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保育の「ねらい」とは?内容や具体例・設定のポイントを紹介

a day ago

「保育の『ねらい』について知りたい」という方もいるのではないでしょうか?保育の「ねらい」とは、保育施設での生活をとおして育みたい資質・能力や心情などを踏まえて、子どもたちが目指す姿の方向性を示したものです。この記事では、保育のねらいの具体例や設定の流れを解説します。保育指導案の構成内容やねらいを設定するときのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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保育の「ねらい」とは?

こども家庭庁「保育所保育指針(p.17)」によると、保育における「ねらい」とは、保育を通じて育みたい資質や能力を、子どもの生活する姿から捉えて具現化したものです。
分かりやすくいうと、保育者が子どもたちに対して「どのような能力を身につけてほしいか」「どのような経験をしてほしいか」といった、保育が目指す方向性を示したものが「ねらい」であると整理できます。

保育所では、保育指針に基づいて園やクラスに合わせたねらいを設定し、具体的な保育・指導の内容を決めるのが一般的です。日々保育所で行われる遊びや活動も、すべて「ねらい」を土台として計画・実施されます。

参考:こども家庭庁「保育」

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保育指導案の構成内容

保育指導案とは、日々の保育を円滑に進めるために作成する指導計画のことです。保育指導案は、主に以下の5つの項目で構成されています。

  • ねらいと内容
  • 予想される子どもの姿
  • 環境構成
  • 保育者の援助・配慮
  • 反省・評価(振り返り)

それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

ねらいと内容

保育所で行う活動をとおして「子どもたちにどのような経験をしてほしいか」というねらいと、「具体的に何をするのか」という内容を設定します。
保育指導案におけるねらいと内容は、保育の方向性を定める重要な項目です。可能な限り具体的にすることで、目の前の子どもたちにより適した保育・指導を行えます。

予想される子どもの姿

予想される子どもの姿の項目には、計画した活動に対して子どもたちがどのように反応し、どのような行動をとることが予測されるかといった事柄を記載します。
この項目を設定するうえでは、日ごろの子どもたちの様子や、興味・関心をもちやすい事柄などを理解し、多角的に見通しを立てておくことが大切です。

環境構成

環境構成とは、子どもたちが安全かつ伸び伸びと活動できるよう、保育の場を整えることです。人・物・空間・時間・自然・社会といった視点から、活動時の環境の整え方を詳しく決めます。
具体的には、机や道具の設置場所や保育者の立ち位置、安全対策などを明確にすることが重要です。保育指導案では、配置図を用いて部屋のレイアウトを整理することもあります。

保育者の援助・配慮

「保育者の援助・配慮」の項目は、保育者の子どもたちとの関わり方やサポート内容を定めたものです。具体的には、活動中にどのような言葉を掛けて子どもたちの意欲を引き出すか、どの範囲を見守るか、子ども同士のトラブルや予期せぬ問題が起きた際にどう動くかといった対応策を記載します。
この項目では、子どもたちが安全に楽しく活動に取り組める環境をつくるために、保育者が行うべき対応・行動を明確にすることが重要です。

反省・評価(振り返り)

保育指導案は、活動終了後に実際の内容を振り返り、その結果を記載することで一連の計画が完了します。反省・評価では、子どもたちの様子や保育者の動きを細かく振り返り、課題や改善すべき点がなかったか客観的に検討することが大切です。
そして、次回以降の指導案作成の際には、過去の指導案の「反省・評価(振り返り)」を踏まえて、より質の高い計画へとつなげていきます。

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保育のねらいを設定する流れ

ここからは、実際に「保育のねらい」を設定する流れを見ていきましょう。

「期間」と「年齢」を決める

保育のねらいを設定する際は、まず「期間」と子どもの「年齢」を決めます。保育のねらいを含む保育指導案は、主に「年案」「月案」「週案」「日案」の4つがあり、期間の長さによって定める目標やねらい、内容が異なるのが特徴です。

年案や月案では、時間をかけてじっくりと身につけてほしい資質や、成長の方向性を大まかに定めます。一方、週案や日案では、1日または1週間のうちに経験してほしいことや活動の意図など、より具体的な内容に焦点を当てるのが一般的です。

保育のねらいは、対象となる子どもの年齢や発達段階によって大きく変わります。そのため、保育の期間とあわせて、子どもの成長段階に即したねらいを設定することも重要です。
たとえば、0歳児の保育のねらいの場合、「安心して過ごし、生理的欲求を満たす」や「安定した生活リズムを身につけ、健康に過ごす」といった内容が中心となります。

一方、5歳児の保育のねらいは、「一日の生活の流れを意識して行動する」のように、集団生活の中での主体性や考える力の習得につながる、よりステップアップした内容にする必要があるでしょう。

領域や視点ごとに「ねらい」を設定する

保育指導案の期間と対象となる子どもの年齢が定まったら、次は領域や視点ごとにねらいを設定していきます。
領域とは、保育指針で定められている、保育・教育を行う5つの分野のこと。適用されるのは、1歳以上の子どもの保育が対象です。5つの領域については、「保育の5領域におけるねらいと内容の具体例」の項目で詳しく紹介するので、あわせてご覧ください。

こども家庭庁「保育所保育指針(p.18)」によると、乳児期(0歳児)の保育に対しては、5領域に分化する前の土台として、以下の3つの視点が設けられています。

  • 健やかに伸び伸びと育つ(身体的発達に関する視点)
  • 身近な人と気持ちが通じ合う(社会的発達に関する視点)
  • 身近なものと関わり感性が育つ(精神的発達に関する視点)

乳児期の保育では、体と心の発達を促す働きかけが重要です。そのため、保育所では「周囲へ興味をもち、その気持ちを表そうとする」のようなねらいを設定し、さまざまな経験をとおして成長する様子を総合的に支援します。

参考:こども家庭庁「保育」

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保育の5領域におけるねらいと内容の具体例

国が定める「保育所保育指針」では、領域ごとにねらいが定められています。各園ではこの「保育指針のねらい」に基づき、指導案に記載するねらいを設定するのが基本です。

ここでは、発達や活動をイメージしやすい年齢をピックアップして、領域ごとの具体的なねらい・内容の例を紹介します。

健康

こども家庭庁「保育所保育指針(p.34)」によると、「健康」の領域は、「健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う」ことを目的としています。

5歳児の保育を例とした場合、保育指針における健康領域のねらいと、それをもとにした指導案の例は以下のとおりです。

項目
内容
対象年齢 5歳児
活動内容 かけっこ
保育指針のねらい - 明るく伸び伸びと行動し、充実感を味わう
- 自分の体を十分に動かし、進んで運動しようとする
- 健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する
指導案のねらい - 体のバランスやスピードを調整しながら、最後まで走り切る
- ゴールまでの道のりを見通し、最後まで諦めずに走り切る
- 友達と競い合うことの心地よさを感じる
指導案の内容 - 直線とカーブとで体をコントロールし、転ばないように走る
- ほかの子どもとぶつからないよう、距離やスピードを意識して走る

参考:こども家庭庁「保育所保育指針(p.34)」

5歳児の場合、体も心もある程度成長しているケースが多いと考えられます。そのため、体の育ちと心の育ちの両方に注目するねらいや内容にすると、さらなる成長の見通しが立てやすいでしょう。

人間関係

同資料(p.26)によると、人間関係の領域における目的は「他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育て、人と関わる力を養う」ことです。

2歳児に対する保育のねらい・内容の例を見ていきましょう。

項目
内容
対象年齢 2歳児
活動内容 おもちゃを使ったごっこ遊び
保育指針のねらい - 保育所での生活を楽しみ、身近な人と関わる心地よさを感じる
- 周囲の子ども等への興味や関心が高まり、関わりをもとうとする
- 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりの大切さに気付く
指導案のねらい - 友達や保育者がしていることに興味をもち、同じ空間で簡単なやりとりや模倣をしながら関わろうとする
- おもちゃを使う順番や約束を守って遊ぼうとする
指導案の内容 - 友達のそばに行って同じようにごっこ遊びをする
- おもちゃの貸し借りやごっこ遊びをとおして、「貸して」「どうぞ」などの簡単な会話をする

参考:こども家庭庁「保育所保育指針(p.26)」

2歳ごろになると、周囲へ興味を示す姿が見られるようになります。そのため、「友達や保育者と関わる楽しさを経験すること」や「興味や関心を行動に移すこと」などを、ねらい・内容として設定するのもおすすめです。

環境

同資料(p.28)によると、環境の領域は、「周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う」ことを主たる目的としています。

1歳児の保育におけるねらい・内容は以下のとおりです。

項目
内容
対象年齢 1歳児
活動内容 水・砂・泥遊び
保育指針のねらい - 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ
- 様々なものに関わる中で、発見を楽しんだり、考えたりしようとする
- 見る、聞く、触るなどの経験を通して、感覚の働きを豊かにする
指導案のねらい さまざまな素材に触れることで、触り心地の違いを感じる
指導案の内容 - 水や砂、泥に手や足で触れ、それぞれの感触を試す
- 砂と水を混ぜて泥にしたり、泥をこねたりして遊ぶ

参考:こども家庭庁「保育所保育指針(p.28)」

1歳ごろは、五感を養う重要な時期です。さまざまなものに触れる機会をとおして、新たな発見や興味、感情の変化などを経験できる活動を設けると、子どもたちの豊かな成長を促すきっかけとなるでしょう。

言葉

同資料(p.43)によると、言葉の領域の目的は、「経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う」ことです。

ここでは、3歳児の保育指導案の例を紹介します。

項目
内容
対象年齢 3歳児
活動内容 絵本の読み聞かせ
保育指針のねらい -自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう
- 人の言葉や話などをよく聞き、自分の経験したことや考えたことを話し、伝え合う喜びを味わう
- 日常生活に必要な言葉が分かるようになるとともに、絵本や物語などに親しみ、言葉に対する感覚を豊かにし、保育士等や友達と心を通わせる
指導案のねらい - 物語の登場人物の気持ちを想像したり、感じたことを保育者や友達と伝え合ったりして楽しむ
指導案の内容 - 読み聞かせをじっくり聞き、絵本の世界に入り込んで楽しむ
- 物語の感想を「面白かった」「怖かった」などの簡単な言葉で話したり、友達の感想を聞いたりする

参考:こども家庭庁「保育所保育指針(p.43)」

3歳ごろになると、日常的に使える言葉が増え始める傾向にあります。この段階では、自分の気持ちを正確に言葉にすることよりも、「言葉を交わすことの楽しさ」や「言葉で表現できることの喜び」を感じられる活動やねらいを設定することが重要です。

表現

同資料(p.45)によると、表現の領域の目的は、「感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする」ことと定められています。

ここからは、4歳児の保育を例に、ねらいと内容を見ていきましょう。

項目
内容
対象年齢 4歳児
活動内容 楽器を使った音遊び
保育指針のねらい - いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ
- 感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ
- 生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ
指導案のねらい - 楽器ごとの音色の違いを感じたり、音が出ることや友達と音を合わせて表現することを楽しんだりする
- 周囲の音に耳を傾け、心地よいリズムを合わせていく
指導案の内容 - タンバリンやカスタネットなどの楽器に触れて音を鳴らす
- 保育者の演奏や掛け声に合わせて、タイミングよく楽器を鳴らして楽しむ

参考:こども家庭庁「保育所保育指針(p.45)」

4歳児は、自分の感情や考えを行動に移せるようになり始めます。音楽だけでなく、お絵描きや工作など、物を介して自己表現をする活動を多く取り入れると、表現力や想像力を育むきっかけを与えられるでしょう。

参考:こども家庭庁「保育」

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保育のねらいを設定するときのポイント

保育のねらいを設定するときのポイントは、以下のとおりです。

  • 子どもの生活を主体として、活動の意図や目指す方向性を示す
  • どの領域(3つの視点や5領域)に関するものかを明確にする

保育のねらいは、子どもの発達や成長につなげるために、保育の方向性や意図を示すものです。そのため、子どもが生活するうえで身につけるべき習慣や、円滑な社会生活のために経験すべきことを文章に落とし込みましょう。

また、指導案のねらいは「保育指針におけるねらい」をもとに作成するため、どの領域のどのねらいに着目して設定したものなのかを明らかにしておくことが重要です。もととなる「ねらい」を明確に定めておくことで、子どもの発達の段階に合わせた適切な目標設定ができるでしょう。

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保育のねらいとは子どもたちの成長の方向性を示すもの

  • 保育のねらいとは、日々の活動内容を定める保育指導案を構成する項目の1つ
  • 保育のねらいは、子どもに経験してほしいことや育んでほしい能力から定める
  • 保育のねらいは、子どもの年齢や発達段階に合わせて設定することが大切

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