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HPKIカードとは?申請の流れや医師や薬剤師が持つメリット
20 hours ago

「HPKIカードについて知りたい」という方もいるのではないでしょうか?HPKIカードとは、保健医療福祉分野の国家資格や管理者資格を有することを証明するICカードのことです。この記事では、HPKIカードの概要や活用シーン、申請方法を紹介します。医師や薬剤師がHPKIカードを持つメリットや、セカンド電子証明書についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
HPKIカードとは
HPKIカードとは、保健医療福祉分野の国家資格や管理者資格を有していることを証明できるICカードのことです。
厚生労働省「HPKI認証局運用規約関連資料・証明書類」によると、「HPKI」とは保健医療福祉分野の公開鍵基盤を意味します。「Healthcare Public Key Infrastructure」の略称で、読み方は「エイチピーケーアイ」です。
2026年6月現在、HPKIカードの発行を行っているのは、厚生労働省より認証を受けた「日本医師会」「日本薬剤師会」「医療情報システム開発センター」の3団体。日本医師会では医師のHPKIカード(医師資格証)、日本薬剤師会では薬剤師のHPKIカード(薬剤師資格証)の発行を行っています。
参考:厚生労働省「HPKI認証局運用規約関連資料・証明書類」
HPKIカードの対象となる資格
HPKIカードの対象となる資格は「国家資格」と「管理者等資格」に分けられます。
一般財団法人医療情報システム開発センター「電子署名できる国家資格(27種)」、一般財団法人医療情報システム開発センター「電子署名できる管理者等資格(5種)」によると、該当の資格は以下のとおりです。
| 国家資格(27種) | - 医師 - 歯科医師 - 薬剤師 - 臨床検査技師 - 診療放射線技師 - 看護師 - 保健師 - 助産師 - 理学療法士 - 作業療法士 - 視能訓練士 - 言語聴覚士 - 歯科技工士 - 管理栄養士 - 社会福祉士 - 介護福祉士 - 救急救命士 - 精神保健福祉士 - 臨床工学技士 - あん摩マッサージ指圧師 - はり師 - きゅう師 - 歯科衛生士 - 義肢装具士 - 柔道整復師 - 衛生検査技師 - 公認心理師 |
| 管理者資格(5種) | - 病院長 - 診療所院長 - 管理薬剤師 - 薬局開設者 - その他の保健医療福祉機関の管理責任者 |
参考:一般財団法人医療情報システム開発センター「電子署名できる国家資格(27種)」
一般財団法人医療情報システム開発センター「電子署名できる管理者等資格(5種)」
基本的には、上記の計32種の資格が対象ですが、医療情報システム開発センターが発行する「MEDIS-HPKI資格証」は、資格名の記載がない形での発行が可能です。そのため、医療機関の事務職員などで上記の資格を持たない方も、必要に応じてHPKIカードを作成できます。
参考:一般財団法人医療情報システム開発センター「電子署名できる国家資格(27種)」
一般財団法人医療情報システム開発センター「電子署名できる管理者等資格(5種)」
HPKIカードの記載内容
一般財団法人医療情報システム開発センター「申し込み方法」によると、HPKIカードには、以下のような情報が記載されます。
- カードの名称(医師資格証・薬剤師資格証・MEDIS-HPKI資格証)
- 氏名
- 生年月日
- 顔写真
- 資格名
- 国家資格免許番号(国家資格を有している場合)
- 有効期限
- カードID
- 発行日
HPKIカードには、資格名や免許番号などが記載されているため、免許証がなくても資格を有していることを証明できます。なお、細かい記載内容は資格証の種類によって異なるようです。
参考:一般財団法人医療情報システム開発センター「申し込み方法」
HPKIカードの活用シーンとメリット
日本医師会 電子認証センター「ご利用シーン」、日本薬剤師会認証局「日本薬剤師会認証局・薬剤師資格証について」、一般財団法人医療情報システム開発センター「HPKIの使い方(例)と活用事例」によると、HPKIカードは以下のような場面で活用できます。
| 資格の証明書 | - 手元に免許証がないとき - 災害などの緊急時 - 医療機関などでの採用時 |
| 電子署名・電子証明書 | - 電子カルテに電子署名するとき - 診療情報提供書や患者紹介状を電子で発行する際に、資格を証明するとき - 電子処方箋に調剤済み印を押印するとき - 自身が作成した電子ファイルを広く公開する際に、自身が作成したことを証明するとき |
| そのほか | - 研修会の受付や、受講履歴・単位を管理するとき - 地域医療連携ネットワークなどのシステムへログインするとき |
参考:日本医師会 電子認証センター「ご利用シーン」
日本薬剤師会認証局「日本薬剤師会認証局・薬剤師資格証について」
一般財団法人医療情報システム開発センター「HPKIの使い方(例)と活用事例」
HPKIカードはICカード状で、紙の資格証・免許証と比べて持ち運びやすいのが特徴です。そのため、外出時や災害時に資格の証明が必要な場合に役立つメリットがあります。管理者のように証明が難しい資格も、HPKIカードがあれば資格を有していることを証明しやすいでしょう。
また、HPKIカードには電子署名の機能が備わっており、医師・歯科医師・薬剤師などが用いることで、業務の利便性を向上させられます。
参考:日本医師会 電子認証センター「ご利用シーン」
日本薬剤師会認証局「日本薬剤師会認証局・薬剤師資格証について」
一般財団法人医療情報システム開発センター「HPKIの使い方(例)と活用事例」
HPKIカードの申請方法
HPKIカードの申請方法・必要書類・発行費用は、種類(発行元)によって異なります。ここからは、HPKIカードの種類ごとに、申請に関する情報を見ていきましょう。
医師資格証の場合
日本医師会 電子認証センター「医師資格証申請の全体概要」、日本医師会 電子認証センター「申請方法」によると、医師資格証の申請方法・必要書類・発行費用は以下のとおりです。
| 申請方法 | - 郵送 - マイナポータル - 日本医師会のWebサイト |
| 必要書類 | - 発行申請書(オンライン申請の場合は不要) - 住民票(オンライン申請の場合は不要) - 本人確認書類のコピー - 証明写真 - 医師免許証のコピー |
| 発行費用 (2026年6月時点) |
- 日本医師会会員:無料 - 非会員:5500円(税込) ※マイナポータルからの新規発行の場合は無料 ※医師免許証の取得後1年以内に申請した場合は無料 |
参考:日本医師会 電子認証センター「医師資格証申請の全体概要」
日本医師会 電子認証センター「申請方法」
マイナポータルや日本医師会のWebサイトから申請すると、必要書類の提出を一部省略できます。ただし、マイナポータルや日本医師会のWebサイトは、旧字や異体字(外字)には対応していないため、旧字や異体字を使用する場合は郵送での手続きが必要です。
なお、医師資格証に旧姓・通称を併記する場合や、旧姓などにより申請書と一部の書類に記載されている姓が異なる場合は、旧姓または通称がわかる公的書類も提出します。
参考:日本医師会 電子認証センター「医師資格証申請の全体概要」
日本医師会 電子認証センター「申請方法」
薬剤師資格証の場合
日本薬剤師会認証局「薬剤師資格証の取得方法について」によると、薬剤師資格証の申請方法・必要書類・発行費用は以下のとおりです。
| 申請方法 | - 郵送 (※マイナポータルによる申請では、カードの発行はなし) |
| 必要書類 | - 発行申請書 - 住民票 - 本人確認書類のコピー - 証明写真 - 薬剤師免許証のコピー |
| 発行費用 ※5年分の運用費を含む (2026年6月時点) |
- 日本薬剤師会会員:1万9800円(税込) - 非会員:2万6400円(税込) |
参考:日本薬剤師会認証局「薬剤師資格証の取得方法について」
ICカードの薬剤師資格証を発行するには、郵送での手続きが必要です。マイナポータルによる申請の場合、「HPKIセカンド電子証明書」の発行のみとなります。
HPKIセカンド電子証明書については、後述の「HPKIカードセカンド電子証明書とは」の項目をご覧ください。
参考:日本薬剤師会認証局「薬剤師資格証の取得方法について」
MEDIS-HPKI資格証
一般財団法人医療情報システム開発センター「申し込み方法」によると、MEDIS-HPKI資格証の申請方法・必要書類・発行費用は以下のとおりです。
| 申請方法 | - 郵送 - マイナポータル(医師・歯科医師・薬剤師) |
| 必要書類 | - 電子証明書発行申請書 - 住民票 - 本人確認資料のコピー - 印鑑登録証明書 - 証明写真 - 国家資格免許証のコピー/管理者等資格の証明に必要な書類 |
| 発行費用 (2026年6月時点) |
- 医師・歯科医師・薬剤師:2万6950円(税込) - 医師・歯科医師・薬剤師以外:5万5000円(税込) |
参考:一般財団法人医療情報システム開発センター「申し込み方法」
医師や薬剤師の方は、MEDIS-HPKI資格証か医師資格証・薬剤師資格証のいずれかを選んで発行の申請を行います。MEDIS-HPKI資格証のICカードとしての機能は、医師の場合は医師資格証、薬剤師の場合は薬剤師資格証と同じです。
MEDIS-HPKI資格証は、医師資格証や薬剤師資格証と比べて発行費用が高いため、発行費用を抑えたい方は、医師資格証や薬剤師資格証を選択すると良いでしょう。
参考:一般財団法人医療情報システム開発センター「申し込み方法」
HPKIカードの更新について
一般財団法人医療情報システム開発センター「申し込み方法」によると、HPKIカードの有効期限は、原則発行日から5回目の誕生日となります。有効期限を超えてHPKIカードを使用したい場合は、更新の手続きが必要です。更新の申請時期は発行元によって異なり、有効期限の1.5~4ヶ月前から申請できます。
更新の手続きは、新規発行手続きの流れと大きく変わりません。記載内容に変更がない場合は、住民票や本人確認資料のコピーなどの書類の提出が一部省略できる場合があります。
ただし、有効期限が切れた場合や登録情報に変更がある場合は、再発行(新規)申請が必要となるため、自身の状況を確認して必要な手続きを行いましょう。
参考:一般財団法人医療情報システム開発センター「申し込み方法」
HPKIカードセカンド電子証明書とは
日本医師会 電子認証センター「セカンド電子証明書とは」によると、HPKIセカンド電子証明書とは、HPKIカードと同等の機能を備えた電子証明書のことです。HPKIセカンド電子証明書はクラウド上に格納されているため、生体認証機能のあるスマートフォンと紐付けることで、HPKIカードが手元になくても電子署名ができるようになります。
HPKIカードのように紛失や破損のおそれがなく、「HPKIカードが使えず、電子署名が行えない」という理由で業務が滞るリスクがないのも、HPKIセカンド電子証明書を活用するメリットの一つです。
参考:日本医師会 電子認証センター「セカンド電子証明書とは」
HPKIカードについてよくある質問
ここでは、HPKIカードについてよくある質問を紹介します。
HPKIカードはどのくらいで届く?
HPKIカードの発行にかかる時間は、HPKIカードの種類(発行元)によって異なり、医師資格証の場合は2~3ヶ月程度、薬剤師資格証の場合は1~2ヶ月程度かかるのが基本です。MEDIS-HPKI資格証の場合は、発行までに6ヶ月以上かかるとされています(2025年9月時点)。
書類の不備やカードの不足などの発行元の状況によっては、発行時期が遅れる場合があるようです。目安の時期を大幅に超えても手元に届かない場合は、発行元に問い合わせると良いでしょう。
参考:日本医師会 電子認証センター「医師資格証申請の全体概要」
日本薬剤師会認証局「トップページ」
一般財団法人医療情報システム開発センター「よくある質問(FAQ)」
HPKIカードのPINコードを忘れたら?
HPKIカードのPINコードを忘れた場合は、発行元へ問い合わせる必要があります。
なお、HPKIカードは連続して15回PINコードを間違えると、ロックがかかる仕様です。ロックがかかった場合、解除の手続きもしくはHPKIカードの再発行が必要となり、費用がかかることがあります。通常、PINコードはカード申請時に設定するため、申請書はコピーして保管しておくと良いでしょう。
HPKIカードの普及率はどのくらい?
日本医師会 電子認証センター「LRA担当者向け:医師資格証 発行状況」によると、セカンド電子証明書の先行発行を含む医師資格証の取得率は、医師全体で40.4%となっています(2026年3月31日時点)。HPKIカードの取得率は増加傾向にあり、将来的には多くの医療従事者に普及する可能性が高いでしょう。
参考:日本医師会 電子認証センター「LRA担当者向け」
HPKIカードとは資格の証明や認証に使えるカード
- HPKIカードの対象となる資格は、保健医療福祉分野の国家資格や管理者資格
- HPKIカードには資格名や免許番号が記載されるため、資格の証明書として使える
- 医師や薬剤師がHPKIカードを活用すると、カルテや処方箋への電子署名が可能になる