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介護予防とは?サービスの種類や目的、役立つ資格について解説

資格仕事内容介護職・ヘルパーa year ago

「介護予防の仕事について知りたい」「介護予防にはどのような種類があるのだろう」
介護職への就職や転職を検討する方の中には、このように気になる方もいるでしょう。

事前に介護予防に関する理解を深めておけば、介護の仕事に就いたあとにギャップを感じることなく働けるはずです。
本記事では介護予防の概要やサービスの種類についてご紹介します。また、仕事内容や役立つ資格についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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介護予防とは

介護予防とは、厚生労働省によると「要介護状態の発生をできる限り防ぐこと」「要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」と定義されています。

このように、予防のみならず要介護状態の軽減を目指すことも「介護予防」です。

引用:厚生労働省

介護予防の目的

介護予防の目的は、高齢者の心身機能の向上や栄養状態の改善、環境調整などを支援し、生活の質(QOL)を向上することです。
また、高齢者が自立して日常生活を送り続けられる環境づくりも目的の一つとされています。

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介護予防サービスを行う重要性

高齢者ができる限り健康な状態を維持し、社会に参加して生きがいを持って暮らすために、介護予防は重要です。早期から介護予防などの支援を行うことで、高齢者が要介護状態となるのを遅らせられるでしょう。

高齢化や医療・介護の担い手不足といった社会的背景からも、介護予防は重要です。総務省統計局によると、2022年9月時点における日本の65歳以上の高齢者の人口は、3,627万人となりました。前年の3,621万人に比べ6万人が増加し、過去最多となっています。

また、内閣府によると、要介護(要支援)認定者数は、2000年4月から2017年4月の17年間で、約2.9倍に増加しています。要介護者が増えるにつれて、介護の担い手は不足していくため、できる限り介護予防をすることが大切だといえます。

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介護予防サービスの種類

介護予防サービスの主な種類は以下のとおりです。

  • 介護予防訪問看護
  • 介護予防訪問入浴介護
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 介護予防居宅療養管理指導
  • 介護予防通所リハビリテーション
  • 介護予防短期入所生活介護
  • 介護予防短期入所療養介護
  • 介護予防特定施設入居者生活介護
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護
  • 介護予防認知症対応型通所介護
  • 介護予防認知症対応型生活介護

サービスによって、対象者の条件には多少違いがあるものの、基本的に介護予防サービスは要支援の認定を受けた方に対して提供されます。
以下では、介護予防サービスにおいて職員がどのような業務を担うのかを見ていきましょう。

介護予防訪問看護

介護予防訪問看護とは、要支援認定を受けた方の介護予防を目的として、看護師などが一定の期間居宅を訪問して提供するサービスです。医師の指示のもと、療養上のサービスや診療の補助を行います。

介護予防訪問看護における職員の主な仕事内容は、以下のとおりです。

  • 病状や障がいの観察と判断
  • 健康管理
  • 食事や排せつのケア
  • 水分や栄養の管理
  • リハビリや日常生活動作の訓練
  • 医療的なケア
  • 薬の飲み方の指導と管理
  • 看護や介護方法に関する相談やアドバイス
  • 利用者の家族に対する悩みの相談対応
  • かかりつけ医師との連絡や調整

介護予防訪問入浴介護

介護予防訪問入浴介護とは、一定の期間、居宅を訪問して行う訪問入浴サービスです。全身浴や部分浴のほかに、清拭や体温・血圧・脈拍等の測定、更衣の介護なども行います。

介護予防訪問リハビリテーション

介護予防訪問リハビリテーションとは、介護予防を目的として、一定の期間、居宅を訪問してリハビリテーションを行うサービスです。訪問を担当するのは理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの職種です。高齢者が自立して生活できるよう心身機能を維持・改善するためにリハビリテーションを行います。
介護予防訪問リハビリテーションで提供する主なサービスは、以下のとおりです。

  • 関節拘縮の予防
  • 筋力・体力の維持
  • 自主トレーニングの指導
  • 屋内および屋外における歩行練習
  • 寝返りや起き上がり、移乗動作といった基本動作の訓練
  • 食事や更衣、入浴、トイレ動作などの日常生活で必要な動作の訓練
  • 福祉用具・自助具の提案
  • 住宅改修に関する助言

介護予防居宅療養管理指導

介護予防居宅療養管理指導は、介護予防を目的として療養上の管理・指導を行うサービスです。病院や診療所、薬局の医師や薬剤師などが対応します。

介護予防通所リハビリテーション

介護予防通所リハビリテーションとは、デイケアとも呼ばれるサービスです。介護老人保健施設や病院、診療所などの施設において、理学療法や作業療法、言語療法などのリハビリテーションを行います。なお、サービスを受ける方は施設に通所します。

介護予防短期入所生活介護

介護予防短期入所生活介護とは、ショートステイとも呼ばれるサービスです。要支援認定を受けた方が特別養護老人ホームなどで短期間入居し、日常生活に必要な食事・入浴・排泄などの介護や支援、機能訓練などを受けます。

介護予防短期入所療養介護

介護予防短期入所療養介護とは、介護老人保健施設などに短期間入居する方に提供するサービスです。職員は、医療や看護の提供、医学的管理を必要とする介護や支援、機能訓練などを行います。

介護予防特定施設入居者生活介護

介護予防特定施設入居者生活介護とは、施設において提供される介護予防サービスです。要支援認定を受けた方に、食事や入浴、排泄などの介護や日常生活の支援、機能訓練、療養上の世話を行います。介護予防特定施設入居者生活介護を提供できるのは、主に以下の3種類の施設です。

  • 軽費老人ホーム
  • 有料老人ホーム
  • 養護老人ホーム

サービスは「介護予防特定施設サービス計画」と呼ばれる計画内容に沿って提供されます。

介護予防小規模多機能型居宅介護

介護予防小規模多機能型居宅介護とは、サービスの拠点となる施設や利用者の居宅において、生活に必要な食事や入浴、排泄などの介護や支援、機能訓練を行うサービスです。
利用者が日帰りで利用する通いと、泊まりで利用する宿泊、利用者のもとに職員が赴く訪問の3種類のサービスがあります。

介護予防認知症対応型通所介護

介護予防認知症対応型通所介護とは、要支援と認定された認知症の方に提供されるサービスです。職員は利用者の生活に必要な食事や入浴、排泄などの介護や支援、機能訓練を行います。利用者は老人デイサービスセンターなどの施設に日帰りで通ってサービスを受けます。

介護予防認知症対応型生活介護

介護予防認知症対応型通所介護とはグループホームで生活する認知症の方を対象に、必要な介護や支援、機能訓練を行うサービスです。入居者は5人~9人といった少人数でユニットを構成して共同生活を送ります。入居者の症状の進行を遅らせ、自立した生活への復帰を目指すのがサービスの目的です。
介護予防認知症対応型通所介護と同じく、要支援の認定を受けた認知症の方が対象になります。

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介護予防の仕事に役立つ資格

介護予防の仕事に役立つ資格は複数ありますが、ここでは2つの資格を紹介します。
どちらも取得することで介護予防に必要な専門的な知識・技術を身に付けられるため、介護業界に就職や転職をする際に活かせるでしょう。

介護予防運動指導員

介護予防運動指導員とは、地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターが認定する民間資格です。資格を取ることで、運動指導や栄養指導など知識や技術を身に着け、高齢者が健康的に自立した生活を送れるようサポートできます。

資格を取得するには、地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターが指定する事業所で講習を受け、修了試験に合格しなければなりません。

受講科目は老年学や介護予防概論、筋力向上トレーニングに関する持論や実習、口腔機能向上プログラムなど全23講座で、合計約31.5時間です。費用は講習会を開催する事業者によって異なりますが、8~9万円前後かかります(2018年10月31日時点)。

介護予防運動指導員には受講資格があり、受講できるのは以下の資格を持っている方です。

  • 初任者研修修了+実務経験2年以上
  • 実務者研修修了
  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員
  • 社会福祉士
  • 健康運動指導士等
  • 訪問介護員2級以上+実務経験2年以上の者
  • 医療関係の国家資格(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、歯科衛生士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士)

上記国家資格の養成校などの卒業見込み、かつ、資格取得見込み者

介護予防指導士

介護予防指導士は、特定非営利活動法人 日本介護予防協会が認定する民間資格です。資格を取ることで、転倒予防の運動や、筋力トレーニング、栄養ケア、口腔ケアなど、介護予防の指導に関する知識やスキルを身につけられます。

資格を取得するには、特定非営利活動法人日本介護予防協会が実施する講習を受講し、修了の認定を受けなければなりません。受講科目は介護予防概論や栄養ケアなどをはじめとする、全10科目です。講習時間は約21.5時間で、3日程度で資格取得を目指せます。費用は認定料、テキスト代を含めて税込54,000円です(2023年5月28日現在)。

介護予防指導士には受講資格があり、受講できるのは以下の資格が必要になります。

  • 介護系の資格(介護福祉士、初任者・基礎・実務者研修修了、ヘルパーなど)
  • 看護系の資格(看護師、准看護師、保健師など)
  • リハビリ系の資格(理学療法士、作業療法士、言語聴覚 士など)
  • 運動指導系の資格(健康運動指導士、健康運動実践指導者など)
  • そのほか、高齢者に関わる資格

上記資格に関する養成校などを卒業見込み且つ資格取得見込み

いずれの資格も、講習の受講条件や講座の内容は変わる可能性があるので、詳しくは公式サイトなどで確認すると良いでしょう。

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介護予防について理解しよう

  • 介護予防は高齢者の生活の質(QOL)を向上させることを目的としている
  • 介護予防では、高齢者の運動機能や栄養状態を改善し、環境調整などの必要な支援を行う
  • 高齢化や介護・医療の担い手不足が深刻になっており、介護予防が重要視されている
  • 介護予防の仕事に役立つ資格として「介護予防運動指導員」や「介護予防指導士」がある

介護予防に関わる仕事は、社会的にも大きな意味を持ち、重要な役割を果たします。種類や役立つ資格を理解して、就職・転職に役立てましょう。

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