NEW豆知識
社会福祉の種類とは?サービスや仕事の一覧を紹介
13 hours ago

「福祉の種類にはどのようなものがあるのか知りたい」という方もいるのではないでしょうか?社会福祉は、主に「高齢者福祉」「障がい者福祉」「児童福祉」「母子および父子・寡婦福祉」に分けられます。この記事では、社会福祉サービスの種類や仕事の一覧を紹介します。社会福祉に関わる仕事をする場合の種類の選び方も解説するので、ぜひ参考にしてください。
社会福祉とは?
社会福祉とは、ハンディキャップのある国民が安心して社会生活を営めるよう、支援を行う取り組みのことです。
一般的には、すべての人々が豊かな生活を送ることを意味する「福祉」を実現するための取り組みが「社会福祉」であるとされています。社会福祉における支援対象となるのは、高齢者や障がいのある方、児童、ひとり親家庭などです。
社会福祉と社会保障の違い
厚生労働省「社会保障とは何か」によると、社会保障は国民の生活を支える幅広い制度を指し、その枠組みの一つに社会福祉があります。
社会保障制度の分類は、「社会保険(年金・医療・介護)」「社会福祉」「公的扶助」「保健医療・公衆衛生」の4つです。
| 社会保険 (年金・医療・介護) |
病気・けが・出産・死亡・老齢・障がい・失業などの状況に応じて、生活に必要な給付を行う | - 医療保険 - 年金制度 - 介護保険 |
| 社会福祉 | 社会生活を送るうえで課題がある国民に対し、公的な支援を行う | - 介護サービス - 障がい者支援 - 子育て支援 |
| 公的扶助 | 経済的に困窮する国民の自立を支援する目的で、生活の安定を保障する | - 生活保護制度 |
| 保健医療・公衆衛生 | 国民が健康に生活するための予防や衛生に関する取り組みを行う | - 疾病予防 - 健康づくり - 母子保健 - 公衆衛生 |
参考:厚生労働省「社会保障とは何か」
社会保障制度があることで、生まれてから最期を迎えるまで、心身の状況や経済状況が変化しても一定水準の生活を継続できます。社会保障は、社会福祉を含む4つの分類に分かれていますが、完全にそれぞれが独立しているのではなく、相互に関連し合っているといえるでしょう。
参考:厚生労働省「社会保障とは何か」
社会福祉サービスの種類
社会福祉サービスとして、主に以下の4つの種類が挙げられます。
- 高齢者福祉
- 障がい者福祉
- 児童福祉
- 母子および父子・寡婦福祉
ここからは、それぞれの社会福祉サービスの内容を見ていきましょう。
高齢者福祉
厚生労働省「介護・高齢者福祉」によると高齢者福祉とは、「高齢者が住み慣れた地域で、尊厳を保ちながら自立した生活を続けられるよう支援する取り組み」のことです。
高齢者福祉には、以下のようなサービスや制度があります。
- 介護保険サービス(介護・介護予防)
- 高齢者向け住まい
- 地域包括ケアシステム(住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する取り組み)
介護サービス・介護予防サービスには、介護サービスの利用に関する相談や介護施設(入所・通所)の利用、福祉用具のレンタル・販売などが含まれます。
参考:厚生労働省「介護・高齢者福祉」
障がい者福祉
厚生労働省「障害者福祉」によると、障がい者福祉とは、「障がいのある方が地域の一員として暮らせる社会づくりに関する取り組み」のことです。
具体的には、障がいのある方に介護や訓練を提供する「障害福祉サービス」や関連する法律の整備などが、障がい者福祉に該当します。
厚生労働省「共生型サービス」によると、障がい者福祉は高齢者福祉と重なる部分が多いのが特徴です。たとえば、障害福祉サービスにあたる「ホームヘルプ(居宅介護)」「デイサービス(生活介護)」「ショートステイ(短期入所)」などは、介護保険サービスにも類似したサービスがあります。
そのため、介護保険サービスと障害福祉サービスの両方を提供する事業所もあるようです。このような取り組みは「共生型サービス」と呼ばれ、介護と障がい者支援の枠組みにとらわれず、多様化する福祉のニーズに応えることを目的としています。
参考:厚生労働省「障害者福祉」
厚生労働省「共生型サービス」
児童福祉
児童福祉とは、「すべての児童の権利を守り、心身ともに健やかに成長できる生活を支える取り組み」のことです。子どもを直接的に支援する制度だけでなく、子どもを養育する保護者に対する支援も含まれます。
こども家庭庁「政策」をもとに、児童福祉に関する具体的な取り組みや制度の例を以下にまとめました。
- 保育施設の整備(保育所や認定こども園など)
- 子育て支援(児童手当の支給、育児相談など)
- 障がい児支援
- 児童虐待の防止に関する取り組み
- ヤングケアラーや不登校の子どもの支援
児童福祉によって、社会全体で子どもの人権を守り、さらに保護者を支えることができるでしょう。また、児童福祉には、障がい者福祉や母子および父子・寡婦福祉と関連性が高い制度が多く含まれます。
参考:こども家庭庁「政策」
母子および父子・寡婦福祉
母子および父子・寡婦福祉とは、離婚や死別などにより配偶者がいない方が、経済的・社会的に自立した生活を送れるよう支援する仕組みです。
e-Gov法令検索「母子及び父子並びに寡婦福祉法 第6条」の定義を踏まえると、母子・父子家庭は「現在配偶者がいない人が、20歳未満の子を扶養する世帯」となります。
寡婦は、「かつてひとり親として20歳未満の子を扶養した経験があり、現在は扶養する20歳未満の子がいない女性の方」です。
こども家庭庁「ひとり親家庭等の支援について(p.11)」によると、ひとり親家庭などに対する支援として、主に以下の4種類の施策が実施されています。
- 子育て・生活支援
- 就業支援
- 養育費確保等支援
- 経済的支援
上記のようなプライベートな相談に不安を感じないよう、心理担当職員による精神面を考慮した相談支援を実施するなど、相談しやすい体制の整備も行われているようです。
参考:e-Gov法令検索「母子及び父子並びに寡婦福祉法」
こども家庭庁「ひとり親家庭等関係」
社会福祉に関わる仕事一覧
ここからは、社会福祉に関わる仕事を種類別に紹介します。
高齢者福祉に関わる仕事
高齢者福祉に関わる仕事・職種には以下のようなものがあります。
- 施設介護職員
- ホームヘルパー(訪問介護員)
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 生活相談員・支援相談員
- サービス提供責任者
- 福祉用具専門相談員
- 看護師
- 機能訓練指導員
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 栄養士
高齢者福祉に関わる仕事は、高齢者に対して直接的な支援を行うものと、相談援助やマネジメントのように間接的な支援を行うものがあります。
直接的な支援を行う職種は、介護職や看護職、機能訓練指導員などです。介護施設や介護サービス事業所で利用者さんにサービスを提供します。
一方、間接的な支援を担う職種は、ケアマネジャーや生活相談員、サービス提供責任者などです。ケアマネジャーは、介護施設や居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなどに勤務し、ケアプラン作成や介護予防の取り組みを行います。
「生活相談員」は介護施設で利用者さんやご家族の日常生活の相談に乗る職種で、「サービス提供責任者」は、訪問介護サービスを管理する職種です。
また、高齢者福祉の分野では、理学療法士や作業療法士、栄養士などの職種も活躍の場があります。
障がい者福祉に関わる仕事
障がい者福祉に関わる仕事は、直接的な支援を行うものや相談支援を中心に行うものなど、いくつかの種類に分けられます。
具体的な仕事の種類と職種の例は以下のとおりです。
| 直接的な支援を行う仕事 | - 障がい者支援施設職員 - 生活支援員 - 職業指導員 - 世話人 - ホームヘルパー(居宅介護・重度訪問介護) - ガイドヘルパー |
| 相談支援や管理を行う仕事 | - 相談支援専門員 - サービス管理責任者 - 医療ソーシャルワーカー - キャリアコンサルタント |
| 医療・リハビリ・精神的なケアに関する仕事 | - 看護師 - 理学療法士 - 作業療法士 - 言語聴覚士 - 公認心理師 - 臨床心理士 |
| 専門技術による支援を行う仕事 | - 手話通訳士 - 義肢装具士 |
障害福祉サービスにおける直接的な支援を行う職種には、施設で利用者さんの介護を行う「生活支援員」や、就労支援を行う「職業指導員」、訪問型のサービスを提供するホームヘルパーなどがあります。支援内容によっては、介護や医療分野の専門的な知識や技術を役立てられるでしょう。
一方、障害福祉サービスの利用に関する相談対応・案内は、相談支援事業所の「相談支援専門員」や、各施設の「サービス管理責任者」などが行います。相談支援を行う職員のなかには、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を保有している方もおり、専門的な知識を活かして日常生活や社会参加の支援につなげます。
児童福祉に関わる仕事
児童福祉に関わる仕事には、以下のような職種があります。
- 保育士
- 幼稚園教諭
- 教員
- 児童発達支援管理責任者
- 児童指導員
- 児童福祉司
- 学童保育指導員
- こども家庭ソーシャルワーカー
- 家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)
- 里親支援専門相談員
- 家庭児童相談員
児童を支援する仕事を行う主な職場は、保育所や児童養護施設、学童クラブ、教育機関などです。保護者に対する支援は、児童相談所や役所の福祉課などの行政機関でも行っています。
母子および父子・寡婦福祉に関わる仕事
母子および父子・寡婦福祉に関わる仕事の例は以下のとおりです。
- 母子・父子自立支援員
- 行政機関(市役所や町役場)の相談員
- 母子生活支援施設の支援員(母子支援員・少年指導員・保育士など)
- ひとり親家庭の支援に関する民間団体の職員
母子および父子・寡婦福祉に関わる支援は、市役所や町役場、福祉事業所などが中心となって行うのが一般的です。
窓口では、各種手当の受給手続きのような経済的支援だけでなく、ヘルパーの派遣や保育所の優先入所の案内、離婚後の養育費に関する法的な相談支援なども実施。ひとり親家庭や寡婦の方の生活を多方面から支援する制度が整えられています。
また、ハローワークでは、母子・父子や寡婦に対する就業支援が実施されていることもあるようです。
社会福祉に関わる仕事をするなら?種類の決め方
社会福祉に関する仕事にはさまざまな種類があるため、「どのように仕事を選んだら良いか分からない」という方もいるのではないでしょうか。
ここでは、社会福祉に関わる仕事の種類の決め方を紹介します。
携わりたい分野や仕事内容から探す
自分に合った社会福祉の仕事を見つける方法として、携わりたい分野や仕事内容を絞り、具体的な仕事の種類を選ぶ方法があります。
前述のとおり、社会福祉制度の主な対象は、「高齢者」「障がいのある方」「児童」「母子・父子・寡婦」です。このうち自分が支援したい対象を絞ることで、希望に合った仕事の種類が明確になるでしょう。
ただし、福祉の仕事は、分類上の区分ごとに完全に独立しているわけではありません。高齢者福祉と障がい者福祉、児童福祉と母子および父子・寡婦福祉のように、複数の分野が深く関連するものもあります。
携わりたい福祉の種類を絞り切れない場合は、「共生型サービス」の提供を行っている事業所や相談支援を行う福祉事業所などから、複数の分野にまたがる仕事を探してみるのも良いでしょう。
また、利用者に対して直接的なケアを行う場合と、手続きや運営面での支援を行う場合では、具体的な職種や就業先が異なります。携わりたい分野や福祉の種類が決まっている場合は、さらに「どのような支援をしたいか」という視点で絞り込むと、自分に合った仕事を見つけやすいでしょう。
資格を活かせる仕事を探す
ほかの分野から福祉分野への転職を考えている方は、すでに保有している資格から仕事の種類を決めるのも選択肢の一つです。
たとえば、介護に関する資格を保有している場合、高齢者福祉はもちろんのこと、障がい者福祉の分野でも活かせる場面があるでしょう。また、医療系の資格は、直接的なケアを行う仕事で役立つ場面が多いのが特徴です。
このように、介護・相談支援・児童・医療などに関する資格は、福祉の分野で幅広く強みとなる可能性があります。これらに関する資格を保有しており、キャリアチェンジや転職を考えている方は、自身の資格が活かせる仕事を中心に探してみるのも良いでしょう。
未経験・無資格から始められる仕事を探す
福祉の仕事のなかには、未経験や無資格から始められる仕事もあります。たとえば、高齢者福祉や障がい者福祉に関する仕事は、人手が不足している職場が多いため、未経験・無資格OKの求人も少なくありません。
無資格・未経験OKの求人を出す多くの職場では、入職後に働きながらスキルを習得できるサポート体制が整えられています。研修制度が充実している職場を選べば、未経験・無資格の方も安心して働き始められるでしょう。
「自分にできるか不安」という方は、まずは未経験から挑戦しやすい介護サービスや障害福祉サービスの現場から経験を積み、福祉全体の知識を深めていくのがおすすめです。
社会福祉には対象者が異なる複数の種類がある
- 社会福祉制度の対象者は、高齢者・障害のある方・児童・ひとり親など
- 社会福祉の仕事の種類によっては、介護・相談支援・医療に関する資格が役立つ
- 社会福祉の仕事のなかには、未経験や無資格から挑戦できる種類もある