働き方・お悩み

介護職員の夜勤専従とは?仕事内容や出勤回数・給料について解説

介護職員は2交替制や3交替制のシフトで働くことが多い仕事です。その中で、夜勤専従で働く介護職員がいることをご存じでしょうか。この記事では、夜勤専従で働く際の仕事内容や、出勤から退勤までのタイムスケジュール、給与面でのメリットなどを紹介します。効率良く稼ぐことができる夜勤専従という働き方に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

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介護職員の夜勤専従とは

入所型の介護施設では、24時間利用者の対応が必要なことから、介護職員の交替制勤務を取り入れているところがほとんどです。夜勤専従とは、そのような交替制勤務で、夜勤のシフトだけに入る働き方を指します。

シフト勤務の場合、2交替制と3交替制によって勤務時間は異なるので注意してください。2交替制と3交替制の勤務時間の例は、以下のとおりです。

  • 2交替制:日勤が8時間勤務+1時間休憩、夜勤が16時間勤務+2時間休憩
  • 3交替制:日勤が7時間勤務+1時間休憩、遅番が7時間勤務+1時間休憩、夜勤が8時間勤務+1時間休憩

各自の休日数やワークライフバランス、要望なども踏まえてシフトが組まれるのが一般的です。

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夜勤専従の介護職員の仕事内容

夜勤専従の介護職員の具体的な仕事内容として、以下の例が挙げられます。

  • 夕食、朝食の配膳・下膳
  • 食事介助、更衣介助、移乗介助
  • 口腔ケア
  • 服薬の管理
  • オムツ交換
  • 夜間の巡回
  • 介護記録の作成と仕事の引き継ぎ

基本的に利用者は就寝中の時間帯で、夜間の巡回が夜勤専従の特徴的な仕事であるといえるでしょう。

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夜勤専従の介護職員の出勤回数

夜勤専従の場合、出勤回数に制限があるわけではありませんが、夜勤明けの翌日は休みとなるため、最大で月10回程度の勤務が可能です。

1週間を通してみてみると、下記のように2~3回の出勤が一般的です。
月:夕方出勤
火:午前退勤
水:休日
木:夕方出勤
金:午前退勤
土:休日
日:夕方出勤

夜勤専従は1回あたりの勤務時間が長い分、ひと月あたりの出勤回数は少ない傾向があります。

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夜勤専従の介護職員の勤務スケジュール

夜勤専従で働く場合の、出勤から退勤までの一般的な勤務スケジュールを紹介します。

タイムスケジュール
業務
詳細
17時 出勤 制服に着替え、仕事に取り掛かる準備をする
17時30分 業務の引き継ぎ 遅番や日勤のスタッフから、個々の利用者の様子や変化などの情報を共有する
18時 夕食の配膳・食事介助・下膳 夕食を準備し、必要があれば食事の介助をする
19時 口腔ケア・服薬管理 利用者の歯磨きや服薬を手伝う
20時 就寝準備 トイレ介助やオムツ交換を行う
22時 消灯・巡回 消灯後は、一定の間隔で巡回を行う
23時 介護記録 利用者の状態や変化などを記録し、その他事務作業を行う
3時 休憩・食事・仮眠 食事や休憩・仮眠を取る
6時 起床・朝食準備 起床後、利用者の着替え、清拭をサポート。朝食の準備を行う
7時 朝食 食事の介助や服薬を手伝う
8時 下膳・口腔ケア 下膳後、利用者の歯磨きなどをサポート
9時 引き継ぎ 日勤スタッフと情報を共有し、仕事を引き継ぐ
10時 退勤 私服に着替え、退勤

勤務する職場によって夜勤専従の出勤・退勤時間や業務は異なります。

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介護職員が夜勤専従として働くメリット

夜勤専従として働くメリットは、主に以下の3つです。

  • プライベートの時間が増える
  • 生活のリズムが整えやすい
  • 日勤より給料が高い

それぞれのメリットを確認しましょう。

プライベートの時間が増える

夜勤で働いた場合、夜勤明けの午後は休みとなり、翌日は丸一日休みとなるケースがほとんどです。そのため、夜勤明けから次の出勤までほぼ2日間自由な時間が手に入ります。プライベートな時間を、趣味や副業などに有効活用できるメリットは大きいといえるでしょう。

交替制の夜勤よりも生活リズムを整えやすい

日勤や夜勤、遅番、早番などのシフトが入り混じるとどうしても不規則な生活になるため、体調を崩しやすくなりがちです。2交替制、3交替制であっても、夜勤専従であればほかの時間帯に勤務することがありません。交替制の夜勤に比べると、生活リズムを整えやすいのがメリットです。

日勤より給料が高い

夜勤で働く場合、夜勤手当が支給される場合があります。日本医療労働組合連合会の2022年の「介護施設夜勤実態調査結果」では、正規職員の2交替夜勤で平均6,011円、3交替夜勤の準夜勤で3,712円、深夜勤務で4,614円の夜勤手当が付いていました。

また、労働基準法第37条では、午後10時から午前5時までの深夜時間帯に働いた場合は25%以上の割増賃金が支払われることになっています。労働基準法は、正規職員だけでなくパートやアルバイトにも適用されるので、非正規職員でも夜勤専従の場合は、日勤と比べると時給は高くなります。

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介護職員が夜勤専従として働くデメリット

介護職員が夜勤専従として働く場合はメリットばかりではなく、デメリットも存在します。

最も大きなデメリットは、昼夜逆転の生活となる点です。人間にはもともと体内時計が備わっているとされ、日中は活動状態に、夜間には休息状態に切り替わるようにできています。

そのため、昼夜逆転生活となると体調管理が一層重要です。夜型の人には向いているかもしれませんが、そうでなければ昼間にカーテンを閉じて睡眠を取りやすい環境を整え、体を休める工夫をする必要があります。また、家族の協力も得ることが望ましいでしょう。

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夜勤専従の介護職員の給料

公的機関の調査による夜勤専従の平均給与のデータはないため、ここでは時給や夜勤手当の金額を仮定し、日勤で働いた場合と夜勤専従で勤務した場合の収入の違いをご紹介します。仮に時給1,500円で日勤の時間帯に8時間×10日勤務した場合、給与の計算式は以下のとおりです。

1,500円×8h×10日=120,000円

今回の計算式では、日勤の給与は120,000円になります。

一方、夜勤専従として時給1,500円で深夜帯を含む時間帯に8時間×10日勤務した場合、給与の計算式は以下のとおりです。

(1,500円×1.25倍×7h+1,500円×1h)×10日=146,250円

先に算出した日勤の給与と比べると、夜勤専従のほうが26,250円高くなります。

深夜時間帯は午後10時から午前5時までで、この7時間分は時給の25%以上の割増賃金が支払われます。今回は勤務時間8時間のうち7時間が25%割増されたと仮定して計算しています。

さらに、夜勤1回につき5,000円の夜勤手当が支給されると仮定し、深夜帯を含む時間帯に8時間×10日勤務した場合の給与は、以下のとおりです。

5,000円×10日+(1,500円×1.25倍×7h+1,500円×1h)×10日=196,250円

日勤で働いた場合と、夜勤専従として夜勤手当が支給される職場で10日間働いた場合の給与を比べると、労働時間は同じでも76,250円の差が生じます。

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介護職員が夜勤専従として働くための資格

介護職員として働く場合、職場によっては資格がなくても勤務できます。夜勤専従であっても条件は同様で、無資格・未経験であってもチャレンジできる場合があります。

ただし、介護関係の資格があれば、就職・転職時のアピール材料になったり給与アップにつながったりするでしょう。

夜勤専従の仕事に役立つ資格として、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修、介護福祉士が挙げられます。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護職員の入門資格です。厚生労働省では在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を修得する研修と位置付けています。

介護職員初任者研修を取得するには、全130時間の講義と演習を受講し、修了試験に合格する必要があります。在宅学習とスクールへの通学を組み合わせたスタイルが一般的で、ほぼ毎日通学できる場合は最短1カ月で取得が可能です。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位に位置づけられる資格です。受講要件には介護職員初任者研修の資格は必要はないため、誰でも受講できます。

ただし、保有している資格によって、カリキュラムや取得費用が変わってくる点に注意してください。

無資格者の場合、20科目450時間の受講が必要で最短で6カ月程度かかります。これに対し、介護職員初任者研修の資格があれば、320時間の受講となり、最短2カ月ほどで取得することが可能です。

また、介護福祉士実務者研修の資格と3年以上の実務経験があれば、後述の国家試験である介護福祉士の受験資格が得られます。

介護福祉士

介護福祉士は、介護の資格の中で唯一の国家資格です。

介護福祉士の取得方法は主に3つあります。具体的には、介護福祉士実務者研修からステップアップする「実務経験ルート」、福祉系の大学や専門学校で学んで取得する「養成施設ルート」、福祉系高校で学んだのち介護福祉士を受験する「福祉系高校ルート」です。

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夜勤専従の特徴を踏まえて働き方を決めよう

  • 夜勤専従は夜勤のシフトにだけ入る働き方
  • 夜勤専従として働くメリットは、日勤に比べると給料が高いこと
  • 夜勤専従として働くデメリットは、昼夜逆転の生活になること
  • 夜勤専従の仕事に役立つ資格は、介護職員初任者研修や介護福祉士など

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