仕事内容・働き方

感染管理認定看護師とは?仕事内容や受験資格について解説

仕事内容a year ago

医療機関に関わる人たちを感染症から守る「感染管理認定看護師」は、感染症学や疫学、微生物学などの専門知識を持ったエキスパートとして、その活躍に注目が集まっています。看護師としてキャリアップを目指すうえで、感染管理認定看護師の資格取得に関心をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、感染管理認定看護師の仕事内容や受験資格などについて解説するので、ぜひ参考にしてください。

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感染管理認定看護師とは

感染症管理認定看護師とは、日本看護師協会が認定する「認定看護師」の一種です。認定看護師の資格は、看護師として5年以上の実践経験を持ち、日本看護協会が定める600時間以上の専門教育を修め、認定審査に合格することで取得できます。

認定看護師には21の分野があり、「感染管理」はその中の一つです。感染管理認定看護師の資格を取得すると、感染症対策に関する専門知識を有していることを証明できます。

感染管理認定看護師は、医療機関での感染リスクを低減させるため、感染予防対策を策定・実行するほか、実際に院内感染が発生してしまった場合の対応などにも従事します。医療機関の組織横断的な感染対策で、キーパーソンとなるのが感染管理認定看護師です。

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感染管理認定看護師の仕事内容

感染管理認定看護師の主な仕事内容は、次のとおりです。

  • 医療関連感染の発生を監視する
  • 職業感染対策を講じる
  • 職員に感染対策について指導する
  • 病院の環境改善のファシリテーターとして活動する
  • 感染管理システムを構築する

それぞれどのような仕事なのか、具体的に紹介します。

医療関連感染の発生を監視する

感染被害を未然に防ぐため、医療関連感染の発生を厳しくチェックすることは、感染管理認定看護師の重要な仕事の一つです。

感染管理認定看護師は、手術部位の感染、カテーテルや人工呼吸に関連した感染などの発生状況を、細かく注意深く包括的に監視します。それによって得られたデータを基に、院内感染対策の強化などにも取り組むのです。

職業感染対策を講じる

職業感染とは、医療従事者の医療行為によって発生する感染を意味します。たとえば、注射の針を誤って刺してしまったり、患者の血液や体液を直接触ってしまったりすることで、医療従事者が病原体に感染してしまうことです。

こうした職業感染を防ぐための対策を講じるのも、感染管理認定看護師の役割です。具体的には、使用済みの注射針や廃棄容器の適切な管理、安全に使用できる機材の活用、一度外したキャップを再び注射針に装着する「リキャップ」の禁止の徹底などが挙げられます。

また、職業感染対策の必要性について、医療従事者らに周知する活動を行うのも感染管理認定看護師の役割の一つです。

職員に感染対策について指導する

感染対策に関する指導も、感染管理認定看護師の重要な仕事です。

感染管理認定看護師は、病棟や外来の点検・見回りを実施し、感染防止対策の実施状況を確認。対策に不備がある場合に、改善指導を行います。

そのほか、感染管理認定看護師は、病院内の職員全体を対象とした一般的な感染症対策に関する教育、職業感染防止の教育、院内感染の重大性を認識してもらうための啓発活動などの企画・運営も担当。病院内のすべての職員が感染管理に関する知識を身につけられるよう指導するのが仕事です。

病院の環境改善のファシリテーターとして活動する

院内感染を防止するためには、病院全体が組織一丸となって取り組みを進めることが必要となります。ここで、ファシリテーターとしての役割を担うのが感染管理認定看護師です。

具体的には、日常的な感染リスクの低減に向け、院内の意識改革、問題解決力の強化などに率先して取り組み、病院環境の改善を進めます。組織横断的な体制作りをまとめる役目を果たします。

感染管理システムを構築する

感染対策のために何をするべきか考え、組織横断的な感染管理システムを構築することは、感染管理認定看護師に期待される重要な仕事の一つです。

具体的には、施設の状況に合わせた効果的な感染管理プログラムの策定、監察のデータなどに基づいた各種マニュアルの作成、感染が発生した場合の体制整備などが挙げられます。

構築した感染管理システムを円滑に運用するため、職員への周知を図ったり、地域連携を進めたりすることも感染管理認定看護師の役割です。

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感染管理認定看護師のメリット

感染管理認定看護師として働くメリットは、以下のとおりです。

  • 活躍の場が増加する
  • 学会や研修会への参加で新たな知見を得られる

それぞれのメリットを確認していきましょう。

活躍の場が増加する

感染管理認定看護師は、感染対策のキーパーソンとして組織横断的な活動に携わることになるため、活躍の場も広がります。病院内では所属部署にとどまらず、組織を超えた仕事ができるようになるでしょう。

学会や研修会への参加で新たな知見を得られる

看護協会など関連団体の活動、感染症に関わる学会や研修会への参加など、病院外での仕事も増加するでしょう。自己研鑽の機会が増えるとともに、ほかの病院の感染管理認定看護師などと交流できるのも、感染管理認定看護師の仕事のメリットです。

学会や研修会への参加により新たな知見に触れ、知識が蓄積されるのと同時に、講習や研修会の講師になるケースも多くなります。学会での発表の機会なども増え、プレゼンテーション能力を高められるのも、感染管理認定看護師の仕事の魅力です。

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感染管理認定看護師のデメリット

感染管理認定看護師でデメリットになる可能性のあることを2点見ていきましょう。

5年ごとに更新手続きが発生する

デメリットの一つとして挙げられるのが、感染管理認定看護師の資格の「期限」です。

日本看護師協会が認定する資格である「認定看護師」は、5年ごとに更新手続きをする必要があります。認定看護師のレベル保持を目的に、5年に1回、更新審査が行われるのです。

認定看護師の更新審査を受けるためには、「申請時に認定看護師であること」「申請時の過去5年間に2,000時間以上の看護実践、50点以上の自己研鑚の実績があること」の2つの条件を満たしていなければなりません。このうち「自己研鑽の実績」では、論文の作成や研究会発表、院内研修指導など活動を点数に換算し、50点以上の実績を積む必要があります。

認定看護師の更新審査の際には、書類の提出や審査料(税込30,800円)も必要です。

緊急対応を求められる場合がある

感染管理認定看護師として働く上で、2つ目のデメリットとして挙げられるのは「緊急事態への対応」です。

院内感染は、土日、夜間を問わず発生する可能性があります。感染が発生すれば当然ながら、感染管理認定看護師として組織の中心となり、対応に当たらなければなりません。
緊急時以外でも、感染管理を総括する立場として、組織内調整が必要になったり関係者から相談を受けたりすることがあります。その都度、臨機応変に対応することが求められるのが感染管理認定看護師です。

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感染管理認定看護師の受験資格

感染管理認定看護師の受験資格は次のとお通りです。

  • 感染管理に関わる活動実績(感染対策委員会やICT、リンクナース会など)が通算3年以上あること
  • 感染予防・管理などにおいて自身が実施したケアなどの改善実績が1事例以上あること
  • 医療関連感染サーベイランス実施の一連の流れを理解していること
  • 現在、医療施設などにおいて専任または兼任として感染管理に関わる活動に携わっていること

認定看護師になるための共通の条件は、「看護師として5年以上の実践経験があること」「日本看護協会が定める600時間以上の専門教育を修めたこと」ですが、その共通条件に加え、上記の受験資格を満たすことが求められます。

上記4項のうち、「医療関連感染サーベイランス実施の一連の流れを理解していること」と「現在、医療施設などにおいて専任または兼任として感染管理に関わる活動に携わっていること」の2項に関しては、「望ましい」とされており、必須条件にはなっていません。

いずれにしても、感染管理認定看護師になるためには、感染管理に関する一定水準の実践と勉強が必要です。

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感染管理認定看護師は感染対策のスペシャリスト

  • 感染管理認定看護師は感染対策の専門知識があることを証明できる資格
  • 感染管理認定看護師の仕事は医療関連感染の発生の監視や職業感染対策の実施など
  • 感染管理認定看護師になるメリットは活躍の場が増えたり知見を深められたりすること
  • 感染管理に関わる活動実績などが感染管理認定看護師の受験資格

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