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ツアーナースとは?気になる仕事内容や給料について紹介

a year ago

看護師の一般的な勤務先として病院や医療施設があげられますが、中には固定の職場を持たずに働く看護師もいます。ツアーナースと呼ばれる看護師です。
この記事では、ツアーナースとして働く方法や、仕事内容などについて紹介します。また、病棟看護師との違いや、メリット・デメリット、勤務における注意点についても詳しく解説するので見ていきましょう。

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ツアーナースとは?

ツアーナースとは、学校や企業の団体ツアーや課外活動などに付き添い、参加者の健康管理、ケガ・急病時の応急処置を行う看護師のことです。トラベルナースや添乗看護師などともいわれています。
修学旅行や社員旅行、持病のある方の遠出など活躍の機会は多岐にわたり、国内だけでなく海外へ同行することもあります。

病院に勤務する病棟看護師との違い

入院施設のある病棟に勤務する看護師のことを「病棟看護師」といいます。新卒で病院に就職した際、最初に病棟を経験したという看護師も多いでしょう。ツアーナースと病棟看護師は勤務形態や環境が大きく異なります。

病棟看護師は、特定の病院に就職し、決められたシフトで勤務することがほとんどですが、ツアーナースの多くは派遣会社に登録し、単発の依頼ごとに派遣されて仕事を行います。

また、病棟看護師は配属された診療科のもとで診療補助や患者さまの身の回りの看護を行います。夜勤では1人になる場合もありますが、基本的には複数人で勤務し、困ったことがあれば周りの職員に相談できるでしょう。
一方、ツアーにおいては、同行する医療従事者が看護師1人だけというケースも少なくありません。同行先でのあらゆる事態への対応が求められるため、ツアーナースには対応力と幅広い知識が必要だといえます。

病棟看護師
ツアーナース
雇用形態 正社員またはパートで、勤務先の病院や医療施設に雇用されることが多い 派遣社員が多い
勤務形態 シフト制か日勤・夜勤のみなどの固定制 単発で派遣され、日帰りか宿泊を伴うかはツアーによってさまざま
勤務場所 雇用元の病院や医療施設 同行する旅行先
勤務人数 他職種を含めて複数人で勤務する 1名~多くても2名
仕事内容 配属先の部署における診療や手術補助、患者さまの看護など 同行先での急病人の処置や参加者の健康管理など

ツアーナースの仕事内容については、以下で詳細を解説していきます。

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ツアーナースの仕事内容

ツアーナースのメインの仕事は、旅行参加者の体調管理や服薬管理、ケガや急病時の応急処置です。また、旅行の詳細や参加者の健康状態などの事前把握、医療機関への受診付き添いも仕事に含まれます。
団体行動への同行となりますので、行程内での準備や片付けの手伝いなど医療行為以外の業務を依頼されることもあります。

主催者との打ち合わせ

旅行の数日前に主催者と打ち合わせを行い、旅行日程の詳細や参加者のアレルギー、持病、服薬などの把握を行います。

事前に情報を把握しておくことで起こりうる事態を予測できたり、参加者への個別の付き添いが必要な場面が明らかになったりと、具体的な見通しを立てることができます。
また、健康状況や服薬状況を書いてもらうシートを主催者から参加者にわたしてもらい、参加者の状態を個別に把握することもあります。

参加者の健康状態のチェック

参加者の中には持病がある方や体調を崩しやすい方がいらっしゃるケースもあり、ツアーナースは適宜、参加者の健康状態に問題がないかを観察する必要があります。

特に長時間の移動や、暑さ・寒さなどの環境の変化は急な体調不良の原因になりうるため、すぐに対応できるよう参加者の様子をチェックしておきましょう。

参加者の食事・服薬管理

ツアーナースは、アレルギーを持っている方が誤ってアレルギーの食物を摂取しないようチェックします。万が一、参加者が該当する食物を摂取し、アナフィラキシーショックを起こしてしまった場合に備えておくことも大切です。日本救急医療財団の「救急蘇生法の指針2020(市民用)」にも明記されている「エピペン®」の使用がすぐにできるよう準備をしておきます。

また、服薬が必要な方に対し、忘れずに薬を服用できるように管理します。参加者の体調不良時には本人の持参薬を確認して服薬を促すほか、定期的な服薬が必要な児童の参加者がいる際には薬を預かって管理することもあります。

そのほか、バスに乗る前に乗り物酔いしやすい参加者に酔い止めを飲んでもらうなど、体調を崩さないように予防することもツアーナースの仕事です。

参加者の応急手当、医療機関への受診判断

ケガ人・急病人が発生した場合は応急手当を行います。医師などの他業種が近くにいる病棟看護師と違い、ツアーナースは看護師1人で対応を行うため、日本救急医療財団の「救急蘇生法の指針2020(市民用)」で謳われている「一次救命措置」「ファーストエイド」の範囲で処置を行います。

           
一次救命措置・胸骨圧迫
・人工呼吸
・AED(自動体外式除細動器)を使用した電気ショック など
ファーストエイド・熱中症、低体温症への対応
・アナフィラキシーショックへの処置
・すり傷、やけど、骨折などへの応急処置
・気管支喘息発作への対応 など

以上のような処置をしても容体の改善が難しいと判断される場合には、医療機関への受診を判断し、付き添いも行います。

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ツアーナースとして働くには

病棟看護師とは働き方が大きく異なるツアーナースですが、ツアーナースとして働くにはどのような手続きやスキルが必要なのでしょうか。

看護師資格があればOK

ツアーナース特有の資格はありません。看護師資格があればツアーナースとして働けます。
しかし、応募条件として臨床経験の年数や経験診療科を問われたり、正看護師限定、ツアーナース経験者限定となっていることもありますので注意が必要です。

臨機応変な対応力と体力が求められる

ツアーナースは1人で旅行に同行するケースがほとんどのため、さまざまな事態に臨機応変に対応できる能力が求められます。臨床経験が浅い新人看護師よりも、経験豊富な中堅以上の看護師のほうが向いているといえるでしょう。

また、宿泊を伴う同行では勤務時間が長く休憩がなかなか取れなかったり、ハイキングや登山など同行に体力を消耗したりするケースがあるため、体力も必要です。

派遣会社に登録して仕事を探す

ツアーナースとして働く場合、派遣会社に登録して仕事を探す方法が一般的です。登録時にツアーナースの仕事を希望していることを伝えると、募集があった際に仕事を紹介してくれるでしょう。また、派遣会社のWebサイトから自身で求人を探すことも可能です。その後、社内選考・研修などを経て勤務決定という流れとなります。

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ツアーナースになるメリット

ツアーナースとして働くうえでのメリットは複数あります。働き方や仕事内容が病棟看護師とは異なるように、メリットにもツアーナースならではの特徴があるので見ていきましょう。

旅行をしながら勤務ができる

仕事をしながらさまざまな場所に行けることは、ツアーナースならではの醍醐味といえるでしょう。手が空いたときは観光も可能で、ツアーにかかる宿泊費や交通費は主催者が負担してくれます。出費を抑えて旅行ができる点は大きなメリットです。

病棟看護師では得られない経験ができる

同行に際しての計画を立てたり、同行先での対応や処置は、病棟看護師では得られない経験です。野外や移動中に傷病者の対応を行ったり、1人で判断を下したりする場面を通して看護師としての成長も見込めます。

人間関係で悩まされることが少ない

ツアーナースは1人で派遣されることがほとんどですので、人間関係でのストレスが少ない仕事ともいえます。とはいえ主催者や参加者との関わりは必須ですので、よくコミュニケーションを取って行動するようにしましょう。

ほかの仕事とのWワークが可能

ツアーナースは単発の仕事が基本ですので、固定された勤務日時がありません。そのため、副業が可能な職場で看護師として働きながら、休日のみ働くといったこともできるでしょう。また、「転職が決まるまで」の間、自身の都合にあわせて勤務日を選び、働くことも可能です。

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ツアーナースとして働くデメリット

仕事として旅行に行けるツアーナースですが、楽しいことやためになることだけではありません。デメリットがあることも理解しておきましょう。

難しい判断を迫られることがある

前述したように、ツアーナースは1人で同行し医療処置を行う場合が多く、どの対応を選択するか、医療機関へ受診を行うかなど難しい決断を迫られる場面も存在します。

病棟看護師のようにほかの看護師や医師へすぐ相談できる環境ではないため、自分自身の判断に重い責任が加わることもあります。しかし、それが自分の成長につながるとして、逆にやりがいであるととらえることもできるでしょう。

ツアーナースだけでは収入が不安定になりやすい

ツアーナースは単発で派遣の仕事がほとんどであり、1回の仕事の報酬も高額とはいえないので、病棟看護師と比べてツアーナース一本で生計を立てようとすると収入が不安定になりやすいといえます。

1回の拘束時間が長いことがある

ツアーナースは宿泊を伴う依頼も多々あり、1回の仕事の拘束時間が長いことがあります。ほかに拘束時間が長い仕事として、イベントの救護室に待機して急病者の手当をおこなうイベントナースもありますが、連日のイベントでも宿泊を伴う勤務はまれで、ほとんどが日帰りの勤務です。
また、旅行の日程は渋滞や天候不良に左右されることがあります。同乗しているバスが予定の到着時刻より遅れたり、台風で飛行機が欠航になったりといったトラブルに巻き込まれると、拘束時間が伸びる可能性があるでしょう。

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ツアーナースの給料はどのくらい?

ツアーナースの日給は、約1万〜1万5千円程度となることが多いようです。2泊3日の旅行の場合、「1万〜1万5千円×3日分」で約3万〜4万5千円程度の報酬となります。海外への同行やツアーナース経験者の場合、若干日給が高くなることもあるでしょう。また、事前打ち合わせの相場は、時給2千円ほどです。
宿泊費や交通費は基本的に主催者が負担するため、給料から差し引かれることはありません。

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ツアーナースとして働く上での注意点

ここまで、ツアーナースについて詳しく説明してきましたが、ほかにも実際にツアーナースとして働く場合に注意しておくべきことがあります。

ツアーナースの収入だけで生計を立てるのは難しい

先述のとおりツアーナースは単発の仕事となるため、ツアーナースの収入だけで生計を立てるのは難しいといえます。比較的過ごしやすい気候で、学校の修学旅行や企業の行事などが多い5~6月、9~11月頃の繁忙期は、連続して仕事を得られるかもしれません。しかし、それ以外の時期は閑散期となり、全く仕事がないなど安定性に欠ける側面もあります。ほかの仕事と掛け持ちしながら働くのが現実的といえるでしょう。

旅行自体を大いに楽しめるわけではない

仕事で観光地などに行けるツアーナースですが、旅行を楽しむのはあくまでも参加者です。不測の事態に備えて常に準備をしている状態で同行する必要があり、自分が楽しみ過ぎると対応が遅れる可能性もあります。プライベートの旅行と違い、仕事で同行しているということを忘れないようにしましょう。

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ツアーナースは旅行に同行し健康管理や応急処置を行う

  • ツアーナースは旅行や課外活動などに同行し、参加者の体調管理やけがの応急処置を行う
  • ツアーナースは、1人で難しい判断をしたり、慣れない環境で処置を行ったりすることがある
  • 単発の仕事のため自分の都合で勤務日を選べ、シフトに縛られない自由な働き方が可能
  • 仕事をしながら旅行に行ける楽しさも味わえるのがツアーナース

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