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病院と医院の違いとは?それぞれの特徴や働き方を紹介

3 days ago

「病院と医院の違いがよく分からない」という方もいるでしょう。病院と医院は、病床数や医療スタッフの人数、役割などが異なります。この記事では、病院と医院の主な違いや医療法による医療施設の種類などを紹介します。病院と医院で働くうえでの、業務内容や勤務形態、給与などの違いについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

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病院と医院の違いとは?

医療法の定義によると、病院と医院の主な違いは「病床の数」です。
e-Gov法令検索「医療法 第1条の5」によると、病院とは、20人以上の患者を入院させるための施設を有するものと定められています。一方で、医院(診療所)の場合、入院施設を有しないもの、または19人以下の患者を入院させるための施設を有する施設のことを指すのが特徴です。

医療法による医療施設の種類

e-Gov法令検索「医療法 第3条」によると、医療機関は「病院」と「診療所」の大きく2つに分けられており、名称のつけ方に関しては、以下のように定められています。

  • 疾病の治療(助産を含む)をなす場所であって、病院または診療所でないものは、これに病院・病院分院・産院・療養所・診療所・診察所・医院・そのほか病院または診療所に紛らわしい名称をつけてはならない
  • 診療所は、これに病院・病院分院・産院・そのほか病院に紛らわしい名称をつけてはならない

つまり、「医院」は医療法上、「診療所」に区分される医療施設につけられる名称の一つと整理されています。なお、診療所は「医院」以外にも、「クリニック」や「◯◯内科」などの名称を用いることも可能です。

参考:e-Gov法令検索「医療法」

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病院と医院の主な違い

病院と医院の違いは、病床の数以外にも複数あります。ここからは、「医師や看護師の人数」「施設数」「役割」の観点から、病院と医院の違いを見ていきましょう。

医師や看護師の人数

厚生労働省「病院・診療所病床に関する主な人員の標準」によると、病院や医院(診療所)の人員配置基準は、以下のように定められています。

                                                                                                                              
医療施設・病床の種類医師薬剤師看護職員看護補助者
病院一般病床16:170:13:1
療養病床48:1150:14:14:1
精神病床
(大学病院など)
16:170:13:1
精神病床
(上記以外)
48:1150:14:1
感染症病床16:170:13:1
結核病床16:170:14:1
診療所療養病床1人4:14:1
一般病床

参考:厚生労働省「病院・診療所病床に関する主な人員の標準」

医療機関では、入院患者の数に応じて、必要な医療従事者の人員が職種ごとに設定されています。たとえば、病院の一般病床における医師の必要数は、16人の入院患者に対して1人です。ただし、医院の場合、医師は入院患者の人数にかかわらず、最低1人以上配置されていれば良いとされています。

また、病院では配置が義務付けられている薬剤師や看護職員、看護補助者などについて、医院の一般病床では原則として配置基準がない点も、病院と医院の違いの一つです。
なお、病院の場合、上記の職種に加えて、歯科医師や栄養士、診療放射線技師などについても、入院患者数や病床数に応じて、配置すべき人数が決められています。

参考:厚生労働省「公開プロセス」

施設数

厚生労働省「令和6(2024)年 医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、2024年10月時点での病院・医院(診療所)の施設数は、以下のとおりです。

  • 病院:8060施設
  • 一般診療所(有床):5415施設
  • 一般診療所(無床):9万9792施設

医院の施設数は、病院の施設数を大きく上回っているのが特徴です。また、医院のうち94.9%が病床を持たず、外来診療を中心に行う施設となっています。

参考:厚生労働省「令和6(2024)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」

役割

病院と医院は、主な役割も異なります。医院では主に、初期診療の役割を担っているのが特徴です。前述のとおり、医院は施設数が多いこともあり、地域に密着して医療を提供しています。そのため、緊急性が比較的低い症状に対する診療は、医院が受け持つのが一般的です。

一方、病院は、診療所に比べると規模が大きく、緊急度の高い患者や専門的な治療を必要とする患者を多く受け入れているのが特徴です。そのため、基本的には、医院での診療が難しいと判断された場合に、医院から紹介を受け、病院での診療や検査などが行われる流れが多いでしょう。

このように、必要な医療を必要な患者に適切に提供できるよう、医院と病院は異なる役割を担っています。

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病院と医院の働くうえでの違いは?

ここまで、病院と医院の主な違いを見てきました。では、病院と医院は、働くうえでも違いがあるのでしょうか。ここからは、看護師が働く場合の、病院と医院の違いを紹介します。

業務の内容の違い

医院で働く看護師の主な業務は、外来診療における医師の診療補助や問診、バイタルの測定などです。また、医院によっては、看護師が受付業務や電話対応、事務作業などを行う場合もあります。
医院の場合、主な診療の対象は、緊急度が比較的低い患者です。そのため、イレギュラー対応が起こる可能性は低く、一定のルーティンで働けることが多いでしょう。
よって、比較的定型化した働き方をしたい方や、ブランク明けなどで、専門的な看護技術が求められる場面が少ない環境で働きたい方などは、医院での業務が向いているといえます。

一方で、病院で働く看護師の場合、医師の診療の補助に加えて、入院患者の療養上の世話や医師による手術・検査の補助など、より幅広い業務に携わることとなります。看護師の主な業務は、配属先によって異なる場合もありますが、医院での業務と比べると、臨機応変な対応が求められる場面が多いでしょう。
そのため、看護師として多くの経験を積みたい方や、より専門的な看護スキルを磨きたい方は、病院での業務が向いているといえます。

勤務形態の違い

医院と病院では、看護師の勤務形態も異なります。入院設備がない医院では、診療時間が決まっているため、大幅な残業や夜勤が発生することは少ないのが特徴です。そのため、医院で働く看護師は、日勤中心で働けるケースが多いでしょう。医院によっては、短時間勤務が可能なところもあるため、プライベートと両立しながら働いている看護師も多いようです。

また、医院のなかには、週に1~2日の休診日を設けているところもあり、多くの場合、特定の曜日を休診日としています。そのため、医院で働く看護師は、勤務のリズムが整えやすかったり、プライベートの予定が立てやすかったりするメリットがあるでしょう。

一方、病院は入院設備を伴うため、夜勤が発生する可能性が高いのが特徴です。病院の場合、365日体制で稼働しているのが基本であるため、看護師の勤務リズムは不規則になりやすいでしょう。

また、病院看護師は、2交代または3交代制で働くケースも多く、医院に比べると勤務時間が比較的長くなりやすい傾向にあります。そのため、体力に自信がある方や、平日に休みをとりやすい環境で働きたい方は、病院での勤務形態が向いているでしょう。

給与の違い

公益社団法人日本看護協会「2021年 看護職員実態調査」によると、病院と医院の、フルタイムで働く看護師の給与の違いは、以下のとおりです。

医療機関の種類 平均基本給額 平均税込給与総額
病院 27万7696円 38万6046円
診療所 25万9062円 35万4563円

参考:公益社団法人日本看護協会「2021年 看護職員実態調査」

病院勤務の看護師の給与は、医院勤務の場合に比べると、平均して2~3万円程度高い傾向にあるようです。この背景には、残業の回数や夜勤の有無なども関係していると考えられるでしょう。

病院は医院に比べると規模が大きいため、看護師が就ける役職も多く、キャリアアップできる可能性が高い特徴があります。また、施設規模が大きい病院の場合、経営が安定しやすい傾向にあるため、基本給が高く設定されていたり、手当の種類が多かったりすることもあるでしょう。
そのため、給与面を重視したい看護師は、昇給制度や手当が充実している病院を探してみるのがおすすめです。

参考:公益社団法人日本看護協会「日本看護協会調査研究報告シリーズ」

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病院と医院は施設形態や働き方の違いがある

  • 医療法に基づく病院と医院の違いは、病床の数
  • 病院と医院の違いには、医師・看護師の人数や施設数なども挙げられる
  • 看護師の主な業務内容や働き方は、病院と医院で違いがある

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