仕事内容・働き方

介助とは?仕事内容や介護との違いを解説

仕事内容a year ago

「介助とはどのようなものなのか、よく分からない」「介助の仕事内容を詳しく知りたい」という方もいるでしょう。

医療や介護、福祉業界への転職や就職を検討している場合、介助に関する知識を把握しておくことは大切です。特に介助に関わる仕事に就きたい方は、事前に理解を深めておくことでギャップを感じることなく働き始められるでしょう。

本記事では介助とは何かをご説明します。また、介助業務の種類や介助の仕事に役立つ資格を詳しく解説します。

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介助とは

介助とは、日常生活の中で必要となる行動や動作をサポートする行為のことです。食事や入浴、排泄、移動などをサポートする際の言葉として用いられます。介助を行う際は、介助を受ける人にできるだけ自身の力を使ってもらいつつ、安全に動けるよう補助します。

介助と介護の違い

介護とは、一人で日常生活を送ることが困難な方に対して、自立を支援する行為全般を意味します。対して、介助は日常生活の中で必要となる行動や動作をサポートする行為です。
つまり、介助は介護の目的である「自立」を実現するための手段の一つといえるでしょう。

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種類別!介助の仕事内容

介助にはいくつかの種類があり、要介助者の心身の状態によって、行うべき介助の内容は異なります。以下で、介護や医療の現場で提供される主な介助の内容について、種類別に紹介します。

食事介助

食事介助は、自分で食事を摂ることが困難な方に対して行うサポートです。食事の前、食事中、食事のあとに、以下のようなことを行います。

  • 部屋の明るさや臭いの有無などを確認し、食事に適した環境に整える
  • 口腔内の雑菌を洗い流すため、要介助者にうがいをしてもらうか、スポンジで口の中をきれいにする
  • 献立の説明を行い、要介助者の食欲を刺激する
  • 食事の前に水やお茶を飲ませ、スムーズに嚥下できるように要介助者の口腔内を潤す
  • 要介助者のペースに合わせて食事を口に運ぶ
  • 食後は口腔ケアを行い誤嚥性肺炎を予防する

食事の前には、しっかりと要介助者を覚醒させることが大切です。要介助者の意識がはっきりしないまま食事介助をしてしまうと、誤嚥や窒息のリスクが高くなります。声を掛けたり姿勢を整えたりして覚醒を促します。
また、食事の介助中は、椅子に座っている要介助者の首が後ろに倒れないよう注意しましょう。
動作をサポートするだけでなく、食事を楽しんでもらえるような工夫やコミュニケーションを取ることも介助において意識したいポイントです。

排泄介助

排泄介助とは、自分で排泄することが困難な方に対して行うサポートです。具体的にはトイレやポータブルトイレへの誘導、オムツ交換などが該当します。

トイレの介助では、以下のようなサポートを行います。

  • トイレまでの移動と、下衣と下着を下ろす動作を手伝う
  • 便座に座ってもらったあと、一人で座位の姿勢を保てる方の場合、介助者は一旦トイレの外に出る。姿勢が保てない方の場合は側で付きそう
  • 排泄が終了し、コールが鳴ったらトイレの室内に入ってトイレットペーパーで汚れを拭き取る

移動が難しい方の場合は、以下のようにオムツ交換を行います。

  • 下衣を下ろしておしり拭きやティッシュで排泄物を拭き取り、陰部を清潔にする
  • 皮膚の状態を観察する
  • 新しいオムツと尿取りパッドに取り替える

排泄介助は羞恥心を伴うことが多く、自尊感情の低下を招きかねません。できることは自分で行ってもらい、スムーズに介助を行いましょう。トイレに間に合わず失禁してしまった際は、言葉のかけ方に注意し、尊厳を傷つけない配慮が大切です。

トイレでは、介助者が目を離している間に転倒したり、便器から転落したりすることがあります。手すりをしっかり握っているか、便器に座ったときに安定しているかを確認しましょう。オムツ交換は、尿路感染や床ずれを防ぐために、適切なタイミングで行うことが大切です。
また、健康状態を把握するため、排泄物を観察することも排泄介助の仕事の一つです。

入浴介助

入浴介助とは、自分で入浴することが困難な方に対して行うサポートです。身体を清潔にするだけでなく、感染を予防する効果や健康を増進させる効果、リラックス効果なども期待できます。

入浴介助で行う主なサポートは以下のとおりです。

  • 入浴前に要介助者の体調を確認する(体温や血圧、呼吸状態、顔色、食欲など)
  • 脱衣所への移動と脱衣をサポートする
  • 頭から足先の方へと洗い、最後に陰部を洗う(自分で洗えるところは洗ってもらう)
  • 入浴後はタオルで水分を拭き取り、更衣介助を行う
  • 体調の変化を観察し、水分摂取と休息を促す

入浴は転倒や溺水などの事故が起こりやすいため注意が必要です。対応方法を誤れば死亡につながる可能性もあります。事故を予防するために、目を離さず、移動する際はしっかりと付き添いましょう。

また、長時間の入浴や急な環境の温度変化などによって、体調が悪化する場合もあるため、要介助者の状態を十分に観察しながら介助し、事故を予防しましょう。

歩行介助

歩行介助とは自力での歩行が困難な方に対して、転倒を予防しながら歩くサポートをすることです。

歩行介助の種類は主に以下の3種類あります。

  • 見守り歩行介助
  • 寄り添い歩行介助
  • 手引き歩行介助

見守り歩行は、杖などを使って自身の力で歩ける方に行う介助です。バランスを崩したときにすぐに支えられるように、要介助者の斜め後方について歩行を見守ります。
寄り添い歩行介助は、要介助者に寄り添って歩行をサポートする介助方法のことです。要介助者の脇の下に手をまわして支えながら、要介助者のペースや歩幅に合わせて一緒に歩行します。
また、手引き歩行は要介助者と向かい合い、手を取り合って歩行する介助方法のことを指します。

いずれの場合も、歩行介助を行う際には、障がい物や段差がないか確認しておきましょう。要介助者は少しの段差や障がい物でつまずき、転倒する可能性があります。下衣を踏んでしまい転倒するケースもあるため、要介助者の服装や履物が歩行に適しているかを確認することも重要です。

移乗介助

移乗介助とは、ベッドと車椅子、車椅子とトイレの間などの移動が自力でできない方に対して行う介助です。
ベッドと車椅子間の移乗介助では、介助者が要介助者の背中に手をまわして支え、声を掛けながら車椅子に移動させます。要介助者の状態によって、介助の方法や支える際に必要な力は異なります。

ベッドから車椅子への移乗介助の際は、車椅子とベッドの高さを合わせることが大切です。高さが合っていないとベッドや車いすから転落し、打撲や骨折などの怪我をする恐れがあります。また、介助を行う前に車椅子にブレーキがかかっているかといった確認をすることも、事故を防ぐために重要です。

更衣介助

更衣介助とは自力での着替えが困難な方に行う介助のことです。衣服は外部環境から身体を守り、体温を調節する役割があります。また、服を着替えることで、気分転換になったり生活にメリハリを付けたりすることもできるでしょう。

介助を行う際は室温に注意します。肌を露出したり薄着になったりするため、特に冬場は寒くならないよう調整しましょう。
また、カーテンやパーテーションを使用し、周囲から見えないように配慮することも大切です。バスタオルなどを掛けて、肌の露出が最低限となるよう心がけましょう。

寝返り介助

寝返り介助とは、自力での寝返りが困難な方に対して行う介助のことです。
長時間同じ姿勢で寝ていると、同一部位の圧迫により床ずれを発症するリスクが高まるため、定期的に体位を変える必要があります。
日本褥瘡学会では「体位変換の時間間隔は基本的に2時間を超えない範囲で」としています。要介助者の状態に合わせて寝返り介助を行う時間の間隔を設定し、褥瘡を予防しましょう。

また、寝返り介助の際は、自然な動きをイメージするのがポイントです。介助者・要介助者ともに、身体への負担が少なくなります。

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介助の段階

介助は、要介助者の状態に応じて4段階に分けられます。
「食事は自身でできるものの、移動は車椅子で全介助が必要」というように、同じ要介助者でも必要な介助やそのレベルが異なります。一人ひとりの状態を動作ごとに観察し、その人に合った介助を行いましょう。

自立

自立とは、食事や排泄、更衣、入浴などの日常生活動作が自分でできる状態です。
基本的に介助は必要ありません。ただ、「歩行状態に変化はないか」「できていた動作が困難になっていないか」を定期的に評価をすることが大切です。

一部介助

一部介助とは、自立に近い状態で日常生活動作はできるものの、部分的には見守りや簡単な介助が必要な状態です。
たとえば、一人で歩行はできるもののふらつきがある場合、転倒のリスクに配慮し、見守りや付き添いなどの介助が必要になります。

半介助

半介助とは、一部介助よりも自分でできる日常生活動作が限られた状態です。
サポートは必要ですが自分でできることも残っているため、持っている力を最大限に活かした介助を行います。

全介助

全介助とは、サポートがあっても日常生活動作を自力で行うのが困難で、全てに介助が必要な状態です。
自分でできることが少なくなるため、要介助者の中には気持ちが落ち込んだり、すべてを他者に委ねることに不安や恐怖を抱いたりする方もいます。相手の思いに寄り添い、どのような介助を必要としているのかを汲み取りながらサポートをすることが大切です。

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介助に役立つ資格

介助の仕事に役立つ資格は多岐に渡ります。たとえば、介助に必要な知識や技術、おもてなしの心を学べる「サービス介助士」という資格がその一つです。公益財団法人日本ケアフィット共育機構が認定している資格で、「ケアフィッター」とも呼ばれています。

サービス介助士は年齢や障がいの有無に関わらず、誰もが社会に参加できるように、必要なお手伝いを相手の人や状況に合った方法で行えることを証明する資格です。資格を取得することで、視覚障がい者の手引きや車椅子の介助などを適切に行うスキルが身につきます。

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介助の仕事内容について理解しよう

  • 介助とは、日常生活の中で必要となる行動や動作をサポートすること
  • 介助は行為そのもの、介護は日常生活を支援するためのサポート全般を表す
  • 介助には食事介助、排泄介助、入浴介助、歩行介助、移乗介助、寝返り介助などがある
  • 自立、一部介助、半介助、全介助など、要介助者の状態に応じて主に4段階の介助レベルに分けられる
  • 介助に役立つ資格「サービス介助士」は、介助に必要な知識や技術、おもてなしの心を学べる

本記事で紹介した介助の仕事内容を把握し、ぜひ就職や転職に活かしてください。

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