動車で利用者宅を訪問する
・1件あたりの訪問時間は30~90分ほど
・午前中は1~2件訪問することが多い
12:00 昼食 ・ステーションに戻り昼食をとる
・訪問先に近い出先で昼食をとることも
13:00 利用者宅訪問
カンファレンス
・午後からは2~3件訪問することが多い
・訪問を早めに終わらせてカンファレンスを行う日もある
16:30 ステーションに戻る ・カルテや訪問看護報告書の記載を行う
17:00 退勤 ・カルテ記載などが完了したら退勤

多くの事業所では事業所に出勤してから訪問に行き、昼食やその日の訪問が終わったら事業所に戻って退勤となる形式が多いようです。事業所の規定や勤務形態によっては、利用者宅からの直行直帰が許可されている場合もあります。

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訪問看護ステーションで働くメリット・デメリット

訪問看護ステーションで働くメリットは、利用者と1対1でじっくり向き合いながら、訪問看護の知識やスキルが身につけられることです。病院のように一度に数人の看護を担当するのではなく、利用者宅にいる時間は1人の利用者に向き合ってケアができます。利用が長期になる利用者が多く、利用者や家族と信頼関係を築きながらケアにあたれるのは訪問看護ならではです。そこで求められる知識やスキルは、医療機関で求められるものと異なる部分もあります。訪問看護の知識だけでなく、対応力や判断力といったスキルが身につくのも大きなメリットです。
また、訪問看護は基本的に夜勤がないため、生活リズムを崩しにくい点も魅力的なポイントといえるでしょう。

デメリットとしては、訪問時はほぼ1人で対応しなければならず、責任と事故リスクがあることや、悪天候時は移動が大変なことがある点が挙げられます。訪問看護では、新人を除いて2人以上で訪問することはほぼありません。もちろん、訪問先で分からないことや人に聞きたいことがある場合は電話にてほかの職員に確認できますが、基本的には自己判断で行動することになります。そのため、Wチェックがないことによる事故リスクがあったり責任を感じてしまったりして、最初は不安に思う方もいるでしょう。

移動に関しても、利用者宅と事業所間の移動が自転車という場合があります。暑い日や雪の日、雨の日などに自転車で移動するのは、決して楽とは言えません。気になる方は就職する前に、事業所での移動手段について確認してみるのも良いでしょう。

また、基本的に夜勤はないものの、勤務時間外に自宅待機の上、呼び出しがあれば駆けつけるという「オンコール対応」をする場合があります。オンコールは毎日というわけではなく、事業所の看護職員内で当番制になっています。もちろん呼び出しのない日もありますが、いつでもすぐに駆けつけられる体制をとらなければならないため、「オンコールの日は夜中や休日でも気が休まらない」という方もいるようです。

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訪問看護ステーションで働くのに向いている人は?

訪問看護ステーションで働くのに向いている人は、以下のとおりです。

  • 利用者の自宅での生活を支えていきたい人
  • 利用者一人ひとりと向き合いたい人
  • 訪問看護のスキルを身につけたい人

訪問看護ステーションならではのメリットを活かし、利用者一人ひとりの療養生活を支えていきたい人が訪問看護ステーションで働くのに向いています。また、訪問看護のスキルは病院や診療所などほかの医療機関では得られないので、新しいスキルを身につけたい方にも訪問看護ステーションはおすすめです。

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訪問看護ステーションには在宅療養を実現させる役割がある

  • 訪問看護ステーションは訪問看護を行う看護・リハビリ職員などが所属する事業所
  • 訪問看護ステーションは職員が10人以下の比較的小規模な事業所が多い
  • 訪問看護ステーションは在宅ケアにおいて地域包括ケアシステムの一端を担っている
  • 訪問看護ステーションでの勤務は、利用者の自宅での療養生活を支えたい人が向いている

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