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歯科技工士への就職はやめた方がいい?現状と今後の需要も解説
a day ago

「歯科技工士になるのはやめた方がいい」という話を聞いて、転職するかどうか悩んでいる人もいるかもしれません。歯科技工士は、長時間労働で低賃金というイメージを持つ人もいるようです。この記事では、「歯科技工士はやめた方がいい」という意見がある背景を解説します。歯科技工士の労働時間や年収といった実情や、就職するメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
「歯科技工士はやめた方がいい」と言われる背景
歯科技工士の仕事について情報収集するなかで、「歯科技工士になるのはやめた方がいい」という意見を聞いて不安に感じている人もいるかもしれません。歯科技工士が今までおかれてきた労働環境や、求められる技術の変化から、「大変そう」というイメージを抱く人もいるようです。
「歯科技工士はやめた方がいい」と言われる背景としてどのようなことが考えられるのか、以下で確認してみましょう。
長時間労働が常態化している職場が少なくなかった
歯科技工士の仕事の大変さを懸念する理由の1つに、残業や休日出勤で長時間労働になりやすかったことがあります。
厚生労働省「歯科技工士の現状について(p.13)」によると、2024年における歯科技工所の調査では、1人規模の職場が全体の4分の3以上です。
歯科技工所では、少人数体制で不定期な受注に対応するため、歯科技工士が時間外労働を求められる場合も少なくありませんでした。
仕事の負担と待遇が見合わないイメージが定着している
歯科技工士は、歯科技工物を作る際に使用する溶剤の臭いや粉塵による健康面のリスクがあります。また、依頼内容によっては、短い納期に追われながら義歯を製作することもあるでしょう。
歯科技工士の仕事は大変さを伴いますが、年収水準はそれほど高いとはいえません。仕事の負担と待遇が見合わないと感じ、「歯科技工士はやめた方がいい」と言う人もいるようです。
デジタル技術の進歩によって将来性が懸念されている
デジタル技術の進歩によって、手作業が中心だった歯科技工物の製作方法が変化してきています。
厚生労働省「歯科技工士の現状について(p.32)」によると、手作業を中心に作る全部金属冠の割合が減少し、コンピューターを使用して設計と削り出しをするCAD/CAM冠の割合が増加傾向です。
デジタル化が進んでいる背景から、将来的に歯科技工士の職人技術が必要とされなくなる懸念を抱く人もいます。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「歯科技工士」
厚生労働省「第7回歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会」
歯科技工士の仕事の実態
この項では、歯科技工士の働き方の実情を見ていきます。歯科技工士を取り巻く状況は変化しており、「歯科技工士として就職するのはやめた方がいい」と言う人が抱くイメージと現状が一致しているとは限りません。歯科技工士の仕事の現状と将来性を把握して、キャリアプランの参考にしてみてください。
歯科技工士数は減少傾向にある
厚生労働省「就業歯科衛生士・歯科技工士及び歯科技工所」によると、歯科技工士の数は2020年から現在まで減少が続いています。歯科技工士の年齢は65歳以上が19.3%で、50代以上が全体の半数を超えている状況です。高齢化により引退が進むと、歯科技工士の数は今後ますます減っていくでしょう。
また、厚生労働省「歯科技工士の現状について(p.13)」を見ると、歯科技工士の就業先である歯科技工所の数は徐々に減っており、規模が大きい事業所が増えていることが分かります。
参考:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
女性の歯科技工士の割合が増えている
近年は女性の歯科技工士の割合が増加しています。
厚生労働省「歯科技工士の現状について(p.14)」によると、歯科技工士はいずれの年代でも女性の割合が増えており、20代前半では半数以上が女性です。
以前は男性の割合が高かったので、「女性が歯科技工士になるのはやめた方がいい?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、現在は女性も多く活躍しています。
平均年収は約458万円で全体平均より低い
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「歯科技工士」によると、令和7年(2025年)賃金構造基本統計調査における歯科技工士の平均年収は、458万6,000円です。
政府統計の総合窓口e-Stat「令和7年賃金構造基本統計調査 産業大分類(産業計・産業別)」 をもとに算出すると、同調査における全産業の平均年収は約545万5,000円です。比較してみると、歯科技工士の平均年収は全産業の平均より87万円ほど低いことが分かります。
職場の規模や勤務する地域などによって歯科技工士の給与水準には幅がありますが、「国家資格が必要な仕事なのに年収が低い」と感じる方もいるようです。
月の労働時間の平均は約180時間
政府統計の総合窓口e-Stat「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(小分類)」によると、歯科技工士の月の所定内実労働時間は平均172時間、超過実労働時間は平均10時間です。平均で見ると、残業時間はそれほど長くありません。
ただし、上記はあくまで常勤の歯科技工士の平均値なので、職場によって実態は異なるでしょう。個人経営の歯科技工所や、保険診療の歯科クリニックで働く歯科技工士の場合、短い納期で仕上げなければならない依頼が少なからずあり、残業や休日出勤が必要なこともあると考えられます。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「歯科技工士」
政府統計の総合窓口e-Stat「賃金構造基本統計調査」
デジタル機器を使う製作方法に変化してきている
前項で、歯科技工物の製作にデジタル技術が導入されていることを紹介しました。作業のデジタル化によって、歯科技工士の働き方に変化が現れています。
厚生労働省「歯科技工士の現状について(p.38)」によると、デジタル技術を用いた歯科技工物は、手作業で作る物より製作にかかる時間が短いようです。
微細な調整が必要な義歯製作や仕上げなどは人の手による作業が必要ですが、デジタル技術の導入で歯科技工士の業務の効率化が図られ、負担軽減につながっています。
参考:厚生労働省「第7回歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会」
本当にやめた方がいい?歯科技工士になるメリット
この項では、歯科技工士として就職するメリットを紹介します。「歯科技工士はやめた方がいい?」「国家資格を取ってから後悔したくない」と迷っている人は、就職するかどうかの判断にお役立てください。
専門性が高い仕事で今後も需要が期待できる
仕事の手法がデジタル化しても、歯科技工士の知識や技術は必要とされるため、今後も需要はなくならないと考えられます。
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「歯科技工士」によると、歯科技工士の有効求人倍率は1.25倍(2024年度)で、求職者よりも求人数の方が多い状態です。身につけたスキルをキャリアに活かしやすい点は、歯科技工士になるメリットの1つといえます。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「歯科技工士」
デジタル技術を活かして未経験から活躍しやすい
歯科技工士として働くには、教育機関を卒業し国家試験に合格することが必要です。国家資格があれば未経験から就業できるものの、これまでは精密な手技を身につけて一人前になるまで長い時間を要しました。
しかし現在は、デジタル化が進んだことで、新人から任せられる仕事の幅も広がりつつあるようです。特に、デジタル設計や3Dデータの処理が得意な人は、スキルを活かして活躍できます。
働き方の選択肢が複数ある
歯科技工士の働き方は、選択肢が増えてきています。たとえば、規模が大きい法人が経営する歯科技工所は、労働環境が整備されており、福利厚生が充実している傾向にあります。休日や勤務時間の希望が通る職場であれば、長く勤めやすいでしょう。
職場によっては、歯科技工士がリモートワークでCADオペレーター業務を行っている場合も。歯科技工士の職場は、歯科技工所や診療所、病院など複数の種類があるので、習得したいスキルや希望の働き方に応じて就職先を選ぶと良いでしょう。
歯科技工士をやめた方がいいか悩むときの対処法
現在、歯科技工士の仕事をしていて辞めるべきか迷っている人は、悩みの原因を分析することが大切です。辞めたい理由が労働環境や待遇面にある場合、ほかの職場に転職する選択肢もあります。職種を変えずに転職すると、これまで歯科技工士として培ってきたスキルを活かせるでしょう。
職場によって、歯科技工士に求められる技術や労働環境、待遇はさまざまです。たとえば、矯正歯科クリニックは完全予約制で自費診療がメインなので、余裕を持って仕事ができる環境が整っている傾向にあります。歯科技工所や歯科医院以外に、歯科医療に関係する器材や材料関連の企業に勤めるのも方法の1つです。
漠然とした不満から転職すると後悔するリスクがあるので、まずは現状を見つめ直して問題点を整理しましょう。そのうえで、どうしても精神的・身体的につらくて限界を感じている場合や、ほかに挑戦したい仕事がある場合は、一度歯科技工士の仕事から離れることを視野に入れても良いかもしれません。
歯科技工士はやめた方がいいか悩む人によくある質問
ここでは、歯科技工士になるかどうか迷う人からよくある質問を、Q&A形式で紹介します。
歯科技工士の仕事は将来なくなりますか?
歯科治療には、歯科技工士が作る義歯やブリッジ、矯正装置が必要なので、仕事が完全になくなることは考えにくいでしょう。ただし、職人の手仕事が中心だった業務の形から、CAD/CAMや3Dプリンターを使用した製作に変化している部分もあります。精密な調整が可能な手技工程が必要とされる場面はありますが、職業の在り方や求められるスキルは今後変わっていく可能性が高いといえます。
歯科技工士の労働環境はブラック・やばいって本当?
なかにはブラックな職場もあるようですが、歯科技工士の労働環境が悪いかどうかは、勤務先による差が大きいでしょう。たとえば、保険診療を中心に対応する場合は、治療の進度に合わせて短納期で歯科技工物の製作を依頼される場合があります。歯科技工士が少人数の職場だと1人にかかる負担が大きく、長時間労働になってしまうことも少なくなかったようです。しかし現在は、大規模な歯科技工所が増加傾向にあります。さらに、デジタル化による業務の効率化が進んでおり、労働環境が改善されている職場も多いようです。
歯科技工士の働き方は変化してきている
- 歯科技工士はやめた方がいいと言われる状況から、労働環境が改善されている職場もある
- 歯科技工士の働き方や仕事に必要な技術は、デジタル化に伴って変化している
- 歯科技工士数は減少傾向にあるが、今後も需要はなくならない