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公認心理師とは?仕事内容・職場・資格の取得方法などを紹介
16 hours ago

「公認心理師とはどのような職種かよく分からない」という方もいるでしょう。公認心理師とは、心理に関する相談や助言、指導などを行う職種のことです。この記事では、公認心理師の主な仕事内容や職場、平均年収などについて紹介します。公認心理師の資格の取得方法やほかの心理職との違いについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
公認心理師とは?
厚生労働省「公認心理師」によると、公認心理師とは、保健医療・福祉・教育・そのほかの分野において、心理学に関する専門的知識と技術をもって、心理に関する支援を行う職種のことです。
具体的には、以下のような行為を業として行う人のことを、公認心理師と呼びます。
- 心理に関する支援を要する方の心理状態の観察・その結果の分析
- 心理に関する支援を要する方に対する、心理に関する相談・助言・指導・そのほかの援助
- 心理に関する支援を要する方の関係者に対する相談・助言・指導・そのほかの援助
- 心の健康に関する知識の普及を図るための教育・情報の提供
なお、厚生労働省「公認心理師法の施行について」によると、公認心理師は、2017年9月15日に全面施行となった公認心理師法に基づく、日本で初の心理職の国家資格です。
公認心理師という国家資格ができるまで、日本には心理職における国家資格がありませんでした。そこで、国民が安心して心理に関する支援を受けられるよう、国家資格によって裏付けられた一定の資質を備えた心理職が必要とされ定められたのが、公認心理師法です。公認心理師法では、公認心理師の国家資格を定めて業務の適正を図り、国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的としています。
公認心理師と臨床心理士の違い
公認心理師と混同されやすい職種の一つに「臨床心理士」があります。
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」によると、臨床心理士とは、臨床心理学に基づく知識や技術を用いて、心の問題にアプローチする専門職のことです。
公認心理師と臨床心理士の主な違いには、資格の種類や資格の更新の有無、受験資格などが挙げられます。
厚生労働省「公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ」、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」および公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「受験資格」によると、それぞれの違いは、以下のとおりです。
| 職種 | 公認心理師 | 臨床心理士 |
|---|---|---|
| 資格の種類 | 国家資格 | 民間資格 |
| 資格の更新 | なし | 5年ごとの更新が必要 |
| 受験資格 | 4年制大学+特定施設での実務経験で受験できるルートもある | 大学院の修了が原則 |
参考:厚生労働省「公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ」
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「受験資格」
公認心理師と臨床心理士は、どちらも心に関する問題を扱う心理の専門職です。よって、基本的な業務内容は類似している部分が多く、大きな違いはないといえるでしょう。
ただし、前述のとおり、公認心理師の主な業務には「教育・情報の提供」が含まれている一方で、臨床心理士は、「心理臨床実践に関する研究・調査とその発表」を行う役割を担っています。そのため、「公認心理師は教育、臨床心理士は研究」と、活躍が期待されている分野が異なると整理されることもあるようです。
公認心理師と精神保健福祉士の違い
厚生労働省「精神保健福祉士について」によると、精神保健福祉士とは、公認心理師と同様に、名称独占の国家資格の一つです。精神保健福祉士は、主に精神に障がいがある方や精神保健(メンタルヘルス)に課題をもつ方の相談支援業務や、日常生活への適応のために必要な訓練・援助などを行います。
公認心理師と精神保健福祉士の違いは、主な支援方法です。
公認心理師は、心の問題そのものを解決できるよう、主に心理状態の観察や分析、相談業務などを行います。
一方で、精神保健福祉士の場合は、精神障がいや心の問題によって起きている課題の解決を主な目的としているのが特徴です。そのため、社会保健福祉士は相談業務に加え、地域の関係機関と連携をとりながら、社会復帰に必要な訓練や就労支援などを行います。
参考:厚生労働省「公認心理師」
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」
厚生労働省「公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ」
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「受験資格」
厚生労働省「精神保健福祉士について」
公認心理師の主な仕事内容
厚生労働省「公認心理師の活動状況等に関する調査」によると、公認心理師の主な仕事内容には、以下のようなものがあります。
- 心理的アセスメント(心理状態の観察や結果の分析・評価)
- 心理支援
- コンサルテーション(関係者に対する相談・助言・指導など)
- 心の健康教育
- マネジメント
- 心理専門職の養成や教育
- 心理支援に関する研究
- ほかの支援者への助言・指導
- ケースカンファレンスでの情報共有
- 地域の会議や連絡会への出席
- 緊急支援
上記のうち、「心理的アセスメント」「心理支援」「コンサルテーション」「心の健康教育」が、公認心理師の基本業務にあたります。そのため、公認心理師は、この4つの業務を主軸にしながら、状況に応じてそのほかの業務にも携わる形で働くのが一般的でしょう。
参考:厚生労働省「令和2年度障害者総合福祉推進事業 実施事業一覧」
公認心理師の主な職場
厚生労働省「公認心理師の活動状況等に関する調査」によると、公認心理師は主に、「保健医療」「福祉」「教育」「司法・犯罪」「産業・労働」の5つの分野で幅広く活動しているのが特徴です。
公認心理師の活動分野ごとの職場には、以下のようなものが挙げられます。
| 保健医療分野 | - 病院・診療所 - 保健所・保健センター - 精神保健福祉センター |
| 福祉分野 | - 児童相談所 - 児童発達支援センター - 認定こども園・保育所・児童館 - 障がい児通所支援事業所 |
| 教育分野 | - 公立教育相談機関 - 教育機関(幼稚園・小学校・中学校・高等学校) - 大学の学生相談室 |
| 司法・犯罪分野 | - 少年院・少年鑑別所 - 家庭裁判所 - 保護観察所 |
| 産業・労働分野 | - 企業の健康管理・相談室 - 障がい者職業センター - 生活支援センター - 就労支援機関(ハローワーク) |
| そのほかの分野 | - 私設の心理相談機関 - 大学・研究所 |
参考:厚生労働省「公認心理師の活動状況等に関する調査」
公認心理師は、上記のとおり、さまざまな分野・職場で活躍しています。そのため、教育分野では子ども、産業・労働分野では求職者や労働者などのように、公認心理師の主な支援対象者は、働く分野や職場によって変わるのが特徴です。
よって、公認心理師になりたい方は、どのような人を支援したいかという観点で、働く分野や場所を決めるのも良いでしょう。
参考:厚生労働省「令和2年度障害者総合福祉推進事業 実施事業一覧」
公認心理師の平均年収
厚生労働省「公認心理師の活動状況等に関する調査」によると、2019年度における公認心理師の年収は「300万円以上400万円未満」が全体の約21%と最も多く、次いで「400万円以上500万円未満」が約18%、「200万円以上300万円未満」が約16%となっています。
活動分野ごとに比較すると、保健医療・福祉・教育の分野では、「300万円以上400万円未満」の割合が最も高い一方で、司法・犯罪分野では、「500万円以上600万円未満」の割合が最も高い結果に。また、大学や研究所などでは、年収が1000万円以上となるケースもあるようです。
このように、公認心理師の年収は300~500万円程度が平均であるものの、活動分野によっては、平均との差が大きくなることもあるでしょう。
参考:厚生労働省「令和2年度障害者総合福祉推進事業 実施事業一覧」
公認心理師の資格を取得する方法
公認心理師の資格を取得するには、指定試験機関である一般財団法人公認心理師試験研修センターによって実施されている「公認心理師試験」に合格する必要があります。なお、厚生労働省「公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ」によると、公認心理師試験を受けるための主なルートは、以下のとおりです。
- 4年制大学および大学院での指定科目の履修・卒業
- 4年制大学での指定科目の履修・卒業+指定施設での2年以上の実務経験
- 外国の大学や大学院での指定科目の履修・卒業
上記以外にも特例措置として、公認心理師法の制定前に大学や大学院に入学している方向けの受験ルートも設けられています。
なお、公認心理師を目指せる大学や大学院のなかには、夜間コースや通信制を設けているところもあるようです。そのため、働きながら公認心理師の資格を取得したい方は、仕事と両立しながら勉強しやすい大学・大学院を選ぶと良いでしょう。
参考:厚生労働省「公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ」
公認心理師試験の概要
公認心理師試験は年に1回、例年3月の上旬に実施されています。
一般財団法人公認心理師試験研修センター「公認心理師試験」によると、2026年3月に実施される第9回公認心理師試験の概要は、以下のとおりです。
| 試験日 | 2026年3月1日(日) |
| 試験地 | 東京都・大阪府 |
| 試験時間 | - 午前10時~正午(120分) - 午後1時30分~午後3時30分(120分) ※1.3倍受験者は各160分、1.5倍受験者は各180分 |
| 受験手数料 | 2万8700円(非課税) |
| 合格基準 | 総得点の60%程度以上が基準(問題の難易度で補正する) |
| 合格発表日 | 2026年3月27日(金) |
参考:一般財団法人公認心理師試験研修センター「公認心理師試験」
なお、厚生労働省「第6回公認心理師試験(令和5年5月14日実施)合格発表について」、厚生労働省「第7回公認心理師国家試験(令和6年3月3日実施)合格発表について」および厚生労働省「第8回公認心理師国家試験(令和7年3月2日実施)合格発表について」によると、2023~2025年に実施された公認心理師試験の合格率は、以下のとおりとなっています。
| 実施回(実施年) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第6回(2023年) | 2020人 | 1491人 | 73.8% |
| 第7回(2024年) | 2089人 | 1592人 | 76.2% |
| 第8回(2025年) | 2174人 | 1454人 | 66.9% |
参考:厚生労働省「第6回公認心理師試験(令和5年5月14日実施)合格発表について」
厚生労働省「第7回公認心理師国家試験(令和6年3月3日実施)合格発表について」
厚生労働省「第8回公認心理師国家試験(令和7年3月2日実施)合格発表について」
過去3年間の公認心理師試験の合格率は、約67~76%の間で推移しています。そのため、公認心理師の合格率は7割前後が平均であるといえるでしょう。
ただし、上記のとおり、公認心理師試験は実施回ごとの合格率の差が比較的大きいのが特徴です。実施回によっては、問題の難易度が大きく変動する可能性もあるため、過去問を活用するなどし、入念に試験対策を行うと良いでしょう。
参考:一般財団法人公認心理師試験研修センター「公認心理師試験」
厚生労働省「第6回公認心理師試験(令和5年5月14日実施)合格発表について」
厚生労働省「第7回公認心理師国家試験(令和6年3月3日実施)合格発表について」
厚生労働省「第8回公認心理師国家試験(令和7年3月2日実施)合格発表について」
公認心理師とは心理に関する支援を行う職種のこと
- 公認心理師は主に心理的アセスメントや心理支援、心の健康教育などを行う
- 公認心理師は、保健医療・福祉・教育・司法・産業など幅広い分野で活躍している
- 公認心理師の資格は、公認心理師試験に合格することで取得できる
- 公認心理師試験を受けるには、大学や大学院で指定科目を履修し卒業することが必要