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理学療法士はやめとけといわれる理由は?働くメリットも紹介
a day ago

「理学療法士はやめとけといわれる理由がよく分からない」という方もいるでしょう。理学療法士はやめとけといわれる理由の一つには、年収が低い傾向にあることが挙げられます。この記事では、理学療法士はやめとけといわれる主な理由を紹介します。理学療法士として働くメリットや向いている人の特徴についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
理学療法士はやめとけといわれる理由
「理学療法士はやめとけ」という声を聞いたことがある方もいるでしょう。理学療法士は、年収の低さや休暇のとりづらさなどの理由から、「理学療法士はやめとけ」といわれることがあるようです。ここでは、「理学療法士はやめとけ」といわれる主な理由を4つ紹介します。
理学療法士の年収は低い傾向にある
「理学療法士はやめとけ」といわれる理由の一つには、理学療法士の年収が低い傾向にあることが挙げられます。
政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、理学療法士の平均給与額は、以下のとおりです。
- きまって支給する現金給与額:31万1400円
- 年間賞与その他特別給与額:70万4700円
上記の金額から年収換算(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額)すると、理学療法士の平均年収は約444万円です。なお、上記金額は「理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士」の平均となるため、理学療法士のみの場合とは多少のずれがある可能性があります。
一方、医療分野におけるほかの職種の平均給与額・平均年収は、以下のとおりです。
職種 | きまって支給する 現金給与額 |
年間賞与その他 特別給与額 |
平均年収 |
---|---|---|---|
医師 | 102万5900円 | 106万9300円 | 1338万100円 |
診療放射線技師 | 37万5600円 | 99万1300円 | 549万8500円 |
看護師 | 36万3500円 | 83万5000円 | 519万7000円 |
臨床検査技師 | 34万3300円 | 92万3800円 | 504万3400円 |
理学療法士(※) | 31万1400円 | 70万4700円 | 444万1500円 |
※作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士を含む
参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
上記のとおり、理学療法士の給与および年収は、ほかの医療職と比べると比較的低い傾向にあります。年収は同じ分野のほかの職種と比較されることも多いため、医療分野の中で年収が低い傾向にある理学療法士はやめとけといわれることがあるようです。
参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
理学療法士の人数が増えている
理学療法士は資格を取得する人が多く、飽和状態になりつつあることも、理学療法士はやめとけといわれる理由の一つです。
厚生労働省「理学療法士・作業療法士の需給推計について」によると、2019年時点で、理学療法士および作業療法士の供給数は需要数を上回っており、2040年ごろには供給数が需要数の約1.5倍となることが予想されています。このように、理学療法士は飽和状態になりつつあり、将来働き口が少なくなる可能性があることが懸念されているようです。
実際、公益社団法人日本理学療法士協会「統計情報」によると、理学療法士国家試験の合格者は、2017年度ごろから、1万人前後を維持しています。
そのため、高齢化に伴い、理学療法士の需要は高まる見込みである一方で、需要の偏りなどにより、将来的には理学療法士の働き口が見つけにくくなる可能性もあるでしょう。
参考:厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第3回)」
公益社団法人日本理学療法士協会「統計情報」
人間関係に悩むことも多い
理学療法士はやめとけといわれる理由には、人間関係に悩む理学療法士が多いことも挙げられます。
理学療法士は、医師や看護師、作業療法士など、さまざまな職種と連携をとりながら業務を行う職種です。そのため、業務の中では、苦手だと感じる人と関わる必要があったり、多くの人と関わる中で人間関係に疲れたりすることもあるでしょう。
また、理学療法士は、患者と密にコミュニケーションをとりながら、リハビリを行います。特に規模の大きな施設で働く理学療法士の場合、多くの患者と接するため、考え方や性格が合わないと感じる場面もあるでしょう。
このように、理学療法士は日々多くの人と関わる仕事であり、人間関係に悩む可能性も高いことから、「理学療法士はやめとけ」といわれることもあるようです。
休暇をとりにくいこともある
理学療法士は、業務上まとまった休暇をとりにくい職場が多いことも、「理学療法士はやめとけ」といわれる理由の一つです。
理学療法士が働く職場によっては、365日リハビリを実施しているところもあります。その場合、年末年始やゴールデンウィークなどの連休期間中であっても、複数の理学療法士が交代で勤務する必要があるため、まとまった休暇はとりにくいでしょう。
また、理学療法士の人数が少ない職場の場合も、急な休みをとりづらかったり、希望する日に休めなかったりと、休暇制度に対して不満を感じることもあるようです。
理学療法士として働くメリット・やりがい
理学療法士として働くうえでは、メリットややりがいだと感じることもあります。ここからは、理学療法士として働くメリットややりがいを見ていきましょう。
理学療法士の就職先にはさまざまな分野がある
job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理学療法士(PT)」によると、理学療法士の就職先には、以下のようなものがあります。
- 病院
- リハビリテーションセンター
- 障がい者福祉センター
- 障がい児通所・入園施設
- 保健福祉センター
- 老人保健施設
- 高齢者介護施設
上記以外にも、プロスポーツチームに所属し、けがの予防や処置、トレーニングの指導などを行う理学療法士もいます。このように、さまざまな分野・職場で活躍できる可能性があることが、理学療法士として働くメリットの一つです。
参考:job tag(厚生労働省 職業情報提供サイト)「理学療法士(PT)」
夜勤がなく生活リズムを整えやすい
理学療法士の職場には、夜勤がなく、日勤中心で働けるところが多い点も、理学療法士として働くメリットの一つです。通常、患者のリハビリは日中に行われることが多く、夜間対応は行っていないクリニックもあります。そのため、理学療法士は、日勤中心の働き方ができる職場を見つけやすいでしょう。
入院設備がある病院や施設で働く理学療法士の場合、宿直を任せられることもあると考えられます。しかし、宿直の頻度は月に1~2回程度が一般的であるため、生活リズムは比較的整えやすいでしょう。
患者の回復する姿を見られる
理学療法士のなかには、患者の回復する姿を直接見られるため、やりがいをもって働けると感じている方も多いようです。
理学療法士は、患者とともに日々のリハビリに取り組みます。その中で、徐々に身体機能が回復し、できることが増えていく患者の姿を見られると、理学療法士の仕事への誇りや、大きなやりがいを感じられるでしょう。
また、理学療法士として働く中では、患者やその家族から、直接感謝の言葉をかけてもらう機会もあると考えられます。そのような患者の声が、仕事への励みやモチベーションを高めるきっかけになっていると感じる理学療法士も多いでしょう。
理学療法士に向いている人の特徴
ここでは、理学療法士に向いている人の特徴を3つ紹介します。
人と関わることが好きな人
理学療法士に向いている人は、人と関わることが好きな人です。前述のとおり、理学療法士の業務の中では、ほかの職種と連携をとりながら働く場面や、患者やその家族などとコミュニケーションをとる機会が多くあります。そのため、人と関わることが好きな人や、コミュニケーション能力が高い人は、理学療法士に向いているでしょう。
観察力・洞察力に長けている人
観察力や洞察力に長けている人は、理学療法士に向いているといえます。理学療法士は、リハビリをとおして、患者がどのように回復に向かっているかを把握することが必要です。そのため、理学療法士には、小さな変化にも気づける鋭い観察力や洞察力が求められるでしょう。
忍耐力がある人
理学療法士に向いている人の特徴には、忍耐力があることも挙げられます。理学療法士がリハビリを行う患者のなかには、障がいや慢性的な病気により、身体機能が低下している方も多くいるでしょう。そのような場合、身体機能を回復させるためには、長期的なリハビリが必要になるケースも多く見られます。
また、症状の改善が見られない患者に対しては、患者のリハビリに対するモチベーションを保ちながら、別のアプローチ方法を試すなどの対策が必要です。そのため、理学療法士には、忍耐力や前向きにリハビリに取り組む姿勢が求められるでしょう。
理学療法士はやめとけばよかったと思わないためには
ここまで、理学療法士はやめとけといわれる理由や、理学療法士として働くメリットなどを見てきました。では、「理学療法士はやめとけばよかった」と後悔しないためには、どのようなことが大切なのでしょうか。ここでは、理学療法士はやめとけばよかったと思わないための方法を2つ紹介します。
資格を取得してスキルを磨く
理学療法士はやめとけばよかった、と思わないための方法の一つは、資格を取得してスキルを磨くことです。
理学療法士のスキルアップにつながる資格には、「認定理学療法士」や「専門理学療法士」などが挙げられます。
公益社団法人日本理学療法士協会「認定理学療法士制度 専門理学療法士制度」によると、認定理学療法士とは、臨床実践分野において、秀でている理学療法士であることを認定する資格です。認定理学療法士には、脳卒中や神経筋障がい、徒手理学療法など、複数の認定分野が設けられており、認定分野ごとに資格を取得できます。
一方、専門理学療法士とは、学問的指向性の高い理学療法士であることを認定する資格制度です。専門理学療法士も、認定理学療法士と同様に複数の認定分野が設けられています。専門理学療法士の場合、基礎理学療法や神経理学療法、スポーツ理学療法など、より学問的な要素の強い分野が多く設けられているのが特徴です。
認定理学療法士や専門理学療法士の資格を取得することで、より専門性の高い知識を身に付けられます。その結果、理学療法士のプロフェッショナルとして活躍できる場が広がったり、患者やほかの職員からの信頼感が上がったりすることで、よりやりがいをもって働けるでしょう。
参考:公益社団法人日本理学療法士協会「認定・専門理学療法士制度について」
自分に合った職場を見つける
理学療法士はやめとけばよかったと思わないためには、自分に合った職場を見つけることも大切です。理学療法士として働く中では、負担を感じることや仕事に対して不満が生じる場面もあるでしょう。その場合は、転職をして職場を変えてみるのも一つの手です。
前述のとおり、理学療法士が活躍できる職場は、医療機関だけでなく、介護施設や保健福祉センター、スポーツチームなど、多岐にわたります。施設の種類や職場が変わると、患者の傾向や働き方も変わるため、より自分に合った職場や環境が見つかることもあるでしょう。そのため、理学療法士はやめとけばよかったと感じる前に、現在とは違う「理学療法士としての働き方」を見つけるのがおすすめです。
理学療法士は年収の低さからやめとけといわれることも
- 理学療法士はやめとけといわれる理由には、休暇がとりにくいことも挙げられる
- 理学療法士として働くうえでのメリットの一つは、就職先の種類が多いこと
- 理学療法士はやめとけばよかったと後悔しないためには、職場選びが重要